MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

死せる生の倒し方(The Deck to Beat – Modern Living End By Reid Duke)

» The Deck to Beat – Modern Living End

より。

 

WMCQ終わってしまったくせにWMCQ対策の記事を訳すガバプレイ。

ワールド・マジック・カップ2015 東京予選 トップ8デッキリスト - | 晴れる屋

» ChannelFireball WMCQ Top 8 Deck Lists

護符コンとトロン、親和がいる、という以外全く違った結果になってておもしろい。

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  ようこそ、特別企画、Deck to beatのモダン版ヘ!僕はいつもスタンダードについての記事のみを書いているが、今週はCAliforniaのSanta ClaraでWMCQがモダンで行われる上、先週末の世界選手権もモダンで開催されたということもあって、モダン環境に対する関心が高まってきていると思ったから、モダンについても書いてみることにしてみたんだ。

  今回はLiving End、死せる生について語っていきたいと思う。このアーキタイプ自体はモダンが制定される前から存在していたものなのだけれども、世界選手権において、実に1/6もの人が選択し、Martin Mullerが4-0を決めることが出来た、というものだ。

 このデッキは死せる生の点数で見たマナコストが0であることを活かして、マナコストが3未満のカードを死せる生のみにすることによって続唱をもつ呪文、暴力的な突発や悪魔の戦慄により強引に死せる生をキャストしてしまう、というデッキである。そして、このデッキの残りのスペースは全て、サイクリングできるクリーチャーで構成されているのだ。

 このデッキはコンボデッキとして見れば恐ろしく安定しているデッキである。1枚コンボのデッキであるにもかかわらず、コンボパーツは8枚も存在しており、さらに大量のサイクリングができるためにコンボパーツや土地を十分にサーチできるために事故もそうそう起こらないのだ。

死せる生

19 Lands

4 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
1 Blood Crypt/血の墓所
4 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
4 Copperline Gorge/銅線の地溝
1 Forest/森
1 Mountain/山
1 Overgrown Tomb/草むした墓
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
2 Swamp/沼

27 Creatures
4 Architects of Will/意思切る者
4 Deadshot Minotaur/死の一撃のミノタウロス
1 Faerie Macabre/フェアリーの忌み者
4 Fulminator Mage/大爆発の魔道士
2 Jungle Weaver/ジャングルの織り手
4 Monstrous Carabid/巨怪なオサムシ
1 Pale Recluse/青ざめた出家蜘蛛
3 Simian Spirit Guide/猿人の指導霊
4 Street Wraith/通りの悪霊

14 Spells
4 Demonic Dread/悪魔の戦慄
3 Living End/死せる生
3 Beast Within/内にいる獣
4 Violent Outburst/暴力的な突発

Sideboard
2 Faerie Macabre/フェアリーの忌み者
3 Brindle Boar/斑の猪
3 Ingot Chewer/鋳塊かじり
2 Shriekmaw/叫び大口
2 Dismember/四肢切断
3 Ricochet Trap/跳ね返りの罠

 死せる生の枚数が4枚ではなく3枚であるのは、3枚でも十分に動く、と考えられているからだ。次のモダンのトーナメントに望む際には、大会前に本当にこの枚数でデッキが成立しているのか、について考えてみるのもいいだろう。

死せる生をめぐる相互作用

  • 墓掘りの檻では死せる生を止めることは出来ない。死せる生の効果は墓地のクリーチャーを全て一度ゲームから取り除き、その後戦場に送り出しているために檻の対象外となるのだ。このカードをサイドする意味はないだろう。
  • 払拭もまた死せる生を止められないカードである。たとえ暴力的な突発によってインスタントタイミングで唱えられた場合でも、このカードはソーサリーである。
  • 自分がザルファーの魔道士、テフェリーをコントロールしているならば、相手は死せる生をどうあっても唱えることは出来ない。
  • 自分が鷺群れのシガルダをコントロールしているならば、死せる生によってこちらのクリーチャーが失われることはない。
  • もし自分が電結の荒廃者をコントロールしている時に死せる生が解決されようとするのなら、載っているカウンターを死せる生によって墓地から復活したクリーチャーに載せることができる。故に死せる生を打たれた時にはこのカード以外のクリーチャーを全て生贄に捧げてしまうのもいいだろう。これは親和側が死せる生と対峙した時に有効活用できるテクニックである。OwenとJoelによるこのマッチ動画も参考にしてもらいたい。
  • 最後に、大半の死せる生はこのカードを3枚しかデッキに搭載していない、ということに気をつけねばならない。時には(手札に引いてしまったせいで)使いきってしまうこともあるというわけだ。

対処法

  • 他のコンボデッキを使う。 死せる生もコンボデッキではあるのだが、このデッキはコンボを決めたからといってすぐに勝てるわけではない。そう、遅いのだ。そしてまた、3マナ未満のカードをデッキに積むことができない、という根本的な構造上の欠陥が存在するためにコンボデッキへの対処カードをあまり積むことが出来ない、という問題もある。
  • 打ち消し呪文を使う。 マナ漏出や否認でも構わないのだが、一番なのはやはり差し戻しであろう。一度手札に戻してしまえば再キャストはほとんど不可能といってもいいからだ。
  • 漁る軟泥を使う。 クリーチャーであるために死せる生によって墓地に送られてしまったり、完全に相手を殺すことはできないものの、緑を触っているデッキならば容易にメインボードに積むことのできるカードである。1G目においても死せる生に対応できる、素晴らしいカードだ。
  • サイドボードに、(墓掘りの檻以外の)墓地対策を積む。 虚空の力線や虚無の呪文爆弾がお気に入りだ。なぜならこれらのカードは自分には効果が及ばないからである。対戦相手が(例えば内にいる獣などで)対処しようとしてきた場合でも、少なくとも自分のクリーチャーを守ることはできる。安らかなる眠り、大祖始の遺産でも十分効果はある。死せる生は対策カードの対策も可能ではあるが、そのカードのせいで自分のデッキの速度が低下し、自身を殺すこととなる。

べからず集

  • 相手に干渉しづらいクリーチャーデッキを使ってはならない。 僕はソウルシスターズを長らく使っていたが、死せる生に1-19で惨敗したのち、そのデッキを解体することを余儀なくされた。死せる生のもつカードパワー、そして安定性によって、ソウルシスターズやその亜種である白ウィニー、また呪禁オーラといったデッキは目無しとなってしまうことだろう。たとえサイドボード後に安らかなる眠りをフル投入したとしても、3マナで神の怒りが飛んでくるだろうし、その後乱雑なビートダウンによって息絶えさせられることとなるだろう。

  • 大爆発の魔道士にやられてしまうようなマナ基盤を構成してはならない。 死せる生はメインから4枚の大爆発の魔道士を投入しており、さらにこれを再利用することができる。コントロールデッキやトロン系のデッキを使っていて死せる生を打たれた後に場を掃除したい時にはしても構わないが、大爆発の魔道士へのケアはいつもしてはいけない。
  • 墓地対策に負けてはならない。 これは死せる生への対策、というものではない(確かに死せる生側もフェアリーの忌み者や虚空の力線を使ってくるが)が、今後プレイヤーが持ち込んでくるデッキには、墓地対策がきっと多量に入ってくるだろうということだ。死せる生対策をしてきたデッキについでで対策されてしまっては面白くないことだろう。ドレッジヴァインやグリセルシュートといったデッキは確かにデッキパワーがあるが、今週末つかうべきではないだろう。

まとめ

 死せる生のようなデッキと対峙した時には何ができるかについて考えるべきである。だからデッキをかえたり、サイドボードを調整したりするときにこの記事のことを思い出してくれれば適切なカード選択ができることだろう。死せる生がどのようなデッキなのか、そしてどのようなゲームプランを打ち立ててくるのかについて知った今なら、死せる生はそれほど難しい相手ではなくなっているはずだ。