MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

完璧なグリクシスコントロールのために(Perfecting Grixis Control By MICHAEL MAJORS)

StarCityGames.com - Perfecting Grixis Control

より。

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 PTOGWが近づいているということもあり、SCGでもモダンをプレイする機会が多くなっている。少なくとも僕はその中の一つには参加しようと思っている。そしてそれは、一旦調整を止めるということを意味する。モダンのプロツアーに対する調整というものは空想だけでやっていてもできそうにないものであるからだ。また、セット発売前の禁止改定によって戦略がぶち壊されるかもしれない、という懸念もあるが、とりあえずはグリクシスコントロールを使おうと思っている。

Grixis Control by Michael Majors

11 Creatures

3 Snapcaster Mage/瞬唱の魔道士
4 Jace, Vryn's Prodigy/ヴリンの神童、ジェイス
2 Pia and Kiran Nalaar/ピア・ナラーとキラン・ナラー
2 Tasigur, the Golden Fang/黄金牙、タシグル
23 Lands

2 Island/島
1 Mountain/山
1 Swamp/沼
3 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
1 Blood Crypt/血の墓所
1 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
2 Creeping Tar Pit/忍び寄るタール坑
4 Polluted Delta/汚染された三角州
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
2 Steam Vents/蒸気孔
1 Sulfur Falls/硫黄の滝
1 Watery Grave/湿った墓
26 Spells

4 Kolaghan's Command/コラガンの命令
4 Lightning Bolt/稲妻
3 Mana Leak/マナ漏出
1 Murderous Cut/残忍な切断
3 Terminate/終止
3 Thought Scour/思考掃き
4 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
4 Serum Visions/血清の幻視
Sideboard

1 Engineered Explosives/仕組まれた爆薬
3 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
1 Izzet Staticaster/イゼットの静電術師
1 Countersquall/対抗突風
2 Dispel/払拭
2 Surgical Extraction/外科的摘出
1 Tribute to Hunger/飢えへの貢物
1 Radiant Flames/光輝の炎
1 Thoughtseize/思考囲い
2 Vandalblast/汚損破

  このアーキタイプはジェイスがプレイアブルかどうかといったところから試行錯誤のすえ、この形に至ったために、CoreyがGPPittsで入賞したときのリストから大きく変化していない。もしGerryもともにコラコマ4積みに賛成しているのならば、それを無視する理由も特にはないだろう。

 そう、グリクシスコントロールの中心となるカードはコラガンの命令だと思っている。この丸いカードを瞬唱やジェイスで使い回すことによって相手をじわじわと手札、盤面の両方で追い詰めていくことができる。

 この点において、ナラー夫妻がGPOKCで試験的に用いられていた。自身を含め3匹のクリーチャーを並べられるのは、アグロ系デッキ相手に壁として運用できる、強い動きだと言えよう。また、1:1交換をし続けるタイプのミッドレンジ型デッキに対してはカードの大量消費を迫るカードとして動くことができる。また未練ある魂のようなアド取りカードへの自然な解答ともなる上、無色の飛行機械は刻まれた勇者への解答ともなるのだ。またこれが死んだとしても、コラコマで使い回せば相手は心が折れかねないだろう。

 そう、試験的にだ。もし記事やビデオを見続けていたならば、このカードを何度か見たことがあったことだろう。グリクシスを使う上で相手と読み合いをする中で、様々なカードを試し、必要ないものはそぎ落としてきた。

 そんな中で、終止やマナ漏出の枚数に対する枚数の検討が始まったのだ。たしかに差し戻しはこのフォーマットにおける良いカウンターである。しかしこれを主として使う双子は、このカードによって双子を打つための時間を確保しているにすぎないのだ。グリクシスコントロールはどちらかというとそのようなカードや原始のタイタン、裂け目の突破、カーンといったカードに対応する必要があるデッキであり、その点からもマナ漏出のほうがそんなパワーカードを2度打たせないためにはいい、ということになるだろう。

 終止はわかりやすく除去だ。何にも使えないということは殆ど無く、このデッキの除去の基本といえるだろう。ではこのカードが3枚にとどまっているのはなぜか。それは残忍な切断で2アクション取れるようにしておきたい、というものと、波使いに対処できないから、というものもある。

 なぜ四肢切断とかいう弱いカードをOKCでつかってしまったのだろう。バカバカしい。

 そして、これは説明しにくいんだけれども、グリクシスコントロールはプロツアーで使うつもりのものであって、そのためにはどうにかして思考囲いをねじ込むスロットが必要となったのだ。そしてそれはマナ漏出か思考掃き、ということになった。

 ではなぜ思考囲いが必要なのか。それには2つの意味がある。まずは相手のコンボのキーパーツを叩き落とすための役割、そしてもう一つは外科的摘出と組み合わせることによって相手のデッキを崩壊することができるという点がある。

 外科的摘出は、グリクシスコントロールのサイドボードとして新しく採用したものだ。PTOGWに向けて、メインデッキについてはおおよそ満足しているが、サイドボードについてはまだまだ革新が必要だと思っているのだ。

 外科的摘出は様々な動きをすることができる。どのようなマッチアップにおいてこのカードを採用しているのか、定かに思っていないプレイヤーも多いのではないだろうか。おおよそ全てのデッキに対してこのカードは強い動きをしてくれる。相手の準備が整う前に相手からテンポを奪い去ることができるのだ。

 コンボデッキに対してそれとはまた違う動きを作り出し、相手の勝ち筋をそもそも奪ってしまうこともできる。例えば赤緑トロンに対しては大爆発外科的と動くことでトロン成立は不可能となり、後は負けを待つだけのゲームを行うことができる。また、思考囲いや終止と組み合わせて原始のタイタン、召喚士の契約ループを破壊することによって、対処しやすい相手に落とすことができる。

 また、ミラーマッチにおけるコラコマの抜きあいが、おそらく今後重要となってくるだろう。もしかしたらプロツアーにおいて、護符コン相手に思考掃きを投げることもあるかもしれない。

 つまり、外科的摘出はこのようなアンフェアデッキに対応するためのカードとして動けるのだ。相手のデッキのキーパーツを抜き去ってしまえば、その弱い残りをちまちま攻撃してやるだけで相手は死ぬのだ。

 そして、このようなサイドボードの変化を受けて、他のカードにも変化が訪れることとなった。例えば対抗突風は否認よりマナ拘束が厳しいために、打ちにくいだけでなく他の呪文も使いにくくなってしまう。しかしながら相手の脅威の除去を外科的摘出でも行えるようになった今ならば、どちらかというならばライフロスのほうが強いといえるだろう。

 というわけで、新年に向けてのサイドボードプランを紹介しようと思う。

対純正双子

Out

3 稲妻

2 コジレックの審問 

In

2 払拭

1 外科的摘出

1 思考囲い

1 対抗突風

  対双子は、おおよそ相手のデッキに適合することである。おおよその対戦相手、特に黒をタッチしているような双子はサイドボード後コンボ要素を減らし、どちらかというとケラノスやナラー夫妻を使ったコントロールデッキへと変貌することとなる。外科的摘出によって瞬唱による盤面の支配がより盤石なものとなる。ハンデスなどによる相手の手札の把握をそれほど検討はしていない。それはフェアデッキ相手に行うものだと思っている。とは言え、双子や謎めいた命令、ケラノスなどのパーツを落とせれば儲けものといえよう。

 そしてもし相手のタッチ黒がよりコントロールより、より非コンボ依存型のそれならば大爆発の魔道士をサイドインすることもできるだろう。

対親和

Out

2 マナ漏出

1 コジレックの審問

2 黄金牙、タシグル

1 思考掃き

In

2 大爆発の魔道士

2 汚損破

1 イゼットの静電術師

1 仕組まれた爆薬

 このデッキ相手のタシグルは何の役にも立たないカードとなってしまう。確かに盤面の打点を形成することこそできるが、どちらかというならば単体で働いてくれる除去のほうが強いといえよう。また、タシグルへの非依存はそのまま思考掃きの枚数減らしにも役立ってくれる。

 また、マナ漏出はこのマッチアップにおいて先攻後攻の影響を強く受けるカードとなる。先行ならば親和の2マナや刻まれた勇者をピンポイントで止めることができるが、後攻ならばおおよそ遅すぎる。先行ならばジェイス、そしてコジレックの審問を唱えたい。

 グリクシスコントロールの親和に対する有利性は過去のそれよりも格段に良くなっていると言えよう。相手の頭蓋囲いや刻まれた勇者をなんとかして対処することさえできればおおよそ勝ちを拾うことができる。オールイン型の電結にはおおよそ対処ができるし、ミシュラランドに対しては大爆発の魔道士が輝いてくれる。

対ジャンド

Out

4 コジレックの審問

1 マナ漏出

In

3 大爆発の魔道士

1 飢えへの貢物

1 仕組まれた爆薬 

  グリクシスカラーのデッキは基本的にRockデッキのようなものであり、そうだとするならば対ジャンド戦は実質的なミラーマッチのようなものであろう。消耗戦を考えるとトップすると弱いハンデスは出来る限り排除されることとなる。また大爆発の魔道士はSCGCHARのころの溶鉄の雨から大きく変わった点であり、緑黒系のヴェリアナへのプラッシャーをかけるカードとして、また後半大きくなったら対処できない、怒り狂う山峡への解答として採用をしている。

 4枚目のコラガンの命令を入れてしまうのも一つの手だ。ジャンドよりこのデッキのほうがよりうまく、このカードを使い回すことができる。コラガンの命令はグリクシスカラーのためのカードといえよう。

 また、アブザンへのサイドボードもほとんど同じではあるが、未練ある魂対策としてイゼットの静電術師を入れるのを忘れないようにしたい。

対赤緑トロン

Out

4 稲妻

2 ナラー夫妻

1 終止

1 残忍な切断

In

3 大爆発の魔道士

2 外科的摘出

1 思考囲い

1 汚損破

1 対抗突風 

  サイド後にも終止を2枚もデッキに残しておかないといけない、という不満こそあるが、ワームとぐろエンジンへの対処を考えるならばしかたのないことと言えよう。長らくの議論の末、このマッチアップの考慮が、外科的摘出の採用理由となった。赤緑トロンへの一番の対処法は大爆発の魔道士によるハメ殺しであり、外科的摘出を用いることでより早く相手のトロン達成不可能を実現できるのだ。

 汚損破はたしかに弱いカードだ。しかし探検の地図や忘却石を強引に使わせたり、呪文滑りの破壊を可能とできる点は評価したい。

対護符コン

Out

4 稲妻

2 ナラー夫妻

1 コラガンの命令

1 ヴリンの神童、ジェイス

In

3 大爆発の魔道士

2 外科的摘出

1 思考囲い

1 対抗突風

1 払拭

  このマッチアップについて、まだ確信まで至っていないものがある。ジェイスを切ってまで払拭を入れるべきかというものだ。おそらく外科的摘出だけでも十分に相手のデッキを殺すことはできるが、集団意識を巡る打ち消し合戦を思うと否定の契約に対応できるカードができるかぎりほしいともいえる。というのも思考掃きや思考囲いでタイタンを落とすことができれば、外科的によってタイタンには十分対処ができるためだ。

 多くのプロがこのデッキを使っていることを考えると、禁止改定によってこのデッキが禁止されるまで、このデッキの対策を思考するのはとても重要な事だといえる。

対バーン

Out

4 ヴリンの神童、ジェイス

2 コラガンの命令

In

2 払拭

1 飢えへの貢物

1 仕組まれた爆薬

1 対抗突風

1 光輝の炎

  このマッチアップは不利なものであり、大きく妥協せざるをえなかった。吸血の絆や呪文滑りなど、様々なカードを試したが別に勝率は有意に変化せず、これらが必要とは思えなかった。結論としては出来る限り除去をしたうえで早急にタシグルもしくはナラーを場に送り出し、祈るほかないと判断した。

 また、もし相手がバーンというよりはスライに近い、クリーチャー主体型ならばそれはこちらにとって都合のいい状況であり、ジェイスをサイドアウトしない、という選択肢を取ることもできる。

対感染

In

3 マナ漏出

2 黄金牙、タシグル

1 思考掃き

1 ヴリンの神童、ジェイス

Out

2 大爆発の魔道士

2 払拭

1 仕組まれた爆薬

1 イゼットの静電術師

1 光輝の炎

  親和同様、このデッキ相手で一番対処が難しいのはミシュラランドである。また、タシグルは1G目ではある程度強いものの、2G目以降は弱い。マナ漏出はこのゲームでは少々不的確であり、払拭やコラコマのような相手に干渉のできる、窒息の影響を受けにくいカードを使うべきだろう。

 また、このデッキ相手のコツとして、出来る限り自分のメインフェイズに除去をしてしまうことがあげられる。火力にスタックで強化呪文を投げられても毒カウンターが増えることはないし、巨森の蔦もその効力が落ちる。

 というわけで、禁止リストがわからない今、このグリクシスコントロールを武器として使っていきたいと思っている。

 君の考えはどうだい?もしかして、また変なカードが禁止されたり、緩和されたりすると思っているかい?