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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

マーフォークとは。(Modern Merfolk Primer By Caleb Durward )

マーフォーク

» Modern Merfolk Primer

より。

Copenhagenで優勝し、OklahomaCityでも良質な結果を残したマーフォーク、その隆盛の秘訣は。 

ーーーーー

 モダンの長い歴史の中で、マーフォークというデッキはTierが低い、あまり人気ではないデッキであった。しかしながら、昨今、突然にそのデッキが3%程度から約7%へと、急激にその優勝率を上げ、バーンやジャンド、トロンと同レベルとなった。(しかしながらまだ親和や双子と並ぶには5%ほど足りていないが。)

  この原因としてはメタゲームの変化があげられるだろう。マーフォークには8枚もの島渡りを持たせるロードが投入され、打ち消しに強い霊気の薬瓶と魂の洞窟も相まって青い、カウンター主体のデッキに対して強い構造を持っていた。しかしながら、大概のデッキに入っている除去カードはとても効果的であり、大抵の場合マーフォークは不利となっていた。

 立ち位置が多少良くなったからといっても、このデッキは有利なデッキに対して負けることはよくあることであるし、青単として組まれることが大半であるために調整の難しさ、そして除去が薄いというデッキとしての弱さが見えてしまう。呪文貫きや広がりゆく海は確かに良いカードではあるのだが、タルモゴイフの入ったデッキや親和に対して、これらは全くの無力となってしまう。

 そういうわけで、マーフォークには何かしらの色が足されることが多かったものの、それに対して僕は疑念を抱いていたし、実際ちょうどいい除去が存在しなかったのだ。

 マーフォークが欲していたのは、素晴らしい呪文などではなかった。欲していたのは、軽く、薬瓶から飛び出てくることで除去としても、クロックとしても成り立つようなカードだった。しかし、そんなカードあるわけが……

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(【トピック】 『マジック・オリジン』新カード〈潮流の先駆け〉公開! プレイヤーの評価は!?|マジック:ザ・ギャザリング より)

 あった。潮流の先駆けはちょうどそれに当てはまるカードであった。想像してもらいたい。グリクシスのデッキが2T目に強引にタシグルを場に送り出したのに対して、このカードを薬瓶から送り出すことによって手札にお帰りいただく光景を。このカードによって負け戦の潮流を反転させることができるようになったのだ。

 マーフォークはかつてはプレイアブルなデッキではなかっただろう。しかし、今それは完全に逆転した。

マーフォーク デッキレシピ

Paul Rietzl, Grand Prix Oklahoma City Top 8

31 Creatures
4 Cursecatcher/呪い捕らえ
4 Harbinger of the Tides/潮流の先駆け
1 Kira, Great Glass-Spinner/大いなる玻璃紡ぎ、綺羅
4 Lord of Atlantis/アトランティスの王
4 Master of the Pearl Trident/真珠三叉矛の達人
4 Master of Waves/波使い
4 Merrow Reejerey/メロウの騎兵
2 Phantasmal Image/幻影の像
4 Silvergill Adept/銀エラの達人

9 Spells
4 Aether Vial/霊気の薬瓶
4 Spreading Seas/広がりゆく海
1 Vapor Snag/蒸気の絡みつき

20 Lands
3 Cavern of Souls/魂の洞窟
11 Island/島
1 Minamo, School at Water's Edge/水辺の学舎、水面院
4 Mutavault/変わり谷
1 Oboro, Palace in the Clouds/雲の宮殿、朧宮

Sideboard
1 Dismember/四肢切断
4 Hurkyl's Recall/ハーキルの召還術
2 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
2 Remand/差し戻し
2 Spell Pierce/呪文貫き
2 Spellskite/呪文滑り
2 Vapor Snag/蒸気の絡みつき

  似たようなカードが大量に導入されていることによって、カードの引き増しというものが容易にできる。また、マリガンについても大概のデッキに対して同じ動きしかしないために決断がとてもしやすい。マーフォークを使うためには、他のデッキのような使い込みというものはあまりなく、むしろフォーマットに対する知識や、メタゲーム読みが重要となる。それを考えればPaulがベスト8に入ることができたのも、あまり不思議な事ではないだろう。

 このデッキのもつ利点としては、フル投入された広がりゆく海があげられるだろう。このカードはトロンやミシュラランドへのスムーズな解答となり、キャントリップをするうえに、波使いのための信心をより深めたうえで島渡り能力を最大限に活用させることができるようになる。

 マナ基盤も特徴的であり、数枚の島に加えて朧宮や水面院を窒息対策として入れており、さらにワンダーラインの合流点を入れているプレイヤーも居る。結局のところ、相手が窒息を場に送り出す頃にはこちらは薬瓶を用いて場にクリーチャーを並べてしまっているため、さほど問題となることはない。

 また、このデッキレシピにおいて部族デッキであるにもかかわらず魂の洞窟が4枚フル投入されていないのはおそらく幻影の像をキャストするためである、と推測している、また、他にも青マナを要求する非マーフォーク呪文は一定数存在し、それを運用するには13枚程度は青マナが素ででてくれる土地が必要なのだ。

 マーフォークを使うプレイヤーは、概して四肢切断や蒸気の絡みつき、大祖始の遺産や呪文貫きをメインデッキに投入している。しかしながら、僕はこの、より殴ることに特化したPaulのレシピがより素晴らしいと思っている。このデッキはマナフラッドに対してはあまり寛容的ではなく、またトップデッキした時に基本的に弱いカードが多くなるために、ぶっ刺さる可能性こそあるものの早くゲームを決めてしまったほうが強いことが予測されるからだ。

サイドボードについて

  • 大半の場合、サイドボードは単純な形で行われる。2色の青基調のデッキや、汎用性のある土地にかけるデッキ、また単色のデッキに対しては広がりゆく海を減らすべきだろう。クリーチャーの重圧があまりないマッチアップにおいては潮流の先駆けがコンボカードのように働いてくれる。
  • もし対戦相手がカウンターをもたないデッキを使っているのならば、そのゲームはおおよそ長期戦になることが推測できる。(例:ジャンド)そのために霊気の薬瓶を抜くことは選択肢として十分ありうる。
  • 波使いは確かに強いカードではある、しかしストームやグリセルシュート、護符コンといったデッキに対しては無力である。
  • 大祖始の遺産は探査するデッキやタルモゴイフ、また死せる生やグリセルシュート、ストームといった特定のコンボデッキに対してとても有用に働く。
  • 双子もそうだが、呪禁オーラや感染、護符コン、稲妻を使うデッキに対して呪文滑りはとても有用に働く。このカードによって親和戦が若干弱くなってしまうかもしれないが、電結の荒廃者を止められるという点においてはこのカードは十分に働いてくれることだろう。
  • 親和は正直最悪のマッチアップであり、メタカードがなければ勝利を手にすることは絶対にできないだろう。そのためにPaulのハーキルの召還術フル投入という選択肢は納得の行くものとなる。このカードによって相手の戦線を崩壊させることができるだけでなく、石のような静寂や忍び寄る腐食では対処できないような、空僻地や、ミシュラランドに対しても対処することができる。このカードを唱えれば負けから大きく遠ざかることができるだろう。
  • 双子相手においては広がりゆく海と潮流の先駆け、そのすべてを抜き、呪文滑りや蒸気の絡みつき、四肢切断や打ち消し、大祖始の遺産などを入れることになるだろう。
  • ミラーマッチにおいてはアトランティスの王が双方に島渡りを与えてしまうことに注意してほしい。きっと抜いてしまったほうがいいだろう。
  • サイドボードの選択肢として、冬眠や潮縛りの魔道士、虚空の杯といったカードや、払拭、統一された意思といったカウンターを使うこともできるだろう。

マーフォークを使うときに気をつけるべきこと

  • メロウの騎兵の能力で薬瓶をアンタップすることは殆ど無いだろうが、それで勝つことができるのならば、起こり得ることはあるだろう。大半の場合は土地をアンタップすることでさらなる展開を可能としたり、変わり谷の起動コストとして使ったりすることとなる。
  • このデッキで行うことはおおよそコンバット算、つまるところロード算である。変わり谷、銀エラの達人、潮流の先駆けはロード+1のパワー、呪い捕らえはロードと同一のパワーを持っていることを覚えておこう。
  • スタンダードでもできていたことではあるが、波使いによって変わり谷はさらに強くなる。
  • もしクリーチャー化している土地に広がりゆく海をエンチャントしても、ターン終了時までその土地はまだクリーチャーである。そのため海を貼ったからといってブロッカーが排除できるわけではない、ということに注意しておいてもらいたい。かつてToddがそれを利用していたことがあるとのことだ。
  • もし幻影の像を変わり谷としてプレイしたのならば、それはアンタップインのクリーチャー化していない土地となる。

対マーフォークについて

  • ロードは自身に対して島渡りを与えられない。そのため真珠三叉矛の達人と銀エラの達人が並んでいるより、2体の波使いが並んでいる方が片方を単なるブロッカーとして投げ捨てることもできるために恐ろしい事態となりうる。まずロードを除去し、出来る限り猶予を確保する必要があるだろう。
  • Zooや呪禁オーラに対して有効牌である仕組まれた爆薬は、マーフォークに対しても有用である。
  • 引き裂く流弾は大いなる玻璃紡ぎ、綺羅に対し友好なカードだ。このカードは双子対策にもなるのでおすすめである。
  • マーフォークがカウンター3の薬瓶を起動した時、選択肢としてあるのはおそらく綺羅かメロウの2択となる。どのようなリストも複数枚の綺羅を採用していることを考慮に入れて、それに対応するかどうかを考えるべきだろう。
  • グリクシスカラーのデッキを使っているのならば、黒単色の除去は波使いのために温存しておくべきだろう(これが喉首狙いを終止より優先して利用する理由となりうる)。また、それができないのならば電解と瞬唱の魔道士をつかうことでトークンを一層し、青、もしくは黒のクリーチャーで波使いをブロックするのが最善手となることだろう。