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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

ナベを信じて(Trusting Yuuya by Tzu Ching Kuo)

Trusting Yuuya | MTGMintCard

より。

 デッキだけではなくそれを選択するに至った理由についても詳しく書かれているので今後デッキを選ぶ際の参考にもなると思います。

ーーーーー

 やあみんな、(記事執筆当時)今週末は僕にとって、そしてこれを見ている人たちにとってもとても大切な時となるだろう。WMC、WMCQはここ3年間ずっと行われてはきたが、今回初めてモダン構築がフォーマットとして採用されることになったわけだ。

 世界選手権のデッキリストを参考にした結果、僕はこのデッキを使うことにした。これからその理由についても説明したいと思う。

青白コントロール by 渡辺雄也

26 Lands
4 Celestial Colonnade/天界の列柱
1 Eiganjo Castle/永岩城
4 Flooded Strand/溢れかえる岸辺
4 Ghost Quarter/幽霊街
2 Hallowed Fountain/神聖なる泉
3 Island/島
1 Minamo, School at Water's Edge/水辺の学舎、水面院
3 Plains/平地
4 Mystic Gate/秘教の門

16 Creatures
2 Dragonlord Ojutai/龍王オジュタイ
4 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋
3 Restoration Angel/修復の天使
1 Sun Titan/太陽のタイタン
2 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆
4 Wall of Omens/前兆の壁

18 Spells
3 Cryptic Command/謎めいた命令
2 Detention Sphere/拘留の宝球
4 Path to Exile/流刑への道
2 Remand/差し戻し
4 Spell Snare/呪文嵌め
3 Supreme Verdict/至高の評決

Sideboard
2 Aven Mindcensor/エイヴンの思考検閲者
1 Glen Elendra Archmage/エレンドラ谷の大魔導師
1 Spellskite/呪文滑り
1 Celestial Purge/天界の粛清
1 Crucible of Worlds/世界のるつぼ
1 Grafdigger's Cage/墓掘りの檻
2 Negate/否認
2 Stony Silence/石のような静寂
3 Threads of Disloyalty/不忠の糸
1 Dispel/払拭

カードの選択について

 前兆の壁はフェアデッキに対してとても強いカードであり、コントロールやコンボにたいしてもキャントリップとして運用できるため氏荷札とはならない。また、修復の天使とのコンボもできる上、クロックを刻みだした後のヴェールのリリアナをケアする事もできる。

 台所の嫌がらせ屋もまた、修復の天使とシナジーがあるカードである。ちゃんとしたアタッカーにもなるし、ブロッカーとしても運用が可能という素晴らしいカードだ。また、このカードは自身の用いる至高の評決を生き残ることのできるカードであり、このカードとのシナジーも高いといえるだろう。

 修復の天使、ヴェンディリオン三人衆はデッキ内のインスタント全てと噛み合うとてもいいカードである。相手のメインフェイズには土地を立てて相手の脅威を打ち消し、エンドフェイズに突然に戦場に現すことができる。そうすれば後は積極的に攻勢に回ればいいし、コントロールとしての動きとしては最良のものとなるだろう。

 至高の評決はメタゲーム上に存在するデッキの多くに突き刺さるカードである。親和、白黒トークンといった横に並べる型のデッキに対してはもちろんのこと、ジャンドやアブザンといったデッキに対してもこのカードをちらつかせ、防御の姿勢を固めることでクリーチャーを手札から引き出すことができることだろう。このカードは打ち消しを許さないという点において神の怒りの上位互換ではあるが、最後のトロール、スラーンやゴルガリの魔除けといった再生持ちに関しては注意を支払う必要があるだろう。また、拘留の宝球はあまり好みではないのだが、打ち消しそこねたアーティファクトやエンチャント対策としてメインデッキから投入するカードとしては十分だろう。遅いカードではあるが、採用しないわけにはいかない。

 龍王オジュタイをこのデッキに採用するのは面白い発想だとは思った。しかしながらコンボデッキが多量に存在している環境においては遅すぎるのではないか、と疑念を抱いている。クリーチャー主体のデッキやミッドレンジ型のデッキに対しては十分な働きはするだろう。そしてこのカードは同じく伝説の土地と面白い相互作用をみせてくれる。永岩城とのコンボによって、対双子用にサイドボードに置かれている引き裂く流弾をかわすことができる。また水面院を用いることができればオジュタイをアンタップし、呪禁を再獲得させることができる。龍王オジュタイは素晴らしいカードではあるのだが、ヴェールのリリアナの布告から彼を護るために、他のクリーチャーを先に展開しておくべきだ、ということを念頭においておくべきであろう。

 雄也プロは地盤の際ではなく、4枚もの幽霊街を採用しているが、これはおそらく彼が親和や護符コンと相対するだろうと予測していたからである、と推測している。これらのデッキは基本土地の採用枚数がとても少なく、また地盤の際では対応が遅くなってしまう。またこのカードは死せる生やトロンに対しても有用である。というのもこれらのデッキも4枚目の土地が置かれた時点で手遅れとなってしまう可能性が高いからだ。サイドボードに採用されている世界のるつぼも土地破壊に対して有用なカードとなるだろうし、さらに言えば幽霊街とのコンボを決めることができる。幽霊街を必要とするようなデッキはがいして基本土地を少量しか採用していないためだ。

 打ち消しの採用のされ方はクリーチャー主体のデッキやミッドレンジ型のデッキに対してはとても強いようにできているが、コンボデッキに対してはあまり強くないものとなっている。そのために否認や払拭がサイドボードに追加されているのだろう。

 もし、護符コンやグリセルシュートといったデッキを相手にすることが多くなるとよんだならば、打ち消しの代わりにコジレックの審問や思考囲いを採用するべきだろう。それによって青白コントロールが本来もつ、至高の評決によるクリーチャーデッキに対する強力な強さに加えて非クリーチャー型のデッキに対しても十分なパワーを維持できるようになるはずだ。

 

では、どうして僕はこのデッキを使おうと思ったのか。

1. 青白が好きだから。

 僕はモダン環境において青白のデッキを長らく使ってきた。また、今回の雄也プロのリストは僕がWMC2012で用いたデッキととても類似している。もちろん細かいカードの採用はメタゲームの差異のせいで変わって入るけども。

青白コントロール by Tzu Ching Kuo

26 Lands
1 Arid Mesa/乾燥台地
4 Celestial Colonnade/天界の列柱
1 Eiganjo Castle/永岩城
3 Hallowed Fountain/神聖なる泉
3 Island/島
2 Misty Rainforest/霧深い雨林
2 Mutavault/変わり谷
1 Plains/平地
1 Scalding Tarn/沸騰する小湖
4 Seachrome Coast/金属海の沿岸
4 Tectonic Edge/地盤の際
15 Creatures
3 Geist of Saint Traft/聖トラフトの霊
2 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋
4 Restoration Angel/修復の天使
4 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
2 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆

19 Spells
2 Cryptic Command/謎めいた命令
2 Dismember/四肢切断
1 Elspeth, Knight-Errant/遍歴の騎士、エルズペス
4 Path to Exile/流刑への道
4 Remand/差し戻し
4 Spell Snare/呪文嵌め
2 Sword of Feast and Famine/飢餓と饗宴の剣

Sideboard
2 Annul/無効
1 Dismember/四肢切断
2 Negate/否認
2 Spell Pierce/呪文貫き
2 Stony Silence/石のような静寂
2 Threads of Disloyalty/不忠の糸
1 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆
2 Wrath of God/神の怒り
1 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋

 このデッキは今となっては時代遅れのデッキではあるだろう、というも聖トラフトの霊がクリーチャー主体の環境においては弱いカードとなってしまうからだ。そしてまた、飢餓と饗宴の剣を雄也プロのデッキに加えるのも難しいだろう。というのも前兆の壁のような防衛持ちクリーチャーの採用、変わり谷の不採用によって装備対象が多くないからだ。

 まあ今回の記事はこれら2つのデッキの共通点と相違点を探すための記事ではないし、そもそも環境が違うのだから話すだけ無駄なのである。

 つまり、僕が言いたいことはただ単に、僕は昔青白のデッキで十分な戦果を残していた、そして青白のスタイルが僕に合致している、また、サイドボードをメタゲームに合わせて調整できるだろう、という理由で青白コントロールを選んだのだ。

2. 多くのプレイヤーが世界選手権の結果を参考にすると思ったから。

 世界選手権の結果を参考にするならば、モダン環境はクリーチャー主体になっている、と考える事だろう。

確かにたかが24人で行われた大会のメタゲームはWMCQのメタゲームとは大きく異なっている。しかしながら、多くのプレイヤーはおそらく、このメタゲームを以下の理由によってデッキ選択の参考としてしまうのだ。

  •  世界最高峰のプロが持ち込んだデッキなのだから、という安直な理由でプロを勝手に信頼して思考停止してしまっているから。
  • それぞれのデッキはよく調整されたものであり、またコピーデッカーも大量にいる。モダンの経験が少ないプレイヤーにとってはこのてのNetdeckingのほうが都合がいいのだ。

ということは

  • もしこのメタゲームがそのまま影響するのであれば、そのメタゲームに合わせたデッキが強いということになる。
  • 世界選手権で使われたデッキはモダンのメタゲームに長らく存在してきたデッキである。(Shaun McLarenの使っていた青赤ヤンパイを除いて、ではあるが)
  • コンボデッキは取り扱いが難しいデッキである。護符コンやグリセルシュートを携えて大会に望むのは賢い選択とはいえないだろう。クリーチャー主体のデッキが簡単だという気はひとつもないが、少なくともコンボデッキよりは多少マシといえるだろう。コンボに比べればまだ一直線なデッキであるからだ。

3. 青白はクリーチャー主体のデッキに対してとても強い。

 2.で述べたように、今回のWMCQはよりクリーチャー偏重のアグロ型が多いメタゲームとなることが推測できた。

 世界選手権では親和がトップメタとして君臨していたために、おそらくWMCQでもその数はとても多くなるだろうと推測した。たしかにこのデッキは環境最強のビートダウン型のデッキである。ある程度引きが悪くても対処可能であるくらいには安定性があり、局所メタが刺さらない限り負けることは殆ど無いと言ってもいいだろう。1G目をほぼ確実に取れる、と言うのは大きなアドバンテージとなるし、勝つことができれば残りの2ゲームのうちどちらか片方さえ取れればそれで勝ちなのだ。

 死せる生もチームで共有されていたためにJoel、Magnus、Martin Dang/Mullerの4人ものプレイヤーが使うデッキとなった。メタ外にいるならばこのデッキはとても強いし、多くのプレイヤーがこのデッキを携えてくることが予想できた。まず、このデッキは安いために作りやすい、というものがある。次に、プレイングもそこまで難しくない、という利点もある。このデッキの根本はサイクリングをして暴力的な突発や悪魔の戦慄をぶっ放して死せる生を使うだけなのだ。また、このデッキに対しても基本的にはメタカードが必要となるというのも追い風となるだろう。しかしながら、これらのデッキに対して僕は至高の評決や差し戻しを使えるために、あまり気にする必要はないように感じた。

 また、アブザン、ジャンド、双子といったデッキもクリーチャー無しで勝利することはできない。そのために青白が最良の選択となると考えたのだ。もし、環境がクリーチャーだらけとなると推測されたなら、アンチクリーチャー型のデッキを使うだけで大きなアドバンテージを得ることができるだろう。

4.  勝ちたいから。

 モダンをめぐるメタゲームはさながらじゃんけんであり、どのデッキのいずれかのデッキにガン不利となってしまう。

 現環境において、ボロスバーンを選択する理由はほぼないだろう、ということができる。

 例えばバーンを使っている時に親和や呪禁オーラ、ソウルシスターズと対峙してしまったならば、その勝率はとても低く、3-7、最悪2-8クラスとなってしまう。これは「負けざるをえない」マッチアップとなる。Lee Shi Tianが世界選手権のモダンセッションにおいて0-4してしまったのもこれが原因だ。彼は素晴らしいプレイヤーでこそあるのだが、デッキ選択を誤ってしまったために負けざるをえない試合を大量にかかえてしまったのだ。

 世界選手権のメタゲームを考えるならば、15人が用いていた上位4デッキはいずれもボロスバーンでは対抗できないものであった。もし自分がプロクラスのプレイングスキルを持っていたとしても、相手が自分に対して有利なデッキを使っているのならば簡単に負けてしまうのである。

 青白コントロールはクリーチャー主体のデッキに対して強いということは先に示したが、また、グリセルシュートや護符コンに対しても呪文嵌めや幽霊街によって十分な対策をすることができる。そしてさらに言えばエイヴンの思考検閲者や墓掘りの檻をサイドボードに採用したことによってさらなる対策も可能だ。また更にコンボが増えることが予測できればこのカードの採用枚数を増やせばいいのだ。

5. 渡辺雄也プロを信頼しているから。

 昔の話にはなるが、僕はいつも雄也プロにデッキリストをねだっていた。GPレベルのイベントであれは彼はそれを快諾してくれて、デッキの全容を教えてくれた、それによってTop8に入ることができた、という経験も何度かある。

 加えて、彼は今現在、世界最強のプレイヤーの一人と言って構わないだろう。僕は青白が好きだし、彼のことをとても信頼している。世界選手権のモダンセッションにいても十分な成果を残し、唯一の負けもSethの呪禁オーラに対してのものだった。ご存知の通り彼は世界選手権の覇者であり、誰も彼を止めることはできなかったのだから、それは仕方ない負けといってもいいだろう。

 

 さあともに飛び立たないかい?青白コンを使おうじゃないか!