MtG訳記た。

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グルールアミュレットコンボ(Modern Gruul Amulet By Travis Woo)

» Modern Gruul Amulet

より。

また変なコンボデッキがきたぞ!

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 狂おしく、コンボデッキが好きなみんなへ、ああ、もちろん僕もさ!今日はとっておきのコンボデッキ、グルールアミュレットを紹介したいと思う。また、ビデオ記事もあるから参考にしてくれ。

  既存の護符コンボについて、みんなはすでに知識を持っているだろう。このコンボも同様にして成立する。精力の護符とグルールの芝地が揃えば、コンボがスタートするのだ。

 花盛りの夏とバウンスランドによって6マナを出すことはとても容易であり、1T目に原始のタイタンを叩きつけることができる。そして処刑者の要塞とボロスの駐屯地を引っ張りだすことによって、8/6速攻の巨人が完成する。

 ここまでは今までの護符コンボとおなじだ。違うのはここからとなる。既存の護符コンボはトレイリア西部をもちいて否定の契約を手札に携えることで自身の防御を行う。その代わりにこのデッキでは背骨岩の小山を用いて8枚デッキを掘り下げ、エムラクールを探しだすのだ。

 このグルール型の護符コンボは、エムラクールを搭載することですみやかに勝利を手にできるという点で、既存の護符コンボと大きく異なっている。

 この、背骨岩クールというコンボをこのデッキに搭載しよう、という考えは2013年、プロツアー神々の軍勢の頃に思いついたものの、最良のタイミングを見計らっていたのだ。

 そして今こそ、このデッキを世に放つ時が来たと言えるだろう。このデッキは素晴らしいデッキであり、モダン環境、トーナメントシーンにきっと一石を投じることだろう。

グルールアミュレット

23 Lands
4 Copperline Gorge/銅線の地溝
1 Grove of the Burnwillows/燃え柳の木立ち
1 Forest/森
1 Kessig Wolf Run/ケッシグの狼の地
1 Slayers' Stronghold/処刑者の要塞
1 Sunhome, Fortress of the Legion/軍の要塞、サンホーム
4 Gruul Turf/グルールの芝地
2 Boros Garrison/ボロスの駐屯地
2 Selesnya Sanctuary/セレズニアの聖域
1 Mosswort Bridge/苔汁の橋
2 Spinerock Knoll/背骨岩の小山
1 Teetering Peaks/ぐらつく峰
1 Treetop Village/樹上の村
1 Vesuva/ヴェズーヴァ

17 Creatures
4 Simian Spirit Guide/猿人の指導霊
4 Lotus Cobra/水蓮のコブラ
1 Azusa, Lost but Seeking/迷える探求者、梓
4 Primeval Titan/原始のタイタン
4 Emrakul, the Aeons Torn/引き裂かれし永劫、エムラクール

20 Spells
4 Amulet of Vigor/精力の護符
4 Ancient Stirrings/古きものの活性
4 Summer Bloom/花盛りの夏
4 Through the Breach/裂け目の突破
4 Summoner's Pact/召喚士の契約

Sideboard
1 Treetop Village/樹上の村
1 Raging Ravine/怒り狂う山峡
2 Glimmerpost/空僻地
2 Firestpout/炎渦竜巻
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Seal of Primordium/原基の印章
2 Cavern of Souls/魂の洞窟
2 Summoning Trap/召喚の罠
1 Eternal Witness/永遠の証人
1 Woodland Bellower/森林の怒声吠え

既存の護符コンボとの比較

 このデッキは素晴らしいということは先も言ったとおりではある。しかし、なぜこれが素晴らしいのか、という点について、既存のデッキと比較することによって証明する必要が出てくるだろう。なにしろ僕たちはこの2つはとても似ているデッキだと思っているからだ。どのような点において、どうしてこのデッキが優れている/劣っているのか、きっと知りたい人は多いことだろう。では説明を始めたい。

グルールアミュレットの欠点

 お分かりの通り、このデッキはトレイリア西部を失ってしまったために安定性が大きく低下しているといえよう。トレイリア西部は護符コンにおいてもっとも重要なパーツと言える。この土地はバウンスランドに替えることもできれば、召喚士の契約を経由した原始のタイタンや、勝利を手にするための否定の契約にアクセスすることもできる。

 原始のタイタンによってトレイリア西部は容易に手札に加えられるために、既存のバージョンはジャンドなどの消耗戦においても強いデッキであるといえるだろう。

 次に、このデッキでは血清の幻視もプレイすることができない。たしかにこれを僕達も使うことはできるが、必要ないと判断した。血清の幻視の占術によって不必要なカードを弾くことができるため、マナは食うもののこのカードの利点は明確であるといえよう。

 そして最後に、集団意識による突然の契約死を狙えないという弱点もある。トレイリア西部を用いて、相手が青や緑を使っていないならば一瞬に相手を殺すことができるだろう。

 ……このように、明確な欠点も確かに存在している。しかしながら、もちろん、このデッキにも明確な利点は存在している。

グルールアミュレットの利点

 このデッキの1番とも言える利点は裂け目の突破によるエムラクールシュートだろう。このコンボの強さについて疑問をもつものはそうそういないことだろうし、反則級であろう。5マナで15点、滅殺6、相手は死ぬ。つよい。

 しかし、このカードは単体でも十分な働きをしてくれる。原始のタイタンでも本来より1T早く動くことができるし、デッキを掘り下げることで処刑者の要塞の代わりに背骨エムラを成立させることもできるだろう。

 エムラクール自身も、確かに素で15マナは到達しにくいものではあるが、2枚の護符と花盛りの夏によって10マナの捻出は容易にできるために、あと5マナを準備できれば唱えることは容易となるのだ。

 そして最後に、血染めの月相手に第2プランを取りやすいという利点もある。既存の護符コンであれば、血染めの月は絶対に殺さねばならないカードなのだが、このデッキならば裂け目の突破を用いて強引に突破することも可能である。

 また、ほとんど当たることはないだろうが、LOに対する耐性もつくこととなる。利点というにはうすすぎるかもしれないが、ないよりはましだろう。

 グルールタッチ白というマナ基盤は、5色土地を採用することなく水蓮のコブラや猿人の指導霊を有効活用することができ、かなりの速度で相手を圧倒することができる。

 また、トレイリアを失った代わりに樹上の村や怒り狂う山峡といった汎用カードを使用しやすい。

 そして、背骨岩の小山や苔汁の橋といったカードによってインスタントタイミングでのキルも容易にできることだろう。

 これらの利点は十分に使用に耐えるものだろう。

グルールアミュレット

 どちらのデッキにも一長一短が存在し、どちらがよりよいデッキか、については議論の余地があるだろう。どちらを使うかについては、好みや、持っているカードに合わせて考えるのがいいように思われる。

 もしもっとこのデッキについて知りたいと思ったならば、ビデオ記事も是非参考にしてほしい。このデッキはとても面白いはずだ。