MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

封印されしバントエルドラージ(Bannedt Eldrazi By Pascal Maynard )

» Bannedt Eldrazi

より。

ーーーーー

 いつものように、コスパが悪いトーナメントにはあまり参加したくはなかった。しかし、僕はいつのまにか高額のフライト料金を支払っていた。賭けをしたようなものだ。

 正直、いかなかったほうが良かったかもしれない。この頃はスタンダードの調整に大量の時間をつかっており、モダンにかける時間がなかったのだ。

 しかしながら、チームメイトの天才たちがバントエルドラージに多量の時間を使っていたこともあり、僕のちょっとした助力によってこのデッキが素晴らしい物に仕上がってしまった。

 まずはToddのリストを見直すところから始めた。彼のデッキ作りのアイディアは参考になるものであったため、彼と意見交換を始めたのだ。Sam Pardeeを含めて、このデッキを使うことにとても意欲が湧いていたのだ。

 Toddのリスト

Lands
1 Forest/森
1 Island/島
1 Plains/平地
1 Breeding Pool/繁殖池
3 Brushland/低木林地
3 Cavern of Souls/魂の洞窟
4 Eldrazi Temple/エルドラージの寺院
1 Flooded Strand/溢れかえる岸辺
1 Ghost Quarter/幽霊街
1 Horizon Canopy/地平線の梢
1 Temple Garden/寺院の庭
4 Windswept Heath/吹きさらしの荒野
2 Yavimaya Coast/ヤヴィマヤの沿岸
Creatures
4 Drowner of Hope/希望を溺れさせるもの
3 Eldrazi Displacer/変異エルドラージ
4 Matter Reshaper/作り変えるもの
4 Noble Hierarch/貴族の教主
4 Reality Smasher/現実を砕くもの
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
4 Thought-Knot Seer/難題の予見者
1 World Breaker/世界を壊すもの
Spells
4 Path to Exile/流刑への道
4 Ancient Stirrings/古きものの活性
Sideboard
2 Engineered Explosives/仕組まれた爆薬
4 Grafdigger's Cage/墓掘りの檻
1 Thragtusk/スラーグ牙
1 World Breaker/世界を壊すもの
2 Stony Silence/石のような静寂
2 Negate/否認
3 Timely Reinforcements/機を見た援軍

 今回僕たちはこのデッキのタルモゴイフに関して様々な議論を交わしてきた。巣の侵略者や呪文滑り、様々なカードを試してきた結果、少なくとも呪文滑りは2枚、このデッキに必要だろうという結論に至った。呪禁オーラや感染に1g目から対処できるようにしたかったし、古きものの活性でもサーチできるのは大きな利点だといえよう。さらに変異エルドラージをうまく使えば無限の盾ともなってくれるのだ。

 次に、僕たちは5枚目のマナクリが必要だと判断し、極楽鳥を足すこととした。巣の侵略者や2枚以上の鳥は不要だという判断もしていた。というのも1、2T目のこのカードは素晴らしいのだが、中盤以降の腐り方がひどかったのだ。確かにガヴォニーの居住区と巣の侵略者の相性は素晴らしいものだったがデッキの動きとしては弱かったのだ。タルモゴイフも2T目の登場ではあまり強くはない。

 基本、このデッキは2T目に3マナを捻出できる。エルドラージの寺院なり、マナクリなりで3マナはほぼ確実にでるのである。1T目の古きものの活性で寺院を探すこともできるために、空中生成エルドラージの採用にとどまってしまうチームもそう少なくはなかっただろう。

 そう、僕達も空中生成エルドラージを試していたのだ。このデッキが不利となるだろう親和、感染相手の動きが素晴らしいからだ。……とはいえ最終的に作り変えるものに回帰することとなった。マナ基盤をよりよくし、単にカードパワーが高いというものがあった。

 そして最後に、マナ基盤の調整を行う中で4枚目の魂の洞窟がデッキに入ることとなった。ジェスカイやグリクシスを殺すことができるようになるだけでなく、最終的には外されたものの空中生成エルドラージもキャストしやすくなるためだ。そうして出来たのがこれだ。

最終的なリスト

Lands
4 Eldrazi Temple/エルドラージの寺院
4 Cavern of Souls/魂の洞窟
4 Windswept Heath/吹きさらしの荒野
2 Forest/森
1 Plains/平地
2 Yavimaya Coast/ヤヴィマヤの沿岸
3 Brushland/低木林地
1 Ghost Quarter/幽霊街
1 Breeding Pool/繁殖池
1 Temple Garden/寺院の庭
1 Hallowed Fountain/神聖なる泉
Creatures
4 Noble Hierarch/貴族の教主
4 Eldrazi Displacer/変位エルドラージ
4 Matter Reshaper/作り変えるもの
4 Thought-Knot Seer/難題の予見者
4 Reality Smasher/現実を砕くもの
4 Drowner of Hope/希望を溺れさせるもの
2 Spellskite/呪文滑り
1 Eldrazi Mimic/エルドラージのミミック
1 Birds of Paradise/極楽鳥
Spells
4 Ancient Stirrings/古きものの活性
4 Path to Exile/流刑への道
Sideboard
1 Eldrazi Mimic/エルドラージのミミック
3 Engineered Explosives/仕組まれた爆薬
3 Grafdigger's Cage/墓掘りの檻
2 Stony Silence/石のような静寂
2 Stubborn Denial/頑固な否認
1 Negate/否認
1 Fracturing Gust/引き裂く突風
1 Dismember/四肢切断
1 World Breaker/世界を壊すもの

 この75枚をつかって、僕はGPに向かったのだ。他のチームメイトともほぼリストは変わらなかった。彼らは霧深い雨林を低木林地より優先していたが、無色マナが辛くなりそうだったので僕はしなかった。

エルドラージのミミックについて

 そして、本当に最後の調整部分だった。むかつきやヴァラクートといった非クリーチャーコンボに対して無力だったのだ。エルドラージのミミックは確かにこれらのデッキに対して強いカードではないが、クロックが非常に早くなるために実質的な対策が可能となったのである。たいてい今のエルドラージには高速アグロ性は求められていないために、ミミックはあまり採用されていない。しかし先述の非クリーチャーコンボに対して、希望を溺れさせるものは遅すぎるのである。では1枚だけメインに入っているのはなぜか。正直なところ、16枚のサイドボードが必要であり、空中生成エルドラージが1枚だけあってもあまり意味は無いと判断した結果、そうなったのである。

仕組まれた爆薬

 このデッキ最強のサイドボードだ。古きものの活性でサーチできる上に、マーフォークやエルフ、親和やZooの展開を咎めることができるのだ。無色土地の量を鑑みるに使いづらいのでは?という声もあるだろうが、実際働くのである。うまくいくのだ。

墓掘りの檻

 3枚は入れ過ぎのように見えるかもしれない。しかしながら対アブザンカンパニーの弱さが目立ったとともに、もしドレッジが相手になれば確実に轢かれる未来しか見えなかったためだ。また、このカードもまた古きものの活性でサーチ可能というのはとても大きい。

世界を壊すもの

 正直このピン積みについては必要だったのかはわからない。とは言え希望を溺れさせるものと入れ替えられる強いフィニッシャーが必要であったのだ。ランタンコントロール相手には最強のカードとなる上、グリクシスでは絶対に完全に除去できず、白いコントロールでもパスによって土地を渡してくれるのだ。

四肢切断

 5枚目の流刑への道だ。キキコードを意識したものだったが、結果としてはマーフォークやカンパニー相手に使うことになった。

その他いろいろ

 これらはまあその効果が現すものを狙ったものだ。頑固な否認と否認に関しては未だにどちらがいいかはまだ判断がついていないが、頑固な否認の引きすぎは考えたくないため、少なくとも間違ってはいないと思う。

試合結果

 様々なデッキにであった。とはいえその大半はフェアデッキであり、このデッキがおいしく頂いたのだ。1日目はランタンコンとバーンにまけ7-2。しかし2日目は全勝をすることができたのだ。

 そして、最終的には準決勝で親和を操る13歳の少年、Ethanにやられることとなった。サイドボードも考慮するに、十分に有利だとは思っていたのだが、ついぞ彼の機械たちを打ち破ることはできなかったのだ。