MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

モダンデッキ25選(The 25 Best Decks in Modern By Brian DeMars)

» The 25 Best Decks in Modern: #25-14 

» The 25 Best Decks in Modern: #1-13

より、要点をかいつまんで。

※10/9 20:55 デッキリストを追加しました。

ーーーーー

 前に上げた記事で言及したとおり、モダンにおいて最も重要なのはデッキ選択とそれの練度を高めることである。この練度の高さがそのまま勝敗に繋がることもあると言っていいだろう。

 その記事の中で僕はモダンには少なくとも25種類のデッキが存在している、と言及していた。となると当然、「それは何?」という質問が飛んできたのだ。

 彼らのために今回は25種類のデッキを提示し、更にそれに順位付けをした。順位付けのポイントは以下の4つだ。

デッキの安定性

理不尽な勝ちの得やすさ

ヘイトへの耐久力

デッキの柔軟性

 あくまで今回参考にしたデータはそれほど大規模なものではなく、自身の偏見も入っているものとはなるだろうが、このリストはモダンという環境で生き抜くためのデッキ選択のためにはなってくれるだろう。(元記事ではMOやPPTQで実際に上位入賞したレシピも掲載されております。本記事では全て省略しておりますが是非参考にどうぞ。)

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(編注:9,10点の赤文字化はこちらで行ったものです。また、ランタンコントロールの点数的に位置取りがおかしかったため本来の14位から12位に順位を上げております。)

グリセルシュート

 どんなカテゴリにおいても10点をとれるデッキは本当に強いデッキと言えるだろう。グリセルシュートは2Tキルを容易にかつ頻繁に行うことができる数少ない、恐ろしいデッキといえるだろう。

 さらに言えば、このデッキはをこのリストに含めたのは特定のプレイヤーへのアピール要素も含んでいる。というのもモダン広しといえど2T目に安定して勝てるデッキはそう多くないし、さらに言えばリアニメイト型のデッキはマジックの長い歴史の中で試すべきに値するデッキとして名を残し続け、モダンにもその爪痕を残しているのである。多様性を語るフォーマットでリアニメイトについて語らない理由は一つもないと言ってしまっていいだろう。

Bruno Castro, 5th place at the WMCP Qualifier Lisboa

Lands
2 黒割れの崖/Blackcleave Cliffs
2 血の墓所/Blood Crypt
4 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
2 山/Mountain
1 汚染された三角州/Polluted Delta
3 沼/Swamp
4 悪意の神殿/Temple of Malice
Creatures
2 怒れる腹音鳴らし/Borborygmos Enraged
4 猿人の指導霊/Simian Spirit Guide
4 グリセルブランド/Griselbrand
4 世界棘のワーム/Worldspine Wurm
Spells
1 集団的蛮行/Collective Brutality
2 捨て身の儀式/Desperate Ritual
4 信仰無き物あさり/Faithless Looting
4 御霊の復讐/Goryo's Vengeance
1 稲妻の斧/Lightning Axe
1 魔力変/Manamorphose
4 夜の囁き/Night's Whisper
4 滋養の群れ/Nourishing Shoal
4 裂け目の突破/Through the Breach
3 苦しめる声/Tormenting Voice
Sideboard
2 神々の憤怒/Anger of the Gods
3 血染めの月/Blood Moon
1 集団的蛮行/Collective Brutality
3 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
4 神聖の力線/Leyline of Sanctity
1 稲妻の斧/Lightning Axe
1 紅蓮地獄/Pyroclasm

 さて、このデッキの弱点についていうならば、手札を整える術がどうしても少なくなってしまっているために、必要なカードを引けないまま負けてしまうことが十分に起こり得てしまうということである。さらに言えば、サブプランも用意することができない。さらに言えばサイドからのヘイトも非常に高く、対処しづらいと言ってしまっていいだろう。墓地対策、ハンデス、打ち消しその全てが刺さることとなる。

 とはいえ我らラクドス、オール・インしない理由など存在しない。

グリクシスデルバー

 グリクシスカラーのデッキは打ち消しと瞬唱を備えたジャンドと言ってしまっていいだろう。それほどの力をもっているといっていい。コンボが多いメタゲームならば打ち消しの力によってジャンドよりも強い動きを取ることもできるだろう。しかしながら緑のもつ太いクリーチャーに欠けている点が弱点といえる。

 このデッキの強力な点はデルバーやタシグル、アンコウと軽量かつ強力なクリーチャーを場にどんどんと送り出していける点にある。

Diogo Mussalem, 1st place at PPTQ Brasilia

Lands
1 血の墓所/Blood Crypt
3 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
2 島/IsLands
1 山/Mountain
4 汚染された三角州/Polluted Delta
4 沸騰する小湖/Scalding Tarn
2 蒸気孔/Steam Vents
1 沼/Swamp
2 湿った墓/Watery Grave
Creatures
4 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets // 昆虫の逸脱者/Insectile Aberration
1 グルマグのアンコウ/Gurmag Angler
4 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
3 黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang
1 ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique
Spells
1 対抗突風/Countersquall
1 四肢切断/Dismember
1 コラガンの命令/Kolaghan's Command
4 稲妻/Lightning Bolt
3 マナ漏出/Mana Leak
1 残忍な切断/Murderous Cut
1 差し戻し/Remand
4 血清の幻視/Serum Visions
1 呪文貫き/Spell Pierce
3 呪文嵌め/Spell Snare
3 終止/Terminate
4 思考掃き/Thought Scour
Sideboard
2 血染めの月/Blood Moon
2 集団的蛮行/Collective Brutality
2 対抗突風/Countersquall
1 四肢切断/Dismember
2 払拭/Dispel
1 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
1 瞬間凍結/Flashfreeze
1 イゼットの静電術師/Izzet Staticaster
1 マグマのしぶき/Magma Spray
1 呪文貫き/Spell Pierce
2 外科的摘出/Surgical Extraction

 グリクシスデルバーは除去コンパーミッションもしたいという欲張りにとってとても都合のいいデッキといえるだろう。双子の死後、青赤系のコントロールデッキは確かに息を潜めていたが、それでもなおこの手のデッキの骨格自身は死に絶えていないのである。

白日スケープシフト

 スケープシフトはとても丸い、素晴らしいデッキだ。除去にも打ち消しにも優れ、一発の風景の変容でゲームを終わらせることができる。

 コントロールデッキが一撃死プランを持っていることはとても大きな利点となる。とは言えヴァラクートの条件が成立しなければ絶対に勝てず、風景の変容が引けるまで必死に生き残らなければならないというのは大きな弱点といえよう。

Lars Rodrigues de Miranda, 1st place at the Modern Qualifier

Lands
2 繁殖池/Breeding Pool
1 燃えがらの林間地/Cinder Glade
1 溢れかえる果樹園/Flooded Grove
2 森/Forest
3 島/IsLands
3 霧深い雨林/Misty Rainforest
2 山/Mountain
4 蒸気孔/Steam Vents
3 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1 沼/Swamp
2 溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle
1 湿った墓/Watery Grave
Creatures
4 桜族の長老/Sakura-Tribe Elder
2 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
Spells
1 神々の憤怒/Anger of the Gods
2 予期/Anticipate
4 白日の下に/Bring to Light
4 謎めいた命令/Cryptic Command
1 電解/Electrolyze
2 遥か見/Farseek
2 イゼットの魔除け/Izzet Charm
1 レインジャーの道/Ranger's Path
4 差し戻し/Remand
3 風景の変容/Scapeshift
4 明日への探索/Search for Tomorrow
1 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
Sideboard
1 すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All
1 塵への崩壊/Crumble to Dust
1 滅び/Damnation
1 クローサの掌握/Krosan Grip
3 稲妻/Lightning Bolt
1 記憶の旅/Memory's Journey
1 否認/Negate
2 強情なベイロス/Obstinate Baloth
1 粉砕の嵐/Shatterstorm
1 殺戮遊戯/Slaughter Games
2 呪文滑り/Spellskite

 白日の下にによってこのデッキは大きく強化された。様々なパーツを都合のいいときに唱えられるのはとても大きな利点となる。白日の下にの存在によってこのデッキは大きく評価を挙げることとなった。このデッキは倒しにくいデッキ筆頭と言えるだろう。

スリヴァー

 別に笑いを取りたくてここに乗せているわけではない。スリヴァーはオワコンという人も多くいるだろうが、僕の知り合いに完璧にこのデッキを乗りこなすプレイヤーがいるのだ。風乗りスリヴァーが一度動き出せば、このデッキは手に負えなくなる。

Aaron Uniacke, 1st place in a Modern Weds (55 players)

Lands
1 血の墓所/Blood Crypt
1 繁殖池/Breeding Pool
4 魂の洞窟/Cavern of Souls
1 森/Forest
1 霧深い雨林/Misty Rainforest
2 変わり谷/Mutavault
1 草むした墓/Overgrown Tomb
3 汚染された三角州/Polluted Delta
4 スリヴァーの巣/Sliver Hive
1 沼/Swamp
1 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
1 湿った墓/Watery Grave
Creatures
2 収差スリヴァー/Blur Sliver
2 焼灼スリヴァー/Cautery Sliver
1 暗心スリヴァー/Darkheart Sliver
3 拡散スリヴァー/Diffusion Sliver
4 風乗りスリヴァー/Galerider Sliver
1 宝革スリヴァー/Gemhide Sliver
2 マナ編みスリヴァー/Manaweft Sliver
1 壊死スリヴァー/Necrotic Sliver
4 捕食スリヴァー/Predatory Sliver
4 菅草スリヴァー/Sedge Sliver
4 筋力スリヴァー/Sinew Sliver
1 先制スリヴァー/Striking Sliver
2 吸管スリヴァー/Syphon Sliver
Spells
4 集合した中隊/Collected Company
1 四肢切断/Dismember
3 霊気の薬瓶/AEther Vial
Sideboard
2 虚空の杯/Chalice of the Void
1 暗心スリヴァー/Darkheart Sliver
1 四肢切断/Dismember
1 熱狂スリヴァー/Frenetic Sliver
3 調和スリヴァー/Harmonic Sliver
1 壊死スリヴァー/Necrotic Sliver
2 真髄の針/Pithing Needle
1 巣主スリヴァー/Sliver Hivelord
1 念動スリヴァー/Telekinetic Sliver
2 思考囲い/Thoughtseize

 このデッキがなぜ強いのか、答えは簡単だ。霊気の薬瓶と集合した中隊の両方の展開力を最大限に利用できるからである。逆に言えばそれほどのクリーチャー詰め込みデッキであるという点が弱点にはなるが、それでもこの2つのギミックは強力である。

デス&タックス

 ヘイトベアー達はエターナル環境でも強力である。となればもちろん、モダンでもそれ相応の実力を示してくれる。僕自身、サブデッキとして持ち歩いているほどだ。

 このデッキのマナ否定戦略と次々に繰り出される脅威は相手に反撃の隙を与えることなく、そのライフを全て削り取ってくれることだろう。

Sangren, 1st place in a Competitive Modern League

Lands
4 コイロスの洞窟/Caves of Koilos
4 エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
4 幽霊街/Ghost Quarter
4 神無き祭殿/Godless Shrine
2 平地/Plains
1 海門の残骸/Sea Gate Wreckage
3 乱脈な気孔/Shambling Vent
1 沼/Swamp
Creatures
3 変位エルドラージ/Eldrazi Displacer
4 ちらつき鬼火/Flickerwisp
4 レオニンの裁き人/Leonin Arbiter
3 スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben
2 異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar
4 難題の予見者/Thought-Knot Seer
4 潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler
3 不毛の地の絞殺者/WasteLands Strangler
Spells
4 流刑への道/Path to Exile
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
4 霊気の薬瓶/AEther vial
Sideboard
2 苦渋の破棄/Anguished Unmaking
2 神聖な協力/Blessed Alliance
2 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender
2 エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist
2 コーの火歩き/Kor Firewalker
1 コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor
2 呪文滑り/Spellskite
2 盲信的迫害/Zealous Persecution

 これは個人的な話ではあるが、変位エルドラージを搭載したデッキはとても心地よく思える。エルドラージ土地を最大限に活用しようとするこのデッキは相手の戦略をずたずたにし、こちらに利をもたらすのである。正直評価が不当に低いデッキの一つと言っていいだろう。レオニンの手によって作られる露天鉱床の姿を見れば、すぐにその恐ろしさに気付けることだろう。

ブルームーン

  ブルームーンも理不尽系のデッキである。一旦月が着地してしまえば相手は何も唱えられることなく、そのまま無慈悲にライフを0にすることとなる。さらに言えばこのデッキ自体もマナ否定戦略を組み込んだ青赤系コントロールの系譜のデッキであることも忘れてはならない。

サンプルレシピ

Lands
1 僻地の灯台/Desolate Lighthouse
8 島/IsLands
2 山/Mountain
4 汚染された三角州/Polluted Delta
4 沸騰する小湖/Scalding Tarn
2 蒸気孔/Steam Vents
2 硫黄の滝/Sulfur Falls
Creatures
2 完成態の講師/Docent of Perfection // 繰り返しつくしたもの/Final Iteration
1 ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar
4 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
1 ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique
Spells
2 神々の憤怒/Anger of the Gods
1 噴出の稲妻/Burst Lightning
2 謎めいた命令/Cryptic Command
2 電解/Electrolyze
1 収穫の火/Harvest Pyre
4 稲妻/Lightning Bolt
4 マナ漏出/Mana Leak
4 血清の幻視/Serum Visions
3 呪文嵌め/Spell Snare
1 熟慮/Think Twice
4 血染めの月/Blood Moon
1 炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller
Sideboard
1 殴打頭蓋/Batterskull
2 払拭/Dispel
1 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
1 イゼットの静電術師/Izzet Staticaster
1 思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought
1 嵐の神、ケラノス/Keranos, God of Storms
1 否認/Negate
1 紅蓮地獄/Pyroclasm
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
1 粉砕の嵐/Shatterstorm
1 誘惑蒔き/Sower of Temptation
1 呪文滑り/Spellskite
1 汚損破/Vandalblast

 このデッキの抱える一番の問題点は月が刺さることを前提としたデッキビルドが行われている点にある。結局このカードが働かなければデッキのポテンシャルはそこまで発揮できないということになってしまう。とはいえパワーカードを主軸としてデッキを組む事自体は賞賛されるべきであろう。

 また、完成体の講師がこのデッキにさらなる進化を与えることとなった。受動的な青赤コントロールデッキにとって、このカードは最良の切り札となってくれるのだ。

むかつき

 むかつきは昨年のGPでも優勝したデッキである。このデッキと対峙しているときには本当に生きた心地がしない。たとえ相手のドローが多少腐っていたとしても、相手の勝利手段を止めるためにこちらができることは本当に少ないと言ってもいい。

 デッキを引ききるためのコンボパーツは何枚も積まれており、それが決まってしまえばゲームも一瞬で終わってしまうのである。

 ImTHOR, 1st in a Competitive Modern League

Lands

3 闇滑りの岸/Darkslick Shores
2 戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef
4 宝石鉱山/Gemstone Mine
2 平地/Plains
4 金属海の沿岸/Seachrome Coast
4 欺瞞の神殿/Temple of Deceit
1 啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment
Creatures
4 猿人の指導霊/Simian Spirit Guide
Spells
4 むかつき/Ad Nauseam
4 天使の嗜み/Angel's Grace
1 燃焼/Conflagrate
1 稲妻の嵐/Lightning Storm
3 否定の契約/Pact of Negation
2 深遠の覗き見/Peer Through Depths
4 血清の幻視/Serum Visions
1 殺戮の契約/Slaughter Pact
4 手練/Sleight of Hand
4 睡蓮の花/Lotus Bloom
4 五元のプリズム/Pentad Prism
4 ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife
Sideboard
1 すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All
3 暗黒への突入/Plunge into Darkness
2 強迫/Duress
1 残響する真実/Echoing Truth
2 太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion
4 神聖の力線/Leyline of Sanctity
1 否定の契約/Pact of Negation
1 貴族階級の嘲笑/Patrician's Scorn

 このデッキの安定性を低く評価している人も多くいるだろうが、実際にはライブラリ操作を大量に詰め込んでいるこのデッキは「負けない」手段をいくらでも抱えることができるのだ。このようなコンボデッキで「負けない」ことは実質「勝っている」も同然なのだ。

 現状のモダン環境を考えるに、速さ、地力、安定性どの点から見てもむかつきはとても環境にあっているデッキといえよう。

マーフォーク

 認めたくない人も数多くいるかもしれないが、マーフォークは素晴らしいデッキであり、十分に勝利を得られるデッキである。

 マーフォーク自体はスリヴァーより注目を浴びているデッキだ(というよりは単にスリヴァーについて目を向けていない人が大半というだけではある)がその両方が霊気の薬瓶を用い、その速度と安定性を大きく高めたデッキとして殴りかかってくるのである。

Fedorchenko Artem, 1st place at WMCQ Ukraine

Lands

2 魂の洞窟/Cavern of Souls
1 闇滑りの岸/Darkslick Shores
12 島/IsLands
4 変わり谷/Mutavault
Creatures
4 呪い捕らえ/Cursecatcher
4 潮流の先駆け/Harbinger of the Tides
4 アトランティスの王/Lord of Atlantis
4 波使い/Master of Waves
4 真珠三叉矛の達人/Master of the Pearl Trident
4 メロウの騎兵/Merrow Reejerey
4 銀エラの達人/Silvergill Adept
Spells
2 四肢切断/Dismember
1 残響する真実/Echoing Truth
2 蒸気の絡みつき/Vapor Snag
4 広がりゆく海/Spreading Seas
4 霊気の薬瓶/AEther Vial
Sideboard
1 四肢切断/Dismember
2 払拭/Dispel
1 残響する真実/Echoing Truth
1 墓掘りの檻/Grafdigger's Cage
1 はらわた撃ち/Gut Shot
3 ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall
1 大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner
1 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
4 差し戻し/Remand

 クリーチャー型のデッキであるにも関わらず、カンパニーを採用していないのは若干不自然ではあるが、ロードたちを並べることによってそのような問題は一瞬で消し飛ぶ事となる。ロード算によって、実質カードが場に出る度マーフォークたちが強化されていっているようにみえることだろう。

 このデッキのもう一つの大きなポイントとなるのが広がりゆく海である。マナ否定戦略と自軍のアンブロッカブル化の能力は決して侮ってはならない。

キキコード

 キキコードはいわゆるグッドスタッフ型のデッキである。様々な強力クリーチャーを並べ、時には無限コンボを決めて勝利することができるのである。

 モダン環境をプレイする中で思うのが、召喚の調べが本当に強いカードであるという点だ。インスタントタイミングでどんなクリーチャーでも場に送り出せると言うのはどう読んでも破格の効果といえるだろう。

 Gabriel Cappato, 1st at Open Barra Do Pirai (52 Players)

Lands
2 火の灯る茂み/Fire-Lit Thicket
2 森/Forest
2 ガヴォニーの居住区/Gavony Township
1 地平線の梢/Horizon Canopy
1 山/Mountain
1 平地/Plains
1 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
2 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1 寺院の庭/Temple Garden
1 ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey // 不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
Creatures
4 極楽鳥/Birds of Paradise
1 引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn
3 永遠の証人/Eternal Witness
1 高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells // 高原の荒廃者/Ravager of the Fells
1 鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker
3 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks
2 貴族の教主/Noble Hierarch
1 ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar
1 クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage
2 修復の天使/Restoration Angel
1 漁る軟泥/Scavenging Ooze
1 呪文滑り/Spellskite
3 復活の声/Voice of Resurgence
2 根の壁/Wall of Roots
Spells
4 召喚の調べ/Chord of Calling
4 流刑への道/Path to Exile
4 先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger
Sideboard
1 エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor
1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender
2 塵への崩壊/Crumble to Dust
1 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
2 焦熱の裁き/Fiery Justice
1 二股の稲妻/Forked Bolt
3 神聖の力線/Leyline of Sanctity
1 再利用の賢者/Reclamation Sage
1 鷺群れのシガルダ/Sigarda, Host of Herons
1 呪文滑り/Spellskite
1 最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll

 除去、切り札、その全てに優れているといっても過言ではない。個人的にはここにウェストヴェイルの修道院を追加されている点がとても好きで、自分も試したいと思っている。

 僕自身は集合した中隊のほうが正直好きではあるのだが、だからといってこのデッキの長所がカンパニーに劣るものだとは一つも思っていない。この手のクリーチャーデッキもまた、マジックにおける強デッキの一つとなるのだ。

エルフ

 PT BerlinでLSVが優勝した事実からも分かる通り、エルフはとても強力なデッキである。

 このデッキは驚異的なスピードでデッキを掘り下げていく。マナクリーチャーと実質的なドロースペルでのみ構成されるこのデッキに安定性がないなどということは神に誓っても言うことはできないだろう。

Taylor Grant, 1st at Epic Loot Autism Benefit (53 Players)

Lands

4 魂の洞窟/Cavern of Souls
4 光り葉の宮殿/Gilt-Leaf Palace
1 ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx
2 草むした墓/Overgrown Tomb
1 ペンデルヘイヴン/Pendelhaven
3 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
3 森/Forest
Creatures
4 ドゥイネンの精鋭/Dwynen's Elite
4 エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid
4 エルフの神秘家/Elvish Mystic
4 エルフの幻想家/Elvish Visionary
2 背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader
4 遺産のドルイド/Heritage Druid
4 ラノワールのエルフ/Llanowar Elves
4 イラクサの歩哨/Nettle Sentinel
4 群れのシャーマン/Shaman of the Pack
Spells
4 召喚の調べ/Chord of Calling
4 集合した中隊/Collected Company
Sideboard
1 内にいる獣/Beast Within
2 脳蛆/Brain Maggot
1 薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter // 爪の群れの咆哮者/Krallenhorde Howler
1 引き裂く突風/Fracturing Gust
2 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks
2 暴走の先導/Lead the Stampede
1 シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast
2 再利用の賢者/Reclamation Sage
2 漁る軟泥/Scavenging Ooze
1 無私の霊魂/Selfless Spirit

 多量の全体除去が積んであるデッキに対してはこのデッキはたしかに弱いが、この手のデッキに対してであっても、集合した中隊をうまく使うことでかんたんに勝利を奪い取ることができるのである。

 実はこの頃エルフは練習しているデッキの一つであり、実際に今後使うことも想定している。カンパニーが大好きな僕にとって、このデッキはとても甘美なものであった。安定し高速で相手を殺すという点においてアブザンカンパニーを超えるこのデッキをなぜ僕が今まで使ってきていなかったのかというと、やはりその柔軟性の低さが気になっていたのだ。柔軟性の低さは往々にして悪いことではないのだが、少なくとも僕のプレイスタイルとは合致していないのである。

死せる生

 死せる生に対して僕は個人的に高い評価を与えたい。モダン制定以来、僕のこのデッキに対する勝率は正直ゴミと言ってもいいレベルである。とても強力で、対処し難いデッキなのだ。

Craig Westfall, 1st place at SCG IQ

Lands

1 血の墓所/Blood Crypt
3 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
4 銅線の地溝/Copperline Gorge
1 ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run
1 草むした墓/Overgrown Tomb
1 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
3 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
1 森/Forest
2 山/Mountain
2 沼/Swamp
Creatures
4 意思切る者/Architects of Will
4 死の一撃のミノタウルス/Deadshot Minotaur
4 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
2 炎血の襲撃者/Igneous Pouncer
4 巨怪なオサムシ/Monstrous Carabid
2 叫び大口/Shriekmaw
3 猿人の指導霊/Simian Spirit Guide
4 通りの悪霊/Street Wraith
Spells
3 内にいる獣/Beast Within
4 悪魔の戦慄/Demonic Dread
3 死せる生/Living End
4 暴力的な突発/Violent Outburst
Sideboard
1 内にいる獣/Beast Within
1 フェアリーの忌み者/Faerie Macabre
3 骨までの齧りつき/Gnaw to the Bone
3 鋳塊かじり/Ingot Chewer
2 クローサの掌握/Krosan Grip
3 跳ね返りの罠/Ricochet Trap
2 殺戮遊戯/Slaughter Games

 べつにこのデッキは一発芸だけをしに来ているわけではない。単に続唱死せる生をきめてくるだけだろうと思っているかもしれないが、このデッキの本質はランデスにあるのだ。

 大爆発、なだれ乗り、内に入る獣……これらのカードによってこちらのマナ基盤は崩壊し、そんな戦場を巨大なクリーチャーたちが駆け抜けていくこととなる。それらに対処することなど、容易であるわけがない。

 また、このデッキがコンボデッキであるにも柔軟性を高く評価しているのは相手によってコンボの始動タイミングを自由に弄ることができるためだ。また、単にサイクリングによって土地を並べ続け、単純に巨大なクリーチャーでビートダウンを遂行することも可能である。

トリコナヒリ

 青コンは全く死に絶えてなどいないのだ。ナヒリが現れたことによって、双子使いが大好きだったコンボによる殺戮がまたコントロールに加わったのである。

 とは言えやるべきは簡単なことである。相手の動きをすべて妨害し、ナヒリを守り、キノコを投げつける。それだけだ。

 本当にやることが単純であるために、ゲームを掌握するのは全然難しくないと言ってもいいだろう。

 Graeme McIntyre, 1st place at Sheffield Patriot Games (30 Players)

Lands
1 乾燥台地/Arid Mesa
4 天界の列柱/Celestial Colonnade
1 僻地の灯台/Desolate Lighthouse
3 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1 氷河の城砦/Glacial Fortress
1 神聖なる泉/Hallowed Fountain
2 島/IsLands
1 山/Mountain
1 平地/Plains
1 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
4 沸騰する小湖/Scalding Tarn
2 蒸気孔/Steam Vents
Creatures
2 硫黄の滝/Sulfur Falls
1 引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn
4 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
1 ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique
Spells
3 祖先の幻視/Ancestral Vision
2 謎めいた命令/Cryptic Command
2 電解/Electrolyze
4 稲妻/Lightning Bolt
2 稲妻のらせん/Lightning Helix
3 マナ漏出/Mana Leak
4 流刑への道/Path to Exile
2 差し戻し/Remand
2 血清の幻視/Serum Visions
2 呪文嵌め/Spell Snare
4 先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger
Sideboard
2 太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion
1 イゼットの静電術師/Izzet Staticaster
2 否認/Negate
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
2 呪文滑り/Spellskite
2 石のような静寂/Stony Silence
2 至高の評決/Supreme Verdict
2 機を見た援軍/Timely Reinforcements

 このデッキのもう一つの評価点はサイドボードの多様さにある。白のサイドボードとして石のような静寂に太陽の勇者、エルズペス、そして機を見た援軍を採用することができる。

 青白コントロールはデッキとして素晴らしいものであり、その地力は十分に認めている。どのようなトーナメント一定の強さを誇ってくれることだろう。

呪禁オーラ

 理不尽さに10点しかあげられないのが残念だ。

 このデッキはわかりやすく相手を無視するデッキであり、その性質はモダン随一のものである。相手に触らせないクリーチャーを送り出し、ブロックできないようにし、殴る。それだけでライフ差は絶望的に開くこととなる。

 また、このデッキに対処する手段がほとんどないといってもいいために、多くのプレイヤーが嫌悪しているデッキでもある。

 HYLCO WORM, Gameforce Monthly Event (93 Players)

Lands
1 ドライアドの東屋/Dryad Arbor
4 地平線の梢/Horizon Canopy
4 剃刀境の茂み/Razorverge Thicket
4 寺院の庭/Temple Garden
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
1 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
1 森/Forest
1 平地/Plains
Creatures
1 ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg
4 林間隠れの斥候/Gladecover Scout
3 コーの精霊の踊り手/Kor Spiritdancer
4 ぬめるボーグル/Slippery Bogle
Spells
3 流刑への道/Path to Exile
4 夜明けの宝冠/Daybreak Coronet
4 天上の鎧/Ethereal Armor
4 ハイエナの陰影/Hyena Umbra
4 怨恨/Rancor
3 蜘蛛の陰影/Spider Umbra
2 霊魂のマントル/Spirit Mantle
2 抑制の場/Suppression Field
2 ひるまぬ勇気/Unflinching Courage
Sideboard
1 ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg
4 神聖の力線/Leyline of Sanctity
2 自然の要求/Nature's Claim
2 安らかなる眠り/Rest in Peace
1 原基の印章/Seal of Primordium
1 呪文滑り/Spellskite
2 石のような静寂/Stony Silence
2 抑制の場/Suppression Field

 このデッキの耐ヘイト値を高くしているのは、そもそもこのデッキに対するヘイトカードを入れることができないからだ。たしかに布告能力や自然に帰れを使えばこのデッキは簡単に殺すことはできるが、今のモダンにおいて布告能力はヴェールのリリアナ以外はほぼ持っていないと言ってもいいくらいだと言えるし、サイドボードから採用するデッキもほとんどないだろう。

 このデッキは本当に高速であり、僕はジェスカイの隆盛を使っていた頃に4度ほど3T目にこのデッキに轢き殺された事がある。このデッキの一番難しい点がマリガン判断であり、そのための訓練は必要であると言えよう。

 ランタンコントロール

 ランタンコントロールは完全に相手をロックし、マジックではない別のゲームをさせることができるものだ。

 モダンのデッキで殴らないデッキは殆どないと言ってもいい。そこに罠の橋が突き刺さることとなる。呪文滑りを始めとした様々なロックパーツによって罠の橋を守り、相手のデッキをすべて消し去ってしまうのだ。

Alex Fann, 1st place at a GP Charlotte Trial

Lands
2 アカデミーの廃墟/Academy Ruins
2 闇滑りの岸/Darkslick Shores
1 幽霊街/Ghost Quarter
4 空僻地/Glimmervoid
1 燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows
4 ラノワールの荒原/Llanowar Wastes
1 海門の残骸/Sea Gate Wreckage
1 森/Forest
1 ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast
Spells
4 突然の衰微/Abrupt Decay
4 古きものの活性/Ancient Stirrings
4 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
2 思考囲い/Thoughtseize
3 外科的摘出/Surgical Extraction
4 写本裁断機/CodeShredder
4 罠の橋/Ensnaring Bridge
4 グール呼びの鈴/Ghoulcaller's Bell
1 墓掘りの檻/Grafdigger's Cage
4 洞察のランタン/Lantern of Insight
4 オパールのモックス/MoOpal
2 真髄の針/Pithing Needle
1 伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium
1 弱者の剣/Sword of the Meek
1 飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry
Sideboard
1 墓掘りの檻/Grafdigger's Cage
4 神聖の力線/Leyline of Sanctity
1 自然の要求/Nature's Claim
2 真髄の針/Pithing Needle
2 紅蓮地獄/Pyroclasm
2 呪文滑り/Spellskite
3 溶接の壺/Welding Jar

 実際に僕もこのデッキを何度か使ったことがあるが、割と好みのデッキという感想がピッタリのものとなる。どんなデッキに対しても勝てるのがとても大きい。とはいえ大きな弱点として練習量が相当に必要という点がある。ちょっとしたミスをするだけでランタンゲーはマジックに簡単に戻ってしまうのだ。

 とはいえもしロックデッキが大好きなのならばこのデッキを是非使うべきだろう。それだけの価値がこのデッキにはあるのだ。

SCZ

 SCZはここ半年で一気にその人口数をのばしているデッキである。

 このデッキが自害しながら高速でこちらのライフを削ってくる姿はさながら懐かしのネクロポーテンスといっても過言ではないだろう。

 ファイレクシアマナのお陰でSCZの戦略がより加速されている事も忘れてはならない。

Alex Majlaton, 5th place at Loot Fest

Lands
1 血の墓所/Blood Crypt
4 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
1 神無き祭殿/Godless Shrine
1 草むした墓/Overgrown Tomb
1 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
1 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
2 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
2 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
Creatures
4 死の影/Death's Shadow
4 僧院の速槍/Monastery Swiftspear
3 ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx
4 通りの悪霊/Street Wraith
4 野生のナカティル/Wild Nacatl
Spells
3 強大化/Become Immense
4 ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe
2 稲妻/Lightning Bolt
4 変異原性の成長/Mutagenic Growth
4 ティムールの激闘/Temur Battle Rage
3 思考囲い/Thoughtseize
4 ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble
Sideboard
1 はらわた撃ち/Gut Shot
3 わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills
2 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
2 流刑への道/Path to Exile
1 ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife
1 紅蓮地獄/Pyroclasm
2 安らかなる眠り/Rest in Peace
1 石のような静寂/Stony Silence
1 タルモゴイフ/Tarmogoyf
1 森/Forest

 フリースペルを打てば勝てる。

 あえて言うとすれば、もうそろそろこのデッキの動きがわかられてもおかしくないという点にある。と言ってもそれでもこのデッキはネタバレが行われたとしても勝ちきれるだけのパワーを持っているため、このリストに掲載しておくものとする。

 危険な香りが大好きな人にはこのデッキはぴったりだろう。

アブザンカンパニー

 不当な評価をしているかどうかについては何度も確認した。このデッキのいいところはきっちりとした理解をすることでそのポテンシャルが何倍にも膨らむという点にあるのだ。もしくはこのデッキによって使い手の真価が開花するということになるだろう。

Brian DeMars

Lands
2 剃刀境の茂み/Razorverge Thicket
2 ガヴォニーの居住区/Gavony Township
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
2 湿地の干潟/Marsh Flats
4 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
1 神無き祭殿/Godless Shrine
2 草むした墓/Overgrown Tomb
2 寺院の庭/Temple Garden
1 平地/Plains
2 森/Forest
1 沼/Swamp
Creatures
4 極楽鳥/Birds of Paradise
3 貴族の教主/Noble Hierarch
2 臓物の予見者/Viscera Seer
1 漁る軟泥/Scavenging Ooze
2 シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast
4 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks
2 不屈の追跡者/Tireless Tracker
2 永遠の証人/Eternal Witness
1 クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix
1 悪鬼の狩人/Fiend Hunter
2 族樹の精霊、アナフェンザ/Anafenza, Kin-Tree Spirit
Spells
2 流刑への道/Path to Exile
3 根の壁/Wall of Roots
4 召喚の調べ/Chord of Calling
4 集合した中隊/Collected Company
Sideboard
2 不屈の追跡者/Tireless Tracker
1 大渦の脈動/Maelstrom Pulse
1 突然の衰微/Abrupt Decay
2 復活の声/Voice of Resurgence
1 先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost
4 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
1 クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix
1 戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage
2 クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage

 ……もうアブザンカンパニーについては散々書いている(未翻訳)ので、もう語る必要はないだろう。このデッキでの不屈の追跡者はとても強い。

赤緑トロン

 トロンはぶっ壊れデッキの一つであり、3Tカーンに屈した経験も何度もあるだろう。

 ウギンの目の禁止によって死ぬかと思われたこのデッキだが、実際にはそれほど失うものもなかった。なんだかんだいって3T目にトロン成立シてしまえばこちらのものとなってしまうのである。

Kevin Serapiglia, GPT Winner

Lands
4 燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows
2 ウギンの聖域/Sanctum of Ugin
4 ウルザの鉱山/Urza's Mine
4 ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant
4 ウルザの塔/Urza's Tower
2 森/Forest
Creatures
2 呪文滑り/Spellskite
2 絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger
2 世界を壊すもの/World Breaker
2 ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine
Spells
4 古きものの活性/Ancient Stirrings
1 炎渦竜巻/Firespout
2 紅蓮地獄/Pyroclasm
4 森の占術/Sylvan Scrying
4 彩色の宝球/Chromatic Sphere
4 彩色の星/Chromatic Star
4 探検の地図/Expedition Map
4 解放された者、カーン/Karn Liberated
3 忘却石/Oblivion Stone
2 精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
Sideboard
2 沸騰/Boil
1 世界のるつぼ/Crucible of Worlds
4 自然の要求/Nature's Claim
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
3 スラーグ牙/Thragtusk
3 歪める嘆き/Warping Wail

 トロンに対する不平不満は未だによく聞かれるものではあるが、このデッキもまた、モダンを定義するデッキの一つと言えるだろう。

 ウギンの聖域がウギンの目の代替品として成立することはすでに証明されており、たしかに弱いカードではあるが十分にその仕事は果たしてくれている。もちろんそれをプレイする機会は十分にあるし、実際に塩撒きを食らった後でも素の土地マナから大物を叩きつけ、勝つこともできるのである。おそろしや。

赤緑ヴァラクート

 ヴァラクートがモダンでも強力であるということはすでに示されたと言ってしまっていいだろう。とてつもなく早く、安定してこちらを殺しにくるのだ。

 たしかにこのデッキよりも早いデッキも多くあるが、このデッキには動けないハンドが実質的に存在しないといってもいいのだ。その安定性は強く評価できるポイントとなるだろう。

Rob Pisano, 2nd place at Grand Prix Indianapolis

Lands
2 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
2 燃えがらの林間地/Cinder Glade
1 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
4 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
4 溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
2 森/Forest
6 山/Mountain
Creatures
1 強情なベイロス/Obstinate Baloth
2 ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar
4 原始のタイタン/Primeval Titan
4 桜族の長老/Sakura-Tribe Elder
Spells
1 神々の憤怒/Anger of the Gods
4 遥か見/Farseek
4 稲妻/Lightning Bolt
4 明日への探索/Search for Tomorrow
3 召喚士の契約/Summoner's Pact
4 裂け目の突破/Through the Breach
1 先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger
3 ニッサの誓い/Oath of Nissa
Sideboard
3 神々の憤怒/Anger of the Gods
2 塵への崩壊/Crumble to Dust
2 濃霧/Fog
1 先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger
1 強情なベイロス/Obstinate Baloth
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
2 粉砕の嵐/Shatterstorm
2 呪文滑り/Spellskite

 このデッキはまた、高速デッキ対策として数枚除去を投入しているが、これがとてもいいアクセントとなっている。このデッキ自体はいつも2番目の選択として十分な地力を持っており、現在のメタゲームを鑑みても立ち位置はとてもいい位置になっていると思われる。ただ単に僕の場合はアブザンカンパニーの練度を鑑みた結果そちらが勝ったというだけである。そしてこの考えこそ前の記事で伝えたかったものでもある。愛せるデッキをみつけ、それを最良の状態に調整するのだ。

 そういう意味でも赤緑ブリーチシフトはモダン環境における良質な選択肢として存在することとなる。

ジャンド

 ジャンドは究極のフェアデッキである。全てのカードが丸く、強力で、対処しづらい。ジャンドは全てのデッキに対して五分であるというのは古事記にものっており、プレイング次第ではいかなる相手も倒すことができるのだ。

 確かに実際にはトロンを始めとした不利なマッチアップも存在するが、それでもなお、ジャンド側に勝利の可能性は十分にあると言えよう。

 ジャンドは対戦相手に干渉可能であるという点でモダン随一の力をもつ。多量のハンデス、そして除去によってこちらのタルモゴイフのビートダウンをサポートするのだ。

Jaberwocki, 1st place in a Competitive Modern League

Lands
4 黒割れの崖/Blackcleave Cliffs
1 血の墓所/Blood Crypt
4 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
2 草むした墓/Overgrown Tomb
3 怒り狂う山峡/Raging Ravine
1 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1 黄昏のぬかるみ/Twilight Mire
4 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
1 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
1 森/Forest
2 沼/Swamp
Creatures
4 闇の腹心/Dark Confidant
1 渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer
2 ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet
2 漁る軟泥/Scavenging Ooze
4 タルモゴイフ/Tarmogoyf
Spells
2 突然の衰微/Abrupt Decay
1 四肢切断/Dismember
4 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
2 コラガンの命令/Kolaghan's Command
4 稲妻/Lightning Bolt
1 大渦の脈動/Maelstrom Pulse
3 終止/Terminate
2 思考囲い/Thoughtseize
4 ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
Sideboard
1 古えの遺恨/Ancient Grudge
1 神々の憤怒/Anger of the Gods
2 集団的蛮行/Collective Brutality
1 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
2 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
3 虚空の力線/Leyline of the Void
1 オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren
2 スパイクの飼育係/Spike Feeder
2 滅び/Damnation

 実際にジャンドはどのデッキに対してもそれなりに戦えるという点でトーナメントに持ち込むにはとても丸いデッキと言えるだろう。しかしながら、ジャンドは高い練度を要求してくるデッキであり、毎日のように次のメタゲームを予想しては細かい組み換えを必要としてくる。

 ジャンドを使う上で最も重要なのが、相手に積極的に干渉することである。メタゲームに合わせた適切な呪文をデッキの中に入れておけば勝利はこちらのものだ。知り合いにジャンド狂いはたくさんいるが、そのみながリストをよりよくしようと日々努力している姿を僕はずっと見てきた。

バントエルドラージ

 ウギンの目死すともエルドラージは死せず。現在のエルドラージも強力な脅威をもつという点では以前のそれと変わらず、また寺院のお陰で別ゲーを強いることも十分に可能となる。

 ここ数ヶ月、エルドラージはその数を増やし続け、今後もその風潮は続くのではないかと予想している。このデッキの恐ろしいところはマスカン、マス除去が次々と出てくる点にあり、「これはどう?じゃあこれは?」という質問攻めのような気持ちになれることだろう。

Iacopo Scaringella, 1st place at Modern PPTQ Roma Italy

Lands
1 繁殖池/Breeding Pool
3 低木林地/BrushLands
1 魂の洞窟/Cavern of Souls
4 エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
1 神聖なる泉/Hallowed Fountain
1 地盤の際/Tectonic Edge
1 寺院の庭/Temple Garden
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
3 ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast
1 森/Forest
1 島/IsLands
1 平地/Plains
Creatures
3 希望を溺れさせるもの/Drowner of Hope
1 老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend
4 変位エルドラージ/Eldrazi Displacer
3 空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner
4 作り変えるもの/Matter Reshaper
4 貴族の教主/Noble Hierarch
4 現実を砕くもの/Reality Smasher
2 呪文滑り/Spellskite
4 難題の予見者/Thought-Knot Seer
Spells
4 古きものの活性/Ancient Stirrings
4 流刑への道/Path to Exile
3 虚空の杯/Chalice of the Void
1 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
Sideboard
3 虚空の杯/Chalice of the Void
2 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
1 墓掘りの檻/Grafdigger's Cage
3 否認/Negate
1 安らかなる眠り/Rest in Peace
3 石のような静寂/Stony Silence
1 世界を壊すもの/World Breaker
1 崇拝/Worship

  エルドラージの強い点はデッキトップから強いクリーチャーをバンバン叩きつけられる点にある。確かに高速デッキも多く存在してはいるが、それに対抗できるだけの強さをエルドラージももっている。寺院によるマナ加速も見逃せないだろう。

ドレッジ

 ドレッジは恐ろしいデッキだ。ヴィンテージ時代からうなされ続けてきた。

 モダンにはたしかにバザーは存在しないが、それでも十分な速度と強さを保持している。相手に何もさせることなくこちらの動きを押し付け、そのまま勝つことも容易にできるのだ。大量のゾンビを墓地から蘇らせ続け、相手を圧倒するのだ。フェアデッキの除去なんてこのデッキに通用するわけがない。

A_WEBB, 1st place in a Modern Competitive League

Lands
3 黒割れの崖/Blackcleave Cliffs
2 血の墓所/Blood Crypt
3 銅線の地溝/Copperline Gorge
2 ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage
2 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
3 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
2 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
1 蒸気孔/Steam Vents
1 山/Mountain
Creatures
4 ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll
4 恐血鬼/Bloodghast
1 憑依された死体/Haunted Dead
4 傲慢な新生子/Insolent Neonate
4 ナルコメーバ/Narcomoeba
4 秘蔵の縫合体/Prized Amalgam
3 臭い草のインプ/Stinkweed Imp
Spells
2 燃え立つ調査/Burning Inquiry
3 燃焼/Conflagrate
2 暗黒破/Darkblast
4 信仰無き物あさり/Faithless Looting
2 壌土からの生命/Life from the Loam
2 稲妻の斧/Lightning Axe
1 農民の結集/Rally the Peasants
1 苦しめる声/Tormenting Voice
Sideboard
2 突然の衰微/Abrupt Decay
2 古えの遺恨/Ancient Grudge
1 集団的蛮行/Collective Brutality
1 暗黒破/Darkblast
2 骨までの齧りつき/Gnaw to the Bone
3 虚空の力線/Leyline of the Void
3 自然の要求/Nature's Claim
1 呪文滑り/Spellskite

 確かに安らかなる眠りに対してこのデッキは無力となる。だからこそサイドボードはその対策に大きく割かれることになる。実際にサイドボード後にも墓地対策を対処されたけっか轢き殺されるはめになったことも何度もある。

 このデッキはプレイアブルであり、また今後も存在し続けることが予想できる。墓地対策が減れば減るほど、このデッキは威力を増してくるのである。「まーたドレッジに轢かれた」と愚痴る回数も増えることになるだろう。

アブザン

 どのような点から見てもアブザンはジャンドの同型に見えるかもしれない。実際に根本を構成するパーツはジャンドのそれに大きく類似しているが、包囲サイや未練ある魂のおかげで対ジャンド戦は大きくアブザン有利なものになっている。つまるところジャンドに強いジャンドなのだ。

 未練ある魂を捨てながら集団的蛮行を唱える動きは動きとしてとても美しいものだ。また未練ある魂自体がコントロール殺しのカードとなってくれるのだ。

Renzikiel Regala, 2nd place at WMCQ Philippines

Lands
1 ガヴォニーの居住区/Gavony Township
1 神無き祭殿/Godless Shrine
4 湿地の干潟/Marsh Flats
2 草むした墓/Overgrown Tomb
3 乱脈な気孔/Shambling Vent
1 寺院の庭/Temple Garden
2 黄昏のぬかるみ/Twilight Mire
1 森/Forest
4 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
2 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
1 平地/Plains
2 沼/Swamp
Creatures
3 残忍な剥ぎ取り/Grim Flayer
3 漁る軟泥/Scavenging Ooze
4 タルモゴイフ/Tarmogoyf
2 黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang
Spells
3 突然の衰微/Abrupt Decay
1 集団的蛮行/Collective Brutality
3 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
4 未練ある魂/Lingering Souls
1 大渦の脈動/Maelstrom Pulse
4 流刑への道/Path to Exile
3 思考囲い/Thoughtseize
1 ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar
3 ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
1 真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor
Sideboard
1 集団的蛮行/Collective Brutality
2 滅びへの選択/Choice of Damnations
1 太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion
1 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
3 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
2 墓掘りの檻/Grafdigger's Cage
2 石のような静寂/Stony Silence
1 盲信的迫害/Zealous Persecution
2 外科的摘出/Surgical Extraction

 アブザンカラーが現状黒緑系最強のカラーリングであることは否定しようのない事実である。ミッドレンジのデッキとして最高のビルドとなっているのだ。いかなる方法を用いても相手を消耗戦に持ち込み、相手のいかなるカードも破壊し尽くすのだ。

 そして白をタッチしているからこそ、石のような静寂に代表される様々な白いカードをサイドボードに採用できるのも大きい。

 

 ということでトップ3の発表にうつる。これらのデッキはモダンを定義するデッキと言ってよく、またメタゲームがどのようなものであるかを如実に示すものとなるだろう。

 実際にこれから示す全てのデッキは驚異的な速さをもち、1T目から適切な回答を要求してくるデッキなのだ。

ナヤバーン

 まずはバーンである。モダン環境にはバーンデッキにピッタリの火力呪文が多量に存在し、相手を4T目に葬り去るには十分な速度をもっている。それに対応できなければ文字通りこんがり焼かれてしまうのだ。

 バーン、Zooといったデッキはモダンに多く存在し、少々違いこそ見受けられるがその全てが素晴らしいデッキである。最終目的という点でこれらのデッキは同じとみなしてしまって問題ないと判断し、今回はそれらをひとまとめにして紹介したいと思う。

Brandon Burton, 1st place at Grand Prix Indianapolis

Lands
3 乾燥台地/Arid Mesa
4 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
2 銅線の地溝/Copperline Gorge
3 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
2 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
2 山/Mountain
Creatures
4 大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel
4 ゴブリンの先達/Goblin Guide
1 渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer
4 僧院の速槍/Monastery Swiftspear
4 野生のナカティル/Wild Nacatl
Spells
4 アタルカの命令/Atarka's Command
4 ボロスの魔除け/Boros Charm
4 溶岩の撃ち込み/Lava Spike
4 稲妻/Lightning Bolt
3 裂け目の稲妻/Rift Bolt
4 焼尽の猛火/Searing Blaze
Sideboard
2 跳ね返す掌/Deflecting Palm
3 破壊的な享楽/Destructive Revelry
3 コーの火歩き/Kor Firewalker
1 稲妻のらせん/Lightning Helix
4 流刑への道/Path to Exile
2 頭蓋割り/Skullcrack

 先の記事の考えからするならば、デッキはその目指す動きによってカテゴライズされるべきだと考えており、「調整可能な部分」にそれは現れてくることになるとおもっている。例えばナヤブリッツの動きは実質バーンと同様の動きを目指しているためにここでは紹介していないがSCZの動きは完全に本来のバーンの動きではなくなっているために今回別枠での紹介をすることとした。

 Zoo、バーンは今や環境を定義するアグロデッキと言ってしまっていいだろう。

親和

 モダンというフォーマットの制定以来、僕たちはこのデッキから逃れることはできなかった。エクテン時代からずっとこのデッキは存在していることとなる。

 親和は本当に高速で無茶苦茶な戦略を取ってくるデッキである。どのようなトーナメントにおいても親和がTop8にいることは何ら不思議な事ではないと言っていいだろう。

 だからこそ、サイドボードに対策は必須であり、静寂や粉砕の嵐、ハーキルの召喚術といったヘイトカードが向けられてしまうのもしかたないことだといえよう。とはいえそのくらいしか親和を殺せるようなカードがないのも事実である。

 そのためにこれらのヘイトカードがあってなお、親和はトップメタたり得、多くのプレイヤーに愛され、憎まれているのだ。ヘイトカードがなければ禁止を食らっているカードも数多く存在することになるだろう。例えばモックスはモダン環境においては親和のためのオパール以外、実質存在しないといってもいいのである。

ACG88, 1st place in a Modern Constructed League

Lands
4 ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus
4 ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel
3 空僻地/Glimmervoid
4 墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus
1 島/IsLands
1 山/Mountain
Creatures
4 電結の荒廃者/Arcbound Ravager
2 刻まれた勇者/Etched Champion
2 エーテリウムの達人/Master of Etherium
3 メムナイト/Memnite
4 羽ばたき飛行機械/Ornithopter
4 信号の邪魔者/Signal Pest
4 鋼の監視者/Steel Overseer
4 大霊堂のスカージ/Vault Skirge
Spells
4 感電破/Galvanic Blast
4 頭蓋囲い/Cranial Plating
4 オパールのモックス/MoOpal
4 バネ葉の太鼓/Springleaf Drum
Sideboard
1 古えの遺恨/Ancient Grudge
2 四肢切断/Dismember
2 刻まれた勇者/Etched Champion
2 墓掘りの檻/Grafdigger's Cage
1 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
3 呪文貫き/Spell Pierce
1 トーモッドの墓所/Tormod's Crypt
1 鞭打ち炎/Whipflare
2 ギラプールの霊気格子/Ghirapur AEther Grid

 親和を長らく使ってくる中でこのデッキには様々な、素晴らしい戦略が存在することを知った。そしてその中で親和は本当に難しいデッキであることも理解した。プレイする中で本当に難しい、そしてリスキーな選択を迫られることが何度もあったためだ。

 電結の荒廃者を盤面に着地させるだけで、様々な動きが許容されるようになるのだ。

感染

 そう、予想通りという人もいるだろう。

 感染は2T目にゲームを決めることもできれば、消耗戦を耐え抜くこともできる、文字通り無茶苦茶なデッキといえるのだ。

 感染持ちクリーチャーとパンプ呪文を組み合わせることで様々な動きが可能となる。ファイレクシアマナと探査呪文を用いて実質的に様々なマナコストを踏み倒し、こちらを毒漬けにしてくるのだ。ライフこんだけ、ファイマナでキャスト。じゃあ墓地探査して、GG!

 荒廃の工作員に限らず、こちらのクリーチャーはブロッカーとして機能しなくなる。いかなる方法を用いても相手はこちらの壁を乗り越え、本体へと攻撃を闘争としてくるのだ。

 そして今回、ランキングのトップに感染が現れたのは、このデッキ自体がアンフェアの体現者たるためでもある。そして面倒なことにフェアデッキとしての動きもとれなくはないという点にある。フェアデッキに死を。

Adam Labutka, 1st place at the Four Horsemen Championship

Lands
2 森/Forest
4 墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus
2 繁殖池/Breeding Pool
2 ペンデルヘイヴン/Pendelhaven
1 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
Creatures
4 荒廃の工作員/Blighted Agent
4 ぎらつかせのエルフ/Glistener Elf
4 貴族の教主/Noble Hierarch
2 呪文滑り/Spellskite
Spells
2 使徒の祝福/Apostle's Blessing
3 強大化/Become Immense
1 四肢切断/Dismember
1 地うねり/Groundswell
4 古きクローサの力/Might of Old Krosa
4 変異原性の成長/Mutagenic Growth
1 呪文貫き/Spell Pierce
2 よじれた映像/Twisted Image
4 巨森の蔦/Vines of Vastwood
1 ひずみの一撃/Distortion Strike
4 ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe
Sideboard
1 顕在的防御/Blossoming Defense
1 ドライアドの東屋/Dryad Arbor
1 墓掘りの檻/Grafdigger's Cage
2 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks
3 自然の要求/Nature's Claim
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
1 ヴィリジアンの堕落者/Viridian Corrupter
2 払拭/DispelLands

 また、カラデシュで感染は新たなカード、顕在的防御を手に入れることとなった。

 昨今強大化に禁止を求める声も多くある。それもまた、感染をここまで高ランクに入れることになった理由ともなる。しかしながら僕は個人的にこのカードが禁止になるとは思っておらず、というよりはこのカードを禁止してもあまり変化は起こらないのではないかという思いもある。

 

 以上、ここに示したデッキはいずれも素晴らしいデッキである。確かに今回は感染がトップとはなったものの、ちょっとしたことでこのランキングの並びが大きく変わることも十分にあるだろう。

 大きな大会でこのいずれに当たる可能性も十分にあるというわけだ。

 

 以上で今回の記事が全てとなる。何か忘れてることがあったらぜひ指摘してほしい。ちなみにストームについては26番目に位置しており、他に入れるべきデッキがありすぎてしまったために漏れただけである点についてはご了承願いたい。

 もし読者の中にこのデッキはもっと点数が高いはずだと思うものがあるならば、是非コメントで指摘してくれると助かる。僕自身、他者の考えを聞くことはとても楽しみにしているからだ。

 そして最後に。

ダンは選択肢が本当に多量にある。だからこそ、自身に一番適切な武器をとり、戦え。