正しいブラフの方法(Bluffing By Jacob Wilson)
より。
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ポーカーをやったことがある人ならば、ゲーム中にブラフをすることの重要性をしっていることだろう。マジックにおいても同様の事が起こる。Aが、より大きなクリーチャーをコントロールしているBを攻撃した時、Bは「何か使ってくるのか」というよりは「何を使ってくるのか」について考えてしまう。一般的に僕達はブラフの仕方について議論なんかしていないものの、より自然にハッタリをかませるようになれるならば、効果的になるだろうし、相手が自分がはったりをかましているだけだと気づかれてしまってはその価値を見なおさなくてはならないだろう。
じゃあ、いつやるか
1. リスクが無いとき
最も簡単なブラフのタイミングとしてはノーリスクであるときだろう。例えばアブザンのミラーマッチでこのような状況を想定してみてほしい。
相手のパーマネント
自分のパーマネント
この時にサテュロスの道探しで攻撃するならば、まるでアブザンの魔除けを持っているかのように振舞うことができるわけだ。アブザンの魔除けをプレイするかしないか、というよりかはそもそも持っているかいないかにかかわらず、この場面は道探しで攻撃を行うべきなのだ。そうすることでたとえ1点でもノーリスクでダメージを与えられる、という恩恵はとても大きなものだろう。ただ、もし、相手が速攻持ちのクリーチャーを持っている可能性があるのならば、この手の攻撃は思考停止でおこなってはいけない、というわけだ。この戦略はリミテッドより構築の対戦においてより役立つこととなるだろう。
また、この戦略はもちろんリミテッドでも有用となる。リミテ戦において、両方がエルドラージの壊滅させるもののみをクリーチャーとしてコントロールしている状況を考えて見てほしい。この場合、コンバットトリックなしに攻撃を行うのはリスクが有る。最悪のケースとしてはその攻撃をブロックされて返しに8点のダメージを叩き込まれる、というシナリオである。ブラフをきめようとするまえに、対戦相手の視点からゲームを見直す必要があるだろう。例えば対戦相手がほぼライフがない状態なのならば、ゲームに負けないためにたとえコンバットトリックがないだろうと読まれたとしても絶対にブロックしなくてはならなくなるわけだ。
一番都合のいいシナリオは、対戦相手がタップアウトしている、もしくは相手のライフがほぼ減っていない場合だろう。その場合においては対戦相手は次のターンのために8点を受けることを厭わないだろう。また、ブラフを実行するならば、それを実行するためだけのリソースが必要となる。8点程度なら問題なく耐えられるライフや、ブロッカー、欲を言うなら2枚目のエルドラージの壊滅させるものとかが。
2. 負けそうなとき。本当に負けるの?
劣勢にあるときこそ、きちんと考える必要がある。
もしあと2ターンで飛行持ちクリーチャーによって殺されてしまうのならば、地上クリーチャーで殴ってみるのもいいかもしれない。バンザイアタックをすることを恐れる人も多いだろうが、この手の場合におけるブラフはこのゲームだけにとどまらない利点を渡してくれることもある。つまるところ、最悪でもこの行動に対する相手の反応を次のゲームで活かせるわけだ。
3. 中級者~上級者との戦いのとき。
ブラフは相手の知識や考えを利用したものである。つまりカードに関する知見の少ない初心者相手にブラフは通用しないのである。大会環境において覚えておくべきカードはそれほど多くはないが、初心者にとってはそれでも十分な量となり、把握しきれないのだ。自分の経験からするならば、ブラフが最も有用に働くあいてはPTQなどの大規模な大会のベスト8常連のプレイヤーであり、自分の戦績を誇らしげに語るような輩である。そういうプレイヤーは馬鹿にされるのを嫌がり、相手を倒すことに躍起になっている。
4. 対戦相手がアンタップ状態のボムをコントロールしているとき
概してリミテッドプレイヤーは自身のボムにたいして信頼を置きすぎているきらいがある。カードのレアリティはゲームに影響を与えず、ゲーム中に僕達が考えなくてはならないのはゲームに勝利することである。しかしながら、不合理に動いてしまうことも自然ではある。もし相手が龍王オジュタイでしかブロックを行うことができない時には、僕はアタックをとてもしたくなる。今年の世界選手権でOndrejとスタンダードで対峙した時、同じような状況で予示クリーチャーで攻撃を行い、そして嵐の息吹のドラゴンへとその姿を替えさせることを匂わせたのである。対戦相手がハイリスクローリターンの交換が行われる可能性がある時が最高の攻撃タイミングとなるのだ。20点のライフをもっていれば、予示からの2点によってゲームに負けてしまうとは考えられないだろう。(まあ実際に彼が勝ってしまうのだが)しかしながら、このダメージを与えられたとき、僕はとても嬉しかった。
5. 変異と予示
スタンダード環境に変異、予示のシステムが存在する限り、ブラフをはる機会は大量にあると言ってもいいだろう。これの多くは死霧の猛禽と棲み家の防御者が変異クリーチャーコンビとして猛威を振るっているのが理由となるだろう。死霧の猛禽が打ち消されてしまったら、それは大きく勝ちに近づく一歩となるのだ。つまり今後唱えるだろう棲み家の防御者は通りやすくなる上により大きな価値を持つこととなる。5T目に死霧の猛禽を変異で唱え、墓地をちら見すればあたかもそのカードが棲み家の防御者のように見えることだろう。
出来る限り最良のタイミングで土地を置き、最高のタイミングでコンバットトリックを使えるかのように振る舞うべきである。例えばマジックオリジンのリミテッドを行っている時に森か沼を立てておけるのならば、森を立てておくべきだろう。大群の力はツキノテブクロの浸潤にくらべればよっぽど恐ろしいカードとなる。同様にして森森沼/森沼沼をたてておけるのならば前者のほうがより良いだろう。片方だけしか唱えられないよりは剛力化と大群の力を一度に唱えられるほうが都合がいいだろう。
例
(1:50~)
このアタックに関しては若干の背景があったことを付け加えておこう。この前のゲームにおいて、僕は抵抗の妙技を唱えていたのだ。このアタックはブラフもどきということができるだろう。もし対戦相手が僕の変異を遠射兵団でブロックしたのならばそこにはこれがシディシのペットであり、変異解除して生き残った上で消耗する負傷をキャストすることで除去できるかどうかの5:5のチャンスが存在しているのだ。このターン龍騎隊の将軍によって得られる恩恵はリスクを負うに十分なものとなる。加えて、今後盤面がぐちゃぐちゃになったり僕がダメージを受けすぎたりして龍騎隊の将軍の能力を誘発させることができなくなってしまうのではないか、と思ったのもある。
(1:00~)
このアタックは、もし対戦相手がブロックしたら僕は完全にリソースに枯渇してしまうという点においてとても危険なものであった。僕は僧院の群れを場に送り出し、より長いゲームを願うという保守的な方法もあっただろう。しかしながら相手の場にいるのが高峰のカマキリだったならば、おそらく攻撃しなかっただろう。ああ、「プレイヤーはリミテッドのレアにとらわれてしまっている」のだ。
(27:00~)
これはゲーム終盤の図であり、どんなダメージでも互いに影響を及ぼすこととなる。このブラフを仕掛けようとした理由としては、もしOchoaがブロックしようとした場合にもゲームは決まってしまわないと判断したからだ。スゥルタイの使者を変異解除させてさらに予示クリーチャーを増やすことができる。そしてこれは僕がアタックしたときのOchoaのライフは13もあったということである。もし低いライフ出会ったとしたならばさらなるダメージを受ける猶予がないOchoaにとってブロックせざるを得なくなるのだ。