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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

トリコナヒリの使い方(Modern Jeskai Nahiri Deck Guide By Eric Froehlich)

トリコロール

» Modern Jeskai Nahiri Deck Guide

より。

またしばらくぶりになってしまいました。申し訳ございません……。

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 PTEMNへの準備が進む中、ナヒリはイニストラードだけでなく、モダンにも脅威を訪れさせていたのである。トリコロールカラー自体はモダンの制定以来長らくその地位をたしかにしているデッキではあった。しかし列柱と火力があるゆえに長期戦を耐え抜けるとはいえ長い時間を戦い続けるだけの苦労が必要であったのである。

  先駆ける者、ナヒリはその今までを変えてしまったのだ。コンボを抜きにして考えたとしても、手札枚数的に除去を使いたくなかったパーマネントをも対処できるようになったのはとても大きな意味合いをもつ。さらに必要なカードを探してこれる上にエムラクールをシュートできるという大きな利点もある。

 そしてもう一つの利点として、ナヒリと瞬唱の相性の良さがあげられる。瞬唱自体はモダン最強クラスのカードと言っていいだろう、2マナ2/1瞬速というステータスは先達やボブと相打ちを取れる上にFBを活用すれば2:1交換にまで持ち込むことができる。そんな素晴らしいカードなのだ。

 トリコロールカラーのデッキを組もうとするとき、そこには多くの選択肢があらわれる事となる。モダンのジェスカイカラーとなると本当に多岐に渡る呪文が候補としてあらわれることとなる。その中でも稲妻・流刑への道は相手のクリーチャーに1マナで干渉できるという点でほぼ4積みが確定しているカードとなる。

 ナヒリを使えばさらに他のクリーチャーにも対処ができるようになるものの、露払いをしておくほうが更に都合がいいのは当然の話である。ナヒリを+から入ることができればおおよそ負けることはない。+能力で探した除去を瞬唱で使い回すことによって、ナヒリは鉄壁の防御を得ることができるのである。

 そして確かに、血清の幻視は強いとは言いがたいカードである。過去の定業、思案と比べればそのパワーは格段に落ちているものの、それでもリーガルなカードがこのくらいしかないという点からもこのカードが使われている。とはいっても瞬唱と組み合わせることで実質3マナ2/1ドロー占術つきという無茶苦茶なカードを作り出し、実質的な土地の必要枚数を減らすことができるようになる。確かに祖先の幻視のドロー力にも素晴らしい物があるが、瞬唱との組み合わせを考慮するにこちらの方に軍配が上がることになるだろう。

 そしてまた、このデッキにおいてどのような打ち消し呪文を採用するのかも大きな問題点となる。このデッキにおいて何故差し戻しが4積みされているのか、それはテンポを取るため、というのが一番大きい。場にナヒリだけしかいないようならば完璧なタイムウォークとして機能してくれるカードとなるのだ。アグロデッキに対してさいs戻しを引きすぎてしまえば確かにそのまま死んでしまうことにはなるだろうが、ナヒリにたどり着くまで、そしてナヒリがエムラを投げるまでの時間稼ぎとして、このカードはとても強いのである。

 そしてモダン最強のカウンター呪文としてあげられ、青いデッキならば2枚は確実に入っているのが呪文嵌めである。タルモゴイフや闇の腹心、瞬唱の魔道士を始めとして2マナ域をきちんとカウンターできるのは非常に大きな意味をもつ。特に後攻1T目で相手の2T目の行動を消せるのはとても大きな意味をもつ。さらに瞬唱で使いまわしやすい軽コスト性も魅力の一つだ。

 さて、残りのカウンターの話に移ろう。マナ漏出や謎めいた命令はこの手のカウンターとしてとても重宝しているものではある……がこのデッキには一切搭載されていない。まずマナ漏出は確かにこのフォーマットにおける最強のカウンターの一つであり、序盤から終盤までうまく使うことは可能である。しかし流刑への道を採用しているがためにアンチシナジーを形成してしまうことがとても多く、更に瞬唱で流刑への道をフラッシュバックしてしまえばほぼ死に札同然のカードとなる。また現状のメタゲームが低マナ域のデッキにシフトしていることもあり、マナ漏出自体があまり強いカードではなくなってしまっているという現実もある。

 それは謎めいた命令にも言えることである。確かに謎めいた命令は強いカードではあるのだが、いかんせんそのコストが重すぎるのだ、とは言えナヒリを採用する重コントロールであるがゆえに、数枚謎めいた命令を取ることもできるし、瞬唱とうまく組み合わせれば勝利の道はたやすく開けるというメリットもある。

 とりあえずこのデッキを作るにあたり、除去として流刑と稲妻はとりあえずのレベルで4積みされることになるだろう。しかし幸運な事にこのデッキの勝ち手段はせいぜい数枚のスロットしか必要なく、ナヒリのカードパワーも相まってマナカーブに合わせて大量の除去や干渉札をいれることができるようになる。

 稲妻のらせんは対アグロデッキの切り札となる。しかしそれ以外のデッキに対してはあまり効果がない。火力としても確かに悪いものではないが完全に求めているものからは1ランク落ちることとなる。Zooやバーン、親和などに対してはライフゲインが強力となるものの他のデッキには単に重くなり色拘束がついた稲妻にほかならないのである。

 電解はまたその地位を上げつつある。親和や感染への対策になるだけでなく、コントロール相手にもキャントリップが有用に働いてくれるのである。

 そして今回のリストで採用しているピン積みカードについてはちょっとめずらしい物もいくつかあるだろう。例えば至高の評決はアグロデッキと言うよりかはクロックパーミッション系のデッキ、マーフォークやデルバーに刺さるカードとなる。ジェスカイカラーのデッキでは神々の憤怒のほうが一般的であるがために余り見ることはないものの、相手の隙を突くにはピッタリのカードと家様。

 月の賢者、タミヨウはもう一つの勝利手段となり、また除去札としても使えるカードとなる。メイン5マナはモダンでは確かに重いコストではあるが相手の厄介なクリーチャーや土地を倒し続けられるのはとても大きい。そして一度奥義にたどり着けば無限の火力で相手の生命は焼き切られることとなるだろう。

 モダンには多岐にわたる汎用土地が存在する。中でもこのデッキでは幽霊街、地盤の際、僻地の灯台がそれに当たることだろう。血染めの月対策を考慮しても、フェッチランド、ショックランドは必須と言っていいだろう、しかしそれより注目すべきカードとして、このカラーリングにおいては天界の列柱が候補と上がる。たとえPWを引くことができなかったとしても、この飛行警戒クリーチャーで相手のライフを削り切るのは簡単なのである。

Jeskai Nahiri

Francis Cellona, 9th place at GP LOS ANGELES

Lands
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
4 Flooded Strand/溢れかえる岸辺
1 Arid Mesa/乾燥台地
2 Steam Vents/蒸気孔
2 Hallowed Fountain/神聖なる泉
1 Sacred Foundry/聖なる鋳造所
1 Sulfur Falls/硫黄の滝
2 Ghost Quarter/幽霊街
2 Island/島
1 Plains/平地
1 Mountain/山
4 Celestial Colonnade/天界の列柱
Creatures
4 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
1 Emrakul, the Aeons Torn/引き裂かれし永劫、エムラクール
Spells
4 Nahiri, the Harbinger/先駆ける者、ナヒリ
1 Tamiyo, the Moon Sage/月の賢者、タミヨウ
4 Serum Visions/血清の幻視
1 Supreme Verdict/至高の評決
4 Path to Exile/流刑への道
4 Lightning Bolt/稲妻
2 Electrolyze/電解
2 Lightning Helix/稲妻のらせん
2 Mana Leak/マナ漏出
2 Remand/差し戻し
2 Spell Snare/呪文嵌め
2 Cryptic Command/謎めいた命令
Sideboard
2 Negate/否認
2 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆
2 Stony Silence/石のような静寂
2 Anger of the Gods/神々の憤怒
2 Timely Reinforcements/機を見た援軍
1 Dispel/払拭
1 Crumble to Dust/塵への崩壊
1 Izzet Staticaster/イゼットの静電術師
1 Elspeth, Sun's Champion/太陽の勇者、エルズペス
1 Rest in Peace/安らかなる眠り

  これはまさしく、プロが使いたがるデッキである。多量の干渉札、多量の選択肢、そして容易にゲームをもぎ取るだけの強い札。もし初心者だったら怪訝に思うかもしれないが、このデッキはどのようなプレイヤーにとっても似合う素晴らしいデッキなのだ。盤面を出来る限り綺麗にし、エムラをシュートできるように呪文をうまくやりくりし、土地を最高の状態に保つのである。時にはわざと打ち消さないという選択肢を選ぶ必要もあるかもしれないが、それで勝てればなんとでもなるのだ。そしてサイドボードに至ってはほぼ無限の選択肢が存在する。ジェスカイというカラーリングはその多様性もウリとなるのだ。

サイドボード

 否認はこの環境における様々なスペルを止められる素晴らしいカードだ。むかつきや風景の変容、解放された者、カーン、更にはミラーでのナヒリやクリコマ、β版の石の雨だって止められるのである。

 ヴェンディリオン三人衆は様々なデッキに対して投入されうるカードとなる。コントロールやコンボ、ランプといった電解、稲妻、流刑が通用しない相手にサイドインされることとなる。火力は確かに相手の引導に必要ではあるが、ヴェンディリオンは更にそれを加速させることができ、相手が除去を減らしているのならばゲームプランは完全にずたずたになるのだ。

 石のような静寂は親和を完全に黙らせるカードとなる。相手の強い行動を全てシャットアウトできるのである。さらに言えばトロンの彩色の星、宝球、地図を止められるという副次効果もある。

 神々の憤怒は差し戻しやマナ漏出が弱いアグロデッキに対して有効となる。Zooや感染、親和にとってこれらの打ち消しは何の意味もなく、むしろこのカードのトップこそ恐れられているものとなる。

 機を見た援軍も神々の憤怒と同様の効果を狙ったものである。そしてバーン相手の切り札ともなる。ナヒリ様をお守りする3人の兵士は非高速デッキ相手でも十分な脅威となってくれるのだ。

 払拭は非クリーチャー型デッキへの最強カードとなる。バーンや感染、青いデッキのミラーマッチなど、ぶっ刺さる場面はとても多い。

 塵への崩壊はトロンのためだけに用意した。もっと重い土地破壊を使うこともできたかもしれないが信用出来ないのだ。こちらもサイドするように相手もサイドをいれてくる。天界の列柱も完全には信用出来ないのである。それを狙って青白相手に入れる人もいるらしいが僕はそれに対して否定的だ。ともかく、ウルザランドによる恐ろしい呪文の叩きつけは恐怖以外の何物でもなく、カーンが着地してしまえばナヒリはこのデッキからもエムラだけを残し去ることとなるだろう。

 イゼットの静電術士は感染、親和対策のカードとなる。このカードは墨蛾の生息地に対してとても強いカードであり、ついでにストームの巣穴からの総出もメタれる強さを持っている。

 太陽の勇者、エルズペスは遅いデッキ同士での切り札となる。死せる生や呪禁オーラに対してもぶっ刺さるカードとなるが、少々遅いのが懸念案件とはなる。

 安らかなる眠りは死せる生、そしてグリセルシュート対策となる。またタルモや瞬唱を使ってくるデッキにも有効となる。とは言え自身の瞬唱もその能力が半分となってしまうために、これだけで勝てるような相手にしかいれるべきではないだろう。

 そして今回、サイドボード候補としては更に色々なカードがあったことは伝えておこう。例えば摩耗//損耗については親和や呪禁オーラ、血染めの月に対してとても有効である。このカードは大好きなものの一つだ。

 また、呪禁オーラ対策という意味では仕組まれた爆薬も素晴らしい。感染や親和にもきき、Zooやトークンに対しては静電術士よりも強い場合があるのも魅力的である。

 天界の粛清はヴェリアナやボブをはじめとした強カードを簡単に処理できるという意味で評価できる。

 安らかなる眠りは墓地対策でこそあるが、自分の瞬唱を弱くしないという点に於いては大祖始の遺産のほうが適切かもしれない。単にサイクリングとして使うこともできるし、自分の墓地を守りながら相手の墓地をゆっくり掃除することができる。とはいえ起動のためにいつも1マナを立てて置かなければならないのは少々面倒ではある。

 そしてもし、高速に勝つ手段を増やしたいのであれば、トラフトがぴったりだと言えよう。6ターン目にほぼ確実に勝つことができるカードとなる。相手が対処できなければ一瞬でゲームを終わらせることができるこのカードはメタゲームの読み次第で十分採用の余地がある。

 これで今回の記事は終わりとなるが、このトリコナヒリには多様なカードが存在し、多様な戦術を駆使することができる。相手に干渉できるデッキを使い、逐一対応していくデッキを使うのは所詮始まりでしかなく、その後最適なサイドボードを選ぶことが大きな意味をもつこととなる。故にサイドボードの15枚を適切に選出することは、ゲームに勝つためにとても重要となるのだ。そのために様々な干渉札、やコンボについて学び、いかなる方法を用いて勝つか、しっかりと検討する必要があるだろう。僕はこのデッキを使うのが大好きだし、みんなにも使ってもらいたいと思ってる。しかしそのフレーバーは君自身で編み出すものだ。例えば結局祖先の幻視はプレイアブルなカードなのか、ここで紹介した以外により強いサイドボードがあるのではないか、そんな意見を是非、コメントで聞かせてくれると嬉しい。