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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

テューンスパイク搭載アブザンカンパニーについて(Archangel Abzan Company By Brian DeMars)

» Archangel Abzan Company

より。

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 数週前、アブザンカンパニーと双子とを比較する記事を書いた。アブザンカンパニーはエルドラージの死後、たしかに大きな期待を受けていたが、実際のところ予想していたほどの結果を残すことはできなかった。

 少々気が早すぎたようには思う。エルドラージの冬が終わりすぐに生き残りを見せたデッキを最強のデッキと位置づけてしまったのは確かに総計だったようには思う。とはいえ、たとえ最強のデッキという評価を失ったとしても、アブザンカンパニーは十分に使用に耐えうるデッキとなるのだ。トップメタとはなりえずとも、戦略として複数の戦法を兼ね備え、その中には無限ライフコンボ(メリーラ+台所の嫌がらせ屋+臓物の予見者)を組み込めるというのはとても大きな利点となるだろう。

 そしてこの2週間、このデッキを使い続け、十分な結果を得ることができた。Indianapolisでは6-3、GPTでの勝ち抜け、そしてGPCharでは11-3-1で63位に入賞することができた。

 そして結果として21-6-1。十分な結果だとは思わないかい?では、リストの説明といこう。

 エンジェルカンパニー

Lands
2 Gavony Township/ガヴォニーの居住区
2 Forest/森
1 Plains/平地
1 Swamp/沼
4 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地
4 Windswept Heath/吹きさらしの荒野
2 Marsh Flats/湿地の干潟
2 Overgrown Tomb/草むした墓
2 Temple Garden/寺院の庭
1 Godless Shrine/神なき祭殿
2 Razorverge Thicket/剃刀境の茂み
Creatures
4 Birds of Paradise/極楽鳥
3 Noble Hierarch/貴族の教主
2 Viscera Seer/臓物の予見者
2 Melira, Sylvok Outcast/シルヴォクののけ者、メリーラ
2 Anafenza, Kin-Tree Spirit/族樹の精霊、アナフェンザ
3 Wall of Roots/根の壁
1 Scavenging Ooze/漁る軟泥
1 Spike Feeder/スパイクの飼育係
4 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋
1 Fiend Hunter/悪鬼の狩人
2 Eternal Witness/永遠の証人
1 Courser of Kruphix/クルフィックスの狩猟者
1 Murderous Redcap/残忍なレッドキャップ
2 Archangel of Thune/テューンの大天使
Spells
4 Collected Company/集合した中隊
4 Chord of Calling/召喚の調べ
Sideboard
1 Anafenza, the Foremost/先頭に立つもの、アナフェンザ
1 Linvala, Keeper of Silence/静寂の守り手、リンヴァーラ
2 Qasali Pridemage/クァーサルの群れ魔道士
3 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
3 Path to Exile/流刑への道
1 Kataki, War's Wage/戦争の報い、禍多奇
1 Orzhov Pontiff/オルゾフの司教
2 Voice of Resurgence/復活の声
1 Spellskite/呪文滑り

  まずはじめに、集合した中隊は素晴らしいカードであり、このデッキはそれを一番強く使えるデッキなのだ。もしこのカードを通すことができればおおよそ負けることはない。このカードのコスパと得られるアドバンテージは強大なものなのだ。

そしてスパイクテューンを加えたのだ。

 今回使ったデッキは既存のアブザンカンパニーにさらなる無限コンボを加えたものだ。それがテューンの大天使とスパイクの飼育係によるものだ。

 この2枚によっても無限ライフを達成することができ、さらにスパイクの飼育係以外は無限の+1カウンターを獲得することができる。

 そう、一般的なアブザンカンパニーはこのコンボを一切搭載しておらず、その点においてこのデッキは既存のアブザンカンパニーとは全く異なる、スパイクテューンコンボを加えたアブザンミッドレンジとなるのだ。確かに集合した中隊で5コストのクリーチャーを場に送り出すことはできないために、普通のアブザンカンパニーでこのコンボを採用しないというのは十分普通の選択肢である。

 とはいえこのデッキをプレイする中で気づいた点がいくつかあったのだ。

  1. この頃プレイヤーは、アブザンカンパニーを意識してカリタスや軟泥、RIPといった墓地対策をかなり積むようになった。
  2. ジャンドやジェスカイを始めとした除去主体のデッキに対して3枚コンボは決まらない。

 とりあえず、これらの点について触れる前に、このデッキにおいてスパイクテューンのコンボを絶対に決める必要があるわけではない、という点については触れておこう。

 そして、これらの除去主体のデッキはおおよそ似ているのである。これらのデッキに対して、僕はそもそもコンボを成立させようとしてこなかった。ナヒリシュート相手にはエムラクールによる無限ライブラリ回復が搭載されているために無限ライフが全く意味が無い。トロンやむかつきではカーンや偏執狂といった無限ライフを無視した勝ち筋が用意されている上にそれらをなんとかできない限り勝つことは絶対にできない。そしてそれは逆に、こちらの死を、敗北を意味することとなるのだ。

 GP前に10マッチほどのジャンド対決を行い、10ゲーム以上を勝利することができたが、その中で一回として無限コンボを決めることはなかった。逆に消耗戦を乗り越え、勝利したのである。特にサイドボード後については、無限コンボなどに頼ることなく、強大な怪物たちを盤面にたたきつけ続けることによって、相手の墓地攻撃を意に介さずに相手を殺すことができるようになるのはとても大きな意味をはらむ事となる。

 テューンの大天使はその点完璧なカードである。対処しなければ一瞬でゲームが終わってしまう上、召喚の調べを使えばほんの一瞬で無限ライフ、無限パワーが誕生することとなる。召喚の調べがあってもなくても、いずれすぐにゲームは決着することとなるのだ。

 さらに言えば、テューンの大天使自体がタフネス4を持つために、稲妻や神々の憤怒を生き残ることができるという点も評価の中に入るだろう。

 そう、タフネス4だ。大天使を含め、このデッキには多量のタフネス4が搭載されており、サイドボード後にはこれらのカードが相手を殴りだすことになる。

 アナフェンザ、リンヴァーラ、狩猟者……。あ、憤怒ですか、檻ですか。どうぞどうぞ。

 神々の憤怒にしてやられないということは大きな意味がある。いつもこのデッキは神々の憤怒に盤面を掃除されてしまっていた。もうそのカードに怯える必要がなくなるのだ。

 クルフィックスの狩猟者は今回MVCと言っても良い活躍をしてくれた。クルフィックス様には足を向けて寝られないね。もっと枚数を増やしたいくらいだ。Zoo相手の壁となり、3点火力で落ちず、ライフを増やし、アドバンテージを得させてくれる。これ以上のことをどうして望むだろうか。

 そしてテューンの大天使やフェッチランドとの相性も抜群だった。また、狩猟者と飼育係の枚数を分けておいたのも賢明だったといえる。スパイクはサーチしてきたいカードではあったが狩猟者は素引きしても嬉しいものだったのだ。

 静寂の守り手、リンヴァーラに関してはミラーマッチにおいて最強の動きをしてくれるカードだった。……が今週末結局その手のデッキと出会うことはなかった。しかしながらたとえば対ジャンド相手の溶岩使いや漁る軟泥を実質無力化できるという点も評価し、今後もデッキに残していくつもりだ。

 実際のところ、ほとんどのマッチアップ、特にコンボ耐性がないようなデッキに対しても、僕はサイド後にはこのデッキをコンボデッキとしてではなく、ミッドレンジ型のアグロカンパニーとしてデッキを作り変えていた。殆どのプレイヤーはコンボを警戒してくるため、この戦略はとても効果的だった。

 このデッキはゲーム中の選択肢だけでなく、デッキ作り、カード採用、サイドボーディングといった様々な点で選択を要求してくるという点でとっても気に入るものとなった。様々なサーチ能力によって、このデッキのシルバーバレットたちを即座に盤面に送り出し、戦局を大いに変えることができるのである。

 そして最後に、相手を1G目にコンボで叩き潰せるのはゲームをしていくうえでとても重要な意味を持つ。もし柔軟で、楽しい、カスタマイズ性のあるデッキを求めているのならば、このデッキは一番都合のいいデッキとなってくれることだろう。