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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

モダンを掘り下げるもの-マーフォーク編(Mining Modern—Merfolk by Corbin Hosler)

 Mining Modern—Merfolk by Corbin Hosler - Magic the Gathering (MTG)

より。

富士本(TYPES)からの諸連絡: 【翻訳】The Ultimate Guide To Modern Merfolk: Part 1/モダンマーフォークの極意其の一

こちらも参考にどうぞ。

ーーーーー

 知らない人のために簡単に自己紹介をば。僕はオクラホマに住んでいる。正直そこまで住みやすいところではないけれど土地も安いしマジックをするにはいい場所だ。

 そして、バスケットボールをしているなら、Thunderというチームを聞いたことがあるかもしれない。NBA西部で決勝を戦っているチームだ。彼らについて話したり、実況したりするのはとても楽しいね。

 そう、いつもはそうだった。しかし、先週は違った。

 GPLAにおけるマーフォークの活躍っぷりを目にしてしまったのである。

 Simon Slutskyが決勝で親和を打倒し、マーフォークが二回目の栄冠を手にすることができた。その時にはちょっと興奮したね。

(訳:ああ、やりやがった。前から言ってたとおり、マーフォークはやはりモダン最強のデッキなのだ。)

Merfolk by Simon Slutsky

Finished 1st Place at Modern Weekend - 2016 Grand Prix Los Angeles

Creatures
4 Cursecatcher/呪い捕らえ
4 Silvergill Adept/銀エラの達人
4 Lord of Atlantis/アトランティスの王
4 Master of the Pearl Trident/真珠三叉矛の達人
1 Tidebinder Mage/潮縛りの魔道士
1 Phantasmal Image/幻影の像
3 Merrow Reejerey/メロウの騎兵
2 Kira, Great Glass-Spinner/大いなる玻璃紡ぎ、綺羅
4 Master of Waves/波使い
Spells
1 Vapor Snag/蒸気の絡みつき
3 Dismember/四肢切断
4 AEther Vial/霊気の薬瓶
1 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
4 Spreading Seas/広がりゆく海
Lands
2 Cavern of Souls/魂の洞窟

4 Mutavault/変わり谷
1 Oboro, Palace in the Clouds/雲の宮殿、朧宮
1 Wanderwine Hub/ワンダーラインの分岐点
12 Island/島

SIdeboard
1 Tidebinder Mage/潮縛りの魔道士
2 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
4 Tectonic Edge/地盤の際
2 Spell Pierce/呪文貫き
2 Gut Shot/はらわた撃ち
4 Hurkyl's Recall/ハーキルの召喚術

  ばっさり言って、僕はフィッシュ系のデッキが大好きだ。2011年のレガシー大会に初めて参戦した時、僕はマーフォークを借りて出場することとなった。デュアランだらけ大会自体は初めての経験だったが、なんと最終戦までのこることができたのだ。そしてInviにおいてもTop16に入賞することができた。モダンが制定して以来、銀エラプレイマットを携えてずっとモダンで遊んできた。そして昨年のGPLAの結果にとても満足もしていた。

 先に言ったとおり、このデッキが再びGPという環境で結果を残したという事実に僕は大いに感動している。

 で、今回の記事が目指すところはこのデッキが何たるものなのかというものについて示そうというものだ。2年前にも同じような記事を書いているが、未だに僕は差し戻しとコーシのペテン師を採用しないように、皆には伝えてきた。しかし大きくメタゲームが変わった今、それらについてもある程度、考えなおしてみるのも悪くないのかもしれない。

Merfolk by Corbin Hosler

Creatures
4 Cursecatcher/呪い捕らえ
3 Harbinger of the Tides/潮流の先駆け
1 Kira, Great Glass-Spinner/玻璃を紡ぐもの、綺羅
4 Lord of Atlantis/アトランティスの王
4 Master of the Pearl Trident/真珠三叉矛の達人
4 Master of Waves/波使い
4 Merrow Reejerey/メロウの騎兵
4 Silvergill Adept/銀エラの達人
Spells
4 Aether Vial/霊気の薬瓶
1 Dismember/四肢切断
1 Monastery Siege/僧院の包囲
4 Spreading Seas/広がりゆく海
1 Thassa, God of the Sea/海の神、タッサ
1 Vapor Snag/蒸気の絡みつき
Lands
3 Cavern of Souls/魂の洞窟
12 Island/島
1 Minamo, School at Water's Edge/水辺の学舎、水面院
3 Mutavault/変わり谷
1 Oboro, Palace in the Clouds/雲の宮殿、朧宮

Sideboard

1 Chalice of the Void/虚空の杯
1 Dismember/四肢切断
1 Hibernation/冬眠
3 Hurkyl's Recall/ハーキルの召還術
2 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
1 Skaab Ruinator/スカーブの殲滅者
2 Spell Pierce/呪文貫き
2 Swan Song/白鳥の歌
2 Tidebinder Mage/潮縛りの魔道士

 ここでSimonのリストを見なおしてみよう。彼のリストに採用されている分岐点はおそらく水面院がなかったからだと思われる。もしかしたら他の理由があるのかもしれない……というのも流刑への道や石のような静寂と言ったカードを採用していたり、仮に青単であったとしても窒息の影響を受けないようにする必要があるということでこの土地を採用しているプレイヤーも多く入る。しかしながら、霊気の薬瓶や様々な土地によってその窒息からは逃れることができると思っている。そしてまた、このデッキでタッチカラーを増やすのは単にデッキの安定性を落としたり、フェッチショックなどのダメージソースを増やすことにほかならないと言えよう。

 次にSimonのリストを見て驚くべきは、潮流の先駆けの不採用である。このカードについてのスポイラーが出た瞬間、マーフォークの隆盛を予感したプレイヤーもいるだろう。実際に多くのプレイヤーがこのカードを採用している。僕個人としてはこのカードを採用しない理由はないと思っているが、Simonがそれなしで、優勝してしまったという事実からは逃れることができない。Simonは四肢切断を使うことによって、先駆けで得られる以上のテンポを獲得し、またアブザンやジャンドが多かっただろう、つまるところタルモゴイフが多量にいるだろうメタゲームを乗り越えようとしたのではないだろうか。それはメインデッキに搭載された潮縛りの魔道士からも読み取ることができる。

 そして、マーフォークのようなデッキを見るときには、もうロードについてはほぼ無視してしまっていいだろう。メタゲームに合わせて推移する、流動枠に注目すべきだ。四肢切断と呪文貫きは容易に入れ替えられるカードである。それと同様に、Simonはこのデッキに先駆けが不要であり、そして4枚目のメロウも不要だと判断したのである。

 そして僕のリストもみてほしい、サイドボードを含め、メタゲームに合わせた様々なチューニングが行われているのだ。

ロード達

 アトランティスの王、真珠三叉矛の達人、そしてメロウの騎兵はマーフォークを組む上でまず投入されるカードだろう。ロードの連打、そして島渡り付与によって簡単に青いデッキは泡を吹くだろうし、紅蓮地獄や稲妻の呪縛から逃れることもできるようになる。とはいえ1枚だけではいけない。何枚も連鎖していくことがとても重要となるのである。

 ここで、メロウの騎兵について述べよう。きっとマーフォークの君主でいいのでは?という人も多くいるだろうからね。どっちも3マナのロードであることもたしかだし。

 実際のところ、メロウの騎兵はとても強いロードだ。コンバットトリックともなるし、尻込みともなるし、時にはコンボパーツともなってくれるのである。メロウの騎兵を使ってできることをここに並べていこう。

  • ブロッカーのタップ
  • 薬瓶とくみあわせることによって3匹以上のマーフォークを一気に送り出す ※薬瓶で場に出すマーフォークに騎兵は反応しないことに注意。
  • 潮流の先駆けと組み合わせ、騎兵の唱えた時効果で相手のクリーチャーをタップし、先駆けの能力でバウンスする。 4マナ立っていれば相手ターンでも可能となる。
  • マーフォークを唱えながら土地を起こし続け、様々なクリーチャーを場に送り出すことができる。さらに言えば複数枚の騎兵によってむしろマナ加速にもなれる。波使いを土地3枚から唱えることもできるのである。

その他クリーチャー

 そして単に、ロードを並べるだけでもこのゲームは勝てないのである。1匹だけでは所詮かれらは2/2の雑魚でしかないのだ。

呪い捕らえ

 呪い捕らえは相手の除去を遅らせる1マナクリーチャーとして最高の動きをしてくれる。アタックしながら相手の呪文を実質的に止める、クロックパーミッションの代言者となる。

 簡単に、このデッキでの呪い捕らえの運用法について触れておこう。基本的にこのカードを1T目においた後、2T目にロードを置き、殴るというのがよくある動きに見えるあろう。しかしながら、例えば相手がジャンドやジェスカイだったならば、赤マナを立てているならば稲妻が容易に予測できるだろうし、仮に青いデッキが2マナ立てていればそれは打ち消しの構えといっていいだろう。それをケアした動きが必要なのだ。

 そしてこの呪い捕らえの素晴らしいところはこのカードをサクる事によって相手の呪文を打ち消せる、という点にある。そしてそれが故に、相手が2マナを立ててきているのならば、ロードを置く前に呪い捕らえで殴る、という動きが正着となることもあるのだ。除去や打ち消しを持っていない、という可能性は十分にあるが、序盤にそんなことをしてくるのならばおおよそ何かしらそのカードを持っていることだろう。これを理解しているかどうかで、Simonになれるかどうかが決まることとなる。

銀エラの達人

 デッキ最強のカードだ。確かにロードと薬瓶も素晴らしいカードだが、そのいずれとも銀エラはすさまじいシナジーをみせてくれる。このカードなしにこのデッキは成立しないと言っていいだろう。

潮流の先駆け

 テンポを取るという点でとても良いカードだ。ピンチの時には4マナで唱えることもできるし、薬瓶でそもそも場に出すことも容易である。ビートダウン合戦などにおいてこのカードは無茶苦茶なカードとなってくれるのだ。

潮縛りの魔道士

 このカードもまた、相手のタルモゴイフや僧院の速槍などを黙らせ、テンポを取ることができるカードだ。相手がこのカードを除去できないかぎり、実質このカードが歩く除去となってくれるのもとても良い。

幻影の像

 今の僕のリストにこのカードは採用されていないものの、このカードも素晴らしい働きをしてくれる。ロードの増殖をさせてくれるというのもあるが、今場にいるどのようなカードにも、なることができるのだ。そう、代わり谷を含め。追加の銀エラが欲しかったり、もしくは呪い捕らえが欲しかったりすることもあるだろう。もしくは騎兵を使ってよりテンポをとりたいということもあるのではないだろうか。そして時には相手の闇の腹心や大霊堂のスカージ、はたまたエムラクールになることもできるのだ。

海の神、タッサ

 ああ、この頃タッサを搭載したマーフォークがとても少ないのは知っている。ただ僕はタッサ神の信者なのだ。毎ターン占術ができるのは遅いデッキやコンボデッキ相手にとても有用であるし、そもそも土地や薬瓶といった中盤ではいらないカードをはじけるのはとても大きなメリットとなる。また、広がりゆく海をふくめて信心が5以上あれば無茶苦茶な脅威として場に残ることもできる。そしてアンブロッカブル能力の強さは言うまでもない。

玻璃を紡ぐもの、綺羅/僧院の包囲

 ロードを展開した後にならないとあまり効力があるカードとは言いがたく、自信はマーフォークではないとはいえ、このカードは75枚のなかに2枚はふくめるべきカードとなる。

 しかし現在、MO上ではバグが有るためにこのカードは使われていない。僧院の包囲がその代替となっている。実際紙でも使う価値があるくらいにはこのカードも強いのだ。衰微を実質4マナスペルに変えることができ、紅蓮地獄でも落ちることがなく、相手の溶岩の撃ち込みや思考囲いを実質くさらせることができる。また、カンのモードで唱えたとしても十分な利益をこのカードは持っているのである。

その他呪文

霊気の薬瓶

 必須。4Tキルを可能としてくれるカードだ。そして擬似的なマナ加速を一番うまく使えるのはマーフォークなのだ。

広がりゆく海

 実際のところ、ロードに加え、このカードも4積みから構築を始める。トロンやミシュラランドの対策となってくれるという点を含め、なんでもできるカードなのだ。相手の土地を島に変え、じゅもんを唱えさせにくくするだけでなく、こちらの島渡りを有効化するという点で最高のカードとなるのである。

呪文貫き/蒸気の絡みつき/四肢切断

 マーフォークのメインデッキという観点からすれば、最高の打ち消し呪文となる。1マナで唱えられるというのは毎ターンほぼタップアウトするこのデッキにとってとても都合がいい。差し戻しやマナ漏出だとむしろこっちの展開が阻害されてしまうのだ。たしかに霊気の薬瓶と同時に引き入れることができれば無茶苦茶な動きを実現させてくれるが、それをするだけのリスクが高過ぎるのである。

 そういう点において、呪文貫き、蒸気の絡みつき、四肢切断は素晴らしいカードなのだ。対クリーチャーだけをみるならば四肢切断に軍配があがるものの、ライフロスは無視できるものではなく、蒸気の絡みつきは自身のクリーチャーを守るという意味でもよく使われている。とはいえこの枠はメタゲーム似あわせて柔軟に変わるところだろう。

土地

 朧宮、水面院については窒息対策といっていい。確かにちゃっかりタッサを守ったりヴェリアナから手札を守ったりすることもできるが、あくまでそれは副次的におこるものでしかない。

 そして特筆すべきは変わり谷と魂の洞窟を3-3に分けているというところだろう。この頃祖先の幻視の解禁に乗じて多くの青いデッキが息を吹き返した。しかしそんな青いデッキたちをこれらのカードの手で手札の打消しとともに殺すことができるのである。

 変わり谷を3枚におさえているのはマナ基盤を見据えているというものもある。大概のマーフォークは4枚の採用となっているが、それは思考停止によるものが大きい。そして色マナ事故に苦しむマーフォークプレイヤーの姿もよく見るものである。そして更に、先駆けにより青マナ要求数は実質的に非常に大きなものとなったのだ。サイドボード後には呪文貫きや白鳥の歌まで入ってくることも思うと、変わり谷はむしろ負け筋を作るカードになっている説が否定できなくなってくる。魂の洞窟は実質的に青い土地であるため、打ち消しを構えながらの展開がよりしやすくなるという点を評価し、今回は3枚ずつの採用にとどめている。こんなプレイヤーはあまり見たことがないものの、実際僕は何度も唱えられない魚達とともに、海に沈んでしまったことがある。

サイドボード

 モダンには多様なデッキが存在している。その中で触れるべきデッキについて簡単に解説していこう。

ジャンド/アブザン/マルドゥ

 まずは薬瓶を抜く。タッサや僧院の包囲、綺羅や銀エラ、海に波使いがあるということで長期戦への構えは十分にできているというものがある。この手のデッキは基本的に1:1交換しかしてこないために、上記のカードでその対策がばっちりとなるわけだ。リリアナは別として。相手の構築に寄るところもあるが、四肢切断や大祖始の遺産、潮縛りが欲しくなるところだろう。

青いコントロール

 先駆けと騎兵がサイドボードされうるマッチアップであり、遺産が大活躍するマッチアップだ。白鳥の歌や呪文貫き、スカーブの殲滅者が大活躍することとなる。……殲滅者?と思うかもしれないが、神の怒りへの返しとしては最高のカードとなるのだ。薬瓶から場に出すこともできれば、綺麗になった場にひょいとあらわれるだけでもいい。たしかに遺産とアンチシナジーを形成してしまうものの、毎ターンタップ能力を起動し続けていればそこまで全追放能力をつかうこともないだろうし、次の遺産もすぐに引けることだろう。

親和

 最悪のマッチアップだが勝てないということはない。3マナ呪文は全て抜き、波使いも少々へらして召喚術、四肢切断、杯をサイドインせよ。サイコロはとても重要なマッチアップとなるものの、もし更に対策したいというのならば鋼の妨害を入れてみるのも悪くないかもしれない。

感染

杯、歌、潮縛り、四肢切断をすべて入れ、遅いカードは全て抜け。以上。

バーン/Zoo

 正直この手のデッキはこちら有利となる。……相手も同じことを思っているものの。僧院の包囲以外の3マナ・カードは全て抜き、潮縛りや杯、そして呪文貫きも相手のクリーチャー量次第では入ることとなる。

アブザンカンパニー

 台所の嫌がらせ屋がこのデッキをナチュラルに対策してくるという点において、面倒なマッチアップとなる。また、無限頑強を阻止できないというのも問題となる。遅いカードは全て抜き、白鳥の歌や潮縛り、四肢切断をいれるとともに、大祖始の遺産や冬眠も突っ込むことになるだろう。8枚もの入れ替えとなるため、ここには僕のサイド例を載せておくこととする。

In

2 白鳥の歌

2 潮縛りの魔道士

2 大祖始の遺産

1 四肢切断

1 冬眠 

Out

1 波使い

1 海の神、タッサ

1 玻璃を紡ぐもの、綺羅

1 潮流の先駆け

1 呪い捕らえ

1 僧院の包囲

2 メロウの騎兵

コンボ

 正直コンボ一つとっても様々なデッキがあるものの、今回は呪文主体のコンボ、つまるところストームやむかつきという前提で話していく。

 いつものように、むかつき相手の包囲以外の遅いカードは全て抜き、呪文貫きや白鳥の歌、大祖始の遺産を出来る限りつめ、先攻なら虚空の杯もいれてしまおう。また相手がアーティファクト頼みのデッキなのならば、ハーキルの召還術も採用圏内となる。

最後に

 このデッキについて、僕は誰よりも理解しているという自負がある。だからもし、本文中で触れていないことで気になることがあれば、コメント欄で是非質問をしてもらいたい。今後とも長く使っていける記事にしていきたいので、できるかぎり最善を尽くして回答していこうと思う。また、さまざまなビデオ記事をみることで、よりこのデッキについての理解が深まると思う。是非みてほしい。

ではまた。

Corbin Hosler(@chosler88)