MtG訳記た。

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モダン環境でのフェアリー(Modern Faeries (with Videos) by Seth Manfield)

Modern Faeries (with Videos) by Seth Manfield - Magic the Gathering (MTG)

より。

 明日はいよいよモダン神挑戦者決定戦ですね!僕は諸事情ででられないのですが、ぜひ楽しんできてください!

 そのレシピとして、あまり皆が気づいていないだろう、フェアリーなどいかがでしょうか?

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 先週末はGP Pittsburghが開催されたこともあって、モダン環境への関心がとても高まっていたようだね。僕としてはジャンドについて説明したかったんだけれども、今回Anthony Huynhによって面白いリストが生まれることとなった。僕は彼のことをはっきり言ってなんにも知らなかったのだが、最終戦、彼のテーブルには応援の声が多く届いていた。しかしながら、グランプリというものはオポに左右されてしまう面もあり、13-x-xしたとしてもTop8に入れないことはある。少なくともAnthonyは次のPTへの権利を獲得することはできた。

 時たま、Top8のデッキにばかり注目するプレイヤーが一定量いるが、注目すべきはそこだけではないのだ。そう、13位にはいった、青黒フェアリー、そのレシピをとくと見よ。

U/B Faeries by Anthony Huynh
Finished 9th - 16th Place at 2015 Grand Prix Pittsburgh - 11/21

12 Creatures
2 Mistbind Clique/霧縛りの徒党
3 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
3 Spellstutter Sprite/呪文づまりのスプライト
1 Tasigur, the Golden Fang/黄金牙、タシグル
3 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆

22 Spells
4 Bitterblossom/苦花
3 Cryptic Command/謎めいた命令
1 Disfigure/見栄え損ない
1 Dismember/四肢切断
2 Go for the Throat/喉首狙い
3 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
2 Mana Leak/マナ漏出
1 Murderous Cut/残忍な切断
1 Remand/差し戻し
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
3 Thoughtseize/思考囲い

26 Lands
4 Creeping Tar Pit/忍び寄るタール坑
3 Drowned Catacomb/水没した地下墓地
2 Ghost Quarter/幽霊街
5 Island/島
4 Mutavault/変わり谷
4 Polluted Delta/汚染された三角州
1 Swamp/沼
3 Watery Grave/湿った墓

Sideboard
1 AEtherling/霊異種
2 Countersquall/対抗突風
2 Damnation/滅び
1 Dispel/払拭
1 Duress/強迫
2 Engineered Explosives/仕組まれた爆薬
1 Go for the Throat/喉首狙い
2 Hurkyl's Recall/ハーキルの召還術
1 Slaughter Pact/殺戮の契約
1 Sower of Temptation/誘惑蒔き
1 Sword of Light and Shadow/光と影の剣

 青黒フェアリーというアーキタイプ自体はスタンダード時代には様々な強力なカードが入れ込まれており、トーナメントでもとても良く見たデッキであった。しかしながらモダン環境においてこのカードが禁止された時、このカードがほんとうに必要であるようには感じなかった。正直このアーキタイプ自体は死んでいたも同然であったし、Anthonyの手によってフェアリーのもつ強さを再び目の当たりにしたプレイヤーも多量にイルことだろう。確かにこのデッキは親和やバーンに対してかなり弱いデッキではあるが、逆に非常に相性が良いマッチアップも何個も存在している。そう、苦花の存在がコントロール型のデッキに対する解答となっているのだ。実際のところ、確かに親和には負けてしまったものの他のデッキとのマッチアップは十分に勝てるものであった。これがそのビデオである。

 このデッキは様々な要素が盛り込まれている。除去や打ち消し、そしてハンデス……それぞれが独立しているために、脳死プレイをすることは許されない。僕はスタンダード時代のフェアリーの知識を応用してうまく立ちまわることができた。このデッキはどんなデッキにも勝つことができるように感じることもあるが、少なくとも4マナ域に達することができなければ全く意味が無いといえる。謎めいた命令がうまく使えないマッチアップも存在こそするが、おおよその場合ではこのカードは相手を絶望の淵に叩き落とすカードとなってくれる。また、苦花は様々なゲームに於いて輝くものとなり、特にビデオ最後のグリクシスデルバーとの1戦はその最たるものといえる。2枚の苦花によってライフを1店へと減らしながらも勝利したこの瞬間は素晴らしいものだろう。確かに1枚目は重要ではあるが、2枚目については少々疑問がのこるが。

 また、アブザンカンパニーとの対戦において、このマッチアップは不利であるかのように感じた。しかし実際のところは簡単に2ゲームを取ることができた。確かに復活の声や台所の嫌がらせ屋は対処しづらいカードであり、1:1交換が不可能なカードである。しかしながら第3ゲーム、滅びの1枚によって相手の5匹のクリーチャーは土へと還ったのだ。たとえ集合した中隊が1:2交換を可能とするカード出会っても、打ち消し呪文をキーとした様々なカードによってそれを上回るだけのアドバンテージを確保するのはそう難しいことではない。

 確かにフェアリーは素晴らしいデッキである。しかしながら先にも言ったとおりこのデッキは使用者の腕を大きく問うデッキとなっている。また、相手のドロー次第ではどうともならないようなことも多くあり、例えば親和のトップスピードには追いつけないこともある。この対策としてハーキルの召還術を用いることはできるが、このデッキでは石のような静寂を使うことはできない。あくまでこのカードは一時的な対策でしかなく、再展開させないだけの脅威を並べておく必要があるだろう。また、打ち消しやハンデス、ヴェンディリオンにあふれたこのデッキを操るためのプレイヤースキルはモダンにおいてとても重要なものである。このレシピを回すことによってきっとその感覚をつかむことができるだろう。フェアリーそのものでゲームを終わらせることは十分可能だし、相手の行動にたいしてしっかりと対応していこう。

 僕がAnthonyのリストで気に入っているのはそのミシュラランドの数である。変わり谷だけでなく、タール坑すらもフルセットで投入しているためにゲームエンドまでの道のりが大きく短縮される事となる。様々な土地、26枚もの土地を詰め込んだこのデッキは、マナスクリューに陥ることも少なく、モダンという多種多様なデッキが存在する環境においてはマナを生み出すだけ以上の能力を持てているのはとても効果的だと言える。また、変わり谷によって刻まれた勇者をブロックできる、という事実は親和と敵対した際ひどく使える知識となるだろう。終わりに、フェアリーは現在のモダン環境においてはその評価が不当に低く、メタゲーム上でもあまり存在が確認できないデッキである。だからこそ今、呪文づまりのスプライトと霧縛りの徒党をつかってやるときなのではないだろうか。

 読んでくれてありがとう!