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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

ストレス、ティルトへの対処法(On Stress, Tilt, and Anxiety By Caleb Durward)

プレイング

» On Stress, Tilt, and Anxiety

より。

論文とか出てきやがった。

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 マジックをプレイすることで、ティルトをどうにかする方法を学んだり、ゾーンへと突入するための方策を知ることができるだろう。ひとつのゲームだけに注目したり、今あるマッチだけに注目したりすることで、僕たちは沼から、地獄から抜け出すことができるのだ。

 これがおおよそのアドバイスと言えるだろう。しかしマジックのゲームというものはそれを超えるものとなることがある。たとえばLoLではスポーツ心理学者を採用し始めたチームもいるくらいだ。

 チェスもまた、心理学が大きく影響をするゲームである。これらの考え方はマジックに応用することができるだろう。というのもどちらも、出来る限りティルトを避けようとするゲームであるからだ。次の文について、少し考えてみてもらいたい。

 チェスのゲームは2人の対立によって成立するゲームである。このゲームにおいて競争はボード上のそれだけではなく、アイデンティティー同士のぶつけあいとしても発生しているのだ。ミスを避けようとする、冷静さの維持管理によって、勝利の可能性は広がっていくのだ。

ゲーム中に失敗したからといって、それについて責める必要はないでしょう。そうしてしまえばあなたは自分のミスに夢中になってしまい、ゲームに集中できないという問題がおきてしまいます。起こってしまったミスプレイをふくめ、ゲーム全体を見直し、まるで何もなかったかのように、冷静にプレイするのがいいだろう。

口酸っぱいものではあるのだが、早々に降参してはならないと、何度も言っておきたい。たとえ世界クラスのプレイヤーが相手であったとしても、完全に負けてしまうまで、あなたは負けていないのである。また、逆もしかりで、スコアシートにサインをするまで、あなたはまだ勝利していないのだ。

  ……この言説は単語をいくつかかえることで、そのままマジックにも応用できるだろう。しかし、これはNatalia Pogoninaによって書かれた、チェスの心理学に関する記事なのである。

 スポーツからも同様に様々な情報を得ることができるだろう。まだゲーム心理学はスポーツ心理学のそれに比べて底が浅く、参考にできる部分が多くある。僕が好きな引用符として、伝説のボクシングコーチ、Constantine Cus D'Amatoのものがある。

強者も弱者も、感情は同じなのだ。しかし強者は恐れを使うのだ。相手にその恐怖を投影し、利用するのだ。恐怖は恐怖でしかない。しかしそれをどう使うかが重要なのだ。

  ボクシングとマジックはストレスの点からみて、同じものとは言いがたく、実際にも別のものだということは簡単だろう。しかし、僕が今言いたいことはそういうことではなく、この考え方を応用してほしい、というものなのだ。

 マジックというものは実力主義のゲームであり、ストレスや恐怖、不安に関係なく、カードを上手く使えたプレイヤーが勝利するゲームである。しかし、弱者は戦士をブロックすることはできないのだ。

ティルトのコントロール方法

 それぞれの物の考え方はバラバラであるがために、長いトーナメントシーンにおいてどのようにティルトや不安と戦うか、はとても重要なものとなるだろう。

 手始めに、脳内にはドーパミンの分泌量を調整する遺伝子が存在しており、特にその一種は前頭前皮質からドーパミンを消し去るための酵素を作成しようとする。ドーパミン量が適量であるときに、脳の働きは最適化され、過剰量は不安を、過少量は無関心を呼び起こすのだ。

 ここで重要となるのは、この遺伝子には2種類が存在し、それによってストレスへの対処方法が大きく異なるものとなるということだ。片一方はドーパミンを急速に減少させ、もう一方はゆっくりと吸収するのだ。

 速い遺伝子をもつ人は見知らぬ環境、ストレスの多い環境に強いものの、イベントの途中でその集中を失ってしまうことだろう。一方遅い遺伝子を持っている場合は長時間の集中が可能となるが、より多くのドーパミンが出てしまう、ストレスの多い環境では不安にかられてしまうこととなる。

 おおよその場合この2つのコンビネーションが発揮されることとなるのだが、その量の違いによって、人格の違いが生まれることとなるだろう、例えばスリルが大好きなアドレナリンジャンキーや、重圧の大きなテストで長時間集中するのが好きな人というように。

 すでに僕の天才になるために、を読んでくれた人ならば、僕は天然と人工ならば人工の側であり、なんかしらの化学物質の手によって、自身の性格が形作られるという見解とは対立している。

 えっと、しかしまだ希望はある。これはストレステスティングと呼ばれている。1972年に、M.E.GoldbergとA.I. Salamaがヨーロッパの薬学雑誌にこれについての論文を掲載した。無垢な実験用マウスを用いた実験であった。回転ドラムというストレスに晒されたマウスは、晒されていないマウスに対してドラム以外についてもストレスの対処能力が向上していたのだ。

 この研究によって過去のストレス経験がドーパミン放出のキーカードとなることがわかった。

 僕はこの偏執狂のような実験をマジックで繰り返す気はないが、GP、Invitational、PTといった大会になれていないのならばその経験は大きな意味をはらむことになってくる。多くのプレイヤーはマジックを長くプレイすることによってこのストレスへの対処ができるようになってくるだろうし、MOを使うことでその効果は格段に早く現れることとなるだろう。特に仕事がとくになかったり、健康状態であるならば。

 また、他の方法もある。あるが、これは回転ドラムにくらべて効果はそこまで大きくはないものの、ストレス対処の一種の方法として用いることはできるだろう。

 アスレチックコーチであるE. Loehrが指摘した事実として、テニスのトッププレイヤーとそれ以外の人で大きく異なるのがポイント間の25秒間の使い方である、というものがある。多くのプレイヤーは感情をあらわにしたり、叫んだりしているが、トッププレイヤーはどちらかというならばその時間を回復に利用しているのだ。いつもしていることで体力を回復させ、落ち着こうとする。そうしてストレスに対処しているのだ。

 Loehrによれば休憩方法のトレーニングが、ゲームを通じて増減するストレス解放の良い練習になると言えるだろう、とのことである。Loehrはこの、長く続くタイプの、ストレスホルモンを減少させるストレスと、回転ドラムのような断続的な、ストレスから回復するための能力を得るストレスの違いを強調している。

 よんでくれてありがとう。これがデッキ解説の記事でないことは僕も十分理解しているし、もうすぐその記事は挙げようと思っている。とりあえず、みんなにも僕が気をかけていたことについて、知っておいてもらいたい。

  • 大会直前には友人とウォームアップをすべきだ。多くのリミテッドではそれを行っているプレイヤーを見かけるが、構築の大会でもそれは行うべきだろう。メンタルのトレーニングとなる上、ゲームの手助けともなる。
  • ラウンドの間に集中を保ちながらも休憩できるようなルーチンワークを作るべきだ。僕の場合は水を飲んで適当な場所に座り、ラブレターやHearthstone、Big 2といった、頭をすっきりさせてくれる、エネルギーを使わない軽いゲームをするようにしている。
  • 対戦相手が思考しているとき、そこには大きな時間の穴ができることになる。これはおおよそテニスプレイヤーの25秒よりは長いために、その間にちょっと気を抜いてしまえば集中力は一瞬のうちに消滅してしまうこととなるだろう。だからこそ、シャカパチをしているプレイヤーが大量にいるのだろう。次のターンにすべきことは何か、何を引けば良いか、どうすれば勝てるか、ケアしなければならないもの、むしろ叩き付けるべきものは何か、対戦相手が何を考えているか……そのようなことに気を配ることで集中を保つことができるだろう。「対戦相手が考えようとしていることは何なのか」に気を配るのだ。