MtG訳記た。

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おかえり、ジャンド。(Putting Jund Back on Top in Modern by Joseph Herrera)

Putting Jund Back on Top in Modern by Joseph Herrera - Magic the Gathering (MTG)

より。

 

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 やあみんな!マジックの調子はどうだい?

  僕はWiston-Salem NC のJoe Herrera、(執筆当時)先週末CharlotteであったSCGOpenは、僕が大好きなフォーマットであるモダンであり、そしていい順位にすべるこむことができた。今までにも、何度かSCGにおいてなんかしらの入賞をしたこともある。2013年にはスタンダードで2度優勝したし、レガシーでもベスト4になったことがある。大きな大会で優勝して以来、僕はきっともう一度それを成し遂げることができるだろうと思っていた。特に、ジャンドを携えることができれば。そして幸運にも、今回のトーナメントでジャンドを巧みに操り、優勝することができた。これから、どのようにしてこのデッキを作り上げていったのかについて話していきたいと思う。

  全ては6月の、そうGP Charlotteから始まったのだ。いつものように僕はジャンドを使っていたのだけれども、この時にはまだ完全にジャンドを使うことに自身を持っていなかった。GP前のSCGにおいて、赤緑トロンと護符コンが1-2フィニッシュを決めており、それらのデッキはジャンドが苦手とする相手だった。そのため僕は大爆発の魔道士3枚と幽霊街1枚をデッキに加える事によってそれらのデッキとの相性を改善しようとした。しかしながら、結局この2つのデッキと相まみえることは一度もなく、結局8-5ドロップというふがいない成績に終わってしまうこととなった。

 僕が負けた相手はアブザン(2回)、グリコン、アブザン/ナヤカンパニーだった。ここから僕は大事なことを学ぶこととなった。「ジャンドは汎用性があるから強いのだ」と。メタゲーム上で安定した立ち位置にいられるようにデッキを構築するのが望ましいと。メインデッキをトロンや護符コンメタに傾け過ぎた結果、他の多種のデッキに対して弱くなってしまったのだ。これではジャンドの利点を全くもって活かせていないといえるだろう。僕はジャンドを十徳ナイフのようなものだと思っている。多種多様な道具を一つの箱の中に収め、様々なことに使う。もし何かしらのメタ対象のためにデッキを歪ませてしまうとすると、このデッキは汎用性を失い、またこのデッキらしさも失ってしまうのだ。

 僕は試行錯誤を繰り返し、このリストに至ることができた。見てもらおうではないか。

 Jund by Joseph Herrera 

Finished 1st Place at 2015 StarCity Open Modern -Charlotte - 8/23

13 Creatures
1 Abbot of Keral Keep/ケラル砦の修道院長
4 Dark Confidant/闇の腹心
3 Scavenging Ooze/漁る軟泥
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
1 Tasigur, the Golden Fang/黄金牙、タシグル

23 Spells
4 Liliana of the Veil/ヴェールのリリアナ
2 Abrupt Decay/突然の衰微
3 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
1 Kolaghan's Command/コラガンの命令
4 Lightning Bolt/稲妻
2 Maelstrom Pulse/大渦の脈動
4 Terminate/終止
3 Thoughtseize/思考囲い

24 Lands
4 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
1 Blood Crypt/血の墓所
3 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
1 Forest/森
1 Ghost Quarter/幽霊街
1 Overgrown Tomb/草むした墓
4 Raging Ravine/怒り狂う山峡
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
2 Swamp/沼
1 Twilight Mire/黄昏のぬかるみ
4 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地
1 Wooded Foothills/樹木茂る山麓

Sideboard
1 Abrupt Decay/突然の衰微
1 Ancient Grudge/古えの遺恨
2 Anger of the Gods/神々の憤怒
2 Damnation/滅び
3 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
3 Kitchen Finks/台所の嫌がらせ屋
1 Nihil Spellbomb/虚無の呪文爆弾
1 Olivia Voldaren/オリヴィア・ヴォルダーレン
1 Shatterstorm/粉砕の嵐

 きっと僕のカードの採用の仕方に関して気になるところがある人が多くいるだろう。確かに僕は今回優勝するために、ちょっと変わった構築をしている。そしてそれは十分な見返りを僕に与えてくれるのだ。では、このデッキの考え方について、土地、生物、呪文、サイドの4点に分けて解説をしていきたいと思う。

土地

 僕のマナ基盤は一般的なジャンドのそれとほぼ変わらない。黒割れの崖がジャンドにとって生命線となるカードだろう。もしこのカードがなければ、ハンデスをするためにフェッチショックが必要となり、最初からノーコストの稲妻を食らってしまっているようなものとなる。つまり、デッキの動きをより円滑にするために必須のカードであるのだ。

 次に、8枚のフェッチランドについて、僕は新緑の地下墓地を4枚、血染めのぬかるみを3枚、樹木茂る山麓を1枚と分けている。新緑の地下墓地については森/沼というこのデッキの基板となる基本土地をフェッチできるという理由で4なのは納得してもらえると思う。ではなぜぬかるみ/山麓を3/1で分けたのか。それは血染めの月対策のためである。ジャンドは血染めの月にとても弱いのだ。3色のデッキはマナ基盤を安定させるために多量の特殊土地を採用している。そして3マナのエンチャントというものはなんだかんだとても対処がしにくいカードなのである。もし対応できるのならば、した方がいいと思わないかい?相手が血染めの月を持っているだろうと推測できた時には先に基本土地を持ってくるようにしている。また、このデッキは黒を基調としたデッキであるために出来る限り沼をフェッチできるようにしておきたい。しかしながら、またこの手のマッチアップにおいて重要となる森をフェッチできるようにもしておきたいのだ。このバランスを取るために、僕は山麓を1枚、ピン差ししている。1枚だけ、といったのはもうひとつ重要となる理由、1T目の思考囲いを安定して、かつライフの損失を出来る限り少なくしてキャストすることができる、というものがある。特に1G目、相手がどんなデッキを使っているのかわからない時にはとても重要な要素となる。

 幽霊街をピン差しするアイディアは他のデッキリストから拝借したものである。ミシュラランドの対策にもなるし、トロンに対する妨害としても役立つ。

 黄昏のぬかるみは漁る軟泥ととても相性の良いカードとなる。

 3つのショックランド、草むした墓、血の墓所、踏み鳴らされる地はそれぞれフェッチすることでマナ基盤を安定させてくれる。

 そして4枚の怒り狂う山峡の採用と樹上の村の不採用については驚く人も多いのではないだろうか。山峡が村よりも優先されるのはなぜか、これは僕の調整の結果の結論である。ジャンドのマナ基盤というものは先も行ったようにとても繊細なものであり、ミシュラランドとしても、そしてデュアルランドとしても機能するようなカードはとても重要なものとなる。また、山峡は一度マウントを取ってしまえばそのままゲームを終わらせるだけの力を持ちっている。たしかに樹上の村も十分に強いカードではあるのだが、稲妻によって落ちてしまうという点や緑マナしか出ないという点において、半数が稲妻を撃ってくる環境となるだろうこのトーナメントにおいては役立たないと判断したのだ。

生物

 闇の腹心、そしてタルモゴイフを4枚ずつデッキに入れることに対して何故かを問う人はいないと信じたい。タルモは2マナ最強のクリーチャーであり、どうあがいても効果的なカードとなる。腹心はカードアドバンテージを与えてくれるカードであり、これを使わないくらいならば青いデッキを使ったほうがよっぽどいいだろう。

 漁る軟泥を3枚採用することによって、墓地依存型のデッキに対してとても強くなった。探査クリーチャーや瞬唱の魔道士の対策にもなるし、アグロに対しては壁となり、自身のライフゲインにも使うことができる。必須だね。

 黄金牙、タシグルはとても都合のいいクリーチャーであり。探査を用いて1マナで唱えることができ。カードアドバンテージを稼ぐこともできる素晴らしいカードである。これは特にミラーマッチや対アブザン、対グリコンといった消耗戦において光ると言える。しかしながら、闇

腹心をより効果的に使うことができるように、このデッキにマナカーブは出来る限り低いものにおさえたかった。そのためにこのデッキでの採用は1枚にとどまっているのだ。

 闇の腹心によって受けるダメージをできる限り低くしようとするために高マナ域のカードを減らそうとしたことに関連して、ケラル砦の修道院長採用した理由について話したいと思う。このカードの採用について、多様な議論が生まれることだろう。ご察しの通り、僕のところにそれに関する質問が次々と寄せられている。ではなぜ、狩達や前哨地の包囲、オリヴィア・ヴォルダーレンをさしおいてこのカードが採用されたのか、それはそのカードの与えてくれる多様性に焦点をあてたものだから、ということができるだろう。3T目以降、このカードはとてつもないアドバンテージを与えてくれる。また、3T目に土地を求めてこのカードをプレイする事もできるだろう。そしてまた、このカードは2マナ域のカードや稲妻、もしくはハンデスを読んでくれるために、2/1の果敢もち速攻なし血編み髪のエルフとしての運用が可能となるのだ。ゲームを通じて、このカードは様々なふるまいをしてくれるし、クリーチャーを除去しつつ、自身の打点を伸ばす、と言う形でテンポを稼ぐこともできる。そう、とても素晴らしいのだ。僕は2枚目を追加することも考えてはみたが、そのためにデッキから抜く、最良のカードを思いつくことができなかった。もし抜くとしたらおそらくヴェールのリリアナだとは思うのだが、調整をしていくうちにそれが正解かどうか明らかになることだろう。

呪文

 ヴェールのリリアナはこのデッキでアドバンテージを稼ぐためのカードとなる。このカード一枚で相手のクリーチャーや手札、その両方に干渉することができる。また、このカードはミシュラランドととても相性が良いということは小マイナス能力を用いてクリーチャーを除去するということを考えればすぐ納得できることだろう。

 3枚の思考囲いと3枚のコジレックの審問の採用については、昨今のメタゲームを加味した採用となっている。おそらくバーンが少なくなるだろう、という読みのもと3/3の分け方としたのだ。思考囲いの2点のペイライフは確かに重いものではあるのだが、探査クリーチャーが席巻している今の環境においては十分な利益を与えてくれるだろう。

 突然の衰微は2枚の採用としているが、これ以上枚数を減らす訳にはいかないだろう。このカードがあるからこそ、僕はこのデッキ、ジャンドを使っていると言っても過言ではない。このカードは双子や親和、Zooなどといった数多くのマッチアップにおいて輝くカードとなる。本来ならば3枚でも採用したいのだが、タシグルやグルマグのアンコウが増えてしまったことにより、採用枚数を減らさざるを得なくなってしまった。

 終止を4枚フル投入しているのは、そのタシグルやアンコウに対抗するためである。そろそろ気づいている人もいるだろうが、今回のこのデッキはグリクシスをメタるように作っているのだ。プレイテストを繰り返すうちに、きっとグリクシスと多量に当たることになると推測したのだ。終止によってすべてのクリーチャーは墓地に眠ることとなる。この採用を決めた後、僕は安心して戦いに望む準備ができるようになった。アンコウなんかに、グリクシスを殺すという僕の重いをこれ以上邪魔されないようになったからね。

 4枚の稲妻に関して、特に何も言う必要はないだろう。この環境を定義しているカードだ。

 そして最後に、2枚の大渦の脈動とコラガンの命令のピン挿しについて解説をしたい。たしかにコラガンの命令は汎用性の高いカードではある、しかし僕はこのデッキの障壁として立ちはだかる、未練ある魂、包囲サイ、解放された者、カーンなどに対処する札が必要だったのだ。この手のカードに対して、大渦の脈動はとても強いカードとなる。だからこのカードを1枚以下にする、というのは僕にとっては考えられないことといえるだろう。

サイドボード

 虚無の呪文爆弾を1枚でもいれることで、墓地に依存するデッキに対しての相性を向上させることができる。これによってグリクシス系のデッキからテンポを奪うことができるだろう。

 大爆発の魔道士3枚はトロンや護符コン、そしてコントロールやミッドレンジ系のデッキに対して用いる。4枚目についてはこの頃のトロン使用者の減少から必要ないと判断していた。しかしながら今後は4枚目を検討するのも悪くないだろう、というのも僕がジャンドを頂点へと導いてしまったことでトロンがまた増えるだろう、ということが予想できるからである。

 台所の嫌がらせ屋を3枚投入し、部族や市内を採用しなかったりゆうとしては、台所の嫌がらせ屋が部族養い以上に様々な用途に用いることができるというのが理由としてあげられるのだ。消耗戦においてキッチンはとても強いことはご存知だろう。バーン相手のためだけに部族養いをいれるよりかは、消耗戦を見据えたこのカードに軍配があがった。またその御蔭でなんとかなったゲームも存在した。

 突然の衰微をさらに1枚入れることによって、タルモツインや親和などのマッチアップをさらに改善することができるだろう。

 古えの遺恨と粉砕の嵐によって、早さのためにこのデッキが最も苦手とする親和との相性を改善することができる。また、古えの遺恨によってトロンや感染、護符コンといったデッキとのマッチアップもts方改善されるだろう。

 オリヴィア・ヴォルダーレンは相手のターンを1T生き残ることができればミッドレンジ型のデッキや、クリーチャー大依存型のデッキに対してとても強いカードとなる。きっとこのカード1枚で勝利することも底まで難しいことはないだろう。あえてこのカードの弱点を言うとすれば、初期状態で3/3である、ということがあるだろう。容易に稲妻で墜ちてしまうのはいささか問題とはなる。

 滅び、神々の憤怒をそれぞれ2枚採用したのが、僕がこのトーナメントを制覇したマル秘テクといえるだろう。おそらく新しく生まれたカンパニー型のデッキが増えるだろうと予測したため、これだけのカードを採用したのだ。タルモゴイフや聖遺の騎士やロクソドンの強打者といったカードが多量に採用されているナヤカンパニーに対しては滅びが突き刺さることとなる。また、死亡時誘発を持つ台所の嫌がらせ屋や復活の声、残忍なレッドキャップといったカードに対しては神々の憤怒が突き刺さることとなる。これらのカードはまた、アグロ系のデッキである親和やマーフォーク、ソウルシスターズといったデッキに対しても効果的となるだろう。

 

 以上が簡単な解説となる。僕の考え方が全て、このデッキ煮詰まっているといえるだろう不利なマッチアップが基本的に存在せず、どのデッキ相手にも丸く立ちまわることができるジャンドはいつでも最良の選択と言えるだろう。

 

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