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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

サイドボードのいろはにほ(5 Sideboarding Tips By Brian Braun-Duin)

プレイング

» 5 Sideboarding Tips

より。

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 サイドボーディングはマジックをする上で重要なことである。僕はサイドボーディングに関しての記事をずっと書きたいとは思っていたが腰を上げる気にはならなかったのだ。僕の能力を文字に起こすことで盗まれてしまうのは気に食わなかったからね。

 しかし去年、サイドボーディングは知識ではなく、経験に由来するものだと強く理解させられる事となった。サイドボーディングはマジックで勝つための必須の能力と言ってしまっていいだろう。しかしながらサイドボードはただ単純にあるマッチアップへのヘイトカードを詰め込んだだけのおもちゃ箱となりがちだ。しかしながら結局のところ熟練したプレイヤーたちにとってはサイドボードはむしろ、今までの経験を詰め込んだ、色鮮やかな玉手箱となってくれているのだ。

 ではここから、どのようにして僕がサイドボーディングのスキルを高めてきたかについて説明をしていきたいと思う。

5.盲点を見つけよ。

 どのカードをサイドアウト/インするかといった事を固めてしまう前に、そもそもこのカードをサイドアウト/インしなければならない理由を考える必要がある。これをしっかりと考慮することによってサイドボードプランはより綿密なものとなる。そしてこれは相手の戦略の盲点をつくものとなるだろう。

 僕がよく見るサイドボーディングにおける失敗は、ダーツボード型アプローチによるものだと思っている。大概の場合サイドボーディングは「悪いカードを抜き、良いカードを入れる」という手の動きに終止してしまうが、これはまるで目をつぶりダーツを投げ、ブルにあたれと祈っているようなものだ。そしてこの抜き差しはおおよそ、そうする必要のないものにも適応されてしまうといっていいだろう。目隠しダーツ理論はキホ的にあまり良いものではないと言える。

 いずれのデッキもそのデッキ特有の弱点を抱えているのだ。無敵のものなんて存在するわけがない。その弱点、盲点を探しだすのが最初にとるべき行動だろう。「どうしてこのデッキが最強ではないのか」という視点が、盲点を探しだしてくれる。例えば「マナ基盤が脆弱だからだ」と気づけば「じゃあマナ基盤を攻撃しよう。速攻をかけたり、ハンデスで邪魔をしたり、マナ拘束をかけたりしてやればいい」と構築のアイディアが生まれてくるのだ。これは他のデッキに乗り換えたとしても同様の動きを取ることができる。

 そしておおよそこの手の弱点は特定のカードタイプに依存することとなる。エンチャントやアーティファクト、はたまたプレインズウォーカー?そのようなカード1枚で沈黙するようなデッキが数多くあるのだ。もしくはそのデッキがあるカード(タイプ)にひどく依存しているということはないだろうか?そういうものが漏れ出してくるのである。オジュタイが勝つために必要なデッキがあった?ならハンデスでそれを抜き、ドロー手段を絶ってしまえばいい。先祖の結集デッキは飛行クリーチャーが苦手だしそもそも結集や中隊を抜かれてしまえば一気に弱体化することとなる。ランプ型のデッキは引きムラにひどく左右されるし、ダークジェスカイはPWへの対処が厳しい。

4.サイドボードをサイドボーディングせよ。

 よし、じゃあいい解決方法が思いついたようだね。じゃあ、そのプランはなかったことにしよう。「は?」と思われるかも知れない。ごめん、説明不足だった。僕が言いたいのは、僕達と同様に相手もサイドボードプランを練ってきているというものだ。そして残念なことに基本的にサイドボード後のゲームのほうが絶対に数が多くなる。

 さっき僕は相手の盲点をつけ、といったが、それは1方向からで終わってはいけないのだ。相手もまたサイドボーディングしてくるということはその盲点が産められている可能性があるのだ。例えば相手のデッキがPWに極端に弱いとしよう。やったぜと言いながらPWをサイドから詰め込んで2戦目に臨むのが一番ありそうな話だ。しかしそこで相手はPW対策のカードを詰め込んできた。もしかしたら過剰なくらいに。そうなってくるとこちらはPW対策のカードをゴミにするようなプランを再度とってやればいいのである。

3.再評価と再構築

 大抵のマジックのゲームは2回のサイドボーディングを挟むこととなる。この中でやりがちなことは1回サイドボードのカードを移したら何があろうと3G目前にサイドボードに触ろうともしない、というものだ。2G目を通じて僕たちは相手の情報を更に知り、書き換えなければならない点がいくつか出てきたかもしれない。それこそ相手の新たな穴を見つけ、それをつくこともできるのだ。

2.先攻?後攻?

 ここでもう一つ問題となってくるのは自身が先攻、後攻を決める権利があるかどうかだ。たとえば白蘭の騎士は手番によって大きくそのカードが変わるものである。他にも先攻後攻で大きくその評価が変わるカードも多くあるのだ。一つ方針として述べるならば、「先攻ならば能動的、攻撃的なカードを」「後攻ならば受動的、防御的なカードを」使うべきというものがある。先手を取れる、というのはそれだけで大きなアドバンテージとなるのだ。それを活かせるサイドボードができないのならば、先攻を取るメリットは大きく損失されることとなる。逆に相手が先手の時に攻撃的なサイドボードをとった場合にはそれが裏目に出てしまう可能性があるということだ。一般的な方法としては相手の行動に対応し、相手の動きを束縛していくことでカードアドバンテージを稼ぎ、勝利に向かう、というものだろう。

 とはいえ、コンボ対アグロのようなこの手の先手後手理論が通用しないようなマッチアップが多くあることも事実である。その場合にはどのプランがより勝ちに近づきやすいかを考慮してサイドボーディングすることとなるだろう。複雑なマッチアップに於いてはそのプランの見極めが勝利のために必須となる。

1.過剰サイドボードを避けよ。

 これは古えからの伝説の言葉だ。1800年代はボートが交通の主要網であった。しかし今となっては事情が大きく変化し、同じ箱の中とはいえ、船酔いに悩まされることもなくのんびりと、飛行機での旅を楽しむことができるようになったのだ。これはこの200年で大きく変わったといえることだろう。

 そしてまた、19世紀の船旅は今のそれより圧倒的に遅いものであった。船に何日、何週、あるいは何ヶ月も閉じ込められるはめになったことだろう。そんな長期間の暇に耐え切れなくなり、賭け事を始めるのだ。僕達がマジックをするようにね。おおよそそのプレイヤーたちは興奮しただろう。そんな場によくいたのは負けたゲームにとらわれすぎ、その対策だけに終止している人である。

 例えばレガシーのマーフォーク対ストームを考えてみよう。ストーム側は多量のキャントリップをキープしたものの、引くのは衰微や花の絨毯、ザンディットのような対策カードばかり。「サイドボードやり過ぎた……」とぼやく感染者にさらなるサイドボードカードが襲いかかる。ああ、どんどん船が沈んでいく。嵐の中からアトランティスの海の中へ。そうして彼は魚さんにおいしく食べられてしまいました。となるわけだ。

 これはあくまでサイドボードしすぎた男の末路である。歴史から学ぶのは賢者だ。こんな風に僕たちもなってしまいたいだろうか。まあNOだろう。ではこの教えを守るのが大事ではないだろうか。

 ここで示したいのは、サイドボードにあるからといってサイドボード、特に除去や打ち消しを入れすぎてはならない、ということだ。この入れ替えは本来の勝ち筋を潰しかねない。入れれば入れるほど本来の勝ち筋は薄く、細くなっていくのだ。そうなってしまったデッキは相手のいい餌である。秘訣は「サイドボードし過ぎないこと」致命的かつ最小限の枚数を保つことで裏目を避けるのだ。

 入れすぎによる過載による転覆事故に気をつけて。