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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

サイドボードの組み方:ジャンド編(How To Build a Sideboard: Jund By Jacob Wilson)

» How To Build a Sideboard: Jund

より。

新たなシリーズ記事……?

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サイドプランを与えれば一回のトーナメントをしのげるが、サイドの作りかたを教えれば一生のトーナメントを楽しめる

ー通行の神、エイスリオス

 構築トーナメントに参加しだした頃は、試合開始の30分前に好きなカードを15種類ぶちこんでそれをサイドボードとしていた。また、よく寄せられるリクエストとして、サイドボードプランというものがあった。しかしながらそうして教えられるサイドプランは極めて限定的なものであることが多い。

  マジックとは、概してリソース管理がその中心に位置するゲームである。マナしかり、ライフしかり、カードしかり……。記事やデッキ構築、そして練習を通じてこれらのリソースを最大限に活用する方法を習得していくのだ。そして的確なサイドボードを組むために思考を巡らせるのは面倒なことも確かである。しかしながらきちんとメイン、サイドともに準備をしっかりと出来たという確信は、デッキを自身の中で最強のものにしているというのも一つである。そう、サイドボードはプレイや運に関係なく対戦相手にアドバンテージを取れるポイントの一つ足りうるのだ。

 もちろん、余分なカードを入れてサイドボードのスロットを圧迫するよりはおそらく起こりうるだろう対戦に向けてしっかりとサイドボードを割くほうが素晴らしいことは言うまでもないだろう。そして15枚という限られたサイドボード枚数を無駄に浪費しないために、すべきことは、紙とペンをすてることである。

 真剣に臨む必要のあるトーナメントの時にはいつでも、おそらく遭遇するだろうマッチアップ全てを書き出し、それに対して不必要なカードを先攻後攻それぞれについて書き出すところからサイドボード構築を始める。例えばこれがGP Pittsburghのために作ったサイドボードリストだ。

JundA

JundBJundCJundD

 この数字からおおよそそれぞれのマッチアップについてどのカードが必要なのかを割り出すこととなる。ここが面倒なポイントともなるのだが、この世には丸い、汎用的サイドカードと局所的、かつ致命的なサイドカードの2種類が存在している。局所的なサイドカードはもちろんぶっ刺されば相手をそれだけで殺すこともできるだろう。重要なのはどのようなメタゲームが構成されるか、そしてそれぞれのデッキにどのていどの勝率があるかを考慮するという点にある。メタゲーム評価とサイドボード構築能力に相関があるというわけではないが、経験によってその能力は伸びることとなる。少なくとも、考慮すべきはこの2つだ。

マッチアップの有利不利

使用率の高低 

  そして、優先順位は次のようになる。

不利かつ使用率高→最優先

不利かつ使用率低→重要

有利かつ使用率高→ あるていど考慮せよ

有利かつ使用率低→ほぼ無視していい

  メインデッキにそのマッチアップにおける死に札がどの程度あるか、というのはそのマッチアップに向けてどの程度サイドボードを準備すべきかの指針となる。例えばマーフォーク戦については使用率も低いだろうし、もともとジャンド側有利であるがためにサイドボード構築の際には考慮に入れなかった。また、そのようなマッチアップを無視することなく、汎用カードを入れておくのも良い手段だといえよう。例えば親和や感染相手に入れるだろう軽量除去をマーフォーク戦において流用するのは十分にありえる話ではある。

 一方で、護符コン、トロン戦は大きく注目せざるを得なかった。おそらくこのマッチアップはトーナメントの中で何度も起こることだろうし、1G目は正直座ってるだけとなる可能性が高い。このメタゲームの中で安易にジャンドをプレイすることはできないだろうし、この手の土地コンボに対するサイドボードは重く構築する必要があった。モダンはとても広大なフォーマットだ。対策しきれないデッキは大量にあるだろう。今回に関してもむかつきやランタンコン、グリセルシュートといった面倒なコンボとの対戦はいやだったが、それに関係なくおそらく使用率は低いだろうし、サイドボード評価をする際には持ち込む必要が無いと判断した。

 というわけで、対策すべきはこの11種のデッキとなる。優先順位が高いものから紹介しよう。

優先度高→護符コン・ジャンド・親和・バーン・Zoo・グリクシス・双子・死せる生・感染・マーフォーク→優先度低 

  また、この中でグリクシスミッドレンジと双子に関しては他のデッキよりも使用率が高いだろう、と踏んでいた。しかし、これらのデッキに対してジャンドが有利であるという理由からこのデッキ選択をしているために、優先順位は低くなった。しかしながら、汎用的な瞬唱稲妻パッケージを持つデッキ()に含まれるだろう血染めの月やケラノスに対してのサイドボードプランは必須であるとは感じていた。

 また、緑黒同型戦に関してはより右手が光ったほうが勝つゲームであると感じており、プレイングスキルはそれほどに影響しないと思っていたために、そのトップデッキ合戦に打ち勝つためにも優先順位は高く設定した。

 サイドボードプランを試す時間があるのならば試すのもいいだろうが、もし時間がないのならばそのマッチアップにおいて輝くだろうカードをいろいろためしてみるのがいいだろう。MOや友人の手を借りることによって、GP Pittsburghに関してはこのようなサイドボードにたどり着くこととなった。

1 Painful Truths/苦い真理
2 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋
1 Obstinate Baloth/強情なベイロス
1 Thragtusk/スラーグ牙
4 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
1 Shatterstorm/粉砕の嵐
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Ghost Quarter/幽霊街
1 Golgari Charm/ゴルガリの魔除け
1 Grim Lavamancer/ 渋面の溶岩使い

  粉砕の嵐を除き、すべてのカードは出来る限りモダンのメタゲームに合わせ、マルイカードを採用している。

採用したカードそれぞれについて

苦い真理

 BFZは素晴らしい安定性を与えてくれた。宝船の巡航ほどとは言わないが、ライフさえ気にすればこのカードは素晴らしいカードだといえよう。Ben Starkは調和をサイドボードに採用していたが、僕はこのカードをバーンやZoo、親和のような超高速ビートダウンを除く全てのマッチアップに対して入れようとしている。高速コンボデッキに対しても、このカードを打つための時間はハンデスで十分に取ることができるだろうし、その手の高速コンボでも2G目以降は除去や力線を積んでその速度を大きく落とすことになるためそもそも時間が十分に取れるようになるのだ。

台所の嫌がらせ屋

 バーンを含めたアグロデッキに対して強い。そして部族養いよりこのカードを優先したのはジャンドミラーやグリクシス相手でもまたこのカードが輝くからだ。

強情なベイロス/スラーグ牙

 これらのカードもキッチンと同様のマッチアップで採用される。ではキッチン4としなかった理由を説明すると、これらのカードはゲーム後半で引いた時になお強いカードとなる。このカード以外に4マナを超えるこの手のカードはデッキに入れていないのだ。またこれらのカードはコラガンの命令を用いて使いまわせる、という利点もある。

大爆発の魔道士

 護符コン対策。また長期戦となるだろう相手に対してマナスクリューを引き起こさせるために採用することもある。アブザンや死せる生相手のこのカードはとても強いと言えるだろう。

粉砕の嵐

 古えの遺恨やジャンド/ラクドスの魔除けより効果範囲が狭いとは言えるが、親和相手にこの呪文を唱えることができれば容易に勝利することができるだろう。他の汎用的なカードに比べ、この手のシルバーバレットは評価しにくいカードであるのは確かだ。まあ親和への尊敬の一つと思ってもらえればいい。

古えの遺恨

 わかりやすい、効果的な1:2交換カード。アーティファクトが採用されるだろうデッキおおよそ全てにサイドインされる。感染や護符コン、トロンやランタンコン、マーフォークとか。

幽霊街

 このカードはトロンや護符コン相手に2T目の土地破壊を与えるという点において評価できる。相手に基本土地を与えてしまうという欠点こそあれ、ここで破壊しているのはおおよそ本来なら2マナ以上を算出できるカードであるだろう。またこのカードを、使えないカードが多いマッチアップにおいて投入し、マナスクリューを避けることもある。また、呪禁オーラ相手にもこれを投入する。呪禁オーラに対して僕達ができるのはただひたすらの除去である。力線を破壊し、リリアナを置き、布告除去をきめる……。クリーチャーや稲妻を引いてしまうよりかは、土地を引き続けられる方がいいのだ。土地が止まってしまえばそれはすなわち死を意味することとなる。

ゴルガリの魔除け

 このカードはどのようなマッチアップにおいても輝くカードではあるが、複数枚引きたいというものでもない。もし闇の腹心や思考囲いとで悩んでいるのならば、大歓楽の幻霊を殺すためだけにでも、このカードを採用したい。また呪禁オーラや墨蛾相手にこのカードを除去として採用するのも十分有り得る話ではある。もしくは、渡辺プロが使ったような青白コントロールの至高の評決や勾留の宝球に対しても有用であるというのは覚えておいて損はないだろう。

渋面の溶岩使い

 トーナメント環境のベテランクリーチャーだ。おおよそのフェアデッキに対してこのデッキはむちゃくちゃな働きをしてくれる。またその低マナ性より打ち消されることも少ないだろう。クリーチャー主体のデッキやグリクシス、ジャンド、護符コンといったクリーチャー少数のデッキに対しても有用だといえよう。