MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

WMCQに向けたモダン概観(Modern Overview for the WMCQ By Sam Pardee )

 

より。

 

過去の記事*1*2との変化がポイントかなぁとは思います。

 

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 僕は今季のWMCQの一つがモダンで開かれるということにとてもうきうきしている。この次にOklahomaCityでモダンGPが開かれるということもあって、来月はモダン三昧となることだろう。というわけで簡単にモダンで有力とされているデッキについて長所短所を簡単に示してみようと思う。モダン自体はとても巨大なフォーマットであるため全てのデッキについて網羅することは不可能ではあるが、初めてのモダンイベント参加者にとってはとても好都合なものであるだろう。今回紹介するデッキはいわゆるTier1であり、8ラウンド中でそれぞれ1回ずつくらいは対面することになるだろうとは思われる。

ジャンド/アブザン

24 Lands
4 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
1 Blood Crypt/血の墓所
4 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Forest/森
1 Ghost Quarter/幽霊街
1 Overgrown Tomb/草むした墓
2 Raging Ravine/怒り狂う山峡
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
2 Swamp/沼
2 Treetop Village/樹上の村
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth/ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
4 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地

13 Creatures
4 Dark Confidant/闇の腹心
1 Huntmaster of the Fells // Ravager of the Fells/高原の狩りの達人//高原の荒廃者
1 Olivia Voldaren/オリヴィア・ヴォルダーレン
2 Scavenging Ooze/漁る軟泥
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
1 Tasigur, the Golden Fang/黄金牙、タシグル

23 Spells
2 Abrupt Decay/突然の衰微
4 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
1 Jund Charm/ジャンドの魔除け
2 Kolaghan's Command/コラガンの命令
4 Lightning Bolt/稲妻
4 Liliana of the Veil/ヴェールのリリアナ
2 Maelstrom Pulse/大渦の脈動
2 Terminate/終止
2 Thoughtseize/思考囲い

Sideboard
1 Jund Charm/ジャンドの魔除け
1 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Deglamer/幻触落とし
4 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
1 Grim Lavamancer/渋面の溶岩使い
3 Kitchen Finks/キッチンの嫌がらせ屋
1 Night of Souls' Betrayal/魂の裏切りの夜
1 Obstinate Baloth/強情なベイロス
1 Thrun, the Last Troll/最後のトロール、スラーン
1 Vandalblast/汚損破

25 Lands
1 Forest/森
1 Gavony Township/ガヴォニーの居住区
2 Godless Shrine/神無き祭殿
4 Marsh Flats/湿地の干潟
2 Overgrown Tomb/草むした墓
1 Plains/平地
1 Stirring Wildwood/活発な野生林
2 Swamp/沼
1 Tectonic Edge/地盤の際
1 Temple Garden/寺院の庭
2 Treetop Village/樹上の村
1 Twilight Mire/黄昏のぬかるみ
1 Vault of the Archangel/大天使の聖堂
4 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地
1 Windswept Heath/吹きさらしの荒野

15 Creatures
2 Dark Confidant/闇の腹心
2 Loxodon Smiter/ロクソドンの強打者
3 Scavenging Ooze/漁る軟泥
4 Siege Rhino/包囲サイ
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ

20 Spells
3 Abrupt Decay/突然の衰微
1 Dismember/四肢切断
3 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
3 Liliana of the Veil/ヴェールのリリアナ
3 Lingering Souls/未練ある魂
1 Maelstrom Pulse/大渦の脈動
2 Path to Exile/流刑への道
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
3 Thoughtseize/思考囲い

Sideboard
2 Choke/窒息
2 Drown in Sorrow/悲哀まみれ
1 Engineered Explosives/仕組まれた爆薬
3 Feed the Clan/部族養い
3 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
3 Stony Silence/石のような静寂
1 Thragtusk/スラーグ牙

 GBx系のデッキはモダンフォーマットの制定以来トップメタの道を歩み続けてきたトップクラスのデッキである。これらのデッキの中枢部は思考囲い、突然の衰微、ヴェールのリリアナといったカードによって相手のリソースを絞り尽くし、闇の腹心やヴェリアナによって得られるカードアドバンテージ差によって相手を押しつぶす所にある。GBx系がどうしてここまで強いかという理由は、単純にカードパワーが高いという点にある。多少のコンボデッキならば思考囲いによってそのパーツを落とし、その後ヴェリアナによってリソースを完全に枯渇させることができるのだ。

 このデッキの強い点は、サイドボードプランが取りづらいという点もある。いわゆる金太郎飴デッキであるために、このカードさえあればよい、というカードが存在しない。サイドボード後も、なんとかして相手より優位に立つしかないのである。このデッキに対してとるべきサイドボーディングの手法はシナジー重視というよりはカードパワー重視のものであるだろう。例えば過去の殻ならばコンボパーツとなるメリーラや臓物の予見者をデッキから取り除き、その代わりに単体でも仕事をするスラーグ牙や鷺群れのシガルダを投入する、と言った方法があった。

長所:柔軟な対応ができる。不利なマッチアップが存在しない。メタられにくい。

短所:(不利なものがない代わりに)有利なマッチアップも存在しない。 

対策カード

鷺群れのシガルダ 嵐の神、ケラノス 強情なベイロス

青赤双子

23 Lands
2 Desolate Lighthouse/僻地の灯台
1 Cavern of Souls/魂の洞窟
3 Sulfur Falls/硫黄の滝
4 Misty Rainforest/霧深い雨林
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
3 Steam Vents/蒸気孔
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
4 Island/島
1 Mountain/山

11 Creatures
1 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆
4 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
4 Deceiver Exarch/詐欺師の総督
2 Pestermite/やっかい児

26 Spells
4 Splinter Twin/欠片の双子
2 Dispel/払拭
1 Spell Pierce/呪文貫き
2 Cryptic Command/謎めいた命令
1 Spell Snare/呪文嵌め
2 Electrolyze/電解
4 Remand/差し戻し
4 Serum Visions/血清の幻視
1 Peek/のぞき見
4 Lightning Bolt/稲妻
1 Roast/炙り焼き

Sideboard
1 Roast/炙り焼き
1 Rending Volley/引き裂く流弾
2 Keranos, God of Storms/嵐の神、ケラノス
2 Anger of the Gods/神々の憤怒
1 Jace, Architect of Thought/思考を築く者、ジェイス
1 Spellskite/呪文滑り
1 Negate/否認
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Teferi, Mage of Zhalfir/ザルファーの魔道士、テフェリー
1 Grim Lavamancer/渋面の溶岩使い
2 Blood Moon/血染めの月

 モダン初期から存在するコンボデッキも強いデッキと言えることだろう。そしてこのデッキは4度行われたモダンのプロツアーにおいて、2度もその栄冠を手にしているデッキである。1G目においては欠片の双子を詐欺師の総督ややっかい児にエンチャントし、そのコピートークンとともに殴りかかるだけで勝利を手にすることができる。サイドボード後については更に興味深いゲームが行われ、おおよその場合このデッキから双子の要素は消え、代わりに瞬唱の魔道士やケラノスといったコントロール要素が盛り沢山のデッキへと変貌を遂げることとなる。血染めの月も(ときたま1G目においても)警戒すべきカードである。さもなくばそのまま投了する羽目となる。このデッキはコンボデッキでありながら相手のコンボを捌くだけの術(打ち消しやインスタントタイミングでの動き)を持っているためにコンボデッキとしての出来はこの上ないものとなっている。

 変形サイドボードのせいで、効果的な対双子サイドボードプランというものは難しいものであると言われている。一般的には突然の衰微や引き裂く流弾のような除去を持っていないのであれば慎重にゲームを進めていくべきだろう。というのも稲妻程度では総督は落ちないからである。また、軽い上に差し戻しを使わせにくい呪文、タルモゴイフや復活の声、ロクソドンの強打者といったカードを用いることも効果的である。

長所:コンボデッキに強い。変形サイドボードプランが強い。

短所:1G目の突然の衰微に弱い。BGxに弱い。

対策カード

復活の声 引き裂く流弾 ドロモカの命令 

グリクシスコントロール

21 Lands
2 Creeping Tar Pit/忍び寄るタール坑
4 Polluted Delta/汚染された三角州
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
2 Sulfur Falls/硫黄の滝
2 Steam Vents/蒸気孔
2 Watery Grave/湿った墓
3 Island/島
1 Mountain/山
1 Swamp/沼

9 Creatures
4 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
2 Tasigur, the Golden Fang/黄金牙、タシグル
3 Gurmag Angler/グルマグのアンコウ

30 Spells
4 Serum Visions/血清の幻視
4 Thought Scour/思考掃き
4 Lightning Bolt/稲妻
2 Spell Snare/呪文嵌め
1 Dispel/払拭
2 Mana Leak/マナ漏出
1 Remand/差し戻し
1 Shadow of Doubt/疑念の影
4 Terminate/終止
2 Kolaghan's Command/コラガンの命令
1 Electrolyze/電解
4 Cryptic Command/謎めいた命令

Sideboard
4 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
1 Flashfreeze/瞬間凍結
1 Countersquall/対抗突風
1 Slay/殺戮
1 Izzet Staticaster/イゼットの静電術士
1 Spellskite/呪文滑り
1 Shriekmaw/叫び大口
1 Batterskull/殴打頭蓋
1 Keranos, God of Storms/嵐の神、ケラノス
2 Dispel/払拭
1 Damnation/滅び

 グリクシスコントロールはKTK、DTKブロックにおけるタシグルやグルマグのアンコウ、そしてコラガンの命令の出現によって登場したニュータイプのデッキである。このデッキのとるプランはBGxのそれにとても良く似ているが、ハンデスのかわりに打ち消しを用いていたり、闇の腹心のかわりに瞬唱の魔道士を用いているという点において違いがある。またこのデッキは「グッドスタッフ」のデッキであるために様々なチューンナップを施すことができる。亜種としては欠片の双子を搭載したパターンや、秘密を掘り下げるもの、若き紅蓮術士を搭載することによってよりアグレッシブになったパターンも存在している。

 この多岐にわたる亜種の存在はサイドボードプランにも影響を及ぼす。相手がどのようなプランを用いて自分を倒そうとしてくるのかについてしっかりと吟味した上でサイドボードを選択することが必要となるだろう。墓地メタは有用な方法の一つである。探査カードを殺した上で瞬唱の魔道士やコラガンの命令も無力化させることができる。しかしながらこれ以上のカードはあまり存在せず、またブン回りによる2T目の探査クリーチャーの着地もとめることは難しいこととなるだろう。しかし終止や流刑への道の過剰投入は瞬唱の魔道士のことを思うと支度はないだろう。BGxの時にも述べたが、この手のデッキに対してはカードパワーで勝負をするのがよりよい選択肢となることだろう。

長所:消耗戦に強い。また探査クリーチャーによる圧殺も可能。

短所:マナベース確保のためのライフ消費が激しい。墓地メタに弱い。

対策カード

虚空の力線 安らかなる眠り 漁る軟泥 炙り焼き 

親和

16 Lands
1 Mountain/山
4 Darksteel Citadel/ダークスティールの城塞
3 Glimmervoid/空僻地
4 Inkmoth Nexus/墨蛾の生息地
4 Blinkmoth Nexus/ちらつき蛾の生息地

Creatures
4 Vault Skirge/大聖堂のスカージ
2 Spellskite/呪文滑り
4 Signal Pest/信号の邪魔者
4 Etched Champion/刻まれた勇者
3 Steel Overseer/鋼の監視者
4 Arcbound Ravager/電結の荒廃者
4 Ornithopter/羽ばたき飛行機械
2 Memnite/メムナイト

Spells
4 Mox Opal/オパールのモックス
4 Galvanic Blast/感電波
4 Springleaf Drum/バネ葉の太鼓
4 Cranial Plating/頭蓋囲い
1 Welding Jar/溶接の壺

Sideboard
1 Wear // Tear/摩耗//損耗
1 Grafdigger's Cage/墓堀りの檻
2 Whipflare/鞭打ち炎
1 Torpor Orb/倦怠の宝珠
1 Dismember/四肢切断
2 Spell Pierce/呪文貫き
1 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
2 Thoughtseize/思考囲い
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
2 Blood Moon/血染めの月

 親和はモダン制定以来最高のアグロデッキとして君臨し続けてきた。頭蓋囲いや電結の荒廃者、鋼の監視者といったカードによって小粒のクリーチャーたちを強化することができるデッキである。このデッキは1G目においてはとても支配的なゲームを繰り広げることができるが、サイドボード後においてはアーティファクト対策のカードによって辛いゲームをすすめることとなる。コラガンの命令が登場し、定番化したことによって若干の衰退を受けることとなったが、それでもこのデッキは強いものであり、3マナでメインから対処できるからといって軽視して良いデッキではない。

 また、このデッキはこれまで紹介してきたデッキとことなり、対策が比較的容易である、と言える。粉砕の嵐、忍び寄る腐食、石のような静寂、禍汰奇、古えの遺恨は代表的なカードであり、どのカードが自分のデッキによりあっているかによって使うべきカードを動かしていくべきだろう。

長所:1G目における強さ

短所:2G目以降の弱さ

対策カード

粉砕の嵐 忍び寄る腐食 石のような静寂 戦争の報い、禍汰奇 古えの遺恨  妄信的迫害

ナヤバーン

19 Lands
2 Arid Mesa/乾燥台地
3 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Clifftop Retreat/断崖の避難所
1 Copperline Gorge/銅線の地溝
4 Mountain/山
3 Sacred Foundry/聖なる鋳造所
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
4 Wooded Foothills/樹木茂る山麓

14 Creatures
4 Eidolon of the Great Revel/大歓楽の幻霊
4 Goblin Guide/ゴブリンの先達
2 Grim Lavamancer/渋面の溶岩使い
4 Monastery Swiftspear/僧院の速槍

27 Spells
1 Atarka's Command/アタルカの命令
4 Boros Charm/ボロスの魔除け
2 Forked Bolt/二股の稲妻
4 Lava Spike/溶岩の撃ち込み
4 Lightning Bolt/稲妻
4 Rift Bolt/裂け目の稲妻
3 Searing Blaze/焼尽の猛火
2 Shard Volley/欠片の飛来
3 Skullcrack/頭蓋割り

Sideboard
1 Skullcrack/頭蓋割り
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Deflecting Palm/跳ね返す掌
2 Destructive Revelry/破壊的な享楽
3 Kor Firewalker/コーの炎歩き
1 Molten Rain/溶鉄の雨
2 Path to Exile/流刑への道
1 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
2 Rending Volley/引き裂く流弾

 バーンとはとてもわかりやすく勝利への道を突き進むデッキである。少量の低マナクリーチャーと多量の3~4点火力を用いて出来る限り迅速にライフを削り切るデッキである。モダンにおける土地基盤の基本がフェッチランド+ショックランドであることからおおよそ削り切るべきライフポイントが20点ではなく17点程度である、というのもこのデッキに対する追い風となっていることだろう。この手のデッキはアグロというよりはコンボであるかのように感じるだろう、というのも数ターンで6~7個の呪文を唱えればそれだけでゲームが終わるからだ。

 この一直線すぎるゲームプランを考えればバーンの対策はそれほど難しいものではないと考えられる。また、バーン側はゲームプランを崩壊させないために過剰なサイドボードプランをとることができない。つまりサイドボード後もそれほど相手のデッキは変化していないだろう、と推測することができるわけだ。

長所:速い。安定してる。遅いデッキ殺し。 

短所:サイドボードが難しい

対策カード

コーの炎歩き 神聖の力線 ドラゴンの爪 部族養い

 これがおそらくWMCQで出くわすことになるだろう主要なデッキの数々である。来週もう少しtierの低いデッキについても紹介したいと思うから、よろしくね!