読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

死せる生という選択(Living End By Paulo Vitor Damo da Rosa)

死せる生

» Living End

より。

ちょっと時間取れず、遅くなりました。

ーーーーー

 エルドラージは覚醒してしまった。もう封印することは出来ないだろう。そうなると僕達にできることは2つだ。戦うか、従うか。――少なくともエルドラージの餌になってしまうようなデッキは使うべきではないだろう。

 エルドラージを倒せるようなデッキはそこまで数が多くないものの、有利を取れるデッキは数多くある。エルドラージはミラーを意識するものが増え、それが故に他の戦略に対しては少々弱くなってしまっているのだ。

 そして、死せる生がその戦略として成立する。

  確かにかつては遺産や杯によってこのデッキは完全に沈黙させられていた。しかしながら今のUR/UW型の構築においてはそのカードは殆ど見られず、構築自体も死せる生に弱いものへと変わってしまっているのだ。だからといってまだ使うデッキを確定させてしまったわけではないものの、死せる生は選択肢の一つとして十分考えられるものとして今調整を行っている。

 死せる生についてよく知らない人のために説明しておくと、このデッキは暴力的な突発や悪魔の戦慄の続唱呪文によってデッキの死せる生を強引に唱え、一気に相手を殺すというデッキなのである。そしてその特性上、2マナ以下のカードは死せる生以外一切入ることはない。ではどのようにして死せる生のためのカードを墓地に貯めるのかというと、アラーラに散りばめられたサイクリングクリーチャーを使うのだ。死の一撃のミノタウロスや巨怪なオサムシといったカードを1T目、2T目とサイクリングし、3T目には死せる生による突然死、もしくは大爆発の魔道士を経由した4T目の死せる生へとゲームがつながっていくのだ。死せる生さえ打てれば相手の場は(時には土地を含め)まっさらになり、こちらの場が巨大なクリーチャーでいっぱい、ということになる。

 おおよそこのデッキは8枚の続唱呪文と16枚程度のサイクリングを搭載しているために、死せる生をとても安定して唱えることができる。また、このデッキはその単純性ゆえに、死せる生でなんとかならない相手にはどうしようもない。……とはいえおおよそそんな場面は存在せず、むしろこれさえうてばなんとかなるような相手なのならばこのデッキの安定性により容易に轢き殺すことができるのである。

カード選択について

 どのようなリストにおいても、以下のリストは完全に固定されている。

4 通りの悪霊
4 巨怪なオサムシ
4 死の一撃のミノタウロス
4 暴力的な突発
4 悪魔の戦慄
4 大爆発の魔道士
3 死せる生

  これで27枚。そしてサイクリングによる実質的な圧縮によりカードは引けるために、土地の枚数はゴリラの採用枚数によって19~21枚の間をふらつくこととなる。

 実を言うと僕はこのデッキにおけるSSGが大好きである。おおよそこのデッキは手札に使わなかったカードを持ったまま勝利/敗北することが多く、さらに言えば2T目で大爆発の魔道士を場に送り込められればそれだけで多大なアドバンテージを得られる。もちろんサイクリングや続唱呪文のためにこの赤マナを使ってもいいだろうし、それによる相手へのプレッシャーはとても大きなものだろう。感染やZoo、バーンと言ったラスゴさえ打てれば後はなんとでもなるようなマッチアップにおいてはこの動きはとても有用となってくれる。おおよそ3枚の採用にとどまっている構築が大半だが、PTに向けた調整の結果ここのスロットは4枚が適切だと結論づけた。そしてこれに19枚の土地を足し、残り10枚のスロットができたのだ。

 僕の思いとしては少なくともさらに4枚はサイクリングクリーチャーをここに付け足したいと思っている。ここに意思切る者を入れるプレイヤーもいれば、ジャングルの織り手や青ざめた出家蜘蛛を入れたいというプレイヤーもいるだろう。僕は意思切る者の軽さ、そして場に出た時の妨害力を考慮し、意思切る者を4枚入れることとした。またジャングルの織り手の到達、そして素のパワータフネスが親和や感染、希望を溺れさせるもの相手にちょうどいいと思ったため、これも追加することとしよう。

 そうして5枚のスロットが残った。万能除去として、また暴力的な突発の種のために内に入る獣を2枚入れることにしよう。そして最後は叫び大口と鋳塊かじり、フェアリーの忌み者の中から好きなカードを選ぶ事になる。ここはメタゲームに合わせて調整をしていくものとなる。僕の場合は親和やカンパニーがメタ上に多くいることを予想し、忌み者の力を借りることとした。現在のエルドラージだらけの環境ならば叫び大口が適切なカードとなってくるだろう。ゲーム後半でも希望を溺れさせるものや変位エルドラージに対処されないというメリットだけでなく、現実を砕くものや難題の予見者の除去としても働いてくれるからだ。

 ……しかしながら、本当にエルドラージ過多のメタゲームを考慮するならば、入れるべきは鋳塊かじりとなる。このカードは親和だけでなく罠の橋への対処も可能となるカードであり、またたとえ無色エルドラージが多量にいたとしてもチャリスもレリックもこの1枚で何とかすることができる。少なくとも忌み者は今採用したいカードではないため、大口とかじりから選択することとなるだろう。とりあえず今は2:1としておきたい。あくまでこれはかけだ。大抵の場合叫び大口のほうが良いカードであるから、という理由でこの選択は行われており、それが裏目にでるとおもうなら、鋳塊かじりがベターな選択となるだろう。

死せる生

19 Lands
4 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
3 Grove of the Burnwillows/燃え柳の木立ち
1 Copperline Gorge/銅線の地溝
1 Blood Crypt/血の墓所
1 Watery Grave/湿った墓
1 Overgrown Tomb/草むした墓
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
3 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地
1 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Mountain/山
1 Swamp/沼
1 Forest/森
28 Creatures
4 Street Wraith/通りの悪霊
4 Monstrous Carabid/巨怪なオサムシ
4 Deadshot Minotaur/死の一撃のミノタウロス
4 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
4 Simian Spirit Guide/猿人の指導霊
4 Architects of Will/意思切る者
1 Jungle Weaver/ジャングルの織り手
2 Shriekmaw/叫び大口
1 Ingot Chewer/鋳塊かじり
13 Spells
4 Violent Outburst/暴力的な突発
4 Demonic Dread/悪魔の戦慄
3 Living End/死せる生
2 Beast Within/内に入る獣

 ちなみにマナベースについては銅線の地溝でも構わない。ではなぜ燃え柳なのかというと、燃え柳では相手にライフを与えてしまうがそれはせいぜい2点程度でありこのデッキならば誤差の範囲といえる。そして死せる生なしで単純にクリーチャーを並べるためにはミラ傷ランドではタップインの危険性があるという理由がある。

サイドボードについて

 サイドボードについても、このデッキの特性上大きく制限が加えられることとなる。一般的に採用されるカードについてここで示しておく。

虚空の力線/フェアリーの忌み者/ジャンドの魔除け

 これが一般的な墓地対策カードとなる。また、メリーラ系デッキや親和のようなサクリ戦略を取ってくる相手に対してもこれらのカードは有用となる。力線は最も強いカードではあるが、安定性に欠け、引きすぎてしまえば自身の死を招くこととなる。また、4マナで場に送り出すのもあまりよろしくはない。遅すぎる。そこで僕はフェアリーの忌み者を推したい。2/2飛行は単純に親和対策にもなるからだ。ストームが多くいるような環境ならば力線のほうがいいだろうが、基本的には忌み者のほうが好きだ。

 ジャンドの魔除けは墓地追放以外の能力も持つため、これら2つのカードとは別カウントとしていいだろう。このカードについてはそこまで好みではないものの、親和とメリーラ相手の強さを考慮し、1枚はデッキに入れたいと思う。

叫び大口/鋳塊かじり

 サイド後にフル投入できるように4枚の残りを入れる。今の場合ならば大口2、かじり3となる。

斑の猪/骨までの齧りつき

 バーン対策だ。とはいえ今回バーンは少ないと読んでおり、そこまで枚数をとる必要はないと思っている。また、頭蓋割りやアタルカの命令でゲインは阻害されてしまうし、アグロ戦略は大口で突破することができる。

塵への崩壊/なだれ乗り/血染めの月

 トロンを殺すためにPTでは塵への崩壊を搭載していた。しかし今やトロンは完全に下火となり、これはいらない、と判断した。猿人の指導霊を通した2T目血染めの月は確かに強いものの、護符なき今それもする必要は殆ど無いだろう。

跳ね返りの罠

 双子の死後、差し戻しは環境から消え失せた。青いデッキが怖いのならば入れてもいいかもしれないが、そんなデッキはエルドラージの餌となっているのが大半だ。

殺戮遊戯

 素晴らしいアンチコンボカードだ。風景の変容からグリセルブランドまで何でもどうぞ。

 というわけで現在は忌み者3ジャンドチャーム1鋳塊3大口2が固定となり、スロットがいくつか残されていることとなる。3枚めの内に入る獣は確かに崇拝やRiP対策として効果的であるため、入れておきたい。そして残された5枚については親和対策、そして長期戦対策となるコラガンの命令を入れておきたい。(親和相手なら2点ファクト破壊もしくはかじり回収ファクト破壊を主にすることとなるだろうし、エルドラージ相手では叫び大口の使い回しが可能だ。)そして最後に、1マナでエルドラージを除去できる呪文として四肢切断を加えておく。

サイドボード

3 Faerie Macabre/フェアリーの忌み者
3 Ingot Chewer/鋳塊かじり
2 Shriekmaw/叫び大口
1 Jund Charm/ジャンドの魔除け
1 Kolaghan’s Command/コラガンの命令
2 Dismember/四肢切断
1 Slaughter Games/殺戮遊戯
1 Beast Within/内に入る獣
1 まだ決めてない

サイドイン

  • 忌み者、ジャンドの魔除けは親和と墓地利用デッキに対して入れる
  • 鋳塊かじりは親和、ランタンコン、また大祖始の遺産やチャリスをおいてくるようなデッキに対して入れる。
  • 叫び大口は感染、バーン、Zoo、エルドラージといったクリーチャー型デッキに対して入れる。
  • コラガンの命令は親和、トロン、消耗戦に対して入れる。
  • 殺戮遊戯は1枚のパーツが死ぬだけで死ぬコンボ相手に入れる。
  • 内に入る獣はエンチャントを使うデッキ相手に。
  • 四肢切断はエルドラージと感染に。

サイドアウト

  • 叫び大口は非アーティファクトクリーチャーの無いデッキに対して抜く。
  • 鋳塊かじりはアーティファクトのないデッキに対して。
  • 内に入る獣は特に破壊したくないカードがないデッキに対して。
  • 大爆発の魔道士は特殊地形に頼らないバーンのようなデッキに対して。
  • 猿人の指導霊はアブザンのような短期決戦のひつようのないデッキに対して。
  • 悪魔の戦慄(1枚)は高速の死せる生を必要としない、ノンクリーチャー型コントロールに対して。
  • ジャングルの織り手は到達が役に立たないデッキに対して
  • 1マナサイクリング(主に意思切る者)はサイドアウトするものがないときに

Tips

 ここでこのデッキを使うときに覚えておくべきことを述べておこう。

  • 通りの悪霊は沼渡りを持っており、アーボーグ溢れる環境に対して効果的である。アーボーグさえ場にあればこのクリーチャーはアンブロッカブルだ。
  • 後半クリーチャーを素で唱えて勝つこともできる。サイクリングすべきなのか、それとも素のコストで唱えるべきかの判断はスべきだおる。
  • 場にクリーチャーが存在しないために悪魔の戦慄が打てない、というときには内に入る獣を使うとよい。
  • ブロッカーとして、もしくは最後の一押しとして内に入る獣を自身の土地につかうことで3/3トークンを生み出せる。
  • 特にサイド後は除去の使い方に気をつける必要がある。死せる生によって四肢切断した相手のクリーチャーも帰ってくる。
  • 鋳塊かじりを3/3のクリーチャーとして運用するためだけに想起コストで唱えることもあるだろう。
  • 死の一撃のミノタウロスは絶対に対象を取る。忌み者を殺すこともあることに気をつけ、またそれを利用しよう。
  • 続唱呪文は単に死せる生を唱えるための空打ち呪文というわけではない。時にその元々の効果を使うこともあるだろう。
  • フェッチの選択に悩んでいる時、おおよそ黒赤か赤緑が適切となる場合が多い。踏み鳴らされる地では意思切る者はサイクリング出来ないことは覚えておこう。
  • 死せる生を単なる全体除去として使うこともできる。場を一掃した後次々と墓地をこやしていけばたとえ次の死せる生で相手も墓地からクリーチャーを出せたとしてもそれは1マナのものが大半だろうし、こちらのクリーチャー軍は超強力になっているだろう。
  • 大祖始の遺産対策は2つある。一つは死せる生に対応して起動された遺産に対し暴力的な突発を唱えて更に死せる生を上から重ねるという手法である。もう一つは遺産解決後に多量のサイクリングを行うというものだ。そのため5マナある状態で突発を打ったとしたら相手は遺産を切ってくるだろうからそこでその解決後にクリーチャーを数枚サイクリングし、場に出してやればいい。
  • コントロールデッキ相手ならば死せる生は待機させても十分強い。
  • 叫び大口マスターになろう。猿人の指導霊を経由した1T目叫び大口はアグロに対して強力な一撃となる。
  • 通りの悪霊は出来る限りさっさとサイクリングするのがベターだ。それにより手札の情報が増え、行動の最適解が見つけやすくなる。例外としては次のターンの行動まで完全に読みきれている場合くらいであり、その時には次の死せる生のために悪霊をとっておくという事もできるだろうがそんな状況は殆ど無いと言っていいだろう。

 

 今日はここまでだ。楽しんでくれたなら本望だ。そしてDetroit頑張ろう!