MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

白日の下に。(Bring to Light By Paulo Vitor Damo da Rosa)

» Bring to Light

より。

スケープシフトや死せる生への採用などが話題となるこのカードについて、PVが語ります。

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 白日の下に、というカードは今までにないサーチカードである。というのもこのカードはマナコストを支払うこともなく、サーチしてすぐに唱えられるカードである。時にこれがデメリットとなることも存在しないわけではないが、大半の場合このカードでサーチしてくるカードはその場面場面ですぐに使いたいカードなのである。

  白日の下に、の効果は自身が払ったマナに比例して大きくなっていく。青と緑だけでこのカードを唱えることもできるが、このままではこのカードの真価は発揮されないだろう。また3色でも同様である。

 4色から、このカードは真価を発揮し始める。おおよそ4マナのカードの効果は5マナのそれと大して変わらず、様々な選択肢をもつことができる、という柔軟性はとても重要となるのだ。

 例えば、5マナの包囲サイを唱えたいか?衰滅だったら?――どちらもおそらくNOだろう。では、これが5マナの分割カードだったとしたら?更にアブザンの魔除けとして、完全なる終わりとして、破滅の道としても使えるとしたら……?きっとこれは5マナというコストに見合うカードとなるだろう。4色のデッキを作ることは簡単なことではないけれども、このマナベースはフェッチBFZランドによって十分成し得うると僕は推測している。

 もしマジックに存在している5色、そのすべてを用いることができるのならばこのカードはどんなカードにでもなれるのだ。そう、これは今までのマジックではなくなってしまうのだ。例えばドラゴン系のデッキにおいて、オジュタイや命運の核心を使い分ける事ができるというのはとても大きな利点となるのだ。

 

 では、これから白日の下に晒すことになるだろうカードについて触れていこう。

0マナ

  • 死せる生
  • 均衡の復元

 きっとこのカードをみてこのカードを思い出した人は多いことだろう。続唱させることなく、これらのカードを唱えられる、ということは好きなときに呪文を唱えられる、ということだ。もし死せる生にこのカードをいれるならば、白日の下に、は5マナの死せる生として使えるカードとなるだろう。

1~2マナ

  • 思考囲い/流刑への道/究極の価格/稲妻
  • ヴリンの神童、ジェイス/漁る軟泥/呪文滑り/シルヴォクののけ者、メリーラ

 このようなシルバーバレットを叩きつけることもできるだろう。確かに低マナ域のカードをこれで唱えるのはコストパフォーマンスとしては悪いが、適切であるということも十分有り得る。

3マナ

  • アブザンの魔除け/スゥルタイの魔除け/破滅の道
  • 死霧の猛禽/肉袋の匪賊/巨森の予見者、ニッサ
  • 再利用の賢者/月の大魔術師/先頭に立つもの、アナフェンザ/失われた業の巫師

 3マナ域のカードは得てしてただの除去カードとして運用することになるだろう。しかし、これらの柔軟に用いることができるのは大事なことだろう。

4マナ

  • 包囲サイ/狩猟の統率者、スーラク/血の暴君、シディシ
  • 風景の変容/集合した中隊
  • 衰滅/謎めいた命令/オジュタイの命令/粉砕の嵐/忍び寄る腐食

 面白いよね。

5マナ

  • 命運の核心/対立の集結/悲劇的な傲慢/光り葉の選別者/シルムガルの命令
  • 龍王オジュタイ/嵐の憤怒、コラガン/囁き森の精霊/風番いのロック

これらのカードによって、ゲームを一気に動かすことできるだろう。

スタンダード:4CBtL案

15 Creatures
3 Den Protector/棲み家の防御者
2 Deathmist Raptor/死霧の猛禽
4 Siege Rhino/包囲サイ
1 Nissa, Vastwood Seer // Nissa, Sage Animist/巨森の予見者、ニッサ
1 Anafenza, the Foremost/先頭に立つもの、アナフェンザ
4 Hangarback Walker/搭載歩行機械


19 Spells
1 Transgress the Mind/精神背信
2 Despise/蔑み
1 Dromoka’s Command/ドロモカの命令
2 Gideon, Ally of Zendikar/ゼンディカーの同盟者、ギデオン
4 Abzan Charm/アブザンの魔除け
2 Ruinous Path/破滅の道
2 Languish/衰滅
1 Ultimate Price/究極の価格
1 Utter End/完全なる終わり
3 Bring to Light/白日の下に

  ここに土地を26枚足せばデッキとして成立するだろう。ただどの土地が適切かについてはわからないのでそこは自分で試してもらいたい。

 もしすでに思考囲いやクルフィックスの狩猟者を手放しているのならば、少し早く動けるようにした方がいいことだろう。4枚の搭載歩行機械によって防御面は固めることができるし、ギデオンとも相性が良い。究極の価格はエルドラージに対して無力だし、ギデオンの紋章があれば搭載歩行機械を白日の下に晒すことができる。もし、よりミッドレンジ型のゲームをしたいのならば、たとえすでにエルズペスを手放していたとしても、プレインズウォーカーと棲み家の防御者のパッケージを投入することをおすすめする。また、神童ジェイスもより青に傾ければよいカードとして働いてくれることだろう。

モダン:スケープシフト

5 Creatures
4 Sakura-Tribe Elder/桜族の長老
1 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
29 Spells
3 Scapeshift/風景の変容
3 Bring to Light/白日の下に
4 Search for Tomorrow/明日への探索
2 Farseek/遥か見
1 Pyroclasm/紅蓮地獄
1 Anger of the Gods/神々の憤怒
1 Cultivate/耕作
4 Cryptic Command/謎めいた命令
4 Remand/差し戻し
2 Peer Through Depths/深淵の覗き見
2 Electrolyze/電解
2 Lightning Bolt/稲妻 

  これにさらに26枚の土地を、黒か白を含む形で加えれば良い。

 僕はスケープシフトこそ、白日の下にが最も似合うデッキだと思っている。このデッキはなんとかして風景の変容を唱えなければ勝つことができないデッキでありそれに対して1マナ追加で払うことについて特に異論を唱える人はいないだろう。そして大抵の場合2枚以上は手札に風景の変容を抱えたくはない。そのためにこの枚数を1枚減らし、代わりに白日の下にで強引に他札に引き入れるのである。そして白日の下に、は時に耕作となったり桜族の長老となったり、憤怒や紅蓮として動くこともあるだろう。

 サイドボード後にはこのカードは自然の要求となり、忍び寄る腐食ともなりうる。このカードはとても強いのだ。そのため4枚入れたくなる気持ちもわかるが、7枚もの風景の変容は多すぎるし、打ち消しやハンデスをもつ相手のことを考えるとこの枚数が適切ではないかと思っている。

 また、風景の変容を白日の下に晒すためには、4色目が必須であり、できれば白か黒のカードも入れてみたいとも思っている。サイドボードに何か採用してみるのもいいだろう。

 これで今日の記事はおわりだ。また、ここに示したリストはサンプルであり、全く試していないといってもいいレベルだ。ただこのサンプルでも十分にこのデッキは動いてくれると思っている。またこのカードで様々なカードを白日の下に晒すのはきっと面白いだろうし、ぜひやってみてもらいたい。