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MtG訳記た。

モダンを中心とした(というよりはモダンの)海外記事翻訳保管庫

新たなマリガンルールが与える影響は?(The New Mulligan By Paulo Vitor Damo da Rosa)

ルール

より。

 

プロツアーで試験的に導入される、ということですがはてさて一般プレイヤーもこれに習うことになってしまうのかどうか……

(8/21追記)なりました。

『戦乱のゼンディカー』プレリリースからの新マリガン・ルール|マジック:ザ・ギャザリング

ーーーーー

 先週、WotC社が新たなマリガンルールを発表した。

 そのルールとは、以下の通りである。

マリガン後、マリガンをしたプレイヤーは占術1を行うことができる。

※血清の粉末を用いたマリガンは考慮しない

(編注:プロツアー『マジック・オリジン』からの変更点|マジック:ザ・ギャザリングにおいて日本語版の総合ルールの改訂が示されております。)

 僕はこのルーリングの変化をとても好ましいものだと思っている。多くのゲームが2枚目の土地を置けなかったことでマジックとして始まる前に終わってしまうことはとっても苛立たしいことだし、このルールは相互作用を感じさせつつ、ゲームの多様性を残した上でそのような悲しい自体をより少なくすることができるのではないか、と思っている。

 では今日は、このルール変更がマジックの戦略にどのように影響していくか、を分析していきたいと思う。

  この占術が可能になったルールによってゲームにならない、というゲームがすくなる、というところが鍵になると思う。マリガンによって起こりうる最大の問題はゲームにならないゲームになってしまう可能性が大きくなってしまうことだろう。ダブルマリガンなんてものは2枚のカードを失ってしまうということだけでなく、速攻を仕掛けにくくなってしまうという点においてとてもつらいものだ。2枚のカードアドバンテージ差なんてものは楽に覆して勝利することができるし、宝船の巡航を使われたゲームにおいても僕は何度も勝利してきた。しかしながらもしその2枚の抜け落ちのうち1枚が2枚目の土地だったら、そして2ターン後になってようやく「本来手札に持っているはず」のそのカードを引いてきたら、もしくは1枚落ちの手札だったとして、そのカードが3ターン目にようやく引けたとするのなら、勝つことは無理だろう。

 ワンマリガンすら、本来は恐るべきものなのだ、ダブルマリガンなどなお恐ろしいものだろう。このルールが適用されれば、その恐ろしさは多少なりとも軽減される、と思いたい。つまり

7枚の良質でない手札をマリガンしやすくなる

ということだ。

 これは考えるまでも無いことだ。7枚の手札でゲームを始められることが本来求められるものではあろうが、新ルール適用後の手札6枚は現行ルールの手札6枚よりよっぽどいいものとなる。このルールの変化によりマリガンに対して積極的になれるわけだ。ただ、やりすぎてはいけない。いくら占術があるからといっても手札6枚よりかは手札7枚のほうがいいのは変わらないのである。故に手札が完璧でないからとマリガンをすることを僕は推奨しない。

1枚キーカードが抜け落ちた6枚の手札をキープしやすくなる

こともこのルールの一種の恩恵といえるだろう。

 占術によって足りないパーツを探すことはたやすく成ることだろう。例えば、良質な5枚の呪文と1枚の土地を引いてきた時のことを考えてみよう。新ルールによって占術による土地探しが可能となり、マナスクリューが起きにくくなるわけだ。そしてその手札はとても良質なものとなる。僕は「後1枚土地があれば」とか「(感染のクリーチャーなどの)特定の1枚があれば」といったハンドが今までよりキープしやすくなると思っている。

6枚の良質でない手札をマリガンしやすくなる

 とも思っている。

 「おいおいPVさんよ、今さっき6枚の手札をキープしやすくなるって言ったばっかりじゃねえか」って?ああ、それはある程度、ってことだ。占術をできる、ということによって6枚の手札でも確かにキープしやすくなった。しかし、ダブルマリガンをしても占術をすることはできる。(ただ、勘違いしてもらいたくないのはダブルマリガンをしたからといって占術2を行えるわけでなく、あくまでマリガンをしたプレイヤーは占術1を行える、というだけである、ということだ。僕はこれは混乱の元となると思っている。)そして、その判断は6枚の手札がどのようなものか、によると思う。

 土地が1枚しかない場合について触れたが、6枚すべてが土地だった場合についても考えてみたいと思う。この手札は何も特別なものを求めようとしない。ただ単に、呪文を欲しているのだ。2枚落ちにするために占術を行う?4枚落ちになっても?5枚落ちになっても?

 この手札は質においては何ら問題はなく、ただ単に量が無い、ということだ。特別なカードは何一つ必要としておらず、単になんでもいいから多様性を欲しているということだ。その後の占術によって土地をボトムに送ることができたとしても、それっきりなのだ。この場合においてはダブルマリガンを選択することが新ルール適用下においてはベターな選択であると思っているし、マリガンを積極的にすべきだと思っている。

コンボデッキは1ゲーム目はより有利となるが、2ゲーム目以降はサイドボードを探しに行けるため不利となる

 コンボデッキにおける占術1というものはデッキ内部のカードパワーの差を理由として他のデッキにおけるそれより価値が高いものとなる(コンボデッキにおけるカードは勝ちをもたらしてくれるものともゲーム中ずっと手札に居座って何もしないだけの存在にもなりうるからだ)。サイドボード後においてはこのルールによってコンボデッキ側は今までよりも不利担ってしまうことだろう。というのも対戦相手が投入した特定のメタカードをより探しやすくなってしまうからだ。「よりよいカード」を持っているのは自分だけではない、対戦相手もしかり、ということだ。そしてそのカードというものは唯一の1枚というものである。このルールがどれほど衝撃的なものかを推し量ることはまだできないが、このルールの変化によって、マリガンをすることで特定のカードを探しやすくなるために、ぶっささるメタカードを採用しやすくなることだろう。

 簡単な例を出そう。対戦相手が詐欺師の総督と欠片の双子を探していて、自分がそのコンボをとめるための呪文滑りを探しているとしよう。対戦相手側はその両方が手札になかったからマリガンを選択した。6枚の手札の中に片方のパーツがあった場合に、更にマリガンをするだろうか。おそらくそれをすれば結局また両方が存在しない手札をキープすることになってしまうから、そのままキープするだろう。

 その時にこちら側が呪文滑りのいない7枚のハンドを持っていたとしよう。僕だったら現在の手札の内容に目もくれずマリガンをするだろう。ゲームにならないゲームはより少なくなっており、呪文滑りを探しに行く、という点において更にカードを見ることができるわけだ。手札が6枚になったとしても、目的のカードを見つけ出すことができるのならばそれを戦場に送り出すことができるわけだ。たとえ呪文滑りを含んだ手札にある土地が1枚だけであったとしてもそれはいいハンドであり、逆風となることは少なくなったわけだ。もし手札が十分に強かったとしても呪文滑りを探してダブルマリガンすることがあるだろうし、もしそれでも見つからなかったとしてもゲーム中盤にそれを見つけるための追加のドローステップを得られる、ということとなる。

 同様のことが石のような静寂や血染めの月、翻弄する魔道士、トーモッドの墓所などにいえることだろう。これらのカードはデッキに入っている他のカードより大概の場合重要であり、平凡な手札をキープするくらいならばマリガンしてそれらのカードを探しに行くほうが利口だと言える。そしてその場合においても占術1が獲得できるためにマリガンによるダメージはそれほど大きくないといえる。力線の場合は占術によって獲得することはできないが、力線の無い手札をマリガンしようとすることはできる。

このルール変更は後手番にとって好都合なものだ

 このルール変更の気づかない利点は、後手番がアドバンテージを得られる、というものだ。なぜなら、占術でトップにおいたカードを1T目からプレイすることができるからだ。これは1T目の行動をよりよいものにしてくれるだろうし、先手番が決して獲得することはできない恩恵である。

 例えば、マリガン後の占術がエルフの神秘家やタップイン土地だった時のことを考えてみよう。これは後手番で会った場合においては即プレイができるという点でとても良質なカードである一方、先手番においてはもはやそのカードをプレイできるタイミングは存在しないためむしろそのカードの価値は大きく下がってしまう。もちろんこれは現在すでに起こっているようなことではある(現行ルールにおいてもデッキトップがエルフの神秘家であることは先手番にとっては都合が悪く後手番にとっては都合がいい)が、このルールの変化によってこの差が悪化すると思っている。例えばベルチャーのようなデッキをつかっていて1ターンキルを狙っている時には先手番の場合この占術は何の意味もなさないが後手番においてはトップに乗せておいたカードを引くことができる。

 これは占術ランドと大きく関連のある問題となるだろう。マリガン後の先手番において1T目の占術は大方単なる無駄に過ぎない一方で後手番においては占術したカードを引いたあとで占術することになるためとても効率がいい。同様のことがフェッチランドにも言うことができ、ゲーム開始時の占術でトップにおいていたカードがフェッチによって崩されてしまう先手番よりもそれをケアする必要がない後手番のほうが有利となることだろう。

 しかしながら、これまで述べてきたこととは正反対に見えるかもしれないが、決して後手番を選ぶことを推奨するものではないことを言っておこう。あくまで僕がいいたいのはこのルール変更の後手番における恩恵が先手番のそれよりも大きいということだけである。また、もし秘密を掘り下げるものをもっているのならば話は逆転し、占術によって2T目の変身を達成しやすくなる先手番のほうが有利となることだろう。

より多くの可能性を持ったカードができた

 例えば先手番をとったときに、以下のような場面に立ち会ったとしよう。対戦相手がマリガンして、占術をし、トップにおいたままにした。それに対してこっちは島をおいて思考掃きを対戦相手を対象としてうった。それによって相手がトップにおいていた土地が落ちることになった。そのせいで対戦相手は土地を引くことができず呪文を唱えられず、gg。もしくはグリセルブランドをおっことしてしまって2T目で殺されてしまうこともあるかもしれないがね。

 絶対にしなければならない、というわけではないしそれによってよりよい結果が得られるとも限らない、単にその選択肢を取ることもできるということも覚えておいてほしい、というだけだ。同じようなことが思考囲いにも言える。新ルール適用後には相手がもしマリガン後占術トップを宣言したならば1T目の思考囲いはやめておいたほうがいいのかもしれない。もしかしたらそのデッキトップにおいてあるカードが対戦相手のキーカードかもしれないからだ。他にもこのルール変更によって新たな使い方を得ることとなったカードが存在すると思っているし、いつか見つけることとなるだろう。

 

 今回はここまでだ。僕の考察の正否にかかわらず、このルールで遊べることを楽しみにしてるよ。読んでくれてありがとう!