MtG訳記た。

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で、君はトロンを使いたいと。(So You Want to Play Tron? by Ali Aintrazi)

So You Want to Play Tron? by Ali Aintrazi - Magic the Gathering (MTG)

より。

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 先週、今年はじめての大規模トーナメントが開かれ、1000人以上の参加者が集うモダンのイベントとなった。僕は双子を使おうと思っていたが、これが強いとは思えなかったために最終的に赤緑トロンに乗り換えることとした。結果としては功を奏したのか上位入賞で終えることができた。

 1日目は全勝、そして2日目の負けも唯一護符コンに負けただけだった。その護符コンは結局優勝しており、つまるところ予選1位通過ができていたのだ。準々決勝も有利なマッチアップではあったのだが、ついに負けてしまい、5位に終わることとなった。んー、勝ちたかった!

  という訳で今回は、赤緑トロンを使いたいという人に向けての解説記事を書きたいと思う。このデッキに採用されているカードについて解説したうえで、その中で僕が書くカードを採用した理由を述べていたいと思う。また、自分自身ちょっとかえたい部分もあるのでそこについても触れられたらと思う。では、これがその赤緑トロンだ。

R/G Tron by Ali Aintrazi
Finished 5th - 8th Place at 2016 StarCity Open Modern - Cincinnati - 1/2

8 Creatures
2 Spellskite/呪文滑り
3 Ulamog, the Ceaseless Hunger/絶え間ない飢餓、ウラモグ
3 Wurmcoil Engine/ワームとぐろエンジン

32 Spells
4 Karn Liberated/解放された者、カーン
1 Ugin, the Spirit Dragon/精霊龍、ウギン
4 Ancient Stirrings/古きものの活性
4 Chromatic Sphere/彩色の宝球
4 Chromatic Star/彩色の星
4 Expedition Map/探検の地図
4 Oblivion Stone/忘却石
3 Pyroclasm/紅蓮地獄
4 Sylvan Scrying/森の占術

20 Lands

1 Eye of Ugin/ウギンの目
1 Forest/森
2 Ghost Quarter/幽霊街
4 Grove of the Burnwillows/燃え柳の木立ち
4 Urza's Mine/ウルザの鉱山
4 Urza's Power Plant/ウルザの魔力炉
4 Urza's Tower/ウルザの塔
Sideboard

2 Firespout/炎渦竜巻
4 Nature's Claim/自然の要求
1 Pithing Needle/真髄の針
2 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
2 Rending Volley/引き裂く流弾
2 Spellskite/呪文滑り
2 Thragtusk/スラーグ牙

 このリストはエムラと遺産のメイン不採用を除いてまあいつものという感じだろう。しかし遺産不採用はよく見るだろうが、エムラ不採用というのは聞いたことがないひとが多いかもしれない。実際のところ、もうこのデッキにエムラクールは必要ないと思っている。どちらかというならば、ウラモグのほうがむしろこのデッキに似合っていると思っているのだ。ウラモグは唱えるだけで相手の最重要なパーマネントをゲームから2枚も取り除けるために、おおよそそれだけでゲームに勝つことができる。僕のことを信用してくれ。確かに今までゲームの勝利に貢献してきた空飛ぶスパゲッティ・モンスターをデッキから取り除くのはそう容易なことではない。しかし、もう僕は振り返らないのだ。では、それぞれのカードについて、深く解説をしていきたい。

メインデッキ

呪文滑り

 トロン以外にも、このカードをメイン採用しているデッキはいくつも存在している。これはバーン、感染、双子、護符コンといったデッキに対してとてもうまく働いてくれるカードだ。例えばバーンの場合には呪文滑りで火力を曲げたり、クリーチャーをとめたりすることができるし、よじれた映像持たずの感染に対しては強化呪文を吸うクリーチャーとなれる。双子はトロンの天敵であるが、ウラモグと呪文滑りのおかげで最悪のマッチアップを避けられるようになった。また、護符コン相手でも土地の能力を吸えるのは時間稼ぎとしては持って来いなのだ。そう、長期戦になればなるほど、トロン側が有利となっていくために、その時間稼ぎをこのカードでしたい、ということだ。

ワームとぐろエンジン

 このカードは第六のタイタンと呼ばれるほどに強いカードであるし、実際無色のタイタンとして十分な働きをしてくれるだろう。白くないデッキ相手にこのカードは地獄を見させることができ、ジャンド、スゥルタイ、グリクシスと言ったデッキ相手ではこのカードだけで勝つことも容易いだろう。またそうでなくとも最低限時間稼ぎくらいはしてくれるのだ。枚数を抑えている人もいるが、少なくとも3枚はデッキに積んでおくことをおすすめしたい。

絶え間ない飢餓、ウラモグ

 お父様のお帰りだ。お怒りだ。お飲みだ。ウラモグについては先程すでにほぼ語っているために、ここで再掲することは避けておこう。しかしながらこのウラモグによって赤緑トロンは強化されたのだ。このカードによって双子とのマッチアップが改善され、またその誘発型能力はむちゃくちゃに強い。少なくとも2枚入れておきたい。

解放されたもの、カーン

 このデッキの存在理由だ。これがなくては始まらない。この7コストというのがちょうどトロンのマナカーブにぴったりなのだ。4枚入っていない?それはもうトロンなんかじゃないね。

精霊龍、ウギン

 ウギンは生きる全ては塵にである。かつては2枚使っていたものの、忘却石でその役目は十分に果たせる上、不利なマッチアップを考えるとむしろそちらのほうが都合がいい、という結論にいたった。そのため忘却石を4枚、ウギンを1枚という形で採用した。この枚数はメタによって変動するが、双子や親和のことを考えると忘却石のほうが枚数が多くなることだろう。

 特に書くこともないが、幽霊街対策として2枚目を入れておきたい、と言うのは明記しておこう。あくまで選択肢レベルではあるが。

幽霊街

 このカードは墨蛾や灯台、バウンスランドやトロンに対してとても効果的なカードだ。護符コンやトロン相手のこのカードは実質露天鉱床となれる。相手のドロー・ステップに1枚、そしてその後自分のターンでもう一回。完璧だ。2枚は使いたい。重要なカードだ。

ウギンの目

 このカードのおかげで、探検の地図や森の占術がフィニッシャーに化けることとなる。このカードでワムコやウラモグを引っ張ってきたり、もしくは呪文滑りで自身を護る事もできる。

彩色の宝球

 森の占術の2t目のプレイを可能とするキャントリップカードだ。そしてここで述べておきたいのは、このカードのドローはマナ能力の一部であるために墓地誘発ではないということだ。ランタンコントロール相手のようなデッキ相手に即座にカードを引きたい時などにその知識が役立つだろう。

彩色の星

 宝球とはドローのタイミングが少し異なっている、という違いはあれど、この場合は逆に破壊されてもドローができる、というメリットがある。

探検の地図

 もしトロンが2枚手札にそろっていて、探検の地図で3枚目を探そうとしているのならば、出来る限り破壊されないようなタイミングを見計らって動くべきだろう。3マナが用意出来てからアーティファクト破壊をすり抜けるように動くのが重要といえる。

忘却石

 このデッキの最高の全体除去の一つだ。トロン成立前にも能力を起動できる、という点でウギンよりも優れている。またこのカードのおかげで月も怖くなくなるのだ。双子相手の時こそその後コンボをしてくる可能性があるため警戒し無くてはならないが、他のデッキならば単にこちらの速度を落としたいだけであることが多い。再掲しておくが、トロンが必要としているのは時間である。そのためクロックがそれほど脅威でないのならば、そこまで気にする必要もないだろう。

古きものの活性

 おおよそ緑の深淵の覗き見となる。このカードはこのデッキで必要な大概のカードをサーチできる上、今や塵への崩壊まで手に入れられるようになった。またOGW発売後にはコジレックの帰還まで手に入ることとなる。

紅蓮地獄

 忘却石の次にくる、全体除去だ。親和やマーフォーク、エルフやカンパニー、感染、ソウルシスターズ、そして調べを使うようなデッキ相手にこのカードは掃除機となってくれるし、他のファッティにはカーンを投げつければいい。

森の占術

 トロン用チューター。また幽霊街やウギンの目を引っ張ってくることもできる。ちょうつよい。

サイドボード

 今やトロンのサイドボードにも多様性が存在している。ここでは僕のデッキのサイドボードについて述べたいと思う。

大祖始の遺産

 このデッキで使える最高の墓地対策だ。メインデッキに入れていないために少なくとも2枚は欲しかった。

呪文滑り

 メインデッキで述べた通り、このカードによって改善するマッチアップは多量にある。友人のJarrydはフル投入を勧めてきたし、僕自身そうした。呪文滑り最高!

スラーグ牙

 部族養いを採用しているデッキもあるが、僕はバーンだけじゃなくジャンドやミラーマッチのことも考えてこちらを使いたいと思っている。スラーグ牙はちょっと小型のワームとぐろエンジンみたいなものだし。アブザン相手ならばむしろこちらのほうが強い。というのも死亡誘発ではないために流刑への道への耐性がこちらのほうが高いからだ。

自然の要求

 4枚以外は考えられない。ありすぎて死ぬということもないし、そもそも相手のライフを気にする必要は特にない。どうせ一気に殺すからだ。

引き裂く流弾

 欠片の双子やマーフォーク対策のカードだ。2枚ほしいが呪文滑りがあるので1枚でもまあ十分だろう。

炎渦竜巻

 ウィニー型デッキへのさらなる紅蓮地獄。野生のナカティルへの解答も考慮し、ここでは2枚の採用としている。

真髄の針

 Jarrydがサイドに積むように勧めてきた。使ってみたところもっと必要なようにも思った。幽霊街だけでなく大爆発の魔道士求められる。またもし相手がコラガンの命令を持っていたとしても大爆発の魔道士が場に出ていなければトロンを成立させる時間が稼げているのだ。

 それでは以上を受けてアップデートした赤緑トロンのレシピを下に示そう。明日使いたいくらいだ。

7 Creatures
2 Spellskite/呪文滑り
2 Ulamog, the Ceaseless Hunger/絶え間ない飢餓、ウラモグ
3 Wurmcoil Engine/ワームとぐろエンジン

32 Spells
4 Karn Liberated/解放された者、カーン
1 Ugin, the Spirit Dragon/精霊龍、ウギン
4 Ancient Stirrings/古きものの活性
4 Chromatic Sphere/彩色の宝球
4 Chromatic Star/彩色の星
4 Expedition Map/探検の地図
4 Oblivion Stone/忘却石
3 Pyroclasm/紅蓮地獄
4 Sylvan Scrying/森の占術

21 Lands

1 Eye of Ugin/ウギンの目
2 Forest/森
2 Ghost Quarter/幽霊街
4 Grove of the Burnwillows/燃え柳の木立ち
4 Urza's Mine/ウルザの鉱山
4 Urza's Power Plant/ウルザの魔力炉
4 Urza's Tower/ウルザの塔
Sideboard

1 Firespout/炎渦竜巻
4 Nature's Claim/自然の要求
3 Pithing Needle/真髄の針
2 Relic of Progenitus/大祖始の遺産
2 Rending Volley/引き裂く流弾
1 Spellskite/呪文滑り
2 Thragtusk/スラーグ牙

 先のリストとの違いはウラモグを減らし森を増加させたというものだ。これは今回のトロンの隆盛、そして護符コンの優勝を受けてヘイトが集められる可能性が高いと推測しているからだ。真髄の針の追加については先に述べたとおりである。また、さらなる理由としては壌土からの生命や世界のるつぼといったカードをミラーマッチ用につかいたくないのだ。どちらかと言うとそもそも幽霊街や大爆発の魔道士から土地そのものを守りたいというものがある。ミラーマッチや護符コンとのマッチアップを改善するためにこれらのカードを採用するという方法もあるだろうが、それをするくらいなら幽霊街を増やすのが先決だろう。確かに壌土からの生命は思考囲いや衰微、遺恨やコラコマに対して強い。ドローこそ置換しなければならないがそれで土地が救えるのならばそう悪いものではない。

 モダンは皆の好きなフォーマットになりつつある。どんな戦略をも許容するからだ。

 読んでくれてありがとう。次の記事を楽しみにしていてくれ。