MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

Pantheonによるジャンドの使い方(The Pantheon Deck Tech: Jund By Reid Duke)

» The Pantheon Deck Tech: Jund

より。

おそらくPT前に書かれた記事です。フラグいっぱい。

(追:記事内部、また投稿時のTweetに関して不適切な表現がありました。お詫び申し上げます。)

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  古き良き。

 僕はモダンのジャンドに不満がいっぱいだった。ちあみんとDrSの禁止後、ジャンドはそのデッキパワーを大きく落としてしまうこととなった。確かにチューンナップを施すことによって、メタゲームに合わせて調整することもできたがそのメタゲームの多様性が広がりすぎたことにより、ジャンドではもう耐えられなくなってしまったのだ。言ってしまえば器用貧乏、そうなっていた。

 しかしながら、先日モダンに大きな変化が訪れることになった。ジャンドにとって都合のいいデッキだった双子の死もあったが、だからこそジャンドを使う理由ともなったのだろう。

  もっと冷静に、喜ぶべきだった。ジャンドが環境の覇者になると。そしてそれは次のPTで明らかにできると。ではここで、なぜ双子と花盛りの夏の禁止により、ジャンドが隆盛するかについて説明しよう。

  • 護符コンはジャンドが不利なデッキであった。
  • 環境全体のパワーレベルが一段階落ちることとなった。
  • 双子がコンボの抑止力となっていたものの、双子はフェアデッキに弱いデッキではあった。双子の死後、アブザンやグリクシスコントロールといったジャンドの敵が少なくなるのではないかと予測できた。
  • ジャンドのようなフェアデッキはメタゲームが読めている時にこそ真価を発揮することとなる。バーン、親和。この2つを仮想敵とした調整はとても容易である。

 これらの理由、そしてそもそものジャンドへのなれ、(さらに言えばプレイしている時の楽しさ)から、Shahar Shenharとともに、僕達はジャンドの誓いをPTで立てることとしたのだ。

Jund

24 Lands
3 Raging Ravine/怒り狂う山峡
1 Forest/森
2 Swamp/沼
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
2 Overgrown Tomb/草むした墓
1 Blood Crypt/血の墓所
4 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地
4 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Wooded Foothills/樹木茂る山麓
4 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
1 Twilight Mire/黄昏のぬかるみ
14 Creatures
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
4 Dark Confidant/闇の腹心
2 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋
2 Kalitas, Traitor of Ghet/ゲトの裏切り者、カリタス
2 Scavenging Ooze/漁る軟泥
22 Spells

4 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
2 Thoughtseize/思考囲い

4 Liliana of the Veil/ヴェールのリリアナ
1 Seal of Fire/炎の印章
4 Lightning Bolt/稲妻
2 Terminate/終止
2 Abrupt Decay/突然の衰微
1 Kolaghan's Command/コラガンの命令
1 Maelstrom Pulse/大渦の脈動
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
Sideboard
2 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋
1 Duress/強迫
1 Thoughtseize/思考囲い
1 Disfigure/見栄え損ない
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
2 Shatterstorm/粉砕の嵐
2 Grim Lavamancer/渋面の溶岩使い
2 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
1 Crumble to Dust/塵への崩壊
1 Courser of Kruphix/クルフィックスの狩猟者

カリタス

 今回一番注目されるだろう点は、もちろんカリタスの追加だろう。このカードは相手のすべてを破壊尽くすようなジャンドに於いてその真価を発揮することとなるだろう。自分のターンを無事に迎えることさえできれば相手の盤面は一気に崩壊し、一方でこちらの盤面がひどく充実することとなる。殺戮の契約、炎の印章、ヴェールのリリアナによって簡単に相手のクリーチャーを死に至らせることができるのだ。

 また、相手がアブザンカンパニーだった場合更にその力は大きくなる。メリーラによる無限頑強を止められるだけでなく、矮小なクリーチャーたちはカリタスの3/4というステータスに太刀打ちできず、ただただ死なざるを得なくなる。またバーンに対しても、そして電結の荒廃者やコラコマ相手にもこのカードは輝くこととなる。

 

 ゴブリンの先達や信号の邪魔者、ギラつかせのエルフ……様々なマスカンレベルの1マナクリーチャー群が跋扈する中で、僕はさらなる1マナ除去を必要としていた。

炎の印章

 このカードはエンチャントであるためにタルモの強化にもつながってくれる。そしてまた、カリタスとのシナジーも抜群である。感染や親和相手でも、先置きできる除去として動いてくれるのはとても良いだろう。相手の動きに対応してマナを支払わずして除去を飛ばせるのはやはり強い。また、例えばグリクシスコントロール相手のアンコウやタシグル相手に今までならば稲妻を2発投げ込むとその片方を消されてしまうという最悪の展開を考えなくてはいけなかったが、炎の印章を先に置くことによって稲妻を無駄なく使えるようになったのである。

見栄え損ない

 このカードはこれだけ除去があるのならわざわざサイドボードにとる必要もないのではと思う人も多くいるだろう。しかしながら、このカードでしかできないこともある。例えば波使いやファイクルのようなプロ赤を殺せると言うものがあるだろう。またそれ以上に重要なのが1Tめのゴブリンの先達に対して赤絡みのショックランドを使わずして除去を行えるという点だ。このデッキにおける対バーン最良の動きはゴブリンを損なわせた後、コジレックの審問や強迫で実質ダメージ0でダメージ源を2つ消し去るという点にある。黒だけでこれができる、というのはひどく大きいといえよう。

台所の嫌がらせ屋

 このカードを合わせて4枚フル投入しているのはPTOGWにおけるメタゲームがひどくアグロよりになることが予想できたからだ。ナカティルや大歓楽が多量にあふれることを思って、僕は4フル投入を決めたのである。

渋面の溶岩使い/クルフィックスの狩猟者

 そして最後に、サイドボードに入れてよかったカードについて説明しておこう。1枚目は渋面の溶岩使いだ。荒廃の工作員やキキジキ、霊アナフェンザのようなクリーチャーコンボを止めてくれる役割をもつ。また、親和やマーフォークに対しても有用であり、アブザンやZooのようなデッキ相手にサイドインできるまるさも兼ね備えている。

 クルフィックスの狩猟者はバーン相手の壁であり、ライフゲイン装置だ。確かにベイロスや牙のような即時的強効果こそ持っていないが、アタルカの命令や頭蓋割りを考えるならばむしろ継続的にライフゲインし続けられるカードのほうが強いのはわかってもらえるだろう。狩猟者はおおよそ大体のマッチアップにおいて採用されうるカードではあるが、超高速デッキに対しては少々の弱さがある。また、ジャンドはサイド後丸さを欠く存在を削り取り、より丸くなろうとする。その意味で狩猟者は最高のカードであるといえよう。

 

 ジャンドは様々な方法で、様々な速度で相手を殺せる。今週末、バーンや親和、感染といったクリーチャー主体のデッキに当たるならば余裕の勝ち越しとなるだろうし、アブザンやランプ型デッキ、そしてコンボに当たることになればあびゃーというわけだ。右手、光ってくれないかな。とは言え、1T目囲い2T目タルモの動きを恐れないプレイヤーやデッキなど殆ど無いだろう。

 

コメントで指摘されたとおりあくまでReid Duke氏はモダンラウンドは8-2という好成績でした。確認なく不適切な単語を並べてしまった点について謝罪いたします。今後事実不確認による不適切な発言のないよう、精進いたします。申し訳ございません。

なお、Reid Dukeのモダンでの負けはJosh McClain(無色エルドラージ)とPascal Maynard(親和)へのものでした。