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BFZドラフトにおける7つのアーキタイプと主要な5種類のコモン/アンコモン(Top 5 Commons & Uncommons in 7 Draft Archetypes by Jason Chung)

Top 5 Commons Uncommons In 7 Draft Archetypes | MTGMintCard

より。

ドラフトできる環境がほしい……。

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はじめに

 BFZはとてもおもしろいフォーマットである。僕はシールドはそこまで好きではないものの、ドラフトとなっては話は別だ。プレリリース以来ドラフトを毎日のように遊んだ結果、このエキスパンションはドラフトにぴったりのものであり、よりドラフトが楽しめるように思う。

 この環境においては新たなアーキタイプを作り出す事が可能となった。今回はそのアーキタイプについて述べるとともに、そのアーキタイプにて必要となるだろう5つのコモン、アンコモンのキーカードを述べていきたいと思う。

1.青黒嚥下

 青黒嚥下はこのフォーマットで最もわかりやすいアーキタイプと言えるだろう。このデッキは嚥下持ちのクリーチャーと追放領域を利用して恩恵を得られる昇華者を用いたシナジー重視のデッキとなる。効果的な軽い嚥下持ちをできる限り集める必要があるが、それと同時に呪文萎れや完全無視といったカードを使う事も可能である。

 それらのカードによって追放されたカードを用いて、霞の徘徊者やウラモグの失脚させるもののような昇華者は真価を発揮する事となる。

 また、このアーキタイプはテンポに大きく左右される事に注意してもらいたい。が、嚥下持ちが少ないときには単なるビートダウンデッキとして動くこととなるだろう。できる限り昇華者を手札にだぶつかせてしまう前に嚥下持ちクリーチャーを場に送り出す必要があるだろう。そのためには昇華者よりも嚥下持ちを優先して早めにかき集める必要がある。またこのデッキに対抗するためには軽量の脅威、もしくは除去を用いて軽い嚥下持ちを対処する必要がある。

トップコモン

完全無視・水底の侵入者・霧の侵入者・霞の徘徊者・淘汰ドローン

トップアンコモン

ウラモグの失脚させるもの・破滅を導くもの・ウラモグの回収者・謎めいた巡行者・荒廃の一掴み 

2.青赤欠色

 青赤欠色は欠色クリーチャー同士のシナジーを利用したアグロ系デッキである。このデッキの利点は高速ビートダウンによって相手の準備が整う前に戦況を固める、遅いデッキを咎めるデッキとなっている。棘撃ちドローンやコジレックの伝令といった、欠色呪文を利用したカードを詰め込む事となる。

 このデッキにおいて氷の猛進や虚空の接触といったカードはテンポをとるためのものとして上記の効果的なクリーチャーをサポートする事になる。これらの除去のサポートによって、初期からアグレッシブに攻めていく事で一瞬のうちに勝利をもぎ取る事ができる。

 しかしながら、このデッキには除去に弱いという弱点がある。このデッキのパワーレベルは数枚のカードによって形成されているため、破滅を導くものなどのキーパーツを除去されてしまうと一気に劣勢となってしまう。また、このデッキで用いる青の欠色カードは嚥下ももっているために、昇華者を数枚デッキに混ぜる事もあるだろう。

トップコモン

虚空の接触・棘撃ちドローン・コジレックの歩哨・空中生成エルドラージ・多勢

トップアンコモン

破滅を導くもの・敵対・不快な集合体・溶鉄の生育場・コジレックの伝令

3.赤系アグロ

 いかなるリミテッドフォーマットにおいても、赤いアグレッシブなデッキは存在し、今環境でもそれは覆されることはないのだ。今回都合がいい事は、レアやアンコモンなしでもこのデッキが成立するという点にある。

 このデッキは遅いエルドラージ型のデッキだけでなく、嚥下を利用したデッキに有利となる。効果的な除去と軽量クリーチャーによってこのデッキは成立している。

 このデッキをくむ上で最も重視すべきは除去であり、必要となるクリーチャーは後からでも十分にピックする事ができる。このデッキに最もタッチされやすい色は白であり、コーの懲罰者や影の滑空者といったコスパのよいクリーチャーを採用する事蛾でいる。また、この手のクリーチャーの大半は同盟者であるために、同盟者シナジーも利用する事ができるだろう。

トップコモン

虚空の接触・多勢 ・オンドゥの勇者・ヴァラクートの捕食者・そびえる尖頂

トップアンコモン

とどろく雷鳴・アクームの石覚まし・ヴァラクートへの撤退・炎套の魔道士・地割れの案内人

4.同盟者

 同盟者はこのパックのいかなるところからも顔を出す事となる。過去のゼンディカーの頃とは異なり、今回収録されているほとんどの同盟者は全てのクリーチャーに対して効果を発揮するものが多い。能力の誘発のために他の同盟者を並べる必要があるものの、非同盟者のクリーチャーでも十分に利益を得る事ができるだろう。

 また、このデッキには数種類ではあるが亜種が存在する。先述の赤系アグロとまぜたり、緑主体の4~5色で組む方法、黒を基調とし、カラストリアの癒し手を最大限有効活用するという方法もとる事ができるだろう。

 赤主体の同盟者デッキについては上記の赤系アグロと構築がほぼ同様となるために、以下に記したカードは黒緑同盟者として4~5色で組むときのカードである。多くの同盟者は空乗りのエルフや統一戦線といった多色化することで恩恵を受けるカードが多くある事にも注意してもらいたい。

トップコモン

進化する未開地・カラストリアの癒し手・タジュールの重鎮・タジュールの獣使い・珊瑚兜の案内人

トップアンコモン

エメリアへの撤退・空乗りのエルフ・統一戦線・タジュールの戦呼び・ドラーナの使者

5.エルドラージランプ

 このデッキは環境の中でも遅いデッキであり、マナ加速呪文やエルドラージ末裔トークンを用いて巨大なエルドラージクリーチャーを場に送り出すデッキである。ドラフトに成功すればとても強いデッキとなるが、このデッキは強くレア、アンコモンに依存する事になってしまう事に注意してもらいたい。

 このアーキタイプはおおよそ欠色や同盟者といったアーキタイプと混ぜて作られる事が多く、また土地も18~19枚採用し、3~6枚の重いフィニッシャーを出せるようにしている。以下に僕が青黒嚥下を骨格とした、エルドラージフィニッシュを狙ったデッキのドラフトデッキの完成系を示しておく。

http://i.imgur.com/tmdgBsJ.jpg

トップコモン

コジレックの媒介者・目なしの見張り・生命湧きのドルイド・培養ドローン・空中生成エルドラージ

トップアンコモン

タイタンの存在・軍団を破壊するもの・バーラ・ゲドを滅ぼすもの・面晶体の記録庫・血統の観察者

6.青白飛行

 青白飛行は明確に示されているアーキタイプでこそないが、今まで挙げたデッキに劣っているという事はちっともない。また、このデッキは赤系アグロと同様に、アンコモンやレアはそこまで必要ないのだ。できる限り白い飛行持ちをかき集め、その上で巻き締め付けのような青いテンポカードを拾っていく必要がある。このカードは他のアーキタイプにおいてはそれほど重要視されないが、青白飛行のようなフライヤーだらけのデッキならば大きくその評価が変化する事となるのだ。

 また、このアーキタイプは覚醒持ちのスペルと相性がいい。ゲーム序盤のテンポもさることながら、後半でも腐る事がない。乱動の噴出や掴み掛かる水流といったカードはタイミングを問わず役立つカードとなる。また、このエキスパンションには到達持ちが少なく、飛行への解答も多くは存在しない。エルドラージ・同盟者ともに飛行持ちに対処するのは骨が折れる事となるだろう。

トップコモン

掴み掛かる水流・ 影の滑空者・空中生成エルドラージ・ギデオンの叱責・巻き締め付け

トップアンコモン

停滞の罠・風乗りの巡回兵・ハリマーの潮呼び・乱動の噴出・沿岸の発見

7.4~5色上陸

 このデッキは収斂と上陸をフルに使うデッキである。他にも2色で組んだ上陸デッキは存在するが、今回紹介したいのは撤退サイクルを利用した各色の良い所取りをしたデッキである。

 このデッキは他のデッキでは用いられないようなアンコモンを収集し、自分の所に回ってくるレアを全て回収する形で成立させるデッキである。そう、このデッキは卓に存在しているアンコモンの種類にひどく依存をすることとなる。

 もちろん、このアーキタイプを他のそれと共存させることは十分に可能である。例えば同盟者やエルドラージなど。これは個人的にとても好きなアーキタイプで、進化する未開地のようなトップコモンを最大限に活用する事ができるのだ。以下に僕がドラフトしてみた4~5色上陸のデッキリストをお見せしよう。

http://i.imgur.com/PMQpfm2.jpg

トップコモン

進化する未開地・自然の繋がり・タジュールの重鎮・生命湧きのドルイド・完全無視 

トップアンコモン

荒廃した森林・ハグラへの撤退・エメリアへの撤退・空乗りのエルフ・統一戦線

おわりに

 他にもいくつか試してみたアーキタイプもあるが、それらはそれほど強くない、もしくはそれほどうまく作る事ができないデッキであった。これには白黒ライフゲイン・緑黒サクリファイス・アブザントークン・赤緑上陸アグロも含まれている。

 他の非モダマスエキスパンションに比べて、ドラフトできるアーキタイプがこのドラフトフォーマットでは圧倒的に多い。どのようなアーキタイプでも様々な戦略をとる事ができる事にも注目してもらいたい。例えば嚥下型のデッキにエルドラージパッケージを組み込む、といったように。

 研究を続けるうちに、このドラフトフォーマットは自分の好みであるように思えてきた。イニストラードやラヴニカ:ギルドの都ほどではないけれどもね。GP SydneyやPT Milwaukeeでこの面白いフォーマットを楽しむ事ができるのがとても楽しみさ!