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エルドラージの倒し方(How to Beat Eldrazi By Paulo Vitor Damo da Rosa)

» How to Beat Eldrazi

より。

使用者直々の対策講座!!

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 御存知の通り、PTOGWはエルドラージに強く支配されることになった。9-0-1や9-1、8-2となったデッキは20個存在したが、そのうちの8つはエルドラージであった。また、6人ものプレイヤーがエルドラージを携え決勝トーナメントに残ったということになる。このデッキが今どれほど人気なのかについて正確な資料はないのだが、少なくとも10%程度のシェアはあるように思っている。これはモダンにおいてかつてないレベルのシェア率*1を誇っており、これまでも、またこれからも見ることはないようなものであろう。

 では、このデッキに対して僕達がすべきことはなにか。神にウギンの目が禁止されるように祈る?個人的には月やオパモ、墨蛾やゴリラ、ギタ調何かと一緒に禁止されたらそれはそれでおもしろいが、僕の望みはそうではない。エルドラージは確かに強いデッキではあるが、きちんと弱点も抱えているのだ。僕達が今すべきなのは、その弱点を見抜き、それをつくような構築を、プレイを行うことだとは思わないかい?それが不可能だとわかればWotCもカードの禁止へと腰を上げてくれることだろう。となるとやはりすべきはその弱点探しとなる。今回の記事では様々なエルドラージデッキを紹介したうえで、それらの対処法を解説していきたいと思う。

  まず、エルドラージを殺す前に、僕たちは彼らの戦略を学ぶ必要があるだろう。どのようにして動き、なぜ勝者となるのかを。とはいえ答えは簡単、2つの土地、ウギンの目とエルドラージの寺院だ。これら2枚のカードはダメージのない古えの墳墓であり、モダンでは考えられないレベルのパワーカードとなる。親和にも同じく言えることだが、相手の準備が整う前にマナブーストをして殺しにかかるのはとても強力な手段なのである。

 この強力な土地によって、速さと大きさを兼ね備えたエルドラージ軍が戦場を脅かすこととなる。たしかにこのデッキはグリセルシュートのような驚異的速さこそもっていないが、十分にロケットスタートをきることができ、それこそ一瞬で相手を葬りさる事ができるのである。この2つの柱がエルドラージを最強たるものにしているのだ。妨害もしながら4キルをかけてくるパターンの動きをとられたならば、たとえ有利なものを使っていても簡単に沈んでしまうこととなる。

 第2に、このデッキのクリーチャーはフォーマット上のいかなるフェアデッキより大きなものであるということだ。4/4や5/5、はたまた10/10を盤面に並べていけばゲームは簡単に勝てるだろう。またそれすらもウギンの目の手助けにより迅速に達成可能なのである。

 プロツアーに現れたエルドラージは三柱。無色、青赤、昇華者型黒緑青だ。この3つについて様々な意見はあるだろうが少なくともこれらのデッキに共通しているのは気持ち悪いほどのマナ加速である。これによってこれら全てのデッキは成立しているのである。僕達の用いた無色のリストはゴリラの手によって爆発力に富んでいるが、その分希望を溺れさせるもののようなミッドレンジ型のカードには弱さを露呈させることとなってしまう。ではここでリストを示そう。

Colorless Eldrazi

24 Lands
2 Wastes (184) (Full Art)/荒地(184 フルアート)
4 Eldrazi Temple/エルドラージの寺院
4 Eye of Ugin/ウギンの目
4 Blinkmoth Nexus/ちらつき蛾の生息地
3 Mutavault/変わり谷
3 Urborg, Tomb of Yawgmoth/ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
4 Ghost Quarter/幽霊街
24 Creatures
4 Eldrazi Mimic/エルドラージのミミック
4 Matter Reshaper/作り変えるもの
4 Thought-Knot Seer/難題の予見者
4 Reality Smasher/現実を砕くもの
4 Endless One/果てしなきもの
4 Simian Spirit Guide/猿人の指導霊
12 Spells
4 Chalice of the Void/虚空の杯
4 Dismember/四肢切断
2 Ratchet Bomb/漸増爆弾
2 Spellskite/呪文滑り
Sideboard
1 Ratchet Bomb/漸増爆弾
1 Spellskite/呪文滑り
3 Oblivion Sower/忘却蒔き
4 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
3 Gut Shot/はらわた撃ち
2 Pithing Needle/真髄の針
1 Warping Wail/歪める嘆き 

 このデッキは完璧に無色のものであり、アーボーグやゴリラは単なる四肢切断などのためのマナ加速手段には過ぎない。結局色マナなど不要なのだ。

 このバージョンにおいては4枚の杯と4枚のゴリラによりパワーアップが図られている。X=1で置かれたチャリスで感染やバーン、zooなどは死ぬし、ストームや死せる生、先攻のときには親和に対してもぶっ刺さることになるだろう。ただ、このカードの抱える問題点として、自分に刺さらない、ということはミラーマッチの場合このカードが不要牌となってしまうということだ。しかしミラー以外では最強のカードとなるため、リスクとしては十分だろう。

 そして、このデッキの抱えるある種一番の問題点は、相手のデッキがわからないということである。PTの場合には次第にそれが明らかになってくるga,

GPやPTQに於いてはそれは不可能となる。そのためにチャリスを正確なXで置けず、殺されてしまうおそれがあるのだ。

 構築2回戦において、僕自身も知らないデッキとマッチアップすることとなった。とりあえず1T目にX=1チャリスをせざるを得なかった。結果として相手はバーンだったためにそのままゲームを取ることができた。また、Paulが相手の時には親和を使ってきていることを知っていたために先攻X=0のチャリスで殺すことに成功したのだ。もしGPなどでこのデッキを使うのならばこの2つの状況は裏目に出てしまっていたことだろう。Xを間違えただけで死んでしまうのだ。GPやPTQにチャリスは向いていない。

 そして次に紹介するのは脅威の勝率を誇り、また優勝を勝ち取った青赤だ。

UR Eldrazi

24 Lands

3 Cavern of Souls/魂の洞窟
4 Eldrazi Temple/エルドラージの寺院
4 Eye of Ugin/ウギンの目
1 Gemstone Caverns/宝石の洞窟
2 Island/島
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
4 Shivan Reef/シヴの浅瀬
2 Steam Vents/蒸気孔
33 Creatures
4 Drowner of Hope/希望を溺れさせるもの
4 Eldrazi Mimic/エルドラージのミミック
3 Eldrazi Obligator/エルドラージの寸借者
4 Eldrazi Skyspawner/空中生成エルドラージ
4 Endless One/果てしなきもの
4 Reality Smasher/現実を砕くもの
2 Ruination Guide/破滅を導くもの
4 Thought-Knot Seer/難題の予見者
4 Vile Aggregate/不快な集合体
3 Spells
3 Dismember/四肢切断
Sideboard
1 Spellskite/呪文滑り
2 Chalice of the Void/虚空の杯
2 Gut Shot/はらわた撃ち
3 Hurkyl's Recall/ハーキルの召還術
1 Ratchet Bomb/漸増爆弾
2 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
3 Stubborn Denial/頑固な否認
1 Tomb of the Spirit Dragon/精霊龍の墓

  このバージョンはヴィンテージで使われるような高価なカードをドラフト用のコモンに置き換えたようなデッキでこそあるが、それでも十分に強い。ミラーマッチという意味では無色に優る力をもっているし、実際にCFBは彼らに何度も屈することとなった。チャリスの不採用、希望を溺れさせるものの採用によって相性が大きく変わることとなったのだ。これらのカードを使うためにアーボーグは不採用となっているが、ミラーでは相手がアーボーグをおいてくれるため、特に気にする必要はなかったのだろう。

 サイドボードにも光るところがある。ハーキルの召還術と頑固な否認だ。もうちょっと親和対策を入れたほうがいいようにも思うが、それでも彼らの構築は素晴らしいものだった。

 そして最後に示すのはFrank Leporeによる、そして僕達がこれまでよく見かけてきたエルドラージだ。

BUG Eldrazi

25 Lands
4 Cavern of Souls/魂の洞窟
4 Corrupted Crossroads/廃集落
4 Eldrazi Temple/エルドラージの寺院
4 Eye of Ugin/ウギンの目
4 Ghost Quarter/幽霊街
1 Island/島
1 Swamp/沼
3 Urborg, Tomb of Yawgmoth/ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
29 Creatures
4 Blight Herder/荒廃を招くもの
4 Drowner of Hope/希望を溺れさせるもの
4 Eldrazi Mimic/エルドラージのミミック
4 Matter Reshaper/作り変えるもの
4 Reality Smasher/現実を砕くもの
4 Thought-Knot Seer/難題の予見者
4 Wasteland Strangler/不毛の地の絞殺者
1 World Breaker/世界を壊すもの
6 Spells
4 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
2 Scrabbling Claws/ひっかき爪
Sideboard
2 Spellskite/呪文滑り
2 Ratchet Bomb/漸増爆弾
4 Spatial Contortion/次元の歪曲
3 Sun Droplet/太陽のしずく
2 Surgical Extraction/外科的摘出
2 Warping Wail/歪める嘆き

 このデッキもまた、無色に対しては有利を取ることができるが、青赤バージョンのミラーは不利なデッキとなる。僕がこのマッチで重要だと思っている四肢切断を採用していないという点が大きい。そしてこのデッキ自体が、墓地依存デッキの減少により他のバージョンより弱くなってしまうのではないか、と推測している。

 エルドラージが今後どのように進化していくのかはわからない。少なくとも無色は無色として、青赤は青赤としてその精度を上げていくことになるだろうし、全く違う成長を見せてくれることだろう。昇華者型については……イルとは思うがその数は少なくなることだろう。

 では、どのようにしてエルドラージを撃退すべきか。

 この3種のエルドラージはどれもよく似ているデッキである。というのも迅速に対処しがたい脅威を並べる、というデッキの根本部分はどれも同じだからだ。さあ、対処法を述べていこう。

親和を使う。

 エルドラージにとって、親和は相性の悪いデッキである。それを理解していた僕たちはサイドボードに親和対策を詰め込むこととした。しかしそれでも相性は底までいいとはいえないのだ。そして、無色を使う以上はカード選択にも限界が出てくることとなる。1G目を落とし、2G目以降は先攻ではないと厳しく、つまるところ×○×となることだろう。

 先手を取れるかどうかというのは非常に大きな問題であり、先手を取られればX=0でチャリスを置かれる可能性もある。しかしながら、先にも言ったようにデッキがわかっていなければそんな突飛な行動はとれず、それに気づくのはせいぜいこちらが羽ばたき飛行機械を場に送り出した瞬間であろう。そうだとしても先攻をとり、0マナのカードを多量に展開できるのは大きい。frankのデッキは親和に非常に弱く、サイドもない.。青赤ならばサイドボードに強力なカードが準備されているものの、SEでみたようにそれでも楽にマッチを落としかねない。ハーキルを2度打ってもなお負けたのである。もしエルドラージを考慮し親和を使うのならば、刻まれた勇者よりエーテリウムの達人を優先的に採用すべきだろう。参考までにDickmannの親和のレシピをここに掲載しておく。

Affinity

17 Lands
4 Darksteel Citadel/ダークスティールの城塞
4 Blinkmoth Nexus/ちらつき蛾の生息地
4 Glimmervoid/空僻地
4 Inkmoth Nexus/墨蛾の生息地
1 Island/島
29 Creatures
4 Arcbound Ravager/電結の荒廃者
4 Master of Etherium/エーテリウムの達人
3 Memnite/メムナイト
4 Ornithopter/羽ばたき飛行機械
4 Signal Pest/信号の邪魔者
2 Spellskite/呪文滑り
4 Steel Overseer/鋼の監視者
4 Vault Skirge/大霊堂のスカージ
14 Spells
2 Thoughtcast/物読み
4 Cranial Plating/頭蓋囲い
4 Mox Opal/オパールのモックス
4 Springleaf Drum/バネ葉の太鼓
Sideboard
2 Etched Champion/刻まれた勇者
3 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Chalice of the Void/虚空の杯
1 Dismember/四肢切断
2 Ghirapur Aether Grid/ギラプールの霊気格子
1 Grafdigger's Cage/墓掘りの檻
1 Gut Shot/はらわた撃ち
1 Stubborn Denial/頑固な否認
2 Thoughtseize/思考囲い
1 Whipflare/鞭打ち炎

マナ基盤を攻める。

 エルドラージがぶっ壊れなのは土地がぶっ壊れだからだ。この要素を取り除いてやれば、このデッキは重いコストのクリーチャーだらけのもったりデッキとなる。土地を1枚割るだけでも十分だが、全てをカウンターするのもいいだろう。ここでおすすめしたいのはこの2枚、血染めの月と絵描きの召使いだ。血染めの月は無色エルドラ―ジの作り変えるもの、現実を砕くもの、難題の予見者のキャストを荒地なしでは行えなくさせる。青赤のバージョンならば島がない限り希望を溺れさせるものがキャストできず、したがって無色のエルドラージのキャストが難しくなるのだ。もし荒地を引かれていてもキャストして損することはないだろう。Jason Chungがメイン4の月とともに9位に入賞できているのはこの効果を受けたものだろう。もしこのリストを使うつもりならばリストを見てみるといいだろう。

Blue Moon

22+4 Lands
4 Blood Moon/血染めの月(原文まま)
8 Island/島
4 Misty Rainforest/霧深い雨林
2 Mountain/山
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
2 Steam Vents/蒸気孔
2 Sulfur Falls/硫黄の汰奇
7 Creatures
3 Pia and Kiran Nalaar/ピア・ナラーとキラン・ナラー
4 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
23 Spells
4 Serum Visions/血清の幻視
3 Burst Lightning/噴出の稲妻
2 Cryptic Command/謎めいた命令
3 Electrolyze/電解
4 Lightning Bolt/稲妻
3 Mana Leak/マナ漏出
3 Remand/差し戻し
3 Spell Snare/呪文嵌め
2 Batterskull/殴打頭蓋
Sideboard
1 Batterskull/殴打頭蓋
1 Izzet Staticaster/イゼットの静電術師
2 Spellskite/呪文滑り
1 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆
2 Anger of the Gods/神々の憤怒
2 Dispel/払拭
2 Negate/否認
2 Spreading Seas/広がりゆく海
2 Vandalblast/汚損破

  もう一つの方法として、絵描きの召使いを使うという方法もある。エルドラージの寺院、またウギンの目は「無色のエルドラージ」にしか効果を及ぼさない。そしてウギンの目からマナを生成させない、という点に於いては血染めの月よりも強い可能性がある。変わり谷やミミックもブロックできる可能性もあるし、親和にはすっきり入ることができる。裏目としては所詮はクリーチャーであるために、エルドラージより殺されやすいという点があるが。所詮絞殺者と四肢切断の3~4枚しかないのでそこまで気にかけることもないだろう。

より大きなクリーチャーで睨み合う。

 これは青赤より無色エルドラージ対策として有用な手段だ。このアイディアはそもそもこのデッキが爆発的な動きをするだけという点にある。たとえそのようなスタートを切れたとしても大きな壁があるだけでビタ止まりすることとなる。タルモゴイフは基本的に5/6となるために超えづらく、タシグルや包囲サイだけでも時間稼ぎは十分にできる。また、エーテリウムの達人や復活の声、聖遺の騎士といった、どんどん大きくなれるクリーチャーも問題となるだろう。

軽いピン除去を使う。

 エルドラージが素晴らしいデッキたりうるのは、マナコストがその効果の割に軽いという点があげられる。しかし、更に低いコストでそれらに対応できるカードもあるのだ。流刑への道が最も効果的な除去となるようにみえる。とはいえチャリスX=1で止められてしまう上、ウギンの目を起動させるためのマナを与えてしまうという欠点もあるため、最良とはいえない。四肢切断も素晴らしいカードであり、終止も良いカードだろう。カンパニー系のデッキならば悪鬼の狩人や大物狙いを使うという手もある。コラガンの命令を採用したジャンドやグリクシスならば叫び大口を使い、親和に対する対応力こそ落ちるものの、現実を砕くものに手札を捨てることなく対応できるようになる。また、コラコマで回収できる除去というのも評価できるポイントだ。

罠の橋を使う。

 ランタンコントロールはPTでこそそこまで使われてはいなかったが、罠の橋のおかげでエルドラージに対してとてもる良いカードとなる。青赤エルドラージならばこのカードに触れられるのは漸増爆弾だけであり、昇華者型ならば世界を壊すものくらいだ。このマッチアップにおいては罠の橋と土地がある手札のためだけにマリガンしてもいいくらいで、それだけで簡単に勝利することができる。青赤の場合、サイド後から対応することも可能だが、無色の場合にはサイド後も苦戦を強いられることとなる。ここでSamのリストを参考として載せておこう。

Lantern Control

17(+2) Lands
2 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
2 Ghost Quarter/幽霊街
4 Glimmervoid/空僻地
1 Grove of the Burnwillows/燃え柳の木立ち
4 Llanowar Wastes/ラノワールの荒原
1 Mountain/山
1 Sea Gate Wreckage/海門の残骸
43(-2)Spells
4 Ancient Stirrings/古きものの活性
1 Duress/強迫
1 Infernal Tutor/冥府の教示者
4 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
2 Pyroclasm/紅蓮地獄
2 Thoughtseize/思考囲い
2 Abrupt Decay/突然の衰微
2 Surgical Extraction/外科的摘出
4 Codex Shredder/写本裁断機
4 Esnaring Bridge/罠の橋
4 Ghoulcaller's Bell/グール呼びの鈴
4 Lantern of Insight/洞察のランタン
4 Mox Opal/オパールのモックス
3 Pithing Needle/真髄の針
1 Pyrite Spellbomb/黄鉄の呪文爆弾
1 Pyxis of Pandemonium/伏魔殿のピュクシス
2 Academy Ruins/アカデミーの廃墟(原文ママ)
Sideboard
1 Pithing Needle/真髄の針
2 Surgical Extraction/外科的摘出
2 Spellskite/呪文滑り
1 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Grafdigger's Cage/墓掘りの檻
1 Kozilek's Return/コジレックの帰還
2 Leyline of Sanctity/神聖の力線
1 Nature's Claim/自然の要求
2 Sun Droplet/太陽のしずく
2 Welding Jar/溶接の壺

 土地の枚数や、攻撃に頼らない勝利を考慮すると罠の橋を採用できるようなデッキは少ないだろうが、これを使えるような、例えばバーンのようなデッキでは使うことができるだろうし使うべきだろう。かつてのようなバーン呪文と罠の橋だけを使うというデッキを使うという動きに戻れない理由もそれほどない。たとえ相手のクリーチャーがコチラのものより大きいものだったとしても、そして時間がかかるものとなっても、火力を投げ続けることによって相手の攻撃を防ぎながらこちらの火力を投げ続けることができるようになるのだ。

 罠の橋というカードはランタンコントールよりむしろバーンに似合うカードとなるだろう。というのもバーンに対してアーティファクト破壊を入れるようなデッキはほとんどないだろうからだ。もしバーンをプレイするようなことがあれば(正直ボクが使うことはいろんな理由でないとは思うが)、3枚はサイドに採用しておきたい。

確定全体除去を使う。

 エルドラージは軽い、そして巨大なクリーチャーを並べるデッキであり、ラスゴ系の除去は対処法として良質である。炎渦竜巻や神々の憤怒では少々つらいものがあるが、至高の評決や滅びは十分に使えるものであり、模試ジャンドのようなデッキを使うならばサイドボードにしのばせる理由にはなるだろう。

 そしてもう一つ、この手の超絶全体除去を使えるデッキがある。そう、死せる生だ。死せる生は調整の中でも課題となる相手とされており、有利不利が大きく議論されるものでもあった。僕の意見をいうならば死せる生はかなり対処しづらいデッキであると思っている。確かにチャリスこそあるものの、相手には死せる生、そして鋳塊かじりがいるのである。そして青赤のバージョンならばチャリスもないために更に苦戦を強いらせることができるのである。昇華者型では遺産や爪こそあるが、プレッシャーを掛けるには弱く、一度死せる生を打った後、遺産が起動されるのを見計らい多量のサイクリングを解決させたり、そもそも2度打ったりすることによって十分対処は可能なのだ。さらに言えば死せる生は大概大爆発の魔道士を採用しており、このカードによる時間稼ぎによって遺産やチャリスへの対抗策を引くこともできるのだ。

 今回は構築ラウンドで6-4したものが最上位となっている。Guilherme Merjamによるものだ。

Living End

19 Lands
3 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地
1 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Watery Grave/湿った墓
1 Overgrown Tomb/草むした墓
1 Blood Crypt/血の墓所
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
4 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
1 Forest/森
1 Mountain/山
1 Swamp/沼
4 Copperline Gorge/銅線の地溝
27 Creatures
4 Deadshot Minotaur/死の一撃のミノタウルス
4 Monstrous Carabid/巨怪なオサムシ
2 Shriekmaw/叫び大口
3 Simian Spirit Guide/猿人の指導霊
4 Street Wraith/通りの悪霊
4 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
4 Architects of Will/意思切る者
2 Faerie Macabre/フェアリーの忌み者
14 Spells
4 Demonic Dread/悪魔の戦慄
3 Living End/死せる生
4 Violent Outburst/暴力的な突発
3 Beast Within/内に入る獣
Sideboard
2 Shriekmaw/叫び大口
1 Faerie Macabre/フェアリーの忌み者
3 Brindle Boar/斑の猪
2 Ricochet Trap/跳ね返りの罠
1 Kolaghan's Command/コラガンの命令
4 Ingot Chewer/鋳塊かじり
2 Jund Charm/ジャンドの魔除け

  難題の予見者や現実を砕くもの対策になるという点を鑑みるならば、叫び大口はとても良いカードである。しかし更に追加で言うならば鋳塊かじりを忌み者より優先して採用し、遺産やチャリスにいち早く対応できるようにした方がいいだろう。

 

 今回はここまでだ。ここで述べたことがあるからといってエルドラージが禁止されないだろうと言いたいわけではないが、少なくとも僕がエルドラージ対策をするならばこのようにするだろう。そして君たちも、そうするべきであろう。

*1:基本的にモダンのシェア率は10%を下回るのがほぼ全てです