バントZooについて(Bant Zoo Primer By Reid Duke)
より
珊瑚砦と聖遺の騎士のコンボを考えてる人も多いと思いますが。
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ここ数ヶ月間、モダンのデッキはジャンドしか回してこなかった。その後、僕は新たなデッキを求めるようになったのだ。しかし、そのデッキはトップメタと十分に渡り合えるものではならない……そうして僕はBant Zooがそれにぴったりだと思ったのだ。僕はこのデッキを携え、GPOKCを11-4という成績で終えることができた。
バントZoo
22 Lands
2 Stirring Wildwood/活発な野生林
1 Plains/平地
1 Forest/森
1 Temple Garden/寺院の庭
1 Hallowed Fountain/神聖なる泉
2 Sacred Foundry/聖なる鋳造所
1 Breeding Pool/繁殖池
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
1 Steam Vents/蒸気孔
4 Windswept Heath/吹きさらしの荒野
4 Arid Mesa/乾燥台地
3 Wooded Foothills/樹木茂る山麓25 Creatures
4 Wild Nacatl/野生のナカティル
4 Noble Hierarch/貴族の教主
4 Voice of Resurgence/復活の声
1 Scavenging Ooze/漁る軟泥
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
4 Knight of the Reliquary/聖遺の騎士
4 Geist of Saint Traft/聖トラフトの霊13 Spells
2 Elspeth, Knight-Errant/遍歴の騎士、エルズペス
4 Lightning Bolt/稲妻
4 Path to Exile/流刑への道
2 Bant Charm/バントの魔除け
1 Lightning Helix/稲妻のらせんSideboard
3 Grim Lavamancer/渋面の溶岩使い
1 Sigarda, Host of Herons/鷺群れのシガルダ
2 Fracturing Gust/引き裂く突風
1 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Stony Silence/石のような静寂
1 Magma Spray/マグマのしぶき
2 Negate/否認
2 Thalia, Guardian of Thraben/スレイベンの守護者、サリア
2 Kor Firewalker/コーの火歩き
この75枚の選択はとてもむずかしい作業であった。15ラウンドを終えてなお、このデッキについて不満点は殆ど無いといっていいだろう。唯一言えるとすれば、サイドにとっているマグマのしぶきを炎の印章にすべきだろう、という程度だ。
Paul Rietzlが似たようなデッキに、ナヤカンパニーについて語っているため、詳しい説明はそれをご覧頂きたい。今回僕はこの2つのデッキの違いについて、メインに語っていきたいと思う。
実際のところ、このデッキのベースとなっているのはPaulのリストである。このデッキの動きに感銘をうけたのである。集合した中隊によって盤上には脅威となるクリーチャーが次々と並ぶこととなる。僕はそのクオリティーを保ってみたかったし、野生のナカティルと貴族の教主を並べる姿を次のモダン競技に想像していたのだ。しかしながら、このデッキにおける問題点にも出会うこととなった。
集合した中隊は確かに強いカードではある。しかしながら、このカードを切り札とするのならば、4マナとしては若干動きが弱いように思ったのだ。言葉を変えよう。このカードは自分がやりたいことをできている時には強いが、逆の場合は弱い、オーバーキル用のカードだと感じたのである。さらに言えば、グリクシスコンや双子がメインに払拭の枚数を増やしているために構造的に弱くなってしまう、という懸念もあった。
たしかに、集合した中隊は特定のマッチアップにおけるシルバーバレット探しにはとても有用なカードである。例えば親和に対する禍汰奇や、トロンに対する月の大魔術師、墓地利用型のデッキに対する漁る軟泥などだ。しかしながら、ジャンドやグリクシスといったフェアデッキとのマッチアップにおいてはタルモゴイフやグルマグのアンコウが地上をがっちりとかためているために、集合した中隊で坊主めくりをしても、一向に地上の盤面は好転しないのである。
そうして、僕は、彼女に出会うことになった。
遍歴の騎士、エルズペスはモダン環境において不当なカードを受けているカードの一つといえよう。また、このカードはとても対処しづらいカードでもある。忠誠度がすぐ5になるために、包囲サイや天界の列柱といったカードによってすぐに落とされるということもない。また、全体除去にもつよく、戦況をひっくり返すこともできるだろう。
消耗戦を要求するデッキ相手では、ズーの利点はどんどんと失われていくこととなる。ジャンドとのマッチアップにおいてはゲーム後半の2:1交換が自身をどんどんと不利なものにしていくことだろう。しかしながら、エルズペスを早く着地させることによって、相手の対応がされる前にライフを削り切ることができる。
そうして、エルズペスがトラフトと手を組むことで、勝利は簡単に手に入れられるのだ。
……さて、きっとここでみんなが聞きたいことが2つあっただろう。ちょうどいいタイミングだし、まずはこれから答えていきたいと思う。
どうして青を使ったのか。
そう、トラフトのためである。
血染めの月を自分で使わないと決めたならば、色をさらに追加することはそれほど難しいことでもない。12枚のフェッチランド、そして4枚の貴族の教主によって、4色デッキのマナ基盤としては十分すぎるものを提供してくれることだろう。(実際には12枚目は取り除いてそこが青い2色土地になったのだけれども、ね)
聖トラフトの霊はロクソドンの強打者より強いカードであり、ピン除去を多量に積んでいるようなデッキに対してとても強く動くことができる。
バントの魔除けは除去として素晴らしい動きをしてくれる。特にタルモゴイフやタシグルを相手にしている時には。また、このカードは双子コンボに対しても有用に動くことができる。また、このカードを採用した理由は謎めいた命令によるロックを対処したかったというものも大きい。瞬唱を採用しているようなデッキに対して、このデッキは強く立ちまわることができる。しかしながら一度このロックが掛かってしまえば簡単に負けてしまうということも容易に想像できるだろう。僕がこのカードを入れたのはそのロックを打ち消すことで回避しようと思っていたためである。
またこのカードは頭蓋囲いや殴打頭蓋、精力の護符を破壊することもできるし、御霊の復讐や裂け目の突破、集合した中隊を打ち消すこともできる。プレイテストをすれば、このカードがどれほど強いカードか理解することは容易にできるだろう。
それとほぼ同様の理由で、否認をサイドボードにつっこんでいる。このカードはとても汎用性のあるカードだろう。実際に75%もの割合で、僕はこのカードをサイド後デッキに入れていたのだ。
そして、もう一つ、皆が気になるものがあるだろう。
どうして、5色目をいれて部族の炎を採用しなかったの?
4色を5色にするためのコストは、3色を4色にするときのものより相当に大きいということができるだろう。もし5色目の投入を決めたならば、マナフラッドでもしないかぎり基本土地をフェッチすることは不可能となるだろう。すこしでも血染めの月に対抗できるように、僕は2枚位は基本土地をフェッチしたいのだ。
Big Zooはまた、火力に依存できるほどのスロットを持っていない。おそらく稲妻のほうが部族の炎よりも強いだろうし、流刑への道やバントの魔除けで双子に対応し無くてはならない。また、このデッキのクリーチャー枚数はおよそ20台中盤の枚数となるだろうし、部族の炎をいれるだけのスペースはもう存在しないと言っていいだろう。
メタ上位デッキとのマッチアップ
双子
双子はこのデッキにとってカモ、という程でもないができれば当たりたいアーキタイプである。双子側がゲームに勝利するための方法は2つある。1つはそそくさとコンボを成立させるもの、そしてもう1つは、序盤のクリーチャーを完全にいなすことによってゲームを長引かせることによって勝利する、というものだ。特に後者はサイドボード後に顕著に見られる。神々の憤怒を打たれないように動かざるをえないこともあるだろう。
つまるところ、双子相手の時には決してゲームを長引かせてはならないのだ。奴らはカウンターを構えながらコンボを成立させようとしてくるし、瞬唱をもちいて消耗戦を要求してきたりする。できることならば3~5ターンでさくさく動いていくことによってプレッシャーを与え、出来る限りはやく相手を殺しきる事が必要となるだろう。また、覚えておいてほしい。このマッチアップにおいて流刑への道はただ自身を守るためのカードではなく、相手を殺すためにも使えるカードなのだ、ということを。
In
2 スレイベンの守護者、サリア
2 否認
Out
2 遍歴の騎士、エルズペス
1 漁る軟泥
1 稲妻のらせん
緑黒系
僕はBig Zooとジャンドはほぼ似たような動きをすると思っている。この2つのデッキの大きな違いは、Zooは速さを、緑黒は持続力を重視したデッキであるというだけである。しかしながら、引くカード次第ではその方向というものは大きく反転することとなるだろう。
つまるところこのマッチアップは古典的なクリーチャーデッキのミラーマッチとしかならないのである。このゲームはひどく閉じたものとなり、トップデッキ次第で戦況が大きく変わることとなるだろう。
In
1 鷺群れのシガルダ
Out
先手:1 タルモゴイフ
後手:1 野生のナカティル
親和
このデッキは大概のフェアデッキに対して5分の相性を持っており、一方でコンボデッキに対しては多少不利な構造となっている。サイドボードで多少対応はできるものの、すべてがそうというわけでもない。このデッキにとって最も都合がいいのは、親和や感染、マーフォークといった、渋面の溶岩使いが活躍するマッチアップであろう。
殆どのデッキがそうであるが、このデッキでも1G目は相当相性が悪いものとなる。しかしながら、サイドボード後にはこの相性はひどく改善し、もう少しサイドボードカードを減らしても、おそらく有利なままでいられるだろう。
In
1 石のような静寂
1 古えの遺恨
2 引き裂く突風
3 渋面の溶岩使い
1 マグマのしぶき(炎の印章)
Out
2 遍歴の騎士、エルズペス
4 復活の声
2 聖トラフトの霊
感染
相手のクリーチャーは大量の除去によって簡単にさばくことができるし、サイドボード後には渋面の溶岩使いも使うことができる。感染というデッキ自体は勝ちやすいデッキでこそあるが、このデッキ相手にそれをもぎ取ることは難しいだろう。
In
1 古えの遺恨
3 渋面の溶岩使い
1 マグマのしぶき(炎の印章)
2 スレイベンの守護者、サリア
1 否認
Out
2 遍歴の騎士、エルズペス
4 復活の声
2 聖トラフトの霊
まとめ
モダン最強のデッキは存在しないといえるだろう。調整を続けるうちにこのバントZooはジャンドと同じくらいに戦える力を持っているといえるだろう。また、ジャンドと異なり、このデッキはとても早い動きができるために、重いデッキ相手や、そのようなカードを引く相手に対してはとても強いデッキとなるだろう。今回Zooを持ちだした理由としては、調整がしやすく、様々なバリエーションを作り出すことができる、という点、そして使っていて楽しいという点もある。