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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

BFZランドとヴァラクート(Battle for Zendikar's Tribute to Valakut by Lee Shi Tian)

Battle For Zendikars Tribute To Valakut | MTGMintCard

より

前評判では「スケシにくらいしか入らないのでは」といわれることもあったBFZランド。実際ヴァラクートとの相性はどの程度のものなのでしょうか。

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はじめに

 やあみんな!戦乱のゼンディカーのカードがPAXPrime以来次々と紹介されているね。紹介されていくカードをみてわくわくしない人はいないと思うんだ。少なくとも僕はわくわくしたよ!

 そしてご存知のように、戦乱のゼンディカーは土地をベースとしたエキスパンションだ。初めて僕達がゼンディカーを訪れた時、対抗フェッチと友好ミシュランを僕たちは手にいれた。今回宝物はパックの中に入っていないけれども、その代わりZendikar Expeditionが入ることもあるだろう。

 この2つの土地はおそらくブロックで最もプレイされた土地だったのではないだろうか。これらの土地は様々なフォーマットでマナベースの安定に寄与してくれた。……一つ忘れてはいないだろうか?僕達はゼンディカーで、もう一つの土地サイクルに出会っている、ということに。そう、溶鉄の尖峰、ヴァラクートによって新たなアーキタイプが生まれた、ということだ。

ヴァラクート史概略

 ヴァラクートがこの世界に現れてから、このカードは様々なフォーマットに姿を見せることとなった。三原槙仁によって、スケープシフトの核となる部分をつくり、Brian Kiblerによって華々しいデビューを飾ることとなった。

 1年後の基本セット2011において原始のタイタンがこの地に舞い降りてからは、それをもこのデッキは取り込むこととなった。その頃はカウブレードがまだ登場しておらず、赤緑型のランプデッキが環境を支配していたのだ。

 今回、僕はBFZですられる新たな土地が、ヴァラクートデッキに対してどのような変化を与えるのかについて、話をしていきたいと思う。一般的に、モダンにおけるヴァラクートを使うデッキは2種類あり、ブリーチトラップ型とスケープシフト型があるということは覚えておいてほしい。でははじめよう。

ブリーチトラップ

 ではまず、よりわかりやすいデッキから説明をしていきたいと思う。言うまでもなく、Ricardo van den Bogaardがこのデッキを操り、GP Madridで3位という成績を収めた。恐ろしいことに、これは宝船の巡航によってこのフォーマットが支配されていた暗黒の時代の結果であるのだ。

Through the Breach (Grand Prix Madrid 2014 - Top 4)
by Ricardo van den Bogaard

26 Lands
4 Arid Mesa/乾燥台地
2 Forest/森
9 Mountain/山
4 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
3 Valakut, the Molten Pinnacle/溶鉄の尖峰、ヴァラクート
4 Wooded Foothills/樹木茂る山麓

14 Creatures
4 Emrakul, the Aeons Torn/引き裂かれし永劫、エムラクール
2 Obstinate Baloth/強情なベイロス
4 Primeval Titan/原始のタイタン
4 Sakura-Tribe Elder/桜族の長老

20 Spells
4 Anger of the Gods/神々の憤怒
3 Chalice of the Void/虚空の杯
2 Farseek/遥か見
4 Search for Tomorrow/明日への探索
3 Summoning Trap/召喚の罠
4 Through the Breach/裂け目の突破

Sideboard
1 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Back to Nature/自然に帰れ
2 Boil/沸騰
2 Combust/焼却
1 Defense Grid/防御の光網
4 Leyline of Sanctity/神聖の力線
1 Shatterstorm/粉砕の嵐
2 Sowing Salt/塩撒き
1 Unravel the Æther/霊気のほころび

 このデッキについてまず語ったのはこのデッキが一番、BFZランドが似合うタイプのデッキであると思ったからである。このデッキ以外に、2色以上のデッキで基本土地を採用しているデッキはないだろう。

 このデッキの抱える問題点としては緑マナの量が少ないというものがある。山が少なければヴァラクートの誘発条件をみたすことができないものの、かといって森を減らしてしまえば召喚の罠や原始のタイタンを6T目に唱えることができない。5~8枚目となる山/森デュアルランドを採用することによって、緑マナが安定し、キープ率を上げることができると推測している。

 また、この土地によって採用できるカードにも変化が起こる、カルニの心臓の探検は2~3T目にキャストすることができれば素晴らしい恩恵を与えてくれることだろう。しかしながら、このカードはゲーム後半では引きたいものではなく、そのためにこのカードの採用枚数は少なく留められるということとなる。

 木霊の手の内や耕作によっては2枚の土地を探すことができるが、1T分の加速しかできない。爆発的植生も良いカードではあり、4-6マナへのジャンプができるようになるものの、まだそれでも基本土地しか探せないために十分ではない。そこで未開の狩りを使うのだ。これは森を探してくるカードであり、基本土地を探してくる必要はない。これによって踏み鳴らされる地をこれ以上サーチすることなく、燃えがらの林間地をサーチすることができるようになるのだ。精霊信者の覚醒もデッキを掘るのには良いカードではあるだろう、しかしこの計算はとてもややこしいものであるため、Frank Karstenにまかせてみようと思う(笑)。しかしながら、一つ言えることとしてはこのデッキはソーサリーやインスタントにあふれているために、魔巧は達成しやすいだろう。

 ニッサの復興もまた、このデッキに加える事はできなくはないだろう。ただ、このカードは遅すぎるのではないか、という懸念もある。しかしながらこのカードが与えてくれる恩恵は相当のものであり、またライフにも余裕が生まれることとなる。時にはヴァラクートを引いたのに、ランパン系の呪文をひくことができないということもあるだろう。このデッキは12枚以上というおぞましい数の山が入っているので、ヴァラクートの能力でクリーチャーを除去しながらさらなるヴァラクートを引くのをまったり、裂け目の突破でエムラクールを投げつけたりしてしまえばいいのだ。

スケープシフト

 このデッキを触ったことがあるならば、このデッキがコントロールデッキであることは容易に理解できることだろう。多量の打ち消しや除去を用いて対戦相手を翻弄し、フィニッシャーとして(渡辺のように)クリーチャーを使うのではなく、スケープシフトによって勝利をおさめるのだ。

 このデッキのサンプルレシピとしては、僕達のチームメイトであるPark Jun YoungがGP Minneapolisで優勝したときのレシピが適切だろう。

Scapeshift (Grand Prix Minneapolis 2014 - 1st)
by Jun Young Park

24 Lands
1 Breeding Pool/繁殖池
1 Cascade Bluffs/断崖の滝
1 Flooded Grove/溢れかえる果樹園
3 Forest/森
1 Halimar Depths/ハリマーの深み
3 Island/島
2 Misty Rainforest/霧深い雨林
2 Mountain/山
4 Steam Vents/蒸気孔
4 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
2 Valakut, the Molten Pinnacle/溶鉄の尖峰、ヴァラクート

7 Creatures
4 Sakura-Tribe Elder/桜族の長老
3 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士

29 Spells
3 Cryptic Command/謎めいた命令
2 Electrolyze/電解
3 Izzet Charm/イゼットの魔除け
4 Remand/差し戻し
2 Repeal/撤廃
4 Scapeshift/風景の変容
4 Search for Tomorrow/明日への探索
4 Serum Visions/血清の幻視
3 Telling Time/時間の把握

Sideboard
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
2 Anger of the Gods/神々の憤怒
1 Batterskull/殴打頭蓋
1 Engineered Explosives/仕組まれた爆薬
2 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
1 Spellskite/呪文滑り
2 Swan Song/白鳥の歌
2 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆
2 Obstinate Baloth/強情なベイロス

 僧院の速槍が環境に現れて以来、バーンはスケープシフトの苦手とするデッキとなった、3色であるにもかかわらず多量の山を場に並べる必要がある、という矛盾のせいでこのデッキは尋常ではない量のショックランドを採用しているため、アグロ系のデッキに対してひどく弱いのだ。

 周知の事実として、BFZランドは友好色のものであり、対抗色のものについては少なくともまだ世にはでないことがわかっている。そのために蒸気孔のかわりとなるカードが存在しないということについては僕たちは嘆いてもいいことだろう。しかしながら燃えがらの林間地だけでも、このデッキの採用するショックランドの枚数が減少するために悪いことだけではないということはできるだろう。ゲーム中盤において、ダメージなしでアンタップインできる土地があるということはアグロ系のデッキと対峙した時に有用となることだろう。このため僕はこのデッキに採用されている踏み鳴らされる地を3枚、燃えがらの林間地に取り替えて見ようと思っている。

 また、採取地の滝が使えるようになったことも、スケープシフトにとっては追い風となるだろう。今まで僕はサイドボード後の戦略として、ヴェンディリオン三人衆、強情なベイロスをもちいたビートダウンを行っていた。しかしながら僕たちは土地であるフィニッシャーを、メインから採用できるようになったのだ。

 このミシュランは呪禁をもっており、このフォーマットで使われるだろう除去のほぼすべてを回避することができる。これは相手の土地が立っているときにも悠々と殴りに行くことができるカードだからだ。しかしながら、修復の天使にだけは気をつけねばならない。このカードは怒り狂う山峡と違い、稲妻で叩き落とすことができないからだ。また、このカードはスケープシフトだけでは削り切れないライフを削るのにも役立つこととなる。特にコントロール相手においては謎めいた命令を使い回すことで相手の土地を止めることができるという点も大きい。このカードはスケープシフトにとって大きな変化をもたらすこととなるだろう。

おまけ

 長年の間、僕たちは1枚で成立するコンボを成立させるために、サーチカードを欲していた。白日の下に、を用いることによって、スケープシフトを実質8枚体制にすることはできる。このためには4色目をこのデッキに足す必要があるものの、遥か見やフェッチショックによるマナ基盤を考えればそこまで難しいものではないだろう。

 では、4色目としてどちらを足すか、という問題に行き当たる。例えばけちな贈り物はどうだろうか。

 白を足すことによって屈葬の儀式をフラッシュバックできるようになり、エメリアの盾、イオナのようなシルバーバレットを叩きつけることができればバーンや緑黒相手の相性が改善することとなる。

 また、スケープシフトのリストでけちな贈り物、瞬唱の魔道士、有毒の蘇生を用いることで強引にコンボパーツを揃えようとするものがあったしかし今やけちな贈り物をつかい、瞬唱、白日の下に、風景の変容の3枚を公開することによって、どうあがいても実質的に風景の変容を手札に加えさせざるを得ない状況を作り出すことができるのだ。

 有毒の蘇生といったカードはとても状況を選ぶカードであり、あまり引きたくない場面も存在する。一方で白日の下には一旦7マナまで到達してしまえば風景の変容となり、そうでない時には除去となり、ランパンとなり、……と様々な用途をもっている。このカードがスケープシフトを大きく変えるのではないか、と僕は推測している。

まとめ

 以上で今週の記事を終わろうと思う。次の火曜日に行われるModern Super Leagueの準備をしなくてはならないからだ。もう使うデッキは決めていて、あとはサイドボードの調整をするだけではあるけどね。あ、デッキは秘密だけれども、ヴァラクートは入ってない、ってことは教えてもいいかな。BFZランドなしにこのデッキを使う気は起きないね。

 みんなが僕の記事を楽しんでくれて、また何をMSLに持ち込むのかについて楽しみにしてくれるとうれしい。そしてBFZの発売をともに楽しみにしていようじゃないか!