MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

燃やせ、獣たちよ。(Burning Zoo By Brian DeMars)

» Burning Zoo

より。

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 Zooとは、古き良きマジックのアーキタイプであり、黎明期よりその姿が確認できた。このデッキの構造はとても単純だ。アグロ系クリーチャーを並べ、火力でそれを補助する。ただそれだけだ。

 このデッキの目指すところは出来る限り早く、相手の準備が整う前にそれを焼き払うことであり、火力はライフを減らすカードとしてだけでなく、相手のブロッカーを排除し、ダメージを稼ぐためにも使われる。

 さて、これが僕のモダンZooデッキだ。

Burning Zoo By Brian DeMars

19 Lands
2 Mountain/山
2 Sacred Foundry/聖なる鋳造所
2 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
4 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
4 Wooded Foothills/樹木茂る山麓
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
1 Arid Mesa/乾燥台地
18 Creatures
4 Kird Ape/密林の猿人
4 Wild Nacatyl/野生のナカティル
4 Goblin Guide/ゴブリンの先達
4 Monastery Swiftspear/僧院の速槍
2 Grim Lavamancer/渋面の溶岩使い
23Spells
4 Lightning Bolt/稲妻
4 Lava Spike/溶岩の撃ち込み
4 Rift Bolt/裂け目の稲妻
4 Boros Charm/ボロスの魔除け
3 Searing Blaze/焼尽の猛火
4 Atarka's Command/アタルカの命令
Sideboard
4 Skullcrack/頭蓋割り
2 Path to Exile/流刑への道
2 Rending Volley/引き裂く流弾
4 Destructive Revelry/破壊的な享楽
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Searing Blaze/焼尽の猛火

  このデッキで特に触れておくべき点があるとすれば、クリーチャーが全て1マナのものであり、他のすべての呪文が火力呪文である、というところだろうか。わかりやすいだろう?

Burn Zooの利点

  • 安定して早いデッキだといえる。おおよそ4T目には勝利を手にしているだろうし、早ければ3T目でもいける。
  • 遅いデッキ相手に対してとても強力。相手の準備が整う前に、また整っていたとしてもちょっとミスをするだけで簡単に敗北を与えられる。
  • ショックランドとフェッチランドに満ちた環境であるために、これに対応するために結局ライフを削らせることができる。
  • 相性の良いデッキがとても多い。

素晴らしいトップデッキカード達

 このデッキのクリーチャーを1マナまみれにしているのは、トップデッキがより強くなるという点にある。2T目終了時に3匹のクリーチャーが並ぶようなデッキに対処するのは早々簡単なことではないだろう。

 一般にこのデッキと比較されるだろう、ナヤバーンとこのデッキとの違いは、大歓楽の幻霊の不採用と密林の猿人の採用にあるだろう。そしてこのカードに注目したのはもちろん、ちょっとした理由があるからだ。

デッキの変化と適応

 そう、幻霊をすべて切り、密林の猿人に変えた。

 大歓楽の幻霊は確かに強いカードだが、このカードはZooというよりはバーンで輝くカードである。猿人やナカティル、そして魔除けによってフェッチショックを強要されるこのデッキは、2T目終了時には勝手に6点のライフを失っていることとなる。そう、相手が赤単、もしくはボロスカラーの時、そのちょっとした失点が大きな問題となるのだ。

 次に、大歓楽自体が、モダンではそれほど強くないと思っている、という点がある。レガシー環境においては、このカードは盤面に干渉できない、1マナキャントリップたっぷりのデッキ達を殺す役割を担っているが、モダン環境においてはそもそもそのカードが少なく、また包囲サイのような重いカードがごく普通に採用されているという点がある。またトロンや双子、探査クリーチャーといったこのカードを無視して動いてくるデッキも多くあることも向かい風だと言えよう。

 一方で、この猿人は1マナタフネス3ということもあって、より低いコストで紅蓮地獄を絶えられるカードとなる。この違いはとても大きい。

 サイドボードに4枚の頭蓋割りを採用することによって、サイド後にはよりバーンデッキに近づく動きを取ることができる。このデッキを使っているうちに、この戦略の対抗策としてプレイヤーは大きく2通りの行動をしてくるということがわかった。

  • クリーチャー除去を増やす
  • ライフゲインを増やす

 このどちらのケースにも、頭蓋割りは対応できるのだ。クリーチャーを少々ぬいてこの呪文を入れることにより、相手のクリーチャー除去を腐らせると同時にキッチンや援軍、部族養いといったライフゲインカードを殺すことができる。

 また、このデッキを作る上で少々変えたのがマナ基盤である。おおよそこの手のデッキはフェッチランドを減らし、そのかわりに銅線の地溝を水増しし、ライフロスを抑えている。しかし、そのマナ基盤の不安定化がダメージ効率の低下を引き起こし、大歓楽の幻霊を採用せざるを得なくさせてしまっている説はある。

主要デッキとの相性

 モダン環境は様々なデッキにあふれており、相性の良し悪しがどうしても現れてしまう。あくまでここで相性がいいと言っているのは勝率がおおよそ5割を超えているもの全てであることに注意してもらいたい。

相性良

トロン、双子、グリコン、ランタンコン、スケープシフト

相性五分

ジャンド、トリコ双子、バーン、Zoo、ストーム

相性悪

 アブザンカラーのデッキ全て。親和

  おおよそわかってもらえると思うが、有利なデッキは1マナクリーチャーへの対処があまりうまくできないデッキだ。小粒なクリーチャー群への対処ができないデッキは猿達の餌だ。

 一方で、不利なマッチと言うのもわかりやすく、ゴブリンの先達や猿人が弱いマッチアップだ。おおよそミッドレンジ型の消耗戦を強いるデッキに対してはこれらのカードを抜き、頭蓋割りや除去、火力を追加することとなる。

 このデッキの素晴らしい点はたとえ相性の悪いマッチアップであっても強引にその速さでゲームをもぎ取ることができる、という点にある。出来る限り勝てるチャンスが有るデッキのほうが都合がいい。そんな僕にこのデッキはちょうどよかったのだ。

 僕は次のプロツアーにこの手のデッキを持ち込みたいくらいに、このデッキがいいデッキだと思っている。そしてZooがまた、このフォーマットで活躍できると思うととてもワクワクしているよ。