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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

根っこからやり直し。(Returning to My Roots BY JEFF HOOGLAND)

キキコード

Returning to My Roots | MTG Card Market

より。

私事ではありますが弊ブログのアクセス数が50万を超えたらしいです。いつもありがとうございます。

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 「木にとらわれ、森を見失うことなかれ」などという格言はずっと昔から言われ続けていることではあるが、この言葉こそ僕が今モダンで考えるべきことだと思っている。僕は今年の初めからずっと、それこそあの忌まわしき冬の間もずっとキキコードのことを考え続けていた。

 そうして、異界の進化とナヒリに出会うことができたのである。

  キキコードにとってこれらのツールがどれほど素晴らしいものだったか。ほとほと感心していたし実際に調整の結果も確かに手応えはあった。しかしながら最終的な戦績は満足行くものではなく、せいぜい中堅どころに落ち着くのがせいぜいだった。これをプレイミスや運によるものと片付けてしまうのはたしかに簡単ではあるが、その不運が本来の分散に比べて続きすぎていると感じた時、そこには根本的なデッキレベルのミスがあるのだと感じたのだ。

 つまるところ、僕はナヒリと異界の進化のせいでキキコードがどのようなデッキであるのかを見失ってしまっていたのである。

 ナヒリを使うということには大きく2つのデメリットが伴う。まず完全明解なものがエムラシュートのためのエムラクールである。エムラクールを使うということは多くのゲームでエムラクールを引く可能性があるということだ。たとえナヒリでエムラクールを捨てることに成功したとしても結局墓地のカードがデッキに戻ってしまうためあまり都合がいい動きにはならないだろう。

 そしてもう1つが、デッキ自体がもったりとしてしまうことだ。モダンのような4T目で勝負が決まってしまうようなフォーマットにおいて4マナ・コストのカードをプレイするということはそれ相応のデメリットをはらむこととなる。ナヒリだけでなくキキジキや修復、ヒバリといった重いカードがこのデッキにはどんどん入ってくることとなるが、それはつまりそのカードが手札に来るためにマリガンしてしまう可能性が大いに上昇することにほかならない。

 そして異界の進化はとても評価が難しいカードである。確かに進化の動き自体は相当に強いものである。チューターとしての性能も、殻に足りなかった速さの不足も十分に補えているものではある。しかしながら進化の要求するコストを鑑みるに前兆の壁のようなカードを使わないかぎりディスアドバンテージもそれ相応に受けてしまうこととなる。

 とはいえ異界の進化にはそのコスト相応の速さが生まれることとなる。コンボを用いたキルターンの速さを評価しているプレイヤーは実際に多いことだろう。実際に台所の嫌がらせ屋1枚から修復キキジキを決められるのは大きなメリットといえる。しかしながら、このデッキはそのような高速コンボを望んでいるデッキではない。確かにこのデッキはコンボデッキの要素も持ちあわせてはいるが出産の殻の末期がそうであったようにこのデッキはあくまでミッドレンジデッキでしかなく、コンボは二の次のデッキなのである。異界の進化の与えてくれる速さを加味しても、このデッキの動き自体はそう大きくは変わらないのである。他のプレイヤー達が相手を殺す殺すと躍起になってデッキスピードをあげていたとしても、僕達までそれに合わせて高速化し、デッキの本質を失ってしまう必要など、どこにもないのだ。

 しかしながら、アドバンテージを重視する動きをとるときに必要となってくるのが「相手がアドバンテージを意識した動きを取ってこない」という点にある。感染やバーン、ドレッジに親和、バントエルドラージ……トップメタとなっているデッキはたとえ手札が空になろうとも相手の敗北条件を満たせばそれでいいというデッキばかりであり、そういう意味においてこちらの2マナ0/4などという壁は見向きもされないのである。

 ここ最近の僕のデッキビルドはキキコードというよりはキキエボリューションのそれであった。この変化は異界の進化のもつ速さに由来するものだと思う。たしかにこのカードによって速さは手に入るが、逆に柔軟性を失ってしまっているのである。例えば打ち消しに対してはとても弱い呪文であるという点。そしてソーサリーであるがゆえに調べがもっていた相手に対応したチューターとしての力を大きく失ってしまっているのである。

 ではどうすればいいというのか。僕の考えが正しければ除去を増やすことが1つだといえよう。稲妻はこの頃またモダン環境において復権してきたカードであるし、僕達には異界の進化以外にも集団的蛮行というモダンを大きく変化させるカードが存在しているのである。

 このカードは本当に強い。速いデッキに対しても増呪の力を借りることでまるで2T目に複数個の呪文を唱えるかのように動くことができ、テンポを稼ぐことができる。感染に対しては除去かつ相手のキーパーツを落とすハンデスとして、バーンに対してはさらにライフゲインのおまけまでついてくるのである。そう、このようなマッチアップにおいて不要となるカードは多数あり、それらのカードを有効活用できるのはとても大きな意味合いをもつ。そう、例えば流刑への道が役に立たないようなむかつき戦なんかにおいてもそれを実質的な有効牌にかえることができるのである。

 過去のリストを振り返り、そしていま言及したカードを加える事によって、Baltimoreで先週末行われたトーナメントにおいて、僕は優勝という輝かしい栄冠を手に入れることができたのである。

Kiki-Chord by Jeff Hoogland

Creatures
1 呪文滑り/Spellskite
4 極楽鳥/Birds of Paradise
3 永遠の証人/Eternal Witness
1 オルゾフの司教/Orzhov Pontiff
1 クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage
3 修復の天使/Restoration Angel
1 目覚ましヒバリ/Reveillark
2 漁る軟泥/Scavenging Ooze
1 無私の霊魂/Selfless Spirit
3 復活の声/Voice of Resurgence
3 根の壁/Wall of Roots
1 鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker
1 ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar
Spells
4 召喚の調べ/Chord of Calling
3 稲妻/Lightning Bolt
4 流刑への道/Path to Exile
2 集団的蛮行/Collective Brutality
Lands
1 火の灯る茂み/Fire-Lit Thicket
1 地平線の梢/Horizon Canopy
1 つぶやき林/Murmuring Bosk
1 草むした墓/Overgrown Tomb
1 怒り狂う山峡/Raging Ravine
1 剃刀境の茂み/Razorverge Thicket
1 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
2 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1 寺院の庭/Temple Garden
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
2 森/Forest
1 山/Mountain
1 平地/Plains
Sideboard
2 仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender
1 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
1 再利用の賢者/Reclamation Sage
2 石のような静寂/Stony Silence
1 弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric
2 神聖な協力/Blessed Alliance
2 殺戮遊戯/Slaughter Games
3 外科的摘出/Surgical Extraction 

  除去をより有用に使うために、逆に抜かなければならないカードも数枚出てきたこととなる。今まで使ってきての実感からカードの枚数が変化することとなった。そしてその第一人者となったのが前兆の壁であった。

 先に述べているように、今の環境において前兆の壁は相当な弱さをもっていると言ってしまっていいだろう。一方根の壁は召喚の調べを効果的に打つための有用なカードとなりながらもアグロデッキに対するブロッカーとしての役割を兼ね備えているのである。

 SCGClassicにおいて僕は10回戦を闘いぬき、感染、むかつき、ドレッジ、トリココンと2回、ランタンコン、アブザンとは1回マッチアップすることとなった。内ドレッジに1度負け、トリココンとは引き分けることとなった。

 ではここで、大会の中でに気になった場面を振り返ってみたいと思う。

 1回戦の3ゲーム目、むかつき相手にこのようなハンドを引き入れることとなった。

再利用の賢者 石のような静寂 復活の声 クァーサルの群れ魔道士

殺戮遊戯 草むした墓 踏み鳴らされる地 

  Twitter上でもこのハンドについてどのように思うかという意見を問うてみたところ賛否両論、様々な意見が飛んでくることとなった。僕の意見としては、後手なら即キープということになる。というのにも2つの理由がある。まず1つがむかつき自体がそれほど速いコンボではないという点である。どんなに速い動きをされたとしても3T目にコンボを決められることは絶対になく、基本的に5T目以降に勝負が決まるのが常となる。つまりどれだけ相手が頑張ったとしても18枚の白マナによって石のような静寂が相手をだまらせ、5T目には放たれるだろう殺戮遊戯によってゲームは終焉を迎えることとなるためだ。

 

 その次のラウンドにおいて、僕はドレッジと対峙することとなった。2G目、相手は1T目に動くことなく、2T目に安堵の再開をトロールと非発掘カードを捨てながらキャストしてきたのである。本来ならば縫合体のために外科的摘出はとっておくものなのだが、対戦相手の顔がニンマリしているのを見て、僕は外科的摘出をトロールに対して打ったのである。その結果相手の手札には信仰無き物あさりと2枚目の安堵の再開が発見されることとなったのだ。

 悲しいかなその後の4ドローの中には臭い草のインプの姿もあり結局僕は無様に負けてしまうこととなった。とはいえ外科的摘出をプレイするタイミングは最高のそれだったと思っているし、みんなの意見が気になるところではある。

 

 そしてトリコロールコントロール相手の引き分けは本当に歯がゆいものであった。相手のデッキにはけち屈葬パッケージやトラフト、そして暁の魔除けと等時の王笏パッケージという様々なパーツが盛り沢山のデッキだったのである。

 悲しいかな3G目まで僕は一回も等時の王笏を見ることはできず、QPM、賢者はサイドで眠っていたのである。キキジキ、弁論の幻霊、永遠の証人という盤面を作ることができたが相手のセプターを割ることができないままライフロスもライブラリアウトも起こることもなく、引き分けになってしまうこととなったのである。

 

 最後に言及しておきたいのが準決勝での2度目の対むかつき戦である。盤面をつくり上げる速度こそ遅いが、蛮行を打てるハンドをキープしたのだ。そして幸運な事に2枚目の蛮行も引き入れることができ、相手のハンドはズタズタとなった。相手の6T目、ハンド1枚の相手に召喚の調べから永遠の証人を呼び出し、場に送り出したのだ。その時の選択肢としては調べを回収し、2Tでコンボをするというものと、蛮行を回収し、相手のハンドを更に攻めるというものがあった。

 そこで僕は蛮行ではなく調べを選び、より速く相手を殺せるように動いた、つまり相手に2枚のカードをもたせたのである。そしてその次のターン、キキジキを呼び出し、7T目のコンボを決めようとした時のことだった。相手の手札にあったのは天使の嗜みと大霊堂の戦利品だったのだ。

 ああ、相手はなんて幸運なんだろう。僕は自分の不運を嘆いたのだ。

 しかし、相手の幸運はそのカードを揃えるところで途絶えてしまったのだ。めくるカードめくるカードが土地となり、とうとう稲妻の嵐が与えられる点数は15点ぽっちとなってしまったのである。僕のライフは14点しかなかったが、最後の手札が土地だったのだ。大きな稲妻の嵐が僕に向かってくるその一瞬、大きな幸運が僕を救ってくれることとなったのである。

まとめ

 正直、召喚の調べがどれほどの強さを持っていたかだけでなく、このカードの楽しさすらも僕は忘れてしまっていたようだ。攻撃を行わずに相手のアクションを見て、それにあった適切なカードを叩き込む、その楽しさを見失ってしまっていたのだ。

 もし今後僕のデッキリストがどう変わっていくのかを確認したいのならば、僕のYoutubeチャンネルの動画(1 2)を是非見てほしい。

 そして他にも聞きたい話があるのならば、ぜひコメント欄で聞いてくれ!

 それではまた。