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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

アグロ-コンボというアーキタイプについて(Understanding Aggro-Combo by Conley Woods)

アーキタイプ概説

Understanding Aggro-Combo by Conley Woods - Magic the Gathering (MTG)

より。

いつも以上に意訳。ちょっと自信ないところがちらほらあります。ご容赦を。

ーーーーー

 この前僕はコントロールーコンボデッキについて、最も強力なアーキタイプだと述べた。しかしながら実際にそれが活躍することは殆ど無かった。この事実や寄せられたコメントによってあくまでこのデッキは二種類のデッキを混ぜただけのデッキに過ぎず、まだキチンとした理解ができていないに過ぎなかったのだろう。一方で、アグロデッキの中にコンボ要素を組み込もうとする風潮も近年低まってきており、このアグローコンボ型デッキが、一直線のアグロデッキやコントロールデッキより有利となるのがいつ、なぜなのかについて知らないプレイヤーも増えてきていることだろう。

  アグロデッキをコンボデッキと混ぜるという発想は、この2つの戦略は噛み合いがあまりないために、あまり取り入れられることはない。もし片方のプランによってもう片方のプランが崩壊してしまうのならば、本来のデッキより弱い動きを続けるだけになるだろう。

 コンボデッキをコントロールデッキのそれと混合する場合においては、両者がともに弱点となっている部分を補い合うことができるため、よく用いられている。コントロールデッキというものは概して勝利にかかる時間が長くなるために、コンボ用を組み込むことによって勝利を一気に自分の手近にひっぱってくることができるだろう。それによって対戦相手をおどかせることもできるだろう。それをうけて、アグローコンボデッキを作成しようとする際には、どうしてこの動きをすべきなのかについて、その理由をきちんと考えるべきだろう。

 前回の記事でも言及していたが、僕はミラディンのころにマジックを始めた。そしてアグロコンボデッキである。電結親和と出会うこととなった。ダークスティールが発売されるまでは親和はブルードスターなどを用いた低コスト化した単なるビートダウンであり、コンボ要素はなかった。そしてダークスティールが発売された後に、様々なカードによってこのデッキはコンボデッキのように変わってきたのだ。その時のデッキリストを紹介しよう。

Affinity by Conley Woods

22 Creatures
4 Arcbound Ravager/電結の荒廃者
4 Arcbound Worker/電結の働き手
4 Disciple of the Vault/大霊堂の信奉者を
4 Frogmite/金属ガエル
4 Myr Enforcer/マイアの処罰者
2 Myr Retriever/マイアの回収者

20 Spells
4 Aether Vial/霊気の薬瓶
2 Chromatic Sphere/彩色の宝球
3 Pyrite Spellbomb/黄鉄の呪文爆弾
3 Shatter/粉砕
4 Skullclamp/頭蓋骨絞め
4 Thoughtcast/物読み

18 Lands
2 Blinkmoth Nexus/ちらつき蛾の生息地
1 Darksteel Citadel/ダークスティールの城塞
3 Glimmervoid/空僻地
4 Great Furnace/大焼炉
4 Seat of the Synod/協議会の座席
4 Vault of Whispers/囁きの大霊堂

Sideboard
1 Blinkmoth Nexus/ちらつき蛾の生息地
4 Mana Leak/マナ漏出
1 Pyrite Spellbomb/黄鉄の呪文爆弾
3 Pyroclasm/紅蓮地獄
1 Shatter/粉砕
3 Shrapnel Blast/爆片破
1 Slobad, Goblin Tinkerer/ゴブリンの修繕屋スロバッド

 もう一度、このリストに目を通してほしい。このリストには禁止されてしまったために記憶から欠落しているようなカードが多数存在する。だが、このカードがなくても親和は親和として成立するだろうか?

 ああ、そのとおりだ。この親和のレシピはとても強いものではあるが、頭蓋囲いを加える事によってこのデッキを遅くしたうえでより強力なビートダウンとすることもできた。これらのカードは現在のモダン環境においても用いられているレベルのパワーカードである。それすらも採用されていないのはこのデッキがコンボデッキとして一瞬でライフを削りきることができるだけの能力を持っている。

 頭蓋骨絞めと電結の荒廃者をコントロールすることによって、盤面上のアーティファクトの数はそれほど多くなくなってしまうために、頭蓋囲いの効果は薄くなってしまうのである

また、大霊堂の信奉者によって3~4Tキルも成立してしまうために、2マナと重く、クリーチャーでもない頭蓋囲いは頭蓋骨絞めに劣るカードとなってしまうのである。

 このリストの素晴らしいところは、アグロの動きをするときにも、コンボの動きをするときにも、必要とするパーツがほぼ同じであり、状況に応じてより都合がいい動きを取ることができるというものがある。電結の荒廃者をひかずに信奉者を引いてしまうのは悪いものではあるが、この場合においても戦闘による破壊や頭蓋骨絞めによるドローへの変換によってこのカードが溶岩の撃ち込みや溶岩の斧として、そしてその後に繋がるコンボパーツとして働いてくれることだろう。また、アーティファクト土地がそれを強くバックアップしてくれることについてはいう必要はないだろう。

 このデッキがアグロコンボデッキとして成立しているのは、アグロとして動くときには基本的に盤面にカードが並んでいるために、コンボへの移行が容易に行えるという点がある。このような性質を前面に押し出すことができれば、アグロコンボデッキの成立は容易だといえるだろう。

ライフいくつですか

 かつて僕はソウルシスターズをコンボデッキだと勘違いしていた。このデッキはライフゲインを行いながら、その多量のライフを得る過程で強化されるクリーチャーを用いて相手を倒すデッキである。セラの高位僧を1T目に登場させた後、砂の殉教者を出してすぐ生け贄に捧げる、といったちょっとしたコンボがこのデッキには搭載されている。しかしながら、除去耐性のない6/6飛行絆魂クリーチャーは流刑への道が採用されるフォーマットにおいては底まで強いとも言いがたいだろう。

 しかしながら、このデッキは様々な亜種を作られているデッキであり、そしてコンボデッキとして動こうとするきらいもある。先にも言ったように、アグロデッキがコンボに触れようとするのはあまりよろしいことではないのだが、このデッキにおいては大成功を収めていると言ってもいいだろう。

 はじめに、ソウルシスターズはとても粘り強いデッキであるがために、他のアグロデッキ相手であってもコンボにたどり着くだけの時間をとることができる。他のアグロデッキの場合はできる限りゲームを早く終わらせようとするためにコンボ要素を入れてもあまり意味はないのだ。

 加えて、このデッキはシナジーを重視するデッキであるためにフィニッシャーを引くことができなくては勝利することができない。「ソウルシスターズ」は素晴らしい仕事をしてくれるカードではあるが、それだけでは本来勝つことはできないのだ。それをコンボを組み込むことによって別の勝ち筋を作成することができるようになるのだ。

 これはレオニンの遺物囲いを使ったソウルシスターズのコンボデッキの一例である。

Suture Sisters by Conley Woods

34 Creatures
4 Ajani's Pridemate/アジャニの群れ仲間
2 Hero of Bladehold/刃砦の英雄
4 Leonin Relic-Warder/レオニンの遺物囲い
4 Phyrexian Metamorph/ファイレクシアの変形者
4 Serra Ascendant/セラの高位僧
4 Soul's Attendant/魂の従者
4 Squadron Hawk/戦隊の鷹
4 Stoneforge Mystic/石鍛冶の神秘家
4 Suture Priest/縫合の僧侶

3 Spells
1 Batterskull/殴打頭蓋
1 Sword of Body and Mind/肉体と精神の剣
1 Sword of War and Peace/戦争と平和の剣

23 Lands
4 Inkmoth Nexus/墨蛾の生息地
19 Plains/平地

 このデッキのコンボ要素はファイレクシアの変形者をレオニンの遺物囲いとしてプレイすることで始まる。アーティファクトを追放する効果と、自身が場を離れた時それを場に戻す効果をコピーすることで自身をブリンクさせ続けることによって魂の管理人の効果を無限に誘発させ、アジャニの群れ仲間やセラの高位僧によって莫大なダメージを叩き出すことができるようになる。

 このコンボはとても搭載しやすいし、コストも底まで大きくない。最悪遺物囲いは相手のエンチャントやアーティファクトを追放させることができるし、最低限くまとして働いてくれる。また、変形者も相手の有用なパーマネントをコピーするクローンとして働いてくれるだろう。

 これらのカードは単体でも十分に仕事をしてくれるうえに、コンボパーツとしても動くことができるのだ。アグロとして、ゲームを早く終わらせることはもちろん可能だし、コンボプランをとってゲームを遅くすることも簡単だといえよう。

 この、アグロコンボデッキの考え方はコンボへの到達がそこまで難しくないだろうが、現実にはそこまで影響を与えていないのが残念だ。

スケープシフトを4枚?

 僕の大好きなアグロコンボデッキとして、アグロデッキに1種類のカードを加える事によってコンボデッキとして成立もさせようとするものである。もちろん、コンボにかかるカードの種類が底待っで重要というわけではないが、できるかぎり少ないほうが、アグロのゲームプランを崩壊させることなくすんなりとコンボへと映ることもできるだろう。

 下に示すのがその例と言える。

Naya Scapeshift by Conley Woods

22 Creatures
4 Knight of the Reliquary/聖遺の騎士
4 Plated Geopede/板金鎧の土百足
2 Qasali Pridemage/クァーサルの群れ魔道士
4 Steppe Lynx/ステップのオオヤマネコ
4 Vinelasher Kudzu/殴打蔦の葛
4 Wild Nacatl/野生のナカティル

13 Spells
3 Lightning Bolt/稲妻
4 Path to Exile/流刑への道
4 Scapeshift/風景の変容
2 Vines of Vastwood/巨森の蔦

25 Lands
3 Arid Mesa/乾燥台地
3 Flagstones of Trokair/トロウケアの敷石
2 Forest/森
2 Ghost Quarter/幽霊街
3 Misty Rainforest/霧深い雨林
2 Plains/平地
2 Sacred Foundry/聖なる鋳造所
2 Sejiri Steppe/セジーリのステップ
2 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
2 Temple Garden/寺院の庭
2 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地

Sideboard
3 Aven Mindcensor/エイヴンの思考検閲者
1 Bojuka Bog/ボジューカの沼
4 Ethersworn Canonist/エーテル宣誓会の法学者
2 Qasali Pridemage/クァーサルの群れ魔道士
3 Tormod's Crypt/トーモッドの墓所
2 Umezawa's Jitte/梅澤の十手

 お分かりの通り、このデッキは上陸能力と土地入れ替えのシナジーを用いたビートダウンデッキと言えるだろう。クァーサルの群れ魔道士を除くすべてのクリーチャーは土地によって強化を受ける。そのためにトロウケアの敷石などを用いて上陸を次々と誘発させることでこのクリーチャー群はどんどん強化され、風景の変容によってそれは更に加速することとなるだろう。

 ステップのオオヤマネコ→板金鎧の土百足→風景の変容と動くことができれば、軽量除去がない限り、あいては容易に死に至ることとなるだろう。16点のライフをもっていて、2匹のクリーチャーをコントロールしているときに、さらなる脅威を繰り出すか、稲妻によってマナをムダにするかという2択はそこまで考えずに選択することもできるだろう。

 このデッキが4マナ域に到達した瞬間に、風景の変容が相手にしをもたらすカードとして動き始める。セジーリのステップによるプロテクションの恩恵をうけることによってクリーチャーは悠々と相手を殴り倒すことができるようになるのだ。

 このデッキの問題点としては、風景の変容が死に札となってしまうこともあるというものである。これが先にいったアグロコンボデッキの弱点と言えるだろう。しかしながら、このリスクに対する、このカードを適切なタイミングで引けた時のリターンを考慮すれば4枚の風景の変容は十分に許容できうるものであろう。

 たしかにトップデッキとして状況に合わないカードが手札に入ってしまうというリスクは確かに存在している。しかし、それはデッキの作りに依存しているともいえよう。例えばこのデッキでタルモゴイフを入れようとしても、きっとこのカードは対戦相手の助けなしには3/4にしかなれないだろう。3/4は確かに弱くはないし安定はしている。……つまり言いたいことは、安定性とデッキパワーのどちらを取るのかによってデッキの構成そもそもが変わってくるのである、ということだ。

大きな罠

 大抵のアグロデッキにコンボ要素を取り込む必要はない。それは不必要だし無駄にリスクを取るだけだからだ。それが故に、もしこのようなデッキを作りたいのであれば、構築力が試されることとなるだろう。例えばこのスケープシフトのリストは、ローリスクハイリターンのカードとなるためだ。また、ソウルシスターズの例からは、コンボパーツとしてだけでなく、汎用性のあるカードとしても働く事が重要となっていることが読み取れるだろう。採用するカードの影響を考えることが、また対戦相手との相互作用を考慮することが、このようなデッキを作るのに重要な要素であり、難しい問題でもあるだろう。

 一般的に、もし完璧なデッキを作ることができないかぎり、そのコンボを搭載する理由はきちんと考えなくてはならないだろう。なぜこのコンボをこのアグロデッキに搭載しなくてはならないのか、この自問自答によってデッキは更に進化することだろう。思考停止してはならないが、本当にそれがデッキを良くするのか、きちんと考えてから作る必要があるだろう。

 アグロデッキにちょっとしたスパイスを加えたいのならば……コントロール要素なども悪くないのではないだろうか?

 また来週あおう!読んでくれてありがとう!