MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

タルモツインについての分析あれこれ。(Analyzing Tarmo Twin by Patrick Dickmann)

より。

双子の記事ばっかり訳してるような気がする……

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はじめに

 やあ、みんな!今日は僕がGP Charlotteでベスト32に食い込んだときの双子デッキの紹介をしたいと思う。

  数週間前に友達のWenzel KrautmannとValetntin MacklがGP CharlotteとProvidenceに僕を誘ってきたんだ。僕はCopenhagenに行く気満々だったからそれはちょっと面倒なお願いだったね。

 でも、プランを変えるに十分な理由が僕にはあった。まず、そういうふうに参加することで僕がゴールドランクにたどり着きやすくなること、そして、もう一つはアメリカでしか逢えないような人と戦えるのが楽しい、ってことだ。

 なんにせよ、Charlotteに予定を切り替えたことによって、デッキが必要となったし、新たな決断をしなくてはならなくなった。前のモダンの大規模な大会(プロツアーやGP)から大きく環境が変化していたためだ。コラガンの命令はあちらこちらでプレイされているし、護符コンは流行のまっただ中、そして死に絶えていたようなアーキタイプであるメリーラコンボやエルフが集合した中隊によって大復活を遂げてしまっていた。

 不幸なことにも、僕はこの頃モダン環境にそれほど触れていなかったために、自身の手によってきちんとした戦略を見つけ出す必要があったのである。

 メタゲームを見ていると、皆が双子を警戒しているように思えた。引き裂く流弾という軽い妨害を携えて対戦相手を制圧しようとし、単に命令で回収できる1マナ4/5や5/5を投げつけるだけのゲームは行われなくなっているように思われた。

 

Columbusでのタルモツイン

 幸運なことにも、Columbusで行われたSCG invitationalによって、僕には2つの道が示される事となった。まずは、Charlotteでのメタゲームがはっきりとすること、そしてもう一つはとても重要で、Tood Andersonが使っていたタルモツインが最低限今後の戦略の建て方における道標となってくれたということである。これが彼の使っていたタルモツインだ。

22 Lands

1 Breeding Pool/繁殖池
1 Forest/森
2 Hinterland Harbor/内陸の湾港
2 Island/島
3 Misty Rainforest/霧深き雨林
1 Mountain/山
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
2 Steam Vents/蒸気孔
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
3 Sulfur Falls/硫黄の滝
2 Wooded Foothills/樹木茂る山麓

 

14 Creatures 

3 Deceiver Exarch/詐欺師の総督
2 Pestermite/やっかい児
4 Snapcaster Mage/瞬唱の魔導士
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
1 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆

24 Spells 

2 Cryptic Command/謎めいた命令
1 Dispel/払拭
1 Electrolyze/電解
2 Gitaxian Probe/ギタクシア派の調査
4 Lightning Bolt/稲妻
4 Remand/差し戻し
2 Roast/炙り焼き
4 Serum Visions/血清の幻視
4 Splinter Twin/欠片の双子

 

Sideboard

2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Counterflux/対抗変転
1 Dispel/払拭
1 Keranos, God of Storms/嵐の神、ケラノス
1 Negate/否認
2 Pyroclasm/紅蓮地獄
1 Rending Volley/引き裂く流弾
1 Threads of Disloyalty/不忠の糸
1 Vandalblast/汚損破
1 Deceiver Exarch/詐欺師の総督
2 Huntmaster of the Fells // Ravager of the Fells/高原の狩りの達人//高原の荒廃者
1 Izzet Staticaster/イゼットの静電術師

 

ティムールとグリクシスの違い

 Valenciaでベスト4に入ることができて以来、タルモゴイフはずっと大事なカードであった。特に詐欺師の総督ややっかい児といっしょに手札にいてくれた時には。

 このコスパのいいクリーチャーのおかげで、対戦相手に強いプレッシャーを与えることができるし、対戦相手はタルモゴイフだけでなく双子コンボの成立に対してもめをくばらなければならない。

 この相反する2つの性質は対戦相手が「タルモゴイフを殺すべき」か「コンボパーツを殺すべき」か、と除去の使い方に大きな制限を与えることとなる。そしてタルモゴイフがアンタップ状態で場新居さえすれば対戦相手は攻撃を躊躇してしまうこともあるだろう。

 これが、グリクシスカラーやイゼットカラーの双子では絶対に成し得ない利点である。

 グリクシスカラーにすることによってタシグルをプレイすることは確かにできるようになる。しかし特定のケースにおいてしか2T目の着地は達成できない。そしてこのためには思考掃きのプレイが絶対となる。このカードはデルバーやコントロールにおいてはとてもいいカードではあるが、双子においてはその有用性は大きく下がってしまう。

 例えば、キャントリップを用いてトップの札をよりよくしたい、相手の手札を見たい、脅威を叩きつけたい、といったことを望んだとしよう。これらの全てを双子と同居させようとするならばカードの選択肢は大きく狭まることとなる。18枚や20枚の土地ではこんなデッキは運用できないからだ。

 さらに言うならば、黄金牙、タシグルは伝説のクリーチャーである一方タルモゴイフは場に何枚でも並べることができる。僕はプロツアーでグリクシス双子を使ったけれどもその致命的なまでの遅さとマナ基盤のタイトさのせいで無残な負け方をすることとなった。

 青を主軸としたデッキに置いて終止をプレイすることはメタゲームが早いコンボデッキに傾いている環境においては最良の選択肢ではない。また、僕はコラガンの命令も速いカードではないためにこの問題を克服できないと思っている。このカードは消耗戦においては功利を与えてはくれるだろうが、環境の速いデッキに対してはどうしても後手後手に回り続けるカードとなってしまう。(だからこそCopenhagenにおいてはマーフォークが猛威を振るっていたのだろう)

 

では、イゼットカラーは?

 一方でイゼットカラーはよりよくテンポ重視の戦い方を遂行することはできるものの、タルモツインほど良くはないと思っている。(そう、僕はこのデッキをティムールツインとは呼びたくないのだ。タルモゴイフがこのデッキの隠された原動力となっているからね)。Sam ParadeeがGP Charlotteでトップ8に入ったときのレシピ*1を見ればどんなデッキかわかると思うよ。

 心理的なプレッシャーを与えることでSamは対戦相手のマナを束縛し、彼が唱えてほしいときに呪文を唱えさせることができるようになった。大会の準備として、僕は彼のリストの中にある命令や除去を呪文貫きに差し替えることにした。軽いカウンターはモダンにあまねく存在するコンボデッキに対峙するときとても有用だからだ。

 そして、ジャンドは突然の衰微の枚数を減らしているためにコンボ達成はより容易となっているだろう。端的にいえばもしタルモゴイフのファンではないのならばSamのレシピを使えば楽に勝つことはできるだろう。

 しかし、そのレシピに対して僕は幽霊街や地盤の際といったカードの増量をお勧めする。というのもむかつきや御霊の復讐といったコンボデッキは全てを護るもの、母聖樹を採用しているため、それへの対抗策が必要となるだろうからだ。ともかく、Samのリストでも僕のリストでも、グランプリのような大きな大会においてはグリクシスのそれよりもいいデッキとなることだろう。

 これらの事柄を考えた上で僕のリストの細かいところをいじくることができるようになった。過去にもいったことではあるのだが、思った通りにプレイすることはできなかった。そのためToddにアイディアを求めることとなった。僕ら2人は過去にも双子の作成に力を注いでいたし、そのときから彼のチョイスは僕のプレイスタイルととてもあっているものであると確信している。

1枚積みカード問題:幽霊街と僻地の灯台を例として

 リストの変更について話す前に、モダンにおいて多く遭遇した問題について、述べていきたいと思う。デッキ構築におけるちょっとした決断が大きな差を生むだろうからね。

 多種のキャントリップをプレイすることによって、マッチに1回くらいは相手にブッ刺さるカードを引くことができるだろう。そう、例えば、幽霊街を採用さえしていれば、3ゲーム中に1回は引くことができるだろうし、それを引けるかどうかがトロンとのマッチアップにおいて大きな影響を与えるのは当然といってもいいだろう。

 また、僕がむかつきについて話していたのを覚えているよね?1枚積みの幽霊街によって僕は相手の母聖樹を破壊し、タルモゴイフが相手を削りきるまでの間、すべての呪文を打ち消すことに成功した。もしこれがなかったら簡単にゲームが終わってしまっていただろうね。

 でも、この考えをより深くしていくと、ある1つの疑問に行き当たる。どんなカードを1枚積みにしておけばいいのか、という問題だ。

 これは僕にとってはデッキ構築の一番難しいところだ。決断にいたるまでに、どんなマッチアップにおいてこの1枚挿しがどのように働くか、について考えられるシナリオを全て導きださなくてはならないことだろう。

 僕がメインデッキに幽霊街を採用したのにはそれ相応の理由がある。そして迷っていたのは僻地の灯台であった。この2枚の争いは僕が直面するであろうマッチアップにおいてより使い勝手がよい、ということで幽霊街が勝利をおさめた。

 第1ゲームというものは概してサイドボード後に比べて早いゲームとなる。従って僻地の灯台による恩恵よりかは幽霊街のそれの方が大きいと考えられる。例えば墨蛾やちらつき蛾の生息地を対処できるようになることで1点のライフを守ることができ、そのまま勝つこともできるだろう。

 サイドボード後にはゲームが長くなるためにルーターの灯台の方が圧倒的によいパフォーマンスをするために、サイドボードにこれを採用することになった。このような決断をするためには多くのデータが必要となる。何千とゲームをすることでデッキのもつシナリオを、そして相手が何をプレイするかについて把握する必要があるだろう。

 

ピン挿しの取り扱い方

 幸運なことにも、僕は既に数えきれないほどにモダンフォーマットでプレイしてきたために、適切なピン挿しによってメタゲームの推移にも容易に対処できるのである。

 そんな感じで、このデッキの最終形態が完成することとなった。できればもう1枚1マナで打てるカウンターが欲しかった。高速デッキとともにもったりしたデッキに対しても対処しやすくなるからである。これを含めて、4枚目の双子はデッキから抜けることとなった。双子を複数枚引いて負けてしまったゲームは多量にあると思う。3枚しか採用しないことによってこの負けをなくすことができる。もしかしたらこの変更によって高速デッキに対して若干不利になるかもしれないと思うかもしれないがそこはタルモゴイフによって十分に補えている。

 トロンや護符コンに対して2T目に緑の怪物を叩き付けることによって、その後のビッグプレイを全てカウンターし、対戦相手をゲームスピードから置いてきぼりにすることによって勝利への道は容易に見えてくるだろう。とある友達が双子3ツインを長い間使っていたが、彼曰く双子を引かずに負けた、ということはなく、引きすぎたせいで負けてしまったことは何度もある、とのことだった。

 2枚めの炙り焼きはメインデッキに四肢切断を採用するためにサイドボードへと移動することとなった。四肢切断を採用したのは幽霊街を採用したのと同じような理由だ。炙り焼きによって勝利できるのは炙り焼きが炙り焼きの仕事をした場合だけだ。できることならばタシグルに対してはインスタントタイミングで対応したい。そしてたかが4ライフ程度でテンポアドバンテージをとって勝ち負けの分水嶺から逃れられることは十分に価値あるものであろう。

 そして、サイドボードにおいて嵐の神、ケラノスやスラーグ牙を採用しようとすることに異議を唱える者はいないだろう。巨大なクリーチャーが闊歩する環境においてはそれらに対応できるようなカードが必要となるだろう。それは高原の狩りの達人では決してなし得ないことである。

 そして、バーンに対抗するためには5点のライフを得られるということはとても重要である。しかしながら、コラガンの命令のようなカードの増加によってスラーグ牙1枚では不十分だと感じるようになってきた。今後このデッキを使っていくうちに、2枚目のスラーグ牙を引きたい、と思えるようなゲームにたびたび遭遇することもあるだろう。また、スラーグ牙に双子をエンチャントすることもいいだろう。

 そうして出来上がったリストがこれだ。

 22 Lands

1 Breeding Pool/繁殖池
1 Forest/森
1 Ghost Quarter/幽霊街
1 Hinterland Harbor/内陸の湾港
3 Island/島
4 Misty Rainforest/霧深い雨林
1 Mountain/山
4 Scalding Tarn/沸騰する小湖
2 Steam Vents/蒸気孔
1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
3 Sulfur Falls/硫黄の滝

14 Creatures

3 Deceiver Exarch/詐欺師の総督
2 Pestermite/やっかい児 
4 Snapcaster Mage/瞬唱の魔導士
4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
1 Vendilion Clique/ヴェンディリオン三人衆

 

24 Spells

2 Cryptic Command/謎めいた命令
1 Dismember/四肢切断
1 Dispel/払拭
1 Electrolyze/電解
2 Gitaxian Probe/ギタクシア派の調査
4 Lightning Bolt/稲妻
4 Remand/差し戻し
1 Roast/炙り焼き
4 Serum Visions/血清の幻視
1 Spell Snare/呪文嵌め
3 Splinter Twin/欠片の双子

 

Sideboard 

2 Ancient Grudge/古えの遺恨
1 Counterflux/対抗変転
1 Dispel/払拭
1 Keranos, God of Storms/嵐の神、ケラノス
1 Nature's Claim/自然の要求
1 Negate/否認
2 Pyroclasm/紅蓮地獄
1 Roast/炙り焼き
1 Spellskite/呪文滑り
1 Desolate Lighthouse/僻地の灯台
1 Izzet Staticaster/イゼットの静電術師
2 Thragtusk/スラーグ牙

 

 このデッキをプレイすることができてとてもよかったと思ってるし、あえていうならば最後のトロール、スラーンを採用していたらよかった、というくらいである。どうしてもこのカードのために割く枠が思いつかなかったのだが、それはきっとケラノスだったのだろう。スラーンが必要となるマッチアップはそれほど多くないと思っていたし、実際双子やトリココンに対してはスラーンなしで勝ちきることはできるだろう。しかし、それではChapinのグリクシスに対応できないのだ。

 

サイドボーディング

 このデッキはピン挿しのカードが多量にあるために様々なマッチアップに対応でき、とても柔軟なサイドボーディングを行うことができる。様々なアプローチがあるだろうが、それら全ては基本的に正しいものである。対戦相手のデッキから考慮すべきカードが見えた場合にはちょっとその枚数をかえてみている。また、サイドボードは特定のメタゲームにあわせて構築してあるということを忘れてはならない。自分の考えと必要性にあわせてデッキの中身は変わっていくことだろう。そういうわけで完全なサイドボードプランを教えることはできないのだが、何をサイドアウトし、何を残しておくべきか、についてアドバイスはしようと思う。

ジャンド/アブザン

 これらのデッキにあたったときにはおおよそ同じような動きとなってしまう。この2つのうちであたるとすればジャンドの方が多少いいだろう。というのも未練ある魂を採用できないことによってこちらがわの攻撃をシャットアウトすることが難しくなるためだ、そしてまたマナベースがタイトになるために稲妻で相手を焼き切ることも容易になると考えられる。

 1ゲーム目においては時たまコンボのチャンスをみつけたり、タルモゴイフによってゲームを掌握される前に殴りきることができるだろう。サイドボード後においてはこちらの脅威に対しての解答をトップデッキしなくてはならないこともあるほどの消耗戦が行われることとなる。

 これらの理由よりこちら側は魅力ある脅威と確固たる解答でデッキをいっぱいにしたい。デッキからほとんどのコンボパーツは取り除かれ、せいぜい双子1枚とやっかい児2枚程度が残ることとなるだろう。また後攻ならば差し戻しの枚数の数を減らし、スラーグ牙やケラノス、炙り焼きやイゼットの静電術師、(未練ある魂用の)否認や僻地の灯台をデッキにいれることになるだろう。

親和

 親和に負けたことは片手で数えられるくらいしかないのだが、このデッキに対峙するときは少しびくびくしながらデッキを操っているのが大半である。というのも手札が悪ければ一瞬のうちに葬り去られてしまうからだ。1ゲーム目はつらくはあるが勝てる試合ではあり、サイドボード後は多少楽にこそなれど楽々というほどではない。いゼットの静電術師や紅蓮地獄といったアーティファクト除去や、呪文滑りが採用されることだろう。

 このマッチアップにおいて差し戻しは先手では2枚残すが後手では全て抜いてしまう。また、払拭、炙り焼きとともに、コンボパーツのうち3〜5枚もサイドボード後にはコンボを決めづらくなってしまうために抜いてしまう。タルモゴイフがこのマッチアップではクロックとして、そして大量のクリーチャーに対峙する壁として大活躍してくれることだろう。

 親和側のカードの大半に対処することはできるが、刻まれた勇者の対処に気を病むことにはなるだろう。片手で数えられる負けもこの勇者が頭蓋を囲われていたことによるものが大半である。手札が足りなくなる恐れがあるというのならばケラノスを入れることも悪くはないだろう。

バーン

 バーンは直面するだろう面倒なマッチアップの一つである。悪いマッチアップでことないのだが、フェッチランドの使い方やスペルを使うタイミングについてとても正確性が求められるものとなる。そこで少しミスをしてしまえばつけ込まれて負けてしまうこととなるだろう。このマッチアップにおける勝利は2T目のタルモゴイフの着地によってなされることが多い。コンボによって1ゲーム目を勝利することもあるだろう。

 きっとこのマッチアップにおいて否認、スラーグ牙、呪文滑り、払拭がサイドインされ、差し戻しやコンボパーツが数を減らすこととなるだろう。しかし、スラーグ牙は諸刃の剣であることを忘れてはならない。

 スラーグ牙をプレイしていいのは対戦相手が頭蓋割りやアタルカの命令のようなライフゲインを禁じるカードをもっていないと確信できているとき、もしくはさもなくば死んでしまうときである。このような危険を回避することによってスラーグ牙は相手が自分を焼き切る前に相手を殺しきるだけのカードパワーを与えてくれることであろう。

護符コン

 護符コンもまた面倒なマッチアップなのだが、これは悪いマッチアップだからというわけではない。相手のデッキの動きを知らねばならない、という点において面倒なのだ。緑タイタンによってどのような土地が場にでてくるか、どうすれば相手の戦略を籠絡できるかについて、きちんとした知識が必要なのである。他のコンボデッキについても同様のことがいえるのだが、早いターンでのタルモゴイフの着地によってこのマッチアップの勝利に向けた長い道のりを歩むことはできるが、時たま速攻もちの原始のタイタンによる攻撃を許してしまうようなこともあるだろう。しかしながら、これは場にいるタルモゴイフによって勝利しようとするためには絶対に負う必要のあるリスクなのである。

 もし原始のタイタンが場に出てしまったとしても、詐欺師の総督ややっかい児を用いたコントロールによって相手がコンボを決める前に自分がコンボを決めてしまうことはできるだろう。サイドボードにおいては稲妻や電解、炙り焼き、四肢切断をデッキから取り除き、代わりに自然の要求や呪文滑り、打ち消し呪文をサイドインしたうえで時たま古えの遺恨もその枠に加えることもある。

欠片の双子

 今や双子といえど大きく3つの種類が存在している。青赤双子、タルモ双子、そして昨今のカードプールの変化によって生まれたグリクシス双子だ。

 これら3つのデッキに対して、欠片の双子は正直ゴミレベルのカードであるために僕はコンボ要素はできる限り取り除いた上でクロックパーミッションとして動くようなデッキをつくることとなる。その結果、双方がほぼ全ての呪文をインスタントタイミングで唱えてくるために、よっぽど対戦相手が悪い状況でないかぎり、欠片の双子は場にでることはほぼなく、手札で死に札として残り続けることとなるだろう。

 また、ここでもピン挿しのカードたちが大活躍する、というのもこのマッチアップも消耗戦であり、また2:1交換など行われてはならないからだ。タルモゴイフはこのマッチアップにおいてすばらしい脅威となるだろうし、タルモゴイフを除去から守ることが最優先事項となる。

 青赤双子は2T目のタルモゴイフに対してなす術がないが、対グリクシスにおいては喉首狙いや終止といった確定除去が飛んでくるためにタルモを守りきるのは難しくなる。

グリクシスコントロール

 Patrick Chapinがこのデッキを用いて、グランプリの15回戦で僕をこてんぱんにして、3つ目の黒星を甘受せざるを得なくした。このマッチアップはとてもつらいもので、対峙したくなかったものであるうえ、このマッチアップへの対策は全くしていなかった。区営返しにはなるが、このようなマッチアップにおいてはコンボパーツを減らし、クロックパーミッションへと変貌する必要があるだろう。

 そして、このマッチアップは唯一僕が後攻でスタートしたいと思えるマッチアップであった。先に土地をおけることよりも、より多く手札をもっている方が重要であると判断したためだ。また、先にも言ったがこのリストはグリクシスコントロールを打ち負かすようにはできていない。10戦9敗の成績となる、といいたい訳ではないが、何かしら改善が必要となるだろう。

 GP Singaporeにおいて高橋優太がメタゲームにぴったりあったタルモツインを携えてベスト8に入賞していた*2。僕はそれをみて時を越えた探索が使えた頃に詐欺師の総督を唯一のコンボパーツとして用いていたことを思い出した。そしてそれはコラガンの命令が大流行している今においても言えることなのだろう、と思った訳だ。

 このリストにおいて特筆すべき点は多量の軽い打ち消しを用いてタルモゴイフをより守りやすくしようとするものだ。これによって謎めいた命令や相手の瞬唱に対して容易に対応できるようになる。高原の狩りの達人もこのリストにおいて採用されているが、これに対しては僕は疑念を抱いている。というのもタフネス2はコラガンの命令の餌食だし、たとえ4/4になったとしても相手の4/5を越えることはできないからだ。

 僕は今のところ完全な75枚を新たに作り出すことはできないが、この打ち消しが飛び交う環境下でこのアーキタイプを作るとするならば高橋のリストに近づけたものになるだろう。彼はギタクシア派の調査を使っておらず、土地を23枚にしていたが、僕だったら前の通りギタクシア派の調査を2枚採用した上で土地を22枚に減らすことだろう。

 

 この記事を読んで参考になってくれたらうれしいよ。

 それじゃ。 Patrick