MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

モダンにおけるエルドラージタックスというデッキ(Eldrazi and Taxes in Modern By Frank Lepore)

» Eldrazi and Taxes in Modern

より。

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 先週末、僕はGPには全く参加していなかった。しかしながら、このGPはとても面白いものとなってくれた。バントエルドラージだけが注目されがちではあるが、他にもあの宇宙人の生き残りは着実に何かを侵略していたのである。もしGPLAに行っていたとしたら、このデッキを使っていただろう。

 エルドラージタックス

Lands
3 Plains/平地
2 Swamp/沼
2 Shambling Vent/乱脈な気孔
4 Caves of Koilos/コイロスの洞窟
4 Ghost Quarter/幽霊街
3 Godless Shrine/神無き祭殿
4 Eldrazi Temple/エルドラージの寺院
Creatures
3 Eldrazi Displacer/変位エルドラージ
2 Reality Smasher/現実を砕くもの
4 Flickerwisp/ちらつき鬼火
4 Leonin Arbiter/レオニンの裁き人
3 Thalia, Guardian of Thraben/スレイベンの守護者、サリア
4 Thought-Knot Seer/難題の予見者
4 Tidehollow Sculler/潮の虚ろの漕ぎ手
2 Wall of Resurgence/復興の壁
4 Wasteland Strangler/不毛の地の絞殺者
Spells
4 AEther Vial/霊気の薬瓶
4 Path to Exile/流刑への道
Sideboard
2 Anguished Unmaking/苦渋の破棄
2 Burrenton Forge-Tender/ブレンタンの炉の世話人
1 Kataki, War's Wage/戦争の報い、禍汰奇
1 Kor Firewalker/コーの火歩き
1 Reality Smasher/現実を砕くもの
2 Rest in Peace/安らかなる眠り
2 Stony Silence/石のような静寂
2 Timely Reinforcements/機を見た援軍
2 Zealous Persecution/妄信的迫害

  僕はこのデッキを数週の間、放送の中で回してきたのだけれども、とても素晴らしい戦績を残してくれた。既存のデスタクと同じような動きをしてくれているのだ。ちなみにこれはMO leagueで5-0していた、Vlalukのリストを流用している。

 僕はデスタクが大好きというわけではないが、このデッキが目指す方向性は大好きだ。相手のリソースをずたずたにし、効果的なクリーチャーでもって殴ることができ、相手の打ち消しをくぐり抜け展開していけるのはとてもいい。そして、今のデスタクには、エルドラージの姿も見ることができるのだ。難題の予見者、現実を砕くものがデッキに搭載されているのである。

 ウギンの目は禁止されたものの、これらのカードは未だプレイアブルであるのは確かであり、何かしら唱える方法を見つけるのもそう難しくはない。さらにこのデッキならば不毛の地の絞殺者や変位エルドラージをも採用できるのである。これらは確かに単体でも強力ではあるが、他のカードと組み合わせることによって更に強いカードとして生まれ変わることができる。

 潮の虚ろの漕ぎ手はその一つであり、ちらつき鬼火や難題の予見者、流刑への道などとも組み合わせることができるが、彼らの能力で追放されたカードを昇華できるのはとても強い。さらに、変位エルドラージの手によってこれはさらに加速し、他のカードとの相性も抜群となるわけだ。このカードの素晴らしさを過剰評価する必要は一切ないとは感じているものの、このデッキにおいてはそれをしたくなるほどにこれらのカードが強いのである。

 復興の壁は、このデッキにおける新たなカードと言える。かつては叫び大口が入っているスペースではあったが、このカードと霊気の薬瓶を考えた時に、そしてちらつき鬼火や変位エルドラージとの相性を考えた時にこのカードの素晴らしさを理解することができた。3/3の土地クリーチャーを並べることもできれば、6/6、9/9の巨大な怪物を作ることもできる。刃の接合者のように、安定した強力なクロックを生成してくれるカードとなっているのだ。

 そしてこのデッキ一番の問題は、いかにしてコラガンの命令を避けるか、というものがあるだろう。アーティファクトとして霊気の薬瓶や潮の虚ろの漕ぎ手が採用されているために、他のクリーチャーとともにこれらのカードが簡単に処理されてしまう。サリアの力によって多少マシにはできるものの、それでも打たれるターンを遅くすることしかできないのである。

 と、今まで様々なことを書いてきたが、僕がこのデッキで一番好きなのはこれらのカードのシナジーではなく、難題の予見者と現実を砕くものという巨大な怪物をゲーム中盤から叩きつけられるようになった、という点であるデスタクというデッキはおおよそウィニーとしてしられ、強力なクロック形成に関しては少々劣っていた。しかしながらこれらのカードによって序盤の盤面破壊を利用する形で中盤以降も強く立ち振る舞う事ができるようになったのだ。

 この頃のエルドラージの活躍はGPLAでのバントカラーのものが代表的に思われるが、霊気の薬瓶で彼らの重いコストを踏み倒して場に出せるのはとても大きな意味をはらむ。確かにウギンの目は禁止されてしまった。しかしながらGPの結果を鑑みる限り、まだこの宇宙人たちは僕達の近くにいるし、友達となってくれるのである。彼らはどこにも消えていないのだ。