MtG訳記た。

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10月のメタゲーム変遷について(Modern Metagame Breakdown: 10/1 – 10/31 by Sheridan Lardner)

Modern Metagame Breakdown: 10/1 - 10/31 - Modern Nexus

より。

Modern Crypt | MTGのモダン中心サイト さんの開設もあって、モダン機運が高まってるんじゃないかなと思っております。モダンしかろくに触ってない僕としては願ったり叶ったりです。

ではメタゲーム分析についてです。 

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 この頃モダンにかなり深入りしている。このフォーマットの広さ、そしてオール・インの強さについて、SCGの結果からいやというほどに思い知らされたことだろう。SCGのような大規模なイベント、もしくは地域のちょっとしたイベントにかかわらず、アグロ系のデッキは10月のメタゲームに対して影響を与え、たとえそれが支配的出なかったとしても、tier1~2に入り込むようなデッキがいくつか見受けられた。そして、またオール・イン型のデッキが舞い戻る事となったのだ。6月の分析のころのような、バーン、親和、コンボ、Zooが入り乱れている環境はとても面白いだろう。

  GP Porto AlegreやSCG Dallas Openは10月のメタゲーム変遷を締めくくるに素晴らしい大会だった。モダンの多様性を示しただけでなく、オール・イン型の一直線デッキの流行を指し示していたのだ。今回の記事は10月に行われた大会からデータを集めて行っており、上記の2大会も当然その中に入り込んでいる。このフォーマットの変遷についてよりよく知りたいのならば、この記事を読んでくるといいことだろう。

Tier 1

 今回のSCGを含め、様々な大会がメタゲームの変化に影響を及ぼした月もそうないといえる。SCGの大会結果についての考察は先週行っているが、そこで気づいた数々の事実はそのまま現在のメタゲームを反映したものとなっているといえるだろう。そのため、今回の解説がその記事を追う形になってしまう点については了承してもらいたい。

 (中略)

 以下の表に先月のメタゲームの結果を示した。

 おかえり、双子たちよ。今までこの記事を呼んでいてくれれば、双子がだんだんとその数を減らしていたことには容易に気づけたことだろう。そして僕はいつか、双子使いがこのデッキを携えてきてくれると信じていたのだ。また、一直線な独特な強さをもつ、護符コンもTier1への復帰を果たしている。そして、ここ数ヶ月の変化についても見ていきたいと思う。

 SCGで使われているメタゲームブレイクダウンの記事はとても役立つものであった。そしてそれを今回も利用させてもらうこととしよう。

一直線デッキ、親和、バーン、赤緑トロン。マーフォーク、感染、護符コン

 この6つのデッキだけで、フォーマットの37%、Tier1内に至っては68%が該当することとなる。Tier1 デッキが55%も存在していることを鑑みるならば、昨今のメタゲームはとてもアグロよりになっていると言えよう。たしかに、このフォーマットはこのようなアンフェアデッキによって定義づけられている部分も確かにないわけではないものの、これほどにアンフェアなものが増加していることはなかっただろう。親和の9月期11%などという驚異的な使用率もその影響を受けたものだったのだろう。今月に関しても親和こそ1.7%の減少が確認できるが、その他の一直線デッキは2.4%の増加と、全体としては増加しているのだ。ではその親和の減少はなぜ起きたのか、というとおそらく親和メタの風潮が高まったために他のデッキに移ったのだろう、と予測できる。少なくとも、昨今のモダンはとてもアグレッシブなフォーマットになっていることだけは否定できないだろう。

 では、これをトーナメントレベルに更に広げて考えてみたいと思う。GP Porto Alegre、SCG Dallas においては他のコントロールやミッドレンジ型のデッキが一定量トップに存在している。そのために、このフォーマットがゴブリンの先達に支配されているということは難しいだろう。11月に向けて、この知見は大いに役立つと言える。他のマッチアップにも役立てることができるような、この手のデッキに対応する札を入れるには、サイドボードの枠は少なすぎるのだ。例えば親和対策としてのアーティファクト除去、バーン対策としてのライフゲインカード、トロンや護符コン対策のマナ否定カード、感染やマーフォーク対策の除去……他のデッキもあるというのに、その対策カードだけでサイドデッキを埋めてしまっていいだろうか?多くのプレイヤーはかつてこのことに対して不満を抱いていたが、これが、現在のメタゲームなのだ。僕の一番の好みである、6月のメタゲームについて考えてみれば、そのころのこの手のデッキは22%程度しか存在せず、Tier1だけに限っても48%しか存在していないのだ。この手のデッキを嫌っているという言説だけがあれど、それは空虚なもので、データには現れてこないのである。

 このアンフェアデッキの隆盛によって、新たなループが生まれることとなる。それとまともに戦えないのならば、それより早く相手を殺せば良いと。コントロールデッキでこれらのデッキに立ち向かうのは難しいのに、それを使ってこんなデッキと戦えるのか……?そんなことをするよりかは、自分もより早いデッキを組んで勝つのが楽な選択肢だと言えるだろう。しかしながら、そうなる前に今一度自分自身を見返した方が良いだろう。緑黒系はこのメタゲームにおいて使えるツールが盛りだくさんのデッキではあるが、使うのに飽きたり、使うだけの資産がなかったり、その強さに疑念を呈している人も多くいるだろう。同様のことが双子にもいえるだろう。次のセクションにおいてそのことについて語るが、これ以外の可能性も触れてみたいとは思っている。また、青白コンやアブザンカンパニーを選択肢として挙げる人もいるかもしれないが、パワーレベルは正直相対的に低くなっていることが想定できる。

監視するもの、ジャンド

 モダンの健全性について、今までより多く語ってきているものの、ジャンドがその救世主となってくれると予測している。緑黒系のデッキはもともとフェアデッキであり、モダンの一種の必要悪として活躍してきたように思われてきた。この性質は先月に最もよくあらわれたことだろう。稲妻や花盛り、破や強大化があるにもかかわらず、ジャンドは第2位としてのシェアを保ち続けたどころか、その数をさらに増やしているのである。これはつまり、ジャンドがこのフォーマットを生き残ろうとしているだけでなく、このフォーマットを支配するものとして君臨しようとしているといえるだろう。

 このてのアンフェアデッキがどのようにして攻撃してくるかを思い出してみてほしい、このほぼすべてをジャンドはシャットアウトすることができるしし、相手のカードのシャットアウトも容易にできるだろう。例えば高原の狩りの達人や台所の嫌がらせ屋だけででも、ライフゲインは容易に達成できる上除去耐性を持つことができるようになる。そしてサイドボードに目を向ければアーティファクト対策となる古えの遺恨、バーン対策としての部族養いをもつことができている。そして魂の裏切りの夜や神々の憤怒によってクリーチャー主体のデッキをも殺すことができるのである。さらに言えば、闇の腹心やヴェールのリリアナを使うことによって相手のリソースを刈り取る、古きよき緑黒刀しての姿を残すこともできないわけではない。過去の姿から大きく変わってしまっている部分もあるが、それは全く問題がないのである。新たな脅威を見つけ出したことによって、10月のメタゲーム上にデータとして現れたといえよう。

 そして11月にかけて、ジャンド使用者はきっとこれが最強のデッキだと思い込んでしまっている。しかし、それは罠だ。たしかにジャンドは強いデッキでこそあるのだが、全てのデッキに対して勝利をおさめることは不可能と言ってもいいだろう。一応4.5-5.5となるデッキが存在していることにも気を配り、そのデッキの分布にあわせた調整を推し進めていく必要があるだろう。

放浪双子

 8月から、双子の減少については様々な話をつづけてきたが、ようやっと、このデッキがTier1に戻ってきた。これは嬉しい事でもあったが、特に驚くべきことでもないと言えよう。マーフォークを除いて、これらのアンフェアに対して双子はとても強いデッキだといえる。親和に対してジャンド側が思考囲いやボブを抜き、カードアドバンテージを得る能力を喪失してまでもアグロ対策をしてくるようになった今ですら、双子のほうが親和に対する相性は良好だといえるだろう。このデッキが存在しない環境は一切考えられなかった。ああ、おかえりとしかいえないよ。

 双子の減少に関しては、予想よりは小さな規模に収まるものとなった。未だに双子を見かけたり双子を使ってトーナメントを勝ち上がったりすることは比較的容易であろう。この双子の減少は今までのモダンのメタゲームを鑑みるに異常だったと司会得ないだろう。たとえその減少という現実に疑問をもたれようとも、データとして、確かなものとして8月からの傾向として親和はその数を増やし、双子はその数を減らしていたのだ。そして今日のそれと比べてみれば、きっと過去の「因果関係か、相関か」という二者択一を迫られることになる。しかしこれはメタゲームを分析することによって容易に真実にたどり着ける。すなわち、親和の爆発的な増加は双子の驚異的な減少に由来していると言えよう。

 双子のTier1への復帰は少なくとも1月にも続くことになるだろうし、そして再び緑黒vs双子の伝統的なモダンの戦いが始まることとなるだろう。その環境においてはアンフェアデッキは双子よりも遅いくせにジャンドとは戦いにくいというデッキとなり、その数はお菊減ることとなるだろう。そう、ジャンドだけでこのメタゲームをコントロールすることは不可能なのだ。おそらく双子が先月これだけ数を増やしたのはその伏線となるだろうが、実際の結果は11月の結果を見るまでわからないことだろう。

 メタゲームの推移を意識するならば、モダンの歴史的な変化を考慮していく必要があるだろう、アンフェアなデッキはTier1を司るものの、11月には双子とジャンド、つまり総督とタルモの戦いが起こるのではないかという推測がおこっている。

Tier2

 Tier2においてもまた、Tier1とは違う形でこそあるが大きな変化が起こることとなった。今回のものでこそないが、Tier1に変化が起こるとき、Tier2にも変化が起こることとなる。しかしながら、今回のものは双子やジャンド、アンフェアデッキを使うプレイヤーにとってはそれほど衝撃的なものではなかった。今回は12種類のデッキについてTier2への該当が見られたが、いつもより広いものとなったと言えよう。

 以下にTier2となったデッキを示すが、今回MO、それ以外でその分布が大きく異なっていることに注意してもらいたい。出るイベントに応じて、この結果をうまく使ってくれると幸いだ。

 

 9月期のそれと比べるならば、Tier1から/へ動いたデッキが多く存在していることに気づけるだろう。例えばアブザンはTier1からその地位を落とすこととなり、むかつきがTier2からも姿を消すこととなった。その一方でグルールZooやタルモツインが再びこの領域へと足を踏み入れることとなった。では、この変化について重要となる部分について触れていきたいと思う。

Zooの脅威:ナヤカンパニー、グルールZoo、ナヤハイブリッド型

 グルールZooやナヤカンパニーがそれぞれ2.0%のシェア率を誇るだけでなく、ここには登場こそしていないが2.1%のナヤハイブリッド型のデッキが存在している。このデッキとしては、カンパニー非搭載型Zooとバーン風味ナヤブリッツが存在している。 これをデッキジャンルとして定義しなかったのはMOのデータとしてまだこのデッキのデータが存在しておらず、これをTier2と評価するにはまだ早計だと判断したためである。また、このアーキタイプには、ナカティルを含まないバーンデッキは計上されていない。ナカティルの有無によってZooの定義が可能だろうと思っているからである。11月期にかけてこのてのクリーチャー主体の超速アグロデッキの隆盛には注意が必要となるだろう。まだTierにこそ現れてこそいないものの、12月にはこの結果に驚くことになるかもしれない。全体除去や、1:2交換の可能なカードを運用していく必要があるだろう。

コントロールの複雑化:スケープシフト、グリクシスコントロール、青白コンについて

 謎めいた命令はメタゲーム上で素晴らしいカードであり、悲惨なカードということができるだろう。3-4Tで自分を殺してくるようなデッキに相対したとき、一番不必要となるカードは何か、そう、4マナのキャントリップ打ち消しである。この問題はスケープシフトやグリクシスコントロール、青白コントロールといったこの手のカードを多用するデッキにおいて大きな問題となっているのだ。このカードはフェアデッキのより多い環境でより輝くカードとなるものの、アンフェアが跋扈している環境においては役立たずと言ってしまっても良いだろう。その良い例として、現在のグリクシスコントロールは謎めいた命令を捨て、ヴェリアナやコジレックの審問を取り入れたミッドレンジ型のデッキとして再構築されている。また、スケープシフトも白日の下にをとりいれることでデッキパワーの底上げを図っている。この手の変容は11月期を待たずしてみることが既にできていたが、それが今後も進むのか、については観察の意味があるように思われる。

 大半のTier2について、説明は不要であるだろう。アブザンはフェアデッキ向けのカード、流刑や未練のせいでアンフェアデッキに不利となり、Tier2に戻らざるを得なくなった。おそらくまたフェアデッキの跋扈する環境へとシフトがおこるならば、アブザンにも人権が出てくるだろうが、しばらくのうちはこの役目はジャンドのものとなるだろう。また、カンパニーデッキに関して、特にアブザンカンパニーについては、11月期により見ることになるだろうとは思っている。この手のアンフェアデッキに対してこちらも一直線のアグロデッキを使うのはそう悪くない選択肢だと考えられる。

11月期のメタゲーム予測

 正直、11月期のメタゲームがどう変遷するかについて、今回全く予想することができないと言っても良いくらいだ。なつかしの緑黒や双子、親和やバーンの4強によるバランスのとれた(?)環境に戻ることができるか、もしくは、10月期を鑑みるとより起こりうると予測できる、よりアンフェアへと環境が加速し、それを餌にできる双子が更なる隆盛をし、それをジャンドが襲う形になるか……その判断はついていない。ただ少なくとも、過去の記事からある程度予測できないことはない、というものもある。9月のそれも例外ではない。

双子はTier1に返り咲くか→yes!

 この予想をしたとき、親和は環境の11%を支配する一方で双子は2~4%というとても低いシェア率となっていた。そして先月、双子は1.1%もの驚異的な伸びをみせ、Tier1に返り咲くこととなった。また、グリクシスツインも同様に返り咲きこそしているものの、純正双子の躍進に比べればちっぽけなものであろう。おそらく双子デッキはこのシェア率を来月も保ち続けるだろうし、特に純正双子、タルモツインはその数をのばすこととなるかもしれない。しかしながらグリクシス双子はそのマナベースのタイトさ、またアンフェア相手に役立たずとなる除去の数によって、たとえ瞬唱コラコマパッケージを携えていたとしてもメタゲーム上で苦戦することになると思われる。

 では、今月の新たな予想についても述べておこう、これはあくまで一番希望的な観測とも言える。まあゴブリンやナカティル、速槍に環境が支配される恐れもあるが、できる限り希望に満ちた予想位しておきたいのだ。

護符コンや感染はTier2へと落ち、ZooもTier2であり続ける。

 この予想は2つの予想を混ぜたものと受け取られるかもしれないが、言いたいことは一つなのだ。アンフェアデッキはその数を減らすだろう。ということだ。では、どのデッキがその数を減らすことになるだろうか。親和、バーンはこの環境を定義するようなデッキである、多少数を減らしても、Tier2まで落ちることは決してないだろう。では赤緑トロンは?いや、ジャンドのような緑黒系のデッキだけが、この手のアンフェアデッキを止めるデッキとして動くのならば、赤緑トロンを選択する理由は十分にあるだろう。マーフォーク?双子がメタゲームに返り咲こうとしている今、このデッキが減るとは考えにくい。そうなると消去法で答えが自ずと決まってくる。そう、護符コンと感染である、これら2つのデッキが抱える共通の弱点として、双子への弱さが挙げられるのだ。そのために双子がその数を増やすのならば、これらのデッキは数を減らすこととなるだろう。そして同様の理由で、Zooも双子、ジャンドの数を受けてそこまで環境で使われることはないだろうと予測している。

 今回の分析はここまでだ。もし見落としがあったり、語ってもらいたいデッキがあるならば、コメントしてほしい。それではまた!