MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

そのデッキ、白黒トークンにつき。(W/B Tokens In Modern by JOSHUA CHO)

StarCityGames.com - W/B Tokens In Modern

より。

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 さあ、始めようじゃないか。

 ……といっても、まずは自己紹介をした方が良いだろう。かつてのプロツアーにおいてトップ4に入った実績をもつプレイヤーで(略)僕が好きなのはレベルの高い、マジックのゲームをすることだ。 GP Pittsburghにおいては12-3フィニッシュをし、多量のプロポイントを獲得した。これは今期シルバーを目指す僕にとってとても都合がいいものであった。では、それに何を使ったのか、そう、白黒トークンだ。

W/B Tokens
Josh Cho

3 Creatures

3 Auriok Champion/オーリオックのチャンピオン

25 Lands

3 Plains/平地
1 Swamp/沼
2 Arid Mesa/乾燥台地
1 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Fetid Heath/悪臭の荒野
3 Ghost Quarter/幽霊街
2 Godless Shrine/神無き祭殿
4 Marsh Flats/湿地の干潟
1 Sacred Foundry/聖なる鋳造所
2 Shambling Vent/乱脈な気孔
1 Vault of the Archangel/大天使の霊堂
1 Windbrisk Heights/風立ての高地
3 Flagstones of Trokair/トロウケアの敷石

32Spells 

4 Intangible Virtue/無形の美徳
1 Murderous Cut/残忍な切断
4 Path to Exile/流刑への道
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
4 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
4 Lingering Souls/未練ある魂
2 Spectral Procession/幽体の行列
2 Thoughtseize/思考囲い
3 Timely Reinforcements/機を見た援軍
4 Bitterblossom/苦花

2 Gideon, Ally of Zendikar/ゼンディカーの同盟者、ギデオン
1 Sorin, Solemn Visitor/真面目な訪問者、ソリン

Sideboard

3 Blood Moon/血染めの月
2 Rest in Peace/安らかなる眠り
2 Stony Silence/石のような静寂
1 Worship/崇拝
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
1 Sundering Growth/隔離する成長
2 Zealous Persecution/妄信的迫害
2 Duress/強迫
1 Timely Reinforcements/機を見た援軍

 

 僕が白黒トークンを好む理由として、環境に存在する数多くのデッキと渡り合えるというものがある。軽いハンデス、除去によって相手のコスパのいいクリーチャー群を殺すことができ、一方で相手の除去は実質腐ってしまう。そういう状況が大好きなのだ。そのために、刃砦の英雄のようなクリーチャーをあまり採用したくないという思いもある。稲妻や終止を未練ある魂や苦花で実質無駄牌にかえられるのはとても大きなメリットと言えるだろう。

 このデッキにおけるゲームプランを簡単に説明しよう。まず1ターン目、ハンデスで相手の様子を確かめる。2ターン目、オーリオックのチャンピオンなり苦花をおき、万全のトークン生産体制を作る。もしくは無形の美徳をおき、次のターンに備える。3ターン目。未練ある魂なり幽体の行列なり機を見た援軍なりをぶっ放す。4T目、ギデオンやソリンで蓋をする。

 この白黒トークンの目指す点としては、相手の戦略を破壊することによって自身の生存時間をより長くとり、その時間を用いて讃歌を受けたトークン群で相手を殴り倒すのだ。できる限りマナ効率は最高の状態でいたい、そのために除去はできる限り低コストであることが望ましいだろう。自身の戦場を発展させながら相手の戦場を、手札をズタボロにしていけば勝利は目前となる。

 さて。ここで白黒トークンの組み方として、Michel Majorsのレシピも参考としてのせたい。彼はとても賢くてハンサムな、……まあイケメンというやつだが、この構築二関して言うならば、潮流に反しているように思うのだ。

W/B Tokens
Michael Majors

7 Creatures

3 Auriok Champion/オーリオックのチャンピオン
4 Squadron Hawk/戦隊の鷹

25 Lands
4 Plains/平地
1 Swamp/沼
2 Arid Mesa/乾燥台地
1 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Fetid Heath/悪臭の荒野
3 Ghost Quarter/幽霊街
2 Godless Shrine/神無き祭殿
4 Marsh Flats/湿地の干潟
4 Shambling Vent/乱脈な気孔
3 Flagstones of Trokair/トロウケアの敷石

28 Spells
4 Honor of the Pure/清浄の名誉
1 Murderous Cut/残忍な切断
4 Path to Exile/流刑への道
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
4 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
4 Lingering Souls/未練ある魂
2 Spectral Procession/幽体の行列
2 Thoughtseize/思考囲い
3 Timely Reinforcements/機を見た援軍
2 Gideon, Ally of Zendikar/ゼンディカーの同盟者、ギデオン
1 Sorin, Solemn Visitor/真面目な訪問者、ソリン

Sideboard
3 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
1 Rest in Peace/安らかなる眠り
2 Stony Silence/石のような静寂
2 Worship/崇拝
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
2 Zealous Persecution/妄信的迫害
2 Duress/強迫
1 Timely Reinforcements/機を見た援軍

 確かに、戦隊の鷹と清浄の名誉も強いカードではあるだろう、しかしこれをキャストするだけの時間が足りないのではないかと思っている。また、清浄の名誉になく、無形の美徳のみに存在するメリットとして、警戒を付与されることにより攻防一体のカードとなれる、というものがある。

カード選択について

 白黒トークンの採用カードは大きく3つに分けられる。クロック、アンセム、除去だ。では、今回採用した、一見一般的ではないカードについて、解説をしていきたいと思う。

オーリオックのチャンピオン

 オーリオックのチャンピオンによるライフゲインは、2つのデッキに対して効果的となる。その1つがバーンである。相手のクリーチャーをブロックしながらトークン生成によってライフを獲得し、また苦花によるライフロスも苦にならなくなるのだ。

 そしてもう1つは双子だ。詐欺師の総督によるコンボを否定することができるのだ。おそらくおおよその双子の、コンボパーツの採用の仕方は総督4やっかい児2であるために、その少ない方を引かないとコンボを始動できないという点はとても大きくなるだろう。また、このクリーチャー自体を除去することも、そのプロテクションのために難しく、単に謎めいた命令でバウンスするくらいしか方法がないのだ。それをキャストされるまでに稼いだ時間によって、盤面を固めて相手を妨害しながら自身の勝利を確定させることができるだろう。

機を見た援軍

 昨今の使用率を鑑みるにこのカードはまさに環境にとって「機を見た援軍」になっているのではないだろうか。対アグロ戦におけるこのカードはまさに最高のカードといえ、ライフゲインとチャンプブロッカーの生成によってゲーム終了を数ターン引き延ばすことができる。また、2マナクリーチャーとしてはチャンピオンと苦花しか採用されていないために盤面は比較的更地であり、また思考囲いやフェッチランドにより、おおよそライフポイントは相手のそれより低いだろう。そのためにこのカードの効果はおおよそいつでも最大限のものとして得られるだろうしそのまま相手を殺すだけのクロックを伴ってくれるのだ。

殺戮の契約/残忍な切断

 先にも述べたように、軽量除去はこのデッキにおいて素晴らしいカードと言える。殺戮の契約は双子のコンボをタップアウト状態から止められるという点で評価している。

ゼンディカーの同盟者、ギデオン/真面目な訪問者、ソリン

 これらのプレインズウォーカーによって、讃歌と脅威両方を実質水増しできるというものはとても大きいだろう。どちらのカードも特定のマッチアップでは対処がとても難しいカードである。また、時にはギデオンを4マナの栄光の讃歌として使い捨てるのも良手となる場合があることを忘れてはならない。

トロウケアの敷石/聖なる鋳造所

 マナベースは多少不安定にこそなっているが、これはサイド後に血染めの月のプランをとるためには必要な経費だと考えている。全てのフェッチランド、そしてトロウケアの敷石からも聖なる鋳造所をサーチしてくることができ、血染めの月を速やかに場に送り出すことができるのだ。血染めの月を考えるならば他の能力持ち土地の枚数が若干奇妙に思えるかもしれないが、月がない場合において使えるというものを評価している。血染めの月によってヴェリアナのようなマナ拘束の厳しいカードは採用できなくなってしまったが、このデッキ自体が割ときれいに作れていると思っているため、特にマナ基盤に変更を加える部分はないように思っている。

血染めの月

 血染めの月によって、簡単に護符コンとのマッチアップなどを改善できる。そのためにマナ基盤を聖なる鋳造所に寄せたものへと変貌させることとなった。先に行った通り、全てのフェッチランド、そしてトロウケアから聖なる鋳造所はサーチできる。そのため3T目の月はそれほど難しいものではないと言えるだろう。また、同様にして相手の血染めの月への対処もそれほど難しくないデッキに仕上がっているという点は評価できる点と言えるだろう。そのようなデッキ相手にはできる限り基本土地からフェッチしてくるのを忘れないようにしたい。また、トロウケアー幽霊街によってもその月の呪縛から逃れられうるということも覚えておいてもらいたい。月が赤く染まる気配がしたならば、幽霊街は立てておくのがいだろう。

サイドボードについて

 ここ主要なデッキに対するサイドボードについて触れておきたい。とはいってもあくまでこれはモダン環境が広大であるために簡単にできるものとして、というものでしかない、という点については注意しておいてもらいたい。あくまで僕が行っていることは、「必要ないものを抜き、必要なものを入れている」だけなのである。また、サイドボード後にはこちらがサイドボードしているように、相手もサイドボードをしているということを忘れないでほしい。おそらく白黒トークン相手にはイゼットの静電術師や集団疾病、紅蓮地獄や仕組まれた爆薬がサイドインされることになるだろう。トークンデッキに対する最良の選択肢はおおよそ、そのパワーを押し下げることとなるために、無形の美徳やギデオンは抜きにくいカードとなる。

対双子

Out

3 機を見た援軍

1 ゼンディカーの同盟者、ギデオン

In

2 強迫

1 殺戮の契約

1 隔離する成長 

  このマッチアップはこちら有利なものだ。クロックを立てながら相手の邪魔をうまくするだけで簡単に勝てる。

対バーン

Out

2 思考囲い

2 苦花

In

2 強迫

1 機を見た援軍

1 崇拝

  バーン系のデッキには負けたくない、という思いがある、このデッキにおいてはその心配はあまりしなくても良いように思っている。機を見た援軍やオーリオックのチャンピオンによってメインからある程度の対策ができているからだ。しかしながら頭蓋割りやアタルカの命令といったライフゲインを禁するカードに関しては注意が必要であり、優先的に落としていくカードとなるだろう。

対護符コン

Out

3 オーリオックのチャンピオン

3 機を見た援軍

1 無形の美徳

In

3 血染めの月

2 強迫

1 隔離する成長

1 殺戮の契約 

  血染めの月が欲しいマッチアップ。また強迫によって2Tkillを妨害するのも重要だ。

赤緑トロン

Out

1 殺戮の契約

3 機を見た援軍

1 残忍な切断

In

2 石のような静寂

2 強迫

1 隔離する成長 

  このサイドボードプランはトロンと実際に戦って得た経験からくるものがある。血染めの月と石のような静寂、そしてハンデスによって相手は完全に沈黙するかのように思えるだろう。しかしながら実際のところはそのまま相手は7~8マナに達するまでなんとか持ちこたえ、カーンやウギンによって一気にまくられてしまうこととなるだろう。このマッチアップにおいて月を採用しなくなったのは石のような静寂と幽霊街だけで相手のマナ基盤は十分に崩壊するがために、わざわざ血染めの月をいれてまで自身のクロックを遅くしなくともいいと判断したからだ。過剰サイドボードの必要はないのだ。

 確かに赤緑トロンはこのデッキにとって脅威となりうる。もし赤緑トロンが多いのでは、と判断したときには塵への崩壊といった血染めの月とは異なる方法でアプローチをかけるのが良いように思う。

対親和

Out

1 殺戮の契約

2 ゼンディカーの同盟者、ギデオン

1 機を見た援軍

3 無形の美徳

In

2 強迫

2 妄信的迫害

2 石のような静寂

1 隔離する成長

  親和に1ゲーム目を落としてしまう原因となりうるのは、相手がハンドを早期に全て展開してしまい、こちらのハンデスが腐ってしまうパターンが大きいだろう。確かに親和の展開力は恐ろしいものではあるが、気をつけるべきは刻まれた勇者と頭蓋囲いの組み合わせ程度である。序盤をなんとかしてたえ、相手の脅威を除去し、盤面がさっぱりすれば戦い方を変えてしまうのが良いだろう。

対グリクシスデルバー

Out

1 殺戮の契約

3 機を見た援軍

In

2 安らかなる眠り

2 強迫 

  安らかなる眠りは探査デッキ対策として最高のカードとなる。瞬唱の魔導士やタシグル、アンコウを手札で腐らせることができる。また、オーリオックのチャンピオンによって場に出てしまったタシグル、アンコウを無力化させることも容易であるだろう。おおよそ相手の打ち消しにはまってしまわない限りこのゲームは容易にとることができるといっていいだろう。

 おおよそこれらのデッキがモダンのイベントで遭遇しうるデッキである。おおよそこれらのデッキに対して有利であることはわかってもらえただろう。しかしながら、このデッキ以外にも様々なメタ外が大会では現れることとなる。それに対してはプレイ経験を重ねるしかないだろうが、その指針となる記事はネットのあちらこちらに転がっていることだろう。

 もし過大評価している点や疑問に思う点があれば、知らせてほしい。僕自身もこのデッキを更によくしたいからだ。少なくとも僕は今後もこのデッキをおのが武器として使っていきたいと思っている。 さあ、君は何を武器とするんだい?