MtG訳記た。

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カッコいーアブザンカンパニー(Cuckoo for CoCo Tech By Brian DeMars)

» Cuckoo for CoCo Tech

より。

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 RPTQで僕は最終的にドレッジを使うことにした。が2番手の選択肢としてスリーブに入れていたのはアブザンカンパニー出会った。実際のところ、会うデッキのどれもが安らかなる眠りや貪欲な罠を採用していたところから本当はカンパニーを使うべきだったのかもしれない。

 実際のところ、アブザンカンパニーを使うのを諦めた理由は感染やドレッジに対する相性が悪いという点が大きい。とは言えたとえコレが本当だったとしても僕はアブザンカンパニーを作り直し、マッチアップの相性を改善できるように思う。

 この頃いろんなソーシャルメディアで読者から新しいリストはよという声も聞こえていたし、ちょうど新たなリストを提示するタイミングとなってくれた。

Abzan Company

Brian DeMars

lands
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
4 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
2 湿地の干潟/Marsh Flats
2 寺院の庭/Temple Garden
2 剃刀境の茂み/Razorverge Thicket
2 草むした墓/Overgrown Tomb
1 神無き祭殿/Godless Shrine
2 ガヴォニーの居住区/Gavony Township
2 森/Forest
1 平地/Plains
1 沼/Swamp
creatures
4 極楽鳥/Birds of Paradise
3 貴族の教主/Noble Hierarch
2 臓物の予見者/Viscera Seer
2 シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast
2 族樹の精霊、アナフェンザ/Anafenza, Kin-Tree Spirit
1 漁る軟泥/Scavenging Ooze
1 呪文滑り/Spellskite
4 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks
1 先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost
2 不屈の追跡者/Tireless Tracker
1 悪鬼の狩人/Fiend Hunter
1 クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix
2 永遠の証人/Eternal Witness
3 根の壁/Wall of Roots
spells
4 集合した中隊/Collected Company
4 召喚の調べ/Chord of Calling
sideboard
1 オルゾフの司教/Orzhov Pontiff
1 殺戮の契約/Slaughter Pact
1 突然の衰微/Abrupt Decay
2 復活の声/Voice of Resurgence
2 クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage
2 不屈の追跡者/Tireless Tracker
3 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
1 戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage
2 外科的摘出/Surgical Extraction

 今回の変更点はとてもわかりやすく、また現在のメタゲームに合わせたものとなっている。

メインデッキの調整について

 今回のメインデッキの60枚には大満足している。マナ基盤も完璧であり、不屈の追跡者を追加することによって消耗戦に対しても強い動きを取ることができるようになった。

 そして最後の数枚について、はじめは僕は流刑への道を使い様々なデッキに対応できるようにしていた。特に感染対策としての採用だったのだが、しかし実際は顕在的防御によってカウンターされてしまう上、ドレッジに対しても強いカードとは到底言えなかった。というわけで様々なシルバーバレットとして他のカードを入れることにしたのだ。

呪文滑り

 感染対策にサイドボードに呪文滑りをしのばせるのは、よじれた映像の標的となってしまうことを考慮してもあまり好意的な評価をしていなかった。容易に対処されてしまう対策カードになんの意味があるだろう。

 実際に1G目の呪文滑りはとても強い。調べや中隊、いずれの対象としてもぴったりなところに収まる。また1G目ならば映像が撃たれることもほぼない。

 そして考えてみればこのデッキは鳥や教主、根の壁と映像の対象が山のようにあるのだ。呪文滑りが場に出てくる頃にはすでに映像が打たれていても何の疑問もない。

 呪文滑りはかつてメインデッキに入れていたカードでもあり、また戻ってきてもらうだけのメリットが有ると判断した。実際SCZや青赤果敢といったデッキに対してもティムールの激闘やパンプ呪文対策として場においておくことができる。

先頭に立つもの、アナフェンザ

 このアナフェンザはもともとはサイドデッキにいたものであり、そして半数以上のマッチアップで再どいんされていたカードである。

 ドレッジに対してもともとの効果が強い上に他のマッチアップにおいてもクロックとして働いてくれる。

 そして彼女が働いてくれるのはドレッジ相手だけではない。ミラーマッチや死せる生、そして親和の電結の荒廃者を殺す動きもとってくれるのである。それだけではない。なんと台所の嫌がらせ屋をもシャットアウトできるのだ。

 

 というわけでこれらのカードのために流刑への道を切ることとしたが、中隊の当たり枚数も増えることとなり、一石二鳥の結果となってくれた。

 

サイドボードの調整について

 今回サイドボードの2/3を変更することとなったがその結果に大いに満足している。

 例えばかつてはパーマネント対策には流刑への道と大渦の脈動を使っていたが今は突然の衰微と殺戮の契約を使うこととなった。

 何度もゲームを経験するうちに僕は大爆発の魔道士と流刑への道のカード相性が最悪であると気づいてしまった。相手にアドバンテージを与えないカードが消耗戦においては必要だったのだ。勘違いしてほしくないのは、流刑への道自体はとても強いカードではあるという点だ。今回の僕のデッキには上手くフィットしなかったというだけだ。

 流刑への道の代わりにはじめは四肢切断を使っていた。多少マナを寝かせていても打てる除去であるためだ。……あれ?殺戮の契約ならタップアウトでも打てるじゃん!

 というわけで殺戮の契約が絶対にいいというわけではないもののこの選択肢をとても気に入っている。この枠はジャンド対策にも使えるという点も好評化である。

 そして感染対策という点において、オルゾフの司教がとても強いカードとなってくれている。おおよそ1:2交換を決めてくれるのだ。例えば貴族の教主と工作員が並んでいる時にこのカードを打てばパンプスペルで工作員が守られたとしても+1/+1修正を与える貴族の教主は殺すことができる。

 また、臓物の予見者を使い能動的にオルゾフの司教の効果を使うことで実質インスタント除去を構えられるようになった点も大きい。

 そして感染を使っているプレイヤーはこの頃ドレッジ対策として墓掘りの檻ではなく貪欲な罠を使うようになってきているという点だ。この2枚のカードの違いはとても大きい。というのも貪欲な罠はこっちのデッキには実質無力な上墓掘りの檻が減ってくれているのである。つまりそれは召喚の調べが打ちやすくなるということであり、呪文滑りや司教、メリーラといった感染殺しを簡単に場に持ち出せるという点にある。

 オルゾフの司教はまたミラーマッチ、親和においても役立つカードとなる。相手のマナ基盤を殺し、タフネス1軍団を殺し……持ってくるだけのメリットは十分にあるだろう。

 

 外科的摘出は単純にドレッジ対策である。

 このマッチアップは実際のところ少々こちらが不利な部分があれどほぼ互角なマッチアップだといえる。

 確かに相手は高速にクロックを用意し、こちらの準備ができる前に殴りかかってくることができる上に燃焼によってこちらのマナ基盤は吹き飛ぶこととなる。

 しかしこの展開を無視して考えればアブザンカンパニー側の無限ライフはドレッジからは対処できないものとなるため集合した中隊の効力自体が飛躍的に上昇することとなる。つまりアブザンカンパニー側が考えるべきはいかに序盤を生き残り、相手のオーダー66をかわし切るかというものとなるわけだ。

 外科的摘出自体は相手の動きをどんどんと遅くするカードとなってくれる上、燃焼を始めとした様々なキーカードを墓地から抜き取ってくれるのである。

 墓地に対するヘイトはこの頃大いに高まっているといえるだろう。そして悲しいかなこのデッキでは安らかなる眠りや墓掘りの檻などという自殺カードを入れることはできないのである。

 外科的摘出には単なる墓地対策以外の性能も十分に認めることができるため、コレをドレッジ対策として採用することにしたのだ。

 例えば大爆発の魔道士をサイドインした相手に対して、「大爆発でそれ割って外科的」という動きは十分に起こり得るものとなり、更にこのデッキではその大爆発を探すこと自体は相当に容易となるのだ。トロンやヴァラクート、この動きだけで吐くデッキはそう少なくない。

 また外科的摘出には御霊の復讐のような超高速墓地利用コンボを止める働きもある。この速さは普通のカンパニーでは絶対に止められない。

 

 アブザンカンパニーは確かにその人気がフォーマットの中で落ちてきているデッキではあるが、様々な角度から相手を攻めることができ、そのいずれも強力なものなのだ。モダンにおいて必要なことはメタゲームをしっかりと把握し、そのメタゲームに合わせたチューンナップを成し遂げ続けることである。僕にとってのそれはアブザンカンパニーであるし、今後もその研究を続けていきたいと思っている。