MtG訳記た。

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親和を使って勝つための8つの掟(Top 8 Tips for Winning with Affinity By Frank Karsten)

» Top 8 Tips for Winning with Affinity

より。

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  今週末にLilleやIndianapolisにてモダンGPがあるということも有り、多くの人から親和についての記事を書いてほしいとの依頼があった。そのため今回はマリガンからサイドボードに至るまで、8つの指針を示そうと思う。また今回の記事についてJustin Robbに協力を頂いた。この場を借りて感謝の意を示す。

#1 メタゲームに合わせた最良のデッキ調整を。

 オンライン上、そして実際のメタゲームを見る限り、ドレッジ、バントエルドラージ、SCZが増えている用に感じる。一方、アブザンカンパニーはその数を減らしたといっていいだろう。

 とはいっても、モダンは大きくメタゲームが変化しないフォーマットではあある。ジャンドや親和、マーフォーク、感染にバーン、トリコロールといったデッキは依然として多数存在する。……というわけでそれを踏まえると今回使うべきリストはおおよそこのようになる。

親和

Lands
4 Darksteel Citadel/ダークスティールの城塞
4 Glimmervoid/空僻地
4 Blinkmoth Nexus/ちらつき蛾の生息地
4 Inkmoth Nexus/墨蛾の生息地
1 Mountain/山
Creatures
4 Ornithopter/羽ばたき飛行機械
3 Memnite/メムナイト
4 Vault Skirge/大霊堂のスカージ
4 Signal Pest/信号の邪魔者
4 Arcbound Ravager/電結の荒廃者
4 Steel Overseer/鋼の監視者
2 Etched Champion/刻まれた勇者
3 Master of Etherium/エーテリウムの達人
Spells
4 Cranial Plating/頭蓋囲い
3 Galvanic Blast/感電破
4 Springleaf Drum/バネ葉の太鼓
4 Mox Opal/オパールのモックス
Sideboard
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
2 Etched Champion/刻まれた勇者
2 Whipflare/鞭打ち炎
1 Ghirapur Aether Grid/ギラプールの霊気格子
1 Tormod's Crypt/トーモッドの墓所
1 Grafdigger's Cage/墓掘りの檻
1 Spellskite/呪文滑り
1 Dismember/四肢切断
1 Thoughtseize/思考囲い
1 Stubborn Denial/頑固な否認
1 Chalice of the Void/虚空の杯
1 Sea Gate Wreckage/海門の残骸

 モダン環境のメタゲームがそうそう変わっていないという点を踏まえて、3ヶ月前のリストに対してあまり変更は加えていない。

 3枚目の刻まれた勇者がエーテリウムの達人に変わった。バントエルドラージが増えてきたことを踏まえて刻まれた勇者の存在理由が少々小さくなった。そして1ゲーム目の初手に達人を引き入れたいという思いもあった。そしてサイドボードに移行した刻まれた勇者の代わりに搭載歩行機械がサイドからはみ出ることとなった。

 そしてサイドボードの話に移ろう。墓掘りの檻はアブザンカンパニーの減少、そしてドレッジの増加を加味してトーモッドの墓所へと変更されることとなった。相手が古えの遺恨や自然の要求、突然の衰微、仕組まれた爆薬を用いてこちらのカードを割ってくる可能性が高いという点を考えたものでもある。……とはいえ、未だにアブザンカンパニーが絶滅もしていないために墓掘りの檻も1枚残しておくべきだろう。

 そして15枚めのサイドボードとして、鞭打ち炎と崇拝のどちらが優れているかという問題に直面する事となった。エルフやSCZがSCGInviにおいていい成績を残したこともあり、それらの対s買うの必要性を感じたのだ。エルフに対しては鞭打ち炎が、SCZには崇拝が突き刺さることとなる。……今回は鞭打ち炎をピックしたがこれはメタゲーム次第で替えられる枠となる。呪文滑りや墓掘りの檻、思考囲いやギラプール。いずれも役立つものとなる。

 今回狼の試作機を試す時間はなかったが、十分なポテンシャルは有ると思っている……とは言えきちんとした構築レベルからの見直しが必要となる。

#2 新デッキへのサイドプランを構築せよ。

 サイドボードに関しての記事は過去にも作っていたため、それを参考にしてもらえるといいだろう。エルドラージの冬の頃に書かれた記事ではあるため、新たに3つのデッキへのプランこそ示す必要があるだろうが、それ以外は今でも有用に働くだろう。

対ドレッジ

 エーテリウムの達人と刻まれた勇者を入れ替えるところから始まる。ドレッジが入れてくるだろう遺恨に対して強くなる。

 そしてナルコメーバ、インプ対策の鞭打ち炎、燃焼対策の頑固な否認を入れ、代わりに感電破をサイドアウトすることになるだろう。

 また、ナルコメーバやインプ相手に弱い信号の邪魔者を抜き、墓掘りの檻とトーモッドの墓所、思考囲いを入れておくことになる。

 そして最後に、相手の構築や手番にも左右されることにもなるが、メムナイトや山

(特に後攻)を抜き、呪文滑り(遺恨や暗黒破対策)や虚空の杯(先手時の物あさりや新生子、自然の要求対策)と言ったカードを入れることができる。

対SCZ

 刻まれた勇者、呪文滑り、四肢切断、虚空の杯、思考囲いといった有用なカードを入れ、メムナイトや信号の邪魔者、エーテリウムの達人2枚、鋼の監視者、空僻地(後攻)/バネ葉の太鼓(先攻)を抜く。

対バントエルドラージ

 思考囲い、四肢切断、ギラプールを入れ、刻まれた勇者とメムナイトを抜く。また石のような静寂がなさそうで空中生成エルドラージがいた場合には鞭打ち炎を思考囲いの代わりにいれるのも悪くないだろう。

#3 ミシュラランドを活用せよ。

 デッキリストとサイドボードプランについては以上で示した。ではゲーム中のプレイの話に移ろう。親和の熟練者なら既知のことかもしれないが、使って日が浅い人たちにとってこの話はとても重要となるだろう。

  • ちらつき蛾は墨蛾も強化できる。
  • ちらつき蛾は召喚酔いしていない限り、ブロック時にパンプが可能となる。
  • ちらつき蛾をタップし、自身の効果を起動できる。頭蓋囲いやエーテリウムの達人、鋼の監視者と組み合わせてうまく使おう。
  • 上の応用として、ちらつき蛾、オパモ、メムナイトだけを場に並べエンドしたにも関わらず、相手の行動に対して感電破を打ち込む事ができる。また墨蛾、城塞、バネ葉、空僻地しかマナソースがないときに黒黒を捻出することもできる。
  • 戦闘開始時にクリコマでクリーチャーをタップさせられた後にもミシュラランドを起動するタイミングは存在する。
  • 相手が衰微や忘却石を持っていることが推測できる場合には電結のカウンターをため、ミシュラランドに置くことで実質的な回避が可能となる場合もある。
  • ハーキルの召喚術を撃たれたエンド時に、蛾を起動し、空僻地を守ることができる。

#4 電結の荒廃者を育て忘れないように。

 荒廃者は飢えた獣である。幾つか餌の上げ方を伝授しよう。

  • 除去に対してそれをサクり、相手に利益を与えないようにすることが大事だ。特に稲妻のらせんや粉々、クリコマに広がりゆく海といったカードに対しては副次効果も消すことができる。
  • もし複数枚の電結の荒廃者があるとき、そのうちの1枚をサクるだけでカウンターが2つ増えることとなる。
  • オパモを置き直すときには先に荒廃者で食べること。
  • 流刑への道や自然の要求相手に脳死でサクらないこと。土地やライフが欲しい場合もある。
  • 迷った時には攻めろ。余剰な城塞やバネ葉、羽ばたき飛行機械をうまく食べ、クロックを最大にせよ。相手がこっちに干渉してこないようなコンボデッキの時にはマナソースを食べきって4Tキルを目指すことも十分にありえる。

#5 盤面だけで相手を殺せるかをきちんと見よ。

 ターン開始時に多量のファクトと電結の荒廃者、墨蛾の生息地がある場合には毒10による勝利を目指すことができないかを確認すべきである。信号の邪魔者やちらつき蛾によって更にパンプができたり、鋼の監視者が実質3点パンプになったりするのだ。たとえ10点にならなくとも5点2Tキルを目指すこともできるのだ。

 また、金属術による殺戮も可能となる。ライフ11点の相手が5枚もの有色ブロッカーを並べ、稲妻を持っている時に、こちらにメムナイト、電結の荒廃者2枚、刻まれた勇者、ダークスティールの4枚がある場合に、刻まれた勇者だけで相手を殺すことができるのだ。ブロック宣言前まで金属術を維持し、その後すべてを刻まれた勇者に捧げればいいのだ。11/11の刻まれた勇者が相手を葬り去ることとなる。でも稲妻が……という人もいるかもしれないが、十分に回避できる。まず電結をメムナイトを使い3/3に変え、それを刻まれた勇者に移す。次にもう一枚の電結ですべてを食べ、7/7のカウンターを移送してやればいいのだ。

 とはいえ、この手の動きをする際には相手の除去や巨森の蔦、呪文滑りをきちんと警戒して置く必要がある。巨森の蔦はこちらのクリーチャーも対象とできる上、呪文滑りで曲げられてしまえば最悪の状況となる。……とはいえ攻めるべき時には攻める必要が出てくる。

#6 序盤こそ適切に動くべきだ。

 オパモやバネ葉はメムナイトより先に場にだし、わざわざ対応で焼かれないようにした方がいいし、1T目の行動としては大霊堂のスカージよりはバネ葉のほうが先に場にでるべきとなる。

 2T目の行動として監視者と荒廃者、頭蓋囲いで迷っている時には監視者>荒廃者>囲いがおおよそ最適解となる。監視者は出来る限り何度も起動したいし、頭蓋囲いは3T目の行動のほうが適切となる。

#7 適切に、大胆にマリガンせよ。

 監視者や荒廃者、囲いに達人。そのいずれもないような手札はマリガンすべきである。信号の邪魔者で手札がいっぱいの場合やサイドカードがいっぱいある場合は除くがそんなものは超絶レアケースとしかナラない。

 上記に加えて、2枚程度のマナソースや相手の干渉札、もしくは爆発的スタートを切れるようなメムナイト、羽ばたき飛行機械やオパモ、バネ葉と言ったカードが欲しい。

 爆発力はこのデッキに置いてとても重要な札となる。相手の干渉札がないような、例えばスカージ2、荒廃者、ちらつき蛾3、空僻地みたいなハンドは即マリガンすることとなるが、もし蛾が土地以外、かつスカージではないようなカードとなったならばキープ宣言をすることとなるだろう。

 つまるところ、手札を見て考えるべきは「4Tキルが可能かどうか」という点に尽きる。初期札を見て、4Tキルができず、他の有効札もないような場合には積極的にマリガンを決めていくのが適切となるだろう。

#8 75枚目について悩むくらいならミラーマッチの練習をすべきだ。

 最適な75枚を探すあまり、寝不足になってしまえば本末転倒となる。睡眠時間は絶対に確保したほうがいい。とはいえ確かに先ほどおすすめのリストもだしたがあくまで75枚目はどのようにも替えられるようなカードになりうる。溶接の壷や物読み、3枚目の達人や感電破について悩む人もいることだろう。刻まれた勇者についてもメインサイドの枚数については悩むこととなるだろう。達人を抜いて4積みする可能性も充分ある。それも悪く無い。(石のような静寂のために摩耗損耗を取らないのならば、という前提ではあるが)

 そして僕が2年前に使っていたこのリストをそのまま使うのも悪く無いだろう。とは言え集団疾病と血染めの月はギラプールの霊気格子などに変えたほうがいいだろう。そしてデッキのおおよそが変化していない点については驚くべきだろう。

 そして、そのような最終的な調整部分に時間を使うよりかはプレイスキルを伸ばすほうが最終的には役立つ可能性が高い。そしてその上達という意味ではミラーマッチの練習がとても役立つこととなる。親和というデッキを2つの方向から捉えることができるために習得のスピードがとても早くなる。また双方が電結の荒廃者を持っている際にどのように動くべきか、攻撃とブロックをどのように行うべきかをきちんと習得することもできるのだ。それによってTop8への道は大きく開かれたのである。