MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

BFZがモダンに与える影響(Battle For Zendikar In Modern by ANTHONY LOWRY)

StarCityGames.com - Battle For Zendikar In Modern

より。

 

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 きっと皆が同じ事を考えている事だろう。

 新たなセットが発売されたときには、いつもこれは最高のセットだと思うようにしている。今回もそれは例外ではなく、嫌なものを見つけるのが実質不可能だった。

 確かにBFZのカードパワーは僕たちが期待していたものより低くはあったが、それでもなおスタンダード環境は大きく変化する事であろう。僕たちは多くのフォーマットにおいて既成概念にとらわれてしまっているため、環境に対してチューンナップの形でしか対応できなくなっている。先週にはローテーション後に輝きかねないKTK、ORI野カードを紹介してみたが、フルスポイラーを受けて更に考慮する事が増える事となった。正直ここまでスタンダード環境が変遷するとは思っていなかった。エルフの神秘家や稲妻の一撃がイリーガルとなることで、2マナ火力としては龍詞の咆哮を用いる必要がでてきた。この大きな変化は皆に影響を与える事だろう。プロキシカードなどを用いてプレイする事によって、この環境の変化がどの程度面白いものなのかはすぐに理解できることだろう。

 さて、今日はモダン環境について話をしていきたいと思う。新セットがでると僕は様々なフォーマットにおける影響を考えるようにしているのだ。

  モダン環境においては全てがコンパクトにおさまり、堅牢なうえで効果的に相手を殺していく上で2:1交換を強要するカードに溢れている。新たなカードを求める傾向としては、レガシーよりもモダンのほうが平均マナコストの都合強いものとなる。僕が言いたいのは、呪文がより軽量化するとレガシーへの応用がされるようになる。もちろんショーテルエムラなどの例外こそあるものの。結局のところ、モダン環境への新たなカードの導入は、採用されるカードの平均マナコストがレガシーのおよそ半分であるがために容易に行われる。他の事象もふまえるならば、新セットが出るたびにそれがどの程度モダンに影響を与えるかについて思考することは何ら不自然な事ではないだろう。

伐採地の滝

 スケープシフトはプレイヤーが改良を重ねてきただろうデッキの一つではあるのだが、その努力を僕は評価できないもののひとつであった。というのも何もできないようなデッキを改良しようとしても無駄だろうと決め込んでいたためだ。確かにこのデッキに対する理解にかけている部分もあったものの、伐採地の滝を採用できるということでこのデッキについて研究を重ねてみたくなったのだ。今回発表された2色ミシュラランドの中でこのカードは白黒のそれよりも良質であると思っている。というのもおおよそ白黒というカラーリングは白黒トークンをのぞいてほぼすべてが緑にも触れているデッキである。そしてそのカラーリングにおいては既に活発な野生林がミシュラランドとして十分な動きをすることができているのだ。また、スケープシフトは神殿やハリマーの深みといったカードを採用してきていた。この枠にこのカードがおさまるのはとても自然な事であると言えよう。

虚空の選別者

 このカードは赤緑トロンがサイドボードに入れる選択肢として十分なカードである。双子や原始のタイタン、集団意識、様々な除去を封じ込める事ができるだけでなく、ミラーマッチにおいてもカーン以外では止まらないクロックとなる。このカードはプレイしていてそれほど強いと思えるカードではないが、少なくともサイドボードへの投入はそれほど難しくないだろうし、より容易く勝利を得る事ができるようになるだろう。はっきりいってこのカードは評価が難しいカードといえるだろう。対戦相手は全てのカードのマナコストを気にしなくてはならなくなるし、サイドボードの選択肢も大きく変わる可能性がある。もしあなたが赤緑トロンを使っているのならば、このカードは評価しても悪くはないと思う。

同盟者について

 Ari Laxがモダンでの同盟者に更なる改良を施し続けているとを聞いて、信じずにはいられなかった。

Naya Allies

Ari Lax

26 Creatures
1 Abzan Falconer/アブザンの鷹匠
4 Akoum Battlesinger/アクームの戦歌い
4 Champion of the Parish/教区の勇者
4 Hada Freeblade/ハーダの自由刃
4 Kabira Evangel/カビーラの福音者
4 Kazandu Blademaster/カザンドゥの刃の達人
1 Mirror Entity/鏡の精体
4 Oran-Rief Survivalist/オラン=リーフの生き残り

12 Spells
4 Aether Vial/霊気の薬瓶
4 Collected Company/集合した中隊
4 Path to Exile/流刑への道

22 Lands
1 Forest/森
3 Plains/平地
4 Cavern of Souls/魂の洞窟
2 Mutavault/変わり谷
4 Razorverge Thicket/剃刀境の茂み
2 Sacred Foundry/聖なる鋳造所
2 Temple Garden/寺院の庭
4 Windswept Heath/吹きさらしの荒野

Sideboard
1 Ethersworn Canonist/エーテル宣学会の法学者
2 Ondu Cleric/オンドゥの僧侶
2 Rest in Peace/安らかなる眠り
2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Celestial Purge/天界の粛清
2 Dromoka's Command/ドロモカの命令
2 Rending Volley/引き裂く流弾
1 Wear//Tear/摩耗
2 Return to the Ranks/戦列への復帰

 このデッキの強さは横に並ぶ事によって発揮されるシナジーにある。そして集合した中隊によってそのシナジーは大きく発揮されることとなる。BFZによってこのアーキタイプは大きく進化する事となった。コーの刃振りは戦闘で勝利したいときに先制攻撃をもたらしてくれるカードであり、炎套の魔道士によって更に前のめりな攻撃をおこなうことができるだろう。待ち伏せ隊長、ムンダは確かに集合した中隊と相性こそ悪そうに見えるが、実際に共生することはそこまで難しくないだろうと思っている。特に霊気の薬瓶が場に存在しているときには。ゴブリンの首謀者能力はとても強力であり、また、森の伝書使と違ってこのデッキにおけるそれはより攻撃的なカードとなる。エルフにおける首謀者能力は所詮はシナジーの更なる深化にしか使われず、直接的な打点の向上にはあまり寄与しない。しかしながら、鏡の精体やカビーラの福音者、炎套の魔道士が場に出さえすれば相手のライフは一気に致死圏へと達する事になるだろう。伝説のクリーチャーであり、他の同盟者ともそこまでシナジーする訳でもない、という点で何枚積むのか、というジレンマに苛まれる事もあるだろうが、3/4というスペックで速攻をもっているのは攻撃に向かうという点において十分な役割を果たしてくれる事であろう。

 古参の戦導者はとても強力であり、また同盟者の「横に並ぶと強い」という性質をより強化したクリーチャーである。また、同盟者をタップして得られる、インスタントスピードの能力は戦況にあわせて様々に使い分ける事ができ、集合した中隊で場に出る事も容易である。ただ、しかしながら、このカードはこのデッキに本当に必要なのかという疑問はのこる。確かにこのクリーチャーは強力ではあるものの、横に並ばないと強さを発揮しないのだ。おそらく、同盟者ではないものの、教区の勇者のほうがより強いカードとなるだろう。またこのカードが戦場に長くとどまるとも考えにくいために、このカードより強いカードもきっとあることだろう。

 毅然たる刃の達人がちょうどそのカードにあたると思っている。信じようと信じなかろうと構わないが。二段攻撃というのはとても強力であり、それをもたせるカードは基本的にとても重いか、キャストしにくいカードとなる。大半の同盟者はおおよそ小粒のクリーチャーであり、巨大なクリーチャーと対峙した時にはビヒモス/バーラン能力を欲しく思うこともあるだろう。その能力をこのカードで成し遂げることができるだろう。教区の勇者-戦導者コンボはお蔵入りとなってしまうだろうが、BFZで収録されるプレインズウォーカーについては考慮すべきではあるだろう。

ゼンディカーの同盟者、ギデオン

 同盟者のデッキとして考えるならば、このギデオンはとても強いカードとおなるだろう。このカードがもたらす選択肢はどれも同盟者のそれと強く噛みあうこととなる。2/2の同盟者トークンを生産することによって結集能力を誘発させることができるし、アンセムの紋章は同盟者の小粒さを若干量でこそあるが補助することができる。これだけで同盟者のピースとしてこのカードが収まるかは怪しいものの、このアーキタイプにおけるこのカードはとても強いものだといえよう。

 同盟者に関して最後に気にすべき問題は、4色目をタッチするべきかどうか、という懸念である。ズーラポートの殺し屋は確かに強そうなカードではあるが、僕を納得させるほどのものではなかった。カラストリアの癒し手を加えることも考えたが、これもオーバーキルのカードとしかならないだろう。マラキールの解放者、ドラーナはについてはとても強いカードだと思われるが、実際は戦導者以上に弱いカードである、と僕は思っているBBというマナ拘束に加え、稲妻で墜ちてしまうということでまったくプレイアブルではないのである。もつ誘発能力も発動するタイミングが訪れることはないだろうと思っている。

 以上で同盟者については終わろうと思う。このデッキがモダンを制してくれれば、とも思っている。また、僕が気にしているカードはまだある。

白日の下に

 どこで、いつ、どのようにしてこの感情に至ったのかは定かではないが、僕はこのカードに対してひどく悪印象をもっている。このカードはぶっ壊れになるかもしれない。だが、僕はぱっと見と反してこのカードができることは殆ど無いように思っている。太陽との交感からチェインコンボの形を築くことはできるだろうが、その後何ができるというのか。それについては皆に任せようと思っている。

塵への崩壊

 このカードが最も、モダンに大きな変化をもたらすカードだと思っている。塩撒きがすでに赤緑トロンやスケープシフトへのサイドボードとして取られているものの、そのカードのマナ拘束がゆるくなり、スケープシフトがサイドにとっているだろう瞬間凍結によっては打ち消されないということで、大きな変化が起こることとなるだろう。

 このように、モダン環境への取り入れを十分に考慮できるカードが大量にあり、また既存アーキタイプも大きく変化することだろう。ではあなたは、何がプレイアブルだと思う?